ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラマンメビウス第11話「母の奇跡」マニア考察】

ウルトラマンメビウス第11話「母の奇跡」

監督、特技監督:鈴木健二/脚本、シリーズ構成:赤星 政尚/設定考証:谷崎あきら 宇宙斬鉄怪獣ディノゾールリバース、マケット怪獣ウインダム登場

メビウスベルトマニアライターT2-0

瀕死のツルギを宇宙に召喚した光、それはウルトラの母によるものだった。 メビウスとの共闘でボガールを倒したツルギであったが、彼の身体もまた傷ついており、その生命は尽きかけていた。 死を覚悟するツルギ…。しかしウルトラの母はツルギに語りかけた。「あなたの死を望まない者がいる」と。

その数日後、地球に接近するディノゾールの群れが確認された!ディノゾールは渡りを行う習性を持っていたのだ。テッペイ(内野謙太)は、ディノゾールの群れは、過去に地球に降りたディノゾールの航路を追ってきたものと推測する。 既に地球周辺には、GUYSスペイシーにより宇宙機雷・ライトンR30が敷設されていた。宇宙機雷に接触し次々に撃破されていくディノゾール!! その様子を見てディノゾールを哀れむコノミ(平田弥里)に、リュウは反発し、叫んだ。「怪獣を野放しにすれば、それだけで人が死ぬ」「ひとつでも多くの命を守るためにGUYSがあるんだ」。 そんな中、機雷網を突破した一匹のディノゾールが日本に到達した。しかし、それもリュウとジョージ(渡辺大輔)により撃破された。

基地に帰投したリュウを笑顔で迎えるトリヤマ補佐官(石井愃一)とマル補佐官秘書(まいど豊)。しかし安心するのもつかの間、倒されたディノゾールの死骸に異変が起きた!ディノゾールは形態を変化させ、双頭の怪獣として蘇生したのだ!!

新たなディノゾールには「ディノゾールリバース」のレジストコードが与えられた。 ダムに向け進行するディノゾールリバース。その新たな能力と、ダムが破壊された場合の被害を案ずるジョージとマリナ(斉川あい)。 しかしリュウは二人の言葉を遮り、無思慮な攻撃を主張した。

そんなリュウにミライ(五十嵐隼士)は言うのだった。「それでは、ボガールに対する憎しみに支配されていたツルギと同じだ」「ひとつでも多くの命を守るのがGUYSではなかったのか」と。 うなずくトリヤマ、マル、そしてサコミズ隊長(田中実)。

ミサキ(石川紗彩)は、ディノゾールリバース殲滅のため新しいマケット怪獣・ウィンダムの投入を提案した。ウィンダムのビーム攻撃でディノゾールを陽動し、ガンフェニックスのスペシウム弾頭弾で止めを刺す作戦だ! GUYS出動!ついに作戦は開始された。

サコミズからメテオールの発動が指示され、空ではリュウ、ジョージらの乗るガンウィンガーがマニューバモードへと展開。地上ではミライがマケット怪獣・ウィンダムを起動させた。 ディノゾールに向け、ビームを放つウィンダム。しかしビームはディノゾールの光の鞭で阻まれてしまい、ガンフェニックスのスペシウム弾頭弾も、同様に光の鞭に叩き落されてしまった! ディノゾールに一撃を与えられぬままに、メテオールは1分の制限時間を迎えてしまう…。

ミライはウルトラマンメビウスに変身!ディノゾールに挑むが、双頭から繰り出される光の鞭に苦戦する。 そして、ディノゾールの攻撃によりリュウのガンウィンガーが危機に陥ったその時!まばゆい光とともに青い巨人が出現した! ガンウィンガーを受け止める青い巨人、そのツルギに酷似した姿!しかしその身体は、鎧をまとってはいなかった!! リュウはつぶやいた。「まさか、セリザワ隊長…?」

青い巨人はメビウスとともにディノゾールに挑んだ!二体の巨人は見事な連携で、拳を!蹴りを!ディノゾールに叩き込んでいく!! そして、ディノゾールは二人の巨人により粉砕されるのだった。

戦いを終え、ミライはセリザワ(石川真)に語りかけた。「ウルトラの母の奇跡が起きたんですね」。 ツルギはウルトラの母の力によって復讐の鎧から解き放たれた。ツルギが憎しみから開放され、ウルトラマンとして生きること…、それがウルトラの母の願いであった。 「リュウさんのところに行きましょう」と言うミライ。しかしセリザワは「リュウには君がいる」と、静かに立ち去るのだった。

青い巨人は、リュウによって「ウルトラマンヒカリ」と名づけられた。そして任務に対する思いを新たにしたリュウは、改めてGUYSの使命を果たすことを誓うのだった。

ウルトラマンマニア考察

過去キャラクターの登場も楽しみの一つである「ウルトラマンメビウス」。 その第12話「母の奇跡」は、ウルトラの母とウィンダムの登場をトピックとしつつ、青いウルトラマンとリュウの描写が冴える一本です。 憎しみを原動力として戦っていたツルギとリュウ。この二人を巧く絡めながら二人が「怒りからの開放」に至る過程を見せる今回の展開は、ヒーロー物の王道とも言える展開です。 近年では「ネクサス」でも、このような展開が見られました。そして、他社の作品ですが「仮面ライダーX3」のライダーマンもそんなキャラクターでしたよね。

一方、ディノゾールには「渡りを行う」「形態を変化させての蘇生」「水素を求めるが故に、水を求め前進する」といった詳細な描写が成されています。 これらの描写の中で見られた「神経節が肥大しての新たな脳幹形成」という説明や、光の鞭・断層スクープテイザーを「本来、宇宙空間における水素分子の収集器官」とする設定は、作品に硬質な雰囲気を与えてくれています。 このあたりの用語の使い方は、ちょっと「ガイア」っぽくってカッコいいですよね。

さて、今回の最大の見せ場は二人のウルトラマンの共闘でしょう。 そして、この戦いの中で見られた象徴的な演出…。 主体は一つであるにもかかわらず争うディノゾールの二つの頭。そして、別個体にも関わらず素晴らしい連携を見せる二人の巨人。 その対比に託されたスタッフの思い、それは「信頼」や「絆」の大切さでしょう。ツルギが憎しみのままに戦っていたら、このような連携は成されなかったはずですからね。 このような描写は「ウルトラ」らしくて良いなぁと思います。そう、「ウルトラマンの力はいかに使われるべきか?」というのは、シリーズ内で繰り返し問われてきたテーマですから。

過去作品とのここが注目のリンクポイント!

@今回、ウルトラの母の声を担当したのは池田昌子さん。「銀河鉄道999」のメーテルの声で有名な池田さんは、1984年の映画「ウルトラマン物語」でも、ウルトラの母の声を担当されています。

Aリムエレキングが再登場。リムエレキングには、準レギュラーとして今後も継続して登場してくれることを期待したいです。

 このような防衛チーム内のマスコット怪獣は、過去には科学警備隊の「ロボット・ピグ」(ザ☆ウルトラマン)。MYDOのデジタルカネゴン(ウルトラマンゼアス2)がいます。  リムエレキングは、彼らに負けない魅力あるマスコット怪獣になり得ると思います。リムエレキングとジョージの、今後の関係も要注目?です。

B宇宙機雷の名称として登場した「ライトンR30」。これは「ウルトラセブン」で、強敵キングジョーを倒した爆弾の名称です。

Cウィンダムを起動させるミライのセリフ「ウィンダム、頼むぞ!」は、カプセル怪獣を使う際のモロボシ・ダンのセリフを踏襲しています。  ミライは、ダンのウルトラアイ着眼時のかけ声「デュワッ!」を知っていましたし、この言葉はミライがダンを意識し、敬意を込めて使ったのかもしれないですよね。

【おまけ】

ウィンダムのデザインモチーフは、おそらく「フクロウ」でしょう。そして、これはウィンダムのネーミングにも連動しているのかも? フクロウは、知恵を象徴する鳥です。そして「ウィンダム(Windom)の名前は、もしかしたら"wisdom(知恵)"をもじったものかなぁ…」ってのは深読みしすぎ?

番組クレジット《エンドロール》は、管理人のレポートページにてご紹介しています。

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