ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラシリーズ40年の歴史ウルトラマンティガ〜ダイナ】

ウルトラマン生誕40周年記念企画・ウルトラシリーズの世界観

ウルトラシリーズ40年の歴史ウルトラマンティガ〜ダイナ

<ウルトラマンティガの世界観>

96年9月、ウルトラマンはテレビ画面に蘇った。実に、ウルトラマン80以来15年半の空白を経て、ウルトラマン生誕30周年の年に復活した。それがウルトラマンティガである。 このティガをはじめとする、いわゆる平成ウルトラには、80までの昭和シリーズとは異なる設定が用意された。

さらに、ティガでは、(1)主人公にアイドルグループの人間を配すること、(2)シリーズ初の、女性隊長、女性のエースパイロットを擁するなど、新機軸も用意された。 これらの要素は、試行錯誤もあったものの、視聴者に幅広い支持を得た。それも、ウルトラマン創生期の視聴者が親となり、その子供たちと、二世代、場合によっては三世代を支持者に得ることができた。

ティガの作品は、当初、初代ウルトラマンを思わせる、柔らかい作品を目指した中で、バラエティに富んだ作品作り〜正当派怪獣もの、侵略SFもの、メルヘンもの、などの作品が、基本的に1話完結で続く路線を取った。しかし、その中では、シリーズ中最も人気の高い、ウルトラセブンを思わせるハードSF路線が、ティガでも最も高い評価を受け、この路線を中核に、ドラマ性の高い、シリアスな展開で、シリーズを進むごとに人気は高まり、中でもシリーズの重鎮には、小中千昭脚本、村石宏實演出の、“平成の名コンビ”が担当し、この二人によるカラーがティガの、そして平成ウルトラの基礎を作り上げた。

最終回は、シリーズ初の3部作となり、クライマックスで絶大な支持を得て、平成の世に、ウルトラマンが確固たる地位を築くことに成功した。 ウルトラマンティガは、それまでと異なる要素を取り入れながらも、基本的には、初代マン、セブンでファンの強い支持を得た、大人の色彩を持つ、新たなウルトラのスタンダードとして成功した。

<ウルトラマンダイナの世界観>

1年好評を得たティガの続編として、ダイナは製作された。過去、ウルトラシリーズは、M78星雲出身という共通点はあっても、各シリーズは、言わばパラレルワールド的に、別世界に存在するものであったが、ダイナは、完全にティガの時間軸の延長線上にある。これは、ウルトラシリーズで初めての試みである。 ティガで成功した要素を引き継ぎつつも、ダイナでは、もちろん異なる個性を配した

この作風も、いくつかの試行錯誤を経て確立し、新たな路線を確立する。 また、特筆すべきは、劇場作品「ティガ&ダイナ」の製作・公開である。過去に、ウルトラシリーズで、テレビシリーズの設定に則った劇場用オリジナル作品が作られたことはなく、実に、ウルトラシリーズ32年目にして初の試みであったが、前作のヒーローが、現行の作品のヒーローと共に戦うという展開を、過去のシリーズにおける、ウルトラ兄弟・ファミリーの登場とは全く異なる形で実現し、作品内容はもちろんのこと、興行的にも大きな成功を収め、これを基に、このあと、毎年ウルトラマン映画のオリジナル新作が製作・公開されて好評を得るに至っている。平成ウルトラの特徴である、劇場作品との両立も、ダイナの大きな成果である。

 最終回は、巨大なドラマ展開で、ティガとダイナの主人公、夢の共演を果たし、壮大な世界を締めくくった。こうして、平成のウルトラは、本格的に始動することになった。

<ウルトラマンガイアの世界観>

いわゆる“平成3部作”のトリを取るウルトラマンガイアは、前2作とは全く異なる設定で展開された。 根本に、「根源破滅招来体」という敵が存在し、そこから各種の怪獣が現れ、ウルトラマン、特捜チームが対抗する形が、 1年間貫かれた。

これはティガ、ダイナで行われた、共通の敵との継続的なバトルを、より個性的に、かつ明確に描いたものである。 さらに、ウルトラマンは地球が生んだものであり、主人公が「ウルトラマンになりたい」 という願望から変身に至る設定も、斬新であった。

加えて、主役のガイアに対抗する、別の存在ととして、ウルトラマンアグルが登場する。こちらは、単なる正義の味方ではなく、地球を守ることと、人類を守ることは別、という考えで、時にはガイアと対立し、時には協力し、その不思議な関係が、シリーズを貫く、これは過去のシリーズにない展開である。

物語は、1話完結を基本としながらも、1本のテーマにまとめられ、大河ドラマとして存在し、 ティガで描かれたハードSF路線を、より確固たるものとして表現、過去の作品とは大きく異なる雰囲気を持つに至った。

そして、シリーズ半ばでガイアとアグルの対立に終止符が打たれ、 後半は様々な様式のドラマを展開し、 クライマックスでは、最強の敵との戦いでガイアとアグルは一旦敗れるものの、 地球に住む怪獣たちが、根源破滅招来体の攻撃に対して一斉に抵抗し、 この地球怪獣たちのエネルギーを集めてウルトラマンを復活させ、勝利に向かうと言う、ドラマティックな展開を取った。

また、平行して、劇場作品「ティガ、ダイナ&ガイア」も製作され、テレビシリーズとは異なる時間軸で展開される ドラマが好評を博し、ウルトラマンの新作映画が、継続的に製作されることとなった。

個性的でハードなガイアの作風は、SFマニアをも魅了し、好評裏に終了した。このあと、しばらく空白期間があるものの、以後2005年まで、断続的でもウルトラマンが持続されて放映されるきっかけとなり、21世紀にウルトラマンが飛躍する基盤を、3年間で確固たるものにした。

文:棺桶のジョー/企画・プロデュース:レイゴ

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