映画「大決戦!超ウルトラ8兄弟」注目のウルトラマンティガについて

映画「大決戦!超ウルトラ8兄弟」注目のウルトラマンティガについて

ウルトラマンメビウス・ボガールモンス怪獣画像
当サイトページ上のサムネイル画像を取得される場合は、リンクをお願いいたします。

ウルトラマンティガについて

 ウルトラマンティガは96年から放映された、平成ウルトラシリーズの第1作で、 それまで15年間途絶えていたウルトラマンのテレビシリーズの再開に相応しいものでした。 かつてのファンがスタッフになり、昭和のウルトラでの良いところを伸ばした作風で圧倒的な支持を得て、 平成にウルトラブームを再び巻き起こしました。

この流れを経て、平成に仮面ライダーも復活し、今や特撮ものは子供だけでなく、 大人も巻き込んだ大ブームとなっています。  そのティガ、ポイントとなる話をご紹介します。

 第3話「悪魔の預言」

脚本:小中千昭、監督:村石宏實、特技監督:神澤信一

第1・2話でのウルトラマンティガの活躍について、イルマ隊長(高木澪)はテレビに出て「人類の守護神」 と称賛するが、その時、女性キャスターが何者かに乗り移られて、「キリエル人に従え」とイルマに威嚇するのである。

さらに、都市のビル街が破壊されてしまう。そこに爆発物の痕跡はなかった。さらに、 預言者を名乗るキリエル人(高野浩幸)が現れ、キリエル人に従えと警告し、 K1地区を破壊してしまう。

イルマは、預言者の触ったところから指紋を割り出し、その人物「イタハシ・ミツオ」 の居場所であるマンションへ行くが、このイタハシという人物は3年前に死んでいた。 そのマンション、預言者が現れ、イルマ隊長を圧倒するが、ダイゴ(長野博)の救援により助けられる。

だが、キリエル人はこのマンションを破壊すると宣告、ダイゴはマンションの住民たちを避難させ、 さらに、ムナカタ(大滝明利)らはキリエル人の攻撃を防ぐ手段を装備したガッツウイングで出撃した。 そして、攻撃の時刻、ムナカタらの活躍でキリエル人の攻撃は阻止され、イルマを救うべくダイゴはティガに変身した。

だが、そこへ「この星の守護神になろうとは、おこがましいではないか」とキリエル人が叫び、 戦闘形態のキリエロイドになって攻撃してきた。戦うティガ(主題歌が戦闘テーマに流れる)、 キリエロイドに苦戦するティガだが、イルマの、 「私はあなたを信じている」の叫びに支えられ、スカイタイプになり、 キリエロイドを凍結させ、そしてマルチタイプに戻り、ゼペリオン光線(初使用)でキリエロイドを倒した。 しかし、キリエル人の挑戦はこれで終わったのではなかった…

○ティガを語るに欠かせない話で、第1・2話はオーソドックスな怪獣ものであったのが、 この3話は人類の前にいたかも知れないキリエル人との対決と言うテーマで、当時は異色作とも見られましたが、 この話が、結果的にティガの作品としての個性を決定付けるものとなりました。

キリエロイドは個性的なデザインで、昭和の名悪役、バルタン星人にも匹敵する存在感を持ち、 ティガならではの魅力的な怪獣です。この第3話、 もっと穏やかな話の予定が、初期のため、ハードな話を、ということで、 脚本の小中千昭さんが奮起して書いたもので、村石監督との共同作業でティガの個性を彩りました。 この二人による作風がその後の平成ウルトラでも定番となったことを考えると、この回の存在感は大変に置き鋳物です。

 また、この回で初めてCGが使用されることになりましたが、 ガッツウイングがミニチュアとCGの双方が使われており、神澤監督、 LDに入っていた特典映像で、CGとミニチュア、完璧に見分けられたら寿司をご馳走してあげると言っていたほどです。 が、最初見たときはかなり違和感があり、 これは昭和のマニアから文句が出るぞ、と感じ、実際、ファンからは批判も来て、 高野宏一監督も改善の余地ありとコメントしていました。この点は、続編で改良されます。 しかし、今や、平成ウルトラでCGも定番となり、逆に昭和ウルトラの、操演などを見ると不思議に思ってしまうものです。

第25話 「悪魔の審判」

脚本:小中千昭、監督・特技監督:村石宏實

 人々は、天使を信じていた。イルマ隊長の息子、トモキを育てている義母(風見章子)もその一人である、 だが、トモキは、祖母がおかしいとイルマに言ってくるのである。この背後には、逆襲を企むキリエル人の野望があった。

キリエル人を天使と思い込ませて、逆にティガを悪魔に仕立てて、葬り去ろうと言うものである。 そのキリエル人の策謀は成功し、これを阻止選としたダイゴだが、しかし、キリエル人の片割れ、女性である巫女に、 ダイゴは徹底的にやられてしまう。そして空に地獄の門が現れる。

実は、キリエル人はここから総攻撃を行う期なのだが、人々はここから天使が出てくると信じていたのだ! 人々はティガを悪魔と信じてしまった!で、ボロボロになりながらも、ダイゴはレナに、 今度デートしようと言って別れ、ティガに変身し、地獄の門を破壊しようとした。

だが、天使を信じ、ティガを悪魔と人々が思っていると、ティガは力を発揮できない。そして、 キリエル人が二人合体し、より凶悪なキリエロイドUに変身した。 かつてよりおぞましい形態になったキリエロイドU、ティガはこれを倒すべく、パワータイプにチェンジするが、 キリエロイドUは何と、筋肉の盛り上がった格闘形態になり、ティガを闇の中ではパワーでも圧倒する。

ならばと、ティガは地獄の門へ飛ぼうとスカイタイプになると、キリエロイドは翼の生えた飛行形態になり、 ティガよりも速く飛び、何とティガを撃ち落したのである。 ティガは闇の中で消えそうになってしまった!それを見たイルマは、人々に、ティガこそ救世主であり、 ティガに光を、と叫んだ。

これで、人々はキリエル人の洗脳が解けて、たくさんの人々が光を持ち寄ってくる、 トモキはコンピューターを操作して、ティガを救うべく、回りのビルを光で満たす(ここに、 主題歌のスローアレンジ曲が絶妙にかかる)。光を得て、ティガは蘇った。そして、キリエロイドUとの決戦だ! (BGM、光を継ぐものの闘争がかかる)、光の中、キリエロイドUをティガは圧倒し、地獄の門もろとも、 ゼペリオン光線で撃破した。勝利したティガは人々にサム・アップして、そして去って行った。 勝利の後、イルマはトモキの元を訪れ、ティガを助けてくれたことを感謝した。

○この話は、ティガの中盤での傑作であり、第3話で提示されたテーマを完結させた名作です。 この話のポイントは光であり、光がウルトラマンの力、闇があくであり、 その中、闇に潰されそうになったティガを、人々が光を持ち寄って助けるシーンは感動的で、 最初の放送を見て、多くのファンがこの名シーンに涙し、僕も涙を流して観ていました。

笈田プロデューサーは、ここを、ライヴステージの熱狂を表現したものと語っています。 平成のウルトラマンは「光」というテーマを持ち、それが最高に集約されたものです。

 また、この回は特撮も素晴らしく、中でもキリエロイドUが変形するシーン、 CGだからこそ出来たもので、これを見て初めて、CGってすごいと思いました。 反面、飛行シーンはミニチュアを吊って表現し、こちらはアナログ技術の粋を極め、 言わば、円谷英二監督の作品に理想的なCGを使用したものになっています。 村石監督、ここでは特技監督も兼任して、見事な演出です。この回は、平成ウルトラの極めた頂点の一つです。

第44話 影を継ぐもの

脚本:小中千昭、監督・特技監督:村石宏實

   前編である第43話、地の鮫は、ウルトラマンの光を解析した科学者、マサキ・ケイゴが、 ロボット怪獣ゲオザークを駆使してティガをおびき寄せ、 対決させてダイゴを消耗させ、弱ったところで襲い掛かり、変身アイテム、スパークレンスを奪った。 さらに、TPCの科学者、タンゴ博士もTPCを裏切り、マサキ・ケイゴに協力してしまう。 そんな中、ダイゴは不思議な犬に導かれて洞窟へ入ると、そこに巨人の石像があった。

 そこで、マサキ・ケイゴは、自分もダイゴと同じく光を継ぐ遺伝子を持っていると語り、 つまり、マサキ・ケイゴもウルトラマンになれるのである。 自分で解析した光遺伝子コンバーターにより、ダイゴから奪ったスパークレンスを用いて、 マサキ・ケイゴもウルトラマンになった。

スパークレンスはシールドの中にあり、ダイゴは手が出せない。 ワーグナーのタンホイザー序曲の流れる中、マサキ・ケイゴは別の巨人として光臨した。 だが、マサキ・ケイゴの変身したものは、自らの邪悪な意図が暴走し、 地球を守るものではなく、悪の巨人、イーヴィルティガとなって、 暴れだしたのである!だが、 ダイゴはスパークレンスを奪い返そうとして、シールドで傷ついてしまう。

イーヴィルティガは暴走し、町を破壊し、悪のウルトラマンと成り果てた。ダイゴは、一緒にいた犬に語りかけると、 その犬は一緒にあった怪獣の石像と一体となり、こま犬怪獣ガーディーとなってイーヴィルティガを止めようとするが、 イーヴィルティガに圧倒されてしまい、傷ついた。

 ダイゴを探しに、イルマ隊長が現れる。だが、ダイゴは、自分にはやるべきことがあると、 イルマとともに戻るの拒否し、一人、スパークレンス奪回に死力を尽くす。 そして何とか奪回し、ティガに変身した。 ティガはイーヴィルティガを止めるべく現れたが、イーヴィルティガは、 ティガの目の前でガーディーに止めを刺したの!怒りに燃えたティガとイーヴィルティガの決戦である。

サワイ総監は超人同士の争いと言ったが、イルマは、人間の心が引き起こした闘い、必ず勝って、 ウルトラマンティガ!と言った。光線の打ち合い、空中での激突、わずかな差がティガに勝利をもたらし、 ゼペリオン光線でティガはイーヴィルティガを倒した。 マサキ・ケイゴも、タンゴ博士もTPCに収容された。 仲間の下へ戻ってくるダイゴ、そして、さっき一緒にいた犬は、健在であった。

○この話は終盤のクライマックスで、それまでのニセウルトラマンが宇宙人の変身か、 ロボットだったのに対して、悪の側のウルトラマンという設定を持ち出し、 その上に、ティガのメインテーマ、光、正義、そういう要素を見せたものです。

この前後編は熊本でのロケで、ウルトラマンランドのあるところでのロケでした。さらに、本来なら、 敵側のキャラクターである怪獣が、ウルトラマンの暴走を止めるために活躍するという発想や、 そもそもウルトラマンになる条件は、など、平成ウルトラのテーマが集約したものです。

この回も小中脚本、村石演出の最高潮で、ティガとイーヴィルティガ( evil tiga、邪悪なティガ)の対決はすばらしい演出であり、脚本、本編演出、特撮の全てが最高水準にある名作です。

最終回 輝けるものたちへ

脚本:小中千昭、長谷川圭一、右田昌万、監督:村石宏實、特技監督:神澤信一

 最終回は3部作、第50話「もっと高く!」はレナがダイゴの正体を悟る重要な話で、 超古代の悪が総攻撃を行い、尖兵怪獣ゾイガーを送り出し攻撃を展開、 第51話「暗黒の支配者」では、TPC本部に闇が迫り、隊員たちはアートデッセイ号で脱出した。

そして、邪神、ガタノゾーアが出現、ダイゴはこれを倒すべく変身する、 「人として必ず勝って、ウルトラマンティガ」というイルマの叫びを受けて。 しかし、闇の中では圧倒的な力を誇るガタノゾーアにはティガの必殺技も通じず、逆に光線の攻撃を受けて、 ティガは石像に戻ってしまい、海中に没した…

 そのティガを救う方法はないか…マキシマ・オーヴァードライヴの発明者、 ヤオ博士は、マキシマの力でティガを蘇らせられないかと考える。 そのために、かつてティガの光を解析した、マサキ・ケイゴの力を必要としていた。 そこへ、月の基地からハヤテ隊長(京本政樹)がやってくる。

そのハヤテを、第39話でダイゴと遭遇した超能力者、キリノ・マキオが誘導し、 ハヤテはマサキ・ケイゴをつれてアートデッセイにやってきた。

マキシマのエネルギーを用いてティガを復活させる作戦の開始である。海に沈んだティガの石像に、 ドルファーにいるホリイ、 シンジョウのふたりを使ってマサキ・ケイゴの乗るマキシマのユニットをティガに照射させるのた。 ガタノゾーアはゾイガーを使って妨害するが、イルマとハヤテの共同作戦でゾイガーを倒す。 そして、共同作戦は、ティガの光を復活させるべく進められたが、ガタノゾーアの妨害で、 復活作戦は失敗に終わったかと思われた。

だが、全世界の子供たちはあきらめていなかった!子供たちが立ち上がり、手にしたティガの人形と共に光となり、 ティガの元へ降り注いだ!(主題歌のリミックス版が見事に流れる!)この光を受けて、 ティガは蘇った、光の化身、グリッターティガとなって!全世界の子供たちと共にティガは戦い、 ガタノゾーアを圧倒し、グリッター・ゼペリオン光線と、光の攻撃でガタノゾーアを倒し、世界は救われた。

 サワイ総監はマサキ・ケイゴを迎え入れ、全人類の勝利と絶賛した。ダイゴは、 レナの元へ戻ってきた。 スパークレンスは灰となり消えた、もうティガにはなれない、 しかし、人間は、自分の意思で光になれるとダイゴは語った…

○この最終回は初めて見た時の感動を昨日のように覚えています。光をテーマにした総決算で、 最後、ティガの救出方法に賛否両論もあったものの、 こんな素晴らしいクライマックスを平成の世に見られるとは思いもせず、ひたすら感動しました。 この成功が、ウルトラマンの復活、特撮の興隆に結びつきました。  素晴らしい作品ですが、もう始まって12年になり、古典ともなっています。この名作、今でも輝いています。

メビウスベルトTOP▲