ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラマンソノシートと時代考察】

ウルトラマンソノシートと時代考察

ファンがウルトラマンの歴代を語るについて登場するアイテムの一つにソノシートがあります。 調べられたものに 昭和42年6月26日発行 朝日新聞社 (株)朝日ソノラマから「ウルトラマン」のソノシートが出ていました。 以下当時の様子また、調査できたソノシートについてのファンによる報告と考察です。

このソノシートの中には「ウルトラマンの歌」などが挿入されています。 ウルトラマンの歌を作詞された、「東 京一」は円谷英二氏の長男、円谷一氏のペンネームです。 東 京一の名前で『ウルトラQ』から『ウルトラマンA』まで、作品で使用される歌の作詞をされています。 残念ながら、『ウルトラマンA』を放送中の1973年に39歳の若さでお亡くなりになりました。

そしてなにより驚いたことに当時のソノシートに同封されていたものに怪獣解剖図がついていることです。 アントラーやレッドキングが恐竜図鑑のように骨格とか筋肉等を描いた解剖図がつけられているのです。 原画は、成田 亨氏の作画です。

成田氏は、ウルトラ怪獣のデザインをするに当たって、三つの規範を定めていました。

 

この三つの規範を守って怪獣をデザインすることは、ほとんど不可能に近いことでした。メソポタミア以来、人類が考えた怪獣は多かれ少なかれ、この要素をもっていたのです。 しかし、どんな困難に遭っても健全な子供番組を作るためには、この三原則だけは守ろうと思いました。

昭和40年代に子供であった我々の世代の精神形成に、 重大な影響を及ぼしたのは、実は成田氏の怪獣のデザインではなかったかのではないでしょうか...。

また、竹書房 『ウルトラマン ベストブック』1993年9月5日 初版第1刷発行(手持ちは2001年第2刷り) 26ページに、【フォノシートPHONO-SHEET BOOKS】が、カラーで紹介されています。

ケースは「ウルトラQ」と「ウルトラマン」の各話の怪獣含む1シーンで、25冊…枚ほど、 シートは赤いものと、一回り大きな青いシートの写真です。

【ソノシート】とは、朝日ソノラマの商標で、【フォノシート】が正しい、と。 ヤ○ハエレクトーン、みたいな感じですか(笑)。

また、87ページには、成田 亨さんのイラストの付いた、 『多々良島救出作戦』に関する記事が載っています。 島を等高線表示した地図に科特隊のメンバーの行動進路。ドラマ仕立て。

ソノシートの内容については、 ウルトラQでは、ゴメス対ナメゴンだったか、万城目(佐原健二さん、ネクサスの東郷役の人) が怪獣同士のバトルを実況するのですが、両者相打ちで、 最後に「核競争に明け暮れる人類もこうなるのか」的なセリフがあり、円谷流の文明風刺にニヤリとしました。 セブンでは、セブンとエレキングだったか、バトルを野次馬が実況するドラマだったと記憶しています。

ソノシートや昔の特撮もののレコードは、 主題歌と併せてオリジナルの新録音ドラマが収録されていることが多く、楽しませてくれました。 ウルトラマンの場合、ドラマは「複数の怪獣vsウルトラマン」という内容が定番でした。

ウルトラマンが幾体もの怪獣(数十体のこともあり)を次々と薙ぎ倒すサービス満点の音だけドラマに、 当時の子どもたちは興奮させられたものでした。 ドラマのタイトルは「なぐり込みバルタン連合軍」「怪獣ランドたんけん」なんて感じです。面白そうでしょ?

こういったドラマレコードは、ビデオのなかった時代、 子どもたちの飢えを癒し、次の放送までの間を繋いでくれる重要なアイテムだったんです。 これらのレコード収録のドラマのうち、いくつかはCDとして復刻されていて、今でも聴くことができます。

そのうちのひとつ「なぐり込みバルタン連合軍」ではウルトラマンが幻の必殺技 「シルバーヨード(口から吐く怪光線!)」を披露します。 また「大怪獣戦」というドラマは、 ハヤタがフラッシュビームを基地に忘れてしまい、 それをフジ隊員とピグモンがハヤタに届けに行くという凄い展開なんですよー。

でも、こんなおおらかさがレコードドラマの魅力のひとつなんですよね 。 未知のストーリーに興奮したりしてたのも懐かしい思い出です。 ビバ!ソノシート!!

ウルトラマン画像 ソノシート画像

コダマプレス社の「コダマ怪獣がいっぱい特集号・ウルトラマン決死の対決」。 発行は昭和41年7月らしいです。 フォノシートには「ウルトラマンの歌」「特捜隊の歌」とドラマを収録。ドラマ は上原正三氏の脚本で、ベムラー、ネロンガ、チャンドラーの三大怪獣が登場し ます。科特隊のメンバーは俳優さん本人による声の出演です。 レコードジャケットには、シートのドラマに添った挿絵(画/石原豪人氏)が描か れています。

怪獣画像 シングルレコード画像

こちらの画像は、フォノシートではなくシングルレコードです。メーカーは「エルムレコ ード」。

収録されているのは「ウルトラマンの歌」「特捜隊の歌」「ウルトラセブンの歌 」「大怪獣の歌」そしてドラマ「怪獣ランドたんけん」です。このドラマは、小林昭二さんがムラマツキャップ役として出演され ていて、内容的にも大変面白いです。怪獣島・多々良島をムラマツキャップとと もに探検。次々と襲い来る怪獣たち!一行の危機に颯爽とウルトラマン登場!… と、なかなか盛り上がります!

ジャケットや中の挿絵はレコードのドラマ とは連動してません。 カラー挿絵には、ウルトラマンと怪獣の戦う場面や怪獣同士の戦いが迫力満点に 描かれています。白黒ページの怪獣のペン画も渋い感じです。

レコード収録のドラマは、 金城哲夫氏ほか当時のウルトラマンの脚本家が書き下ろした由緒あるストーリーであることも多く、 内容的にも楽しめるものでした。

また、しばしばテレビの俳優さんが声の出演をされていたため、 正当なサイドストーリーとしての説得力があったんですよね。 「怪獣ランドたんけん」は、科特隊のムラマツキャップ(小林昭二さん)が声の出演で、 ビートル機で多々良島(レッドキングほかが住む怪獣島)を案内してくれるというものでした。

ソノシートドラマの魅力に「語りかけ」っていうのがあります。 映像がなく音だけでドラマを描かねばならないため、ソノシートドラマにはいろいろ工夫が凝らされていたました。 この「語りかけ」も、我々をソノシートドラマの世界に引き込む方法のひとつとして、よく用いられていたと思います。

前述の「怪獣ランドたんけん」では、ムラマツキャップが僕達に「君達を多々良島に案内しよう」「大丈夫だったかい?うん、それでこそ君達もホシノくんのような立派な隊員になれるんだ!」なんて感じで語りかけてくれます。これなどは子供にとって凄く嬉しい語りかけでした。 また、日頃「○○ちゃん」とか「お前」と、呼び掛けられている子供にとって、ムラマツキャップの「君達」という呼び掛け方は、 ちょっと嬉しくも、こそばゆい感覚のものでありました。

小林昭二さんの事ですから、きっと真面目で熱く演じてくださったのでしょうね。 「君達」「諸君達」もうこれだけで隊員予備軍気分ですよね。 ただ、当時私が「ホシノくんのような」を聞いていたら、 逆に「ホシノくんはやだ!」と言っていたような気がします (私の周囲だけかもしれませんが、当時ホシノくんを含めヒーローと親しいチビっ子は嫌われていました。 嫉妬ですね。ただ、V3も含めジロちゃん(川口英樹さん)だけは嫌われていなかったですね。 自然体なのと人柄だったのかな?)

ソノシートの挿画がまた、独特の「味」があるものが多くて、いいんですよね。 ソノシートのドラマの内容に合わせて描き下ろされた迫力のイラスト…。 巨匠・高荷氏や前村氏の巧みな画は、怪獣を迫力満点に描いていました。

また、中にはイマイチ洗練されてない、 芝居小屋か見世物小屋の看板絵のようなタッチの挿画もあり、これはこれで楽しい味わいがあります。 ともあれ、ソノシートには、現在の映像付きソフトや完成された編集の出版物が持っていない「何か」があったと思います。

ソノシートのよくあるパターンとしては(特にウルトラは多い)

チビっ子が望むものを強引にでも盛り込みまくりなのが嬉しいですよね。 またソノシートでは主題歌の2番以降等も入っているケースが多いので(挿入歌等も)、その点も嬉しい要素でしたよね。

また、円谷(ウルトラ)のソノシートは、(当時で言うところの)当たりが多いですよね。 いわゆる配役と同じ役者さんの声(2、3人出演)が多かったですし、挿入BGM満載ですね。 特にセブン物は良い作品が多い気がします。浦野さんのナレーションが素晴らしい。 これを聞くだけでも価値ありますよね。

(初期ウルトラが当たり多いといった方がいいかもしれません。 余談ですがズバット等には・・・1人も出演されていないものもあります。 このような別人物は語りかけられても当時のチビっ子はそっぽ向いていましたよね。 東映系は当たりハズレが大きいです。 仮面ライダーXの一部には役者はおろか歌さえも、、、1人もいないじゃん!があります。) 当時は、両親が適当に買ってきてくれたので当たりハズレがありしたよね。 いわゆるハズレ=>役者さんが違う。あやしい絵 の物は隅っこにおいやり、両親に怒っていた記憶があります。 当時はソノシート、カセットテープ等には・・・いわゆるパチものも数多くありましたねえ。歌さえも違う方が歌っている・・・と。むろん図柄もいい加減と。チラっと値段を見てみたのですが、比較するとやはり激安でした(笑)


当時といえばクラビジョンもハイビジョン・・どころか1966年(昭和41年)にカラーテレビ全国放送網が成立したご時世、 人間の血がブランカンを通して赤に見える(黒の方がおかしいだろう)ことに驚愕・歓喜した時代である。

赤いぺらべらのドーナツレコードは、針を落とせば瞬時にして子供達を夢の冒険の世界に連れて行った。 耳を傾け、時に目を閉じて・・・。そしてあれから40年・・・今あるCDやMDは、時をどのように刻んでいくのだろうか。

ソノシート画像 ソノシート画像

昭和41年10月発行の「怪獣大図鑑」です。発行は朝日ソノラマ。 「ウルトラマン」のほか、「ゴジラ」等の東宝怪獣、「ガメラ」や妖怪も載って います。 各ページは厚手の紙でミシン目が入っており、切り取ってカードとして遊べるよ うになっています。 付属ソノシートの収録ドラマは「なぐり込みバルタン連合軍」「ゴジラは王様」 「死闘!ガメラ対バルゴン」の三本。いずれも金城哲夫による脚本です。

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