ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラマンメビウス第10話「GUYSの誇り」マニア考察】

ウルトラマンメビウス第10話「GUYSの誇り」

メビウスベルトマニアライター棺桶のジョー

監督:小原 直樹/特技監督:菊地 雄一/脚本:川上 英幸 シリーズ構成:赤星 政尚/設定考証:谷崎あきら 高次元捕食体 ボガールモンス 登場

(前回、第9話の続きから)ボガールモンスに進化し、爆発したら周囲を巻き込んで大変なことになってしまう敵*1相手に 、ハンターナイト・ツルギはナイトブレードで斬りかかるが、リュウ(仁科克基)が「止めろ!」と撃って*2止める。

リュウに撃たれて一瞬、呆然となるツルギ、何かを思い出した模様である。リュウは「セリザワ隊長!」とつぶやく。 が、そこへボガールモンスの電撃攻撃を受けてツルギは傷つく。メビウス(スーツアクター:和田三四郎) はボガールモンスに攻撃をかけるが、消えて逃げられた。ツルギも消えた。

 変身を解きセリザワ(石川真)に戻ったツルギに、ミライ(五十嵐隼人)が話しかける。ツルギは、 「オレを助けに来たのではなかったはずだ」と語り、「仲間を助けるのは当然のことだ」と言うミライに、 「俺はウルトラマンの心を捨てた*3」と言うが、 ミライは「心は簡単には捨てられない、鎧で身を包んだとしても」 「君はこの星の知性体は下等だと言った、でも、この星の生き物も、みんな必死で生きているんだ。 その命を犠牲にして復讐を果たしたとしても、君はまた、別の鎧をまとわなければならない、地球という鎧を」と返す。

すると、セリザワは、夕日を「美しい」と言い、「セリザワという人間はどういう人間だった、 アイハラ・リュウと対するうちに、この人間の記憶が俺の中に流れ込んできた」とミライに聞いてくる。 ミライは、「リュウさんにとって、大切な人だったんだ、セリザワ隊長は」と答える。 「そうだろうな」と返すセリザワ、「俺が捨てたはずの感情が、一瞬よみがえった」と言うものの、 「復讐は果たす、どんなことをしても」とミライを突き放した。 しかし、ミライは「捨てられるはずはない、その感情が、やさしさであるのならば*4」と言う。

 そんな折、GUYS基地では、ボガールモンス殲滅作戦がミサキ・ユキ(石川紗彩)により説明される。 太平洋上の無人島にボガールモンスを誘い込み、6つのパラボラアンテナで電磁シールドに閉じ込め、 つまりバリアの檻に閉じ込めるわけである。その中で攻撃して倒し、 爆発しても外へ被害が出ないようにするというものである。

このような重要な作戦の説明を、なぜかトリヤマ補佐官(石井愃一)でなく、 ユキ女史がする。なぜ、と補佐官に聞かれて、マル補佐官秘書(まいど豊)は 「あなただから」と答えて、納得しかけてしまうトリヤマ補佐官…オイオイ(笑)

*5…島には1200mmシンクロトロン砲が待機していて、これでボガールを仕留めると言う。ボガールは爆発するものの、 爆発エネルギーはバリア内に留まり、外に被害は出ないわけである。 今回の作戦はGUYSオーシャンが担当し、CREWGUYSジャパンはサポートのみと言う。 が、コノミ(平田弥里)が、メビウスが来たらどうする、と問う。 戦慄するミライ…さらに、ジョージ(渡辺大輔)も、メビウスは必ず来る、 と言い、コノミは、メビウスはボガールと一緒に爆発すると質問する。

リュウは、ツルギも必ず現れるとつぶやく。何か対策は、とテッペイ(内野謙太) が質問するが、ユキは助ける手はない、今は人類の危機の解消が最優先としか答えない*6。 例により?席を外すリュウ、それを追うミライ*7。

しかし、サコミズ隊長(田中実)は、 「希望を探すこともサポートのひとつ」であると言う。それに、各隊員が答え、マル秘書も「希望」というのだが、 トリヤマ補佐官に「お前は言わんでいい」と*8…しかし、ユキ女史は、無言でうなずく。

 リュウは、ミライに、今度ツルギが出たら、俺の手で必ず倒すと宣言する。 「奴は、セリザワ隊長の体を入れ物呼ばわりしやがった、許せない、絶対に俺の手で倒す、 セリザワ隊長も、そう願っているはずだ」と。しかし、ミライは「そんなことをしたら、 リュウさんが重荷を背負うことになります」と言うが、リュウは「ずっと背負い続けてやる、 セリザワ隊長の思い出とともに」と放つ。ミライも、止められなかった*9。

 ミライは「リュウさんに、そんな重荷を背負わせるわけにはいかない、だが、 ボガールとの激闘の後、磁場フィールド内から瞬間移動するエネルギーが残っているわけはない、しかし、 ボガールを倒し、この星を傷つけない方法は他にはない」、空に向かって、 「ボガール、僕はここだ、いつでも来い!」と叫ぶ。目に星が走る*10。

 そして、GUYSのメンバーたちは、不眠不休でメビウスを助ける作戦を考える… 仮眠する仲間にそっと毛布をかける…テッペイにコーヒーを渡すサコミズ隊長…そして、 リュウとミライを招き、ボガール殲滅作戦での、GUYSジャパンの作戦をテッペイが説明する。 磁場フィールドのバリアは、外からキャプチャーキューブを浴びせ続ければ、一定時間穴をあけられる。 ガンローダーにキャプチャーキューブを装備し、こうして脱出口を作り、メビウスとツルギを救出するものである。 救出と同時に穴をふさいでボガールの爆発エネルギーを封印する*11。

しかし、 脱出口の作れるのはメテオールの限界である1分のみとマリナ (斉川あい)が言う、だが、コノミは「1分間でも希望がある」と言う…リュウは「そんな勝手なことをしたら」 とつぶやくが、サコミズ隊長は「これも立派な作戦のサポートだ」と言う。 「今まで一緒に戦って来たメビウスを見殺しに出来ない」とテッペイは語り、 「ボガールを倒しても、失われる別の命があるなら」とマリナ、 「俺たちのいる意味がない」とジョージ、「ボガールを倒せば、ツルギはセリザワ前隊長の体を開放する」とミライは言う。 「希望にかけましょう」とテッペイに言われて、リュウは思わず涙ぐみ、コノミからハンカチを渡される。

7人が手を合わせて、この作戦、プライド・オブ・GUYS「GUYSの誇りにかけて」と名づけられた。と、ボガールが出現し、誘導役をリュウが買って出るものの、隊長はミライに任せる*12。リュウには、ジョージとともに、メビウス救出役を命じた。「GUYS、サリーゴー」「G・I・G!」

 ミライはガンウインガーに乗り、「プライド・オブ・GUYS」に、 「みんな、ありがとう」とつぶやく。ボガールモンスを島へ誘導する。 見事、シールド予定地に誘導した。コノミは、ミライにそこから動かないで、 と言うが、ミライは「コノミさんごめん」とつぶやき、シールド内へ入る。

そしてシールドが形成され、ボガールモンスは閉じ込められる。と、そこには、やはりセリザワがいた。 「磁場で包み込むとは考えたな」と言うがしかし、シンクロトロン砲を「おもちゃ」と言い放ち、 通用しないと指摘する*13。

その通り、ボガールモンスには全く通じず、逆に破壊されてしまう。セリザワは、ツルギの限界が近づいていた、 ミライに力を貸してくれと持ちかける。 同じウルトラマンとして、ミライに異存はなく、僕の仲間たちも助けてくれる、 必ず、生きて帰ると、二人はダブル変身*14する。

リュウの出番である。主題歌の鳴り響く中*15、二人のウルトラマンはボガールモンスに立ち向かう。 強敵相手にタッグを組むメビウスとツルギ、電撃を食らい苦戦するツルギを、 空中から見事にキック*16+を浴びせメビウスは援護、 ボガールモンスは光の鞭を繰り出してダブルウルトラマンに攻撃するが、メビウスはそれを交わし、 ツルギはナイトブレードで切り裂く。

そして、空中から攻めて∞形で攻撃、止めだ!メビュームシュート、ナイトシュートのダブル光線*17、 フルパワー攻撃で、ついにボガールモンスをKOした!倒したのである。 GUYSメンバーは喜びに沸く。

だが、テッペイは、ボガールモンスの体内エネルギーが急速上昇し、爆発の近いことを告げる。 サコミズはリュウとジョージにメビウスらを脱出させるよう命じる。リュウは光線を放ち、脱出口を作る。 リュウは脱出しろと叫ぶ。

ところが、ボガールモンスは完全には倒れていなかった。爆発寸前の体で起き上がるボガールモンスに、 ツルギはナイトブレードで立ち向かい、 「行け、私の命はまもなく消える」とメビウスに一人で脱出するように放つが、メビウスは「バカを言うな」と、 ツルギを見殺しには出来ない、ボガールの爆発限界、バリアの穴の限界が来た!メビウスはツルギを抱きかかえ、 間一髪脱出に成功、そして、ボガールモンスは大爆発を起こすものの、 シールドの中で爆発は留まり、周囲に被害を出さずに済んだ。 「作戦成功」とジョージが叫び、基地でメンバーが抱き合い喜ぶ。

 メビウスはツルギを介抱するものの、その命は尽きかけていた。何かをメビウスに託して、 そしてツルギは力尽きる…愕然となるメビウス、そしてGUYSメンバー、 リュウ…「うそだと言ってくれ」と叫ぶリュウ、だが、その叫びに応えるかのように、ツルギを光が召還し、 宇宙へ導く。そこにいたのは、銀十字軍隊長、ウルトラの母*18(スーツアクトレス:太田智美*19)であった!

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マニア的考察

*1:爆発したら大変なことになる怪獣は、過去いろいろいました。古くは、初代マン25話で、水爆を飲み込んだレッドキング2代目、同じく巨大ラゴンの持っていた原爆、最近では、ネクサス9,10話で、爆発したら可燃性花粉を撒き散らしてしまうラフレイアとありましたが、この手の怪獣は、かつては宇宙へ運んで始末するのがパターンで、事実メビウスも前回でそうしようとしたふしがありましたが、しかし本当は宇宙へ運ぶなら、途中で何千度にもなって爆発します!おそらく、最近はこういう現実的な設定を取っている模様です。

*2:こういう、尊敬している人(の変身した姿)を撃つというのは、ウルトラでは珍しいです。この手の展開は、意味は違いますが、70年代の刑事ドラマ(太陽にほえろ!系の青春モノ)の定番です。

*3:「ウルトラマンの心を捨てた」、この手の、復讐のために戦うのが第一と言うヒーローは、仮面ライダーVS、快傑ズバットなど東映の70年代ヒーローに見られたものの、ウルトラでは禁句でした。帰マン37話のように、復讐のために戦ったらよくない、が過去の定番です。

*4:ここでの一連の、ミライのセリフ、ルーキーとは思えない決まり振りです。ウルトラマン同士、その姿勢を言い合うのは、やはりコミック版(内山まもる「ザ・ウルトラマン」など)の定番、それが実写ドラマで出るのは珍しいと思います。

*5:トリヤマさん、なるほど「補佐官」なわけですね(笑)。一連の活動を見ていても、ミサキ・ユキの方が上層部っぽいです。そもそも、女性の上層部有力人物は、ウルトラでは初めてかな?

*6:ウルトラマンのみならず、ヒーローを犠牲にする可能性のある作戦は、過去のヒーローモノでも珍しく、一種タブーでした。

*7:リュウとミライのやり取りは完全に定番になっています。こういう、勝手な行動が定番になるのは、過去の特捜チームでも例がありません。

*8:これ、吉本新喜劇で、同じセリフを繰り返して最後にオチ、というのは定番(たいてい池乃めだか師匠が落す)なのです。トリヤマ、マルコンビ、芸人だ!(笑)。

*9:こういうやり取りも、ウルトラでは初めて、こういう重い人間ドラマは帰ってきたウルトラマンの独断場でしたが、ヒーローを交えてのドラマ展開は魅せてくれます。今回はミライのセリフ、燃えまくりです。

*10:目に星が光る描写は、セブンでダンの透視力のシーンにありましたが、こんな決意の燃え方、魅せてくれます。

*11:ヒーローのサポート、それも救出役を人間がやる展開は、このような形は異例です。

*12:リュウをあえてこの役に命じたのは、サコミズ隊長、いろいろささやかれている噂の通りかな?

*13:なかなか、人間の武器では勝てません。パターンですが、武器を「おもちゃ」呼ばわりも、ユニークなキャラクターです(メフィラス星人が、地球の戦闘機を蚊トンボ呼ばわりしましたが)。

*14:テレビでのダブル変身はガイア最終回以来、そもそも、ウルトラでは、ヒーローのダブル変身はきわめて珍しい(ライダーでは定番)。

*15:主題歌がヒーローのメイン戦闘テーマなのはタロウ、レオ以来となります。また主題歌、ほぼフルコーラスで流れましたが、演奏時間は5分…突っ込まないか?(苦笑)

*16:ここまで本格的かつ見事なウルトラキックは平成では珍しいと思います。そもそも、ウルトラマンのキックは、それが定番のレオを除くと、帰マンのスピンキック、80の400文キックくらいしかありません。

*17:ダブル必殺技もガイア最終回以来、平成のテレビシリーズでは異例です。

*18:ウルトラの母、地球への登場はタロウでのバードン完結編以来です。その後も、テレビでは、レオ38話ラストに一瞬出たのを除くと、実に33年ぶりの登場です。

*19:今回、ウルトラの母に入っていたのは女性でした。しかし、昭和のウルトラの母は、男性が入っていたのです!女性的な動き作りに苦労したと、昔本で読みました。なお、ゴレンジャーのモモレンジャーのスーツアクターも男性でした。ウルトラで、女性ウルトラマンに女性が入ったのは、80のユリアンが最初です。もちろん最近では、女性キャラクターのスーツアクター(スーツアクトレスと言うべきか)が女性は、ほぼ常識になっています。

番組クレジット《エンドロール》は、管理人のレポートページにてご紹介しています。

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