ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラセブン40周年企画第1話姿なき挑戦者マニア考察】

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ウルトラセブン第1話「姿なき挑戦者」

脚本:金城哲夫、監督:円谷一、特殊技術:高野宏一

マニアライター 棺桶のジョー

「地球は狙われている…宇宙に漂う幾千の星から…今、侵略の、恐るべき、魔の手が…」

工事現場で、突然人が消える事件が発生した。これは宇宙人の仕業ではないかと、 地球防衛軍、ウルトラ警備隊に事件解明への指令が下る。富士山麓に基地を持つ地球防衛軍は、 300名の隊員からなる組織であり、その最精鋭がウルトラ警備隊だ。

 事件の調査に、フルハシと、ソガが特捜車・ポインターで出動する。と、 謎の青年が現れて、ここから先へ行ってはいけないと警告するが、フルハシとソガは取り合わない。 が、ポインターは動かなくなる。 謎の青年が車に乗っていたのだ。

名前と聞かれて、青年は「そう、モロボシ・ダンとでも言っておきましょう」と答えた。 と、パトカーが来て、行くと危ないと言うダンの警告を無視して走ると、謎の光線に包まれて、 パトカーは消えてしまった!何がいるのかと驚くフルハシとソガ、しかし、ダンの目には、円盤が見えていた。 その見えない円盤は攻撃を仕掛けてきて、ポインターはバリアーを張って守り、ダンに運転され、 何とか基地へたどり着いた。

 しかし、京浜工業地帯が、正体不明の相手に攻撃されていた。敵はクール星人、 地球を攻撃にしに来て、人々を実験のため連れ去っていたのである。 手も足も出ない地球防衛軍、しかし、ダンは、この見えない円盤を、 特殊噴霧装置で着色して見えるように出来ると言う。かくして特殊噴霧装置が完成し、 ウルトラホーク1号に搭載し、ダンも特別隊員として加わり、出撃した。見えない円盤に、 特殊噴霧装置で色をつけて、見えるようにした。

さらに、ホーク1号はα、β、γ号の3機に分離して円盤と戦うが、逆襲に合い不時着する。 と、ダンは円盤に向かっていく。円盤は小型の円盤を繰り出してくるが、 これに対してダンはカプセル怪獣・ウインダムを出して偵察に向かわせる。

ウインダムは額から弱い光線を出して小型円盤を威嚇するものの、逆に攻撃を受けて窮地に陥る。 ダンはウインダムを回収し、自らウルトラ・アイを着眼してセブンに変身した。 そして、等身大のままクール星人の円盤に突入する。そこには、とらわれた人たちがいた。

エメリウム光線(胸に手を当てるB型)を撃つと、クール星人が現れるが、セブンはアイスラッガーを放ち、 クール星人を真っ二つにして倒す。 そして、捕らわれた人々を解放した後巨大化し、円盤を宇宙へ運び、エメリウム光線 (額に指を当てるA型)により破壊した。

 事件は解決した。そして、ダンは正式なウルトラ警備隊の隊員となり、地球のため戦うこととなった。

マニア解説

(1) 最初のナレーション、「地球は狙われている…」は、セブンの台本の冒頭に毎回書かれているものです。 ただ、台本にあるものと、ナレーションは微妙に違います。 台本のものは「侵略の魔の手が、伸びようしているのだ」でした。

(2) ウルトラマンの科学特捜隊と異なるウルトラ警備隊、「地球防衛軍」という組織、これは、 過去に私の属していたファンジンの考察で、科特隊は警察の仲間であり、対して、ウルトラ警備隊、 地球防衛軍は軍隊に分類される、というものがありました。

この地球防衛軍のルーツは、セブンの10年前に制作された、その名も「地球防衛軍」という映画(1957年)で、 本多猪四郎監督、円谷英二特技監督の名作であり、ミステリアンの地球侵略と闘うもので、 翌年に制作された「宇宙大戦争」ともども、スターウォーズを何と20年先取りしていたのです。

20数年前、大阪の上映会で観てビックリしました。日本の特撮SFは、ハリウッドを大きくリードしていたのです。 これに基づくものです。

(3) ダンの初登場、ウルトラマンのハヤタが最初から科特隊の隊員だったのに対して、 ダンの出現はウルトラの中でも特異なのです。ちなみに、ダンが円盤を透視するシーン、目に星が光りますが、 当初は第2話(制作では先になります)の、目が光るものがあったものの、 これだと不気味とのクレームが付いてこの形に変更になりました。セブンのストーリーブックに記述がありました。

(4) クール星人の透明円盤は、周りと同じ色にして擬態するもので、言わばカメレオンと同じ理屈であり、 帰マンのゴルバコスも同じ、このタイプを見破るには、色を付けるのが定石です。

(脱線)そのカメレオンですが、落語家の桂ざこば師匠、かつては動物いじめと言うネタを持っていて、 「カメレオンをいじめるには、カラーテレビの前に置く」というギャグをやっていました。 もう、30何年前の話です(笑)。

(5) ホーク1号の分離シーンは有名ですが、この時期の合体メカは当初合体して登場し、 いざと言う時に分離するものが主流でした。このルーツは前に放映されていたキャプテン・ウルトラのシュピーゲル号です。

この時期の合体は、それほどおもちゃとしての再現性を考えていたわけではありませんが、容易に再現できるもので、 放映時からプラモデルなどで出ています。最近は、ウルトラ超兵器の食玩で出ました。

(6) カプセル怪獣、ウインダムと言うと、最近のファンにはメビウスに出たマケット怪獣を想起させますが、 このカプセル怪獣、当初はウルトラマンの人気怪獣を再登場させる予定だったそうです。

で、第1話に出たウインダムは、劇中で3回使用されており、全て偵察が任務です。 ミクラスやアギラが、変身できないときの代打?役です。ちなみにウインダムはメタル星の出身だそうです?

(7) ウルトラシリーズは数あれど、最初の変身にて、等身大で出たのはセブンが今のところ唯一です。 これは、ウルトラマンとの差別化の意図があった模様で、第1話にて等身大、巨大化と見せることにより、 両方の姿を印象付けるものになりました。

この、セブン登場のシーンに、主題歌アレンジの音楽(最新のCDだとM7−2という曲)が使われますが、 若干テンポが遅いので、追加録音の曲にテンポを速めたものが作られています。 この曲(M7−3)はメトロンとのバトルで初登場、こちらが圧倒的に多く使われています。

(8) また、劇中のクライマックスで主題歌がかかりますが、この主題歌には2つあります。 番組のオープニングで使われたのは、2番がヒーローセブン、3番がエースだセブンで、 中間部の歌唱が男性コーラスのみ、これをAとすると、もうひとつは2番がエースだセブン、 3番がヒーローセブンで、全体を男性コーラスと児童合唱が歌うもので、 これをBとしていますが、劇中で使用されたのは、最終回のラストシーンがAのみで後は全てBです。

番組放映当初、商品化されたのも大半がBだったそうですが、最近のCDではAが収録されることが多いのです。 最新のウルトラセブンCD(3枚組みのBGMもの)には両方ありました。

(9) なお、ウルトラセブンの名前の由来は、ウルトラ警備隊が6人で、 それに加わるべき7人目の隊員という意味であり、桑田次郎版のコミックでは、 この命名場面があるのですが、テレビ作品にはありません。 あっても、編集時にカットされたのかも知れません(台本にはあったということです)。

また、ダンがどうしてウルトラ警備隊の隊員に簡単になれたのか、 これは昔から謎です。もっとも、こういうことにいちいち突っ込んでいたら、ヒーローものは成り立ちません(?) というも… と言うことで、セブンは全話諳んじていて、今後随時説明します。

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