ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラマンメビウス第13話「風のマリナ」レイゴ考察】

ウルトラマンメビウス・ムカデンダー画像
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鳥が鳴く、未明の朝もやの立ちこめる八幡が岳、テントを張っていた男は、外の異様な雰囲気を感じて恐る恐る外を窺う。 そこには忽然と巨大な怪獣の顔が、木々をなぎ倒しながら男に向かって迫ってきていた。 男は動転しながらも、リュックサックを掴むとその場を逃げ出した。

その直後、怪獣の大きな足が男のテントを踏み潰した。叫び声をあげて逃げる男を怪獣は追いかける。 追い詰められた男が背にした木を、怪獣はくわえ、引き抜き噛み砕いた。 男が肩にかけていたリュックだけが、山の斜面を転がり落ちる。

マリナとカドクラは、美しい山々に囲まれた、ダムを見下ろせる絶景をバックにツーリングを楽しんでいた。

「ツーリング?マリナさん、釣りに行ったんですが?」ミライは目を見開いて嬉しげに聞く。 「おまえ・・・それ本気で言ってないよな?」リュウが謎の物体を見つめるように首を傾げる。 「え??」ミライは素で分からないようだ。「思いっきり本気だったようですね。」その様子にさすがのテッペイも口がぽかんだ。

ジョージが鼻で笑うと「アミーゴ。ツーリングってのは、オートバイとかで遠出する事だ」 「そ!天気のいい日にお弁当持って。あ--羨ましいなぁ」コノミがペンのキャップを引き抜き仕事の手を休めて立ち上がる。

「で・・・誰なんだろうね。そのお相手は」サコミズも、手のひらに収まりそうな相変わらずの小さなコーヒーカップを 持って笑いかける。 「やっぱり彼氏ですかね?」なんだっていつだって、興味深々のテッペイが尋ねる。 「違う違う!」リュウは手をふりふりあっさり否定すると 「カドクラさんっていって、前にマリナが所属していたレーシングチームの監督だよ」 「な〜〜んだ、つまんないの」コノミは仕事を再開するべく、パソコンに向かう。

「何でもグランプリの予選でチームが惨敗したらしくってな、落ち込んでる監督を励まそうって、 マリナが誘ったみたいだぜ」リュウが続ける。 「マリナさん、優しいですね!」ミライは満面笑みを浮かべるとそう答えた。

一望できる山頂に近い場所にバイクを留めるマリナとカドクラ。 「あーー最っ高!やっぱり晴れた日はバイクだよね」メットをはずし、手袋を引き抜く二人。 「はっはっは・・・すまなかったな。せっかくの休みに」カドクラは上機嫌でマリナに礼を言う。

「特に予定も無かったし」 「でも、大変だろ。GUYSの仕事は」 「まぁ・・・それなりに」 「今でも信じられないよ。あのマリナが戦闘機に乗って怪獣と戦ってるなんてな」 ブラックコーヒーJIJI缶をマリナに手渡すカドクラ。

マリナは、にっこりと受け取ると 「私もです」 「ひょっとして無理してないか?」 「え?」 「実はなぁ・・・」カドクラが言葉を続けようとした時、 「あ・・・」マリナが声を上げて指差す。

「どうした?」 「あの人・・・」 指し示された方向をカドクラも見やる。がけの下をうなだれたように見下ろす髪の長い女。 「ちょっと変じゃないですか?」 「まさか!?」

その瞬間、女性は崖から姿を消した。 「カドクラさん!!」マリナが叫ぶ。 「飛び降りやがった!」

慌てて崖の下を覗きこむ2人。しかし女性の姿はそこには見当たらない。 「降りてみよう」 「はい」 2人は、崖をくだり近辺場所を探すが、その姿は無い。二手に分かれる。

「おかしいなぁ・・・確かこのあたりに・・・」 その時カドクラは、転がっている赤いリュックを見つけた。 「こんなところに、リュックが?」 中身を調べようとした途端、おぃ、カドクラの身体は宙を舞い、背中から川面に投げ飛ばされた。

「カドクラさん!!大丈夫ですか!?」マリナが驚いて駆けつける。 「なんでこんな目に・・・」カドクラは全身ずぶぬれである。 「人の荷物、勝手に触るからだよ」カドクラを投げ飛ばした女性はふてぶてしく言い放った。

「だからっていきなり投げる事ないでしょう!?」マリナが声を荒げる。 「泥棒かと思った」 「ふざけるな!俺のどこが泥棒に見える!」 とカドクラが女性に詰め寄った瞬間、女性の拳が寸止めでカドクラの目の前にあった。

「その顔が」悪びれる様子もなく女性はカドクラに言う。 「ちょっと、その言い方ひどいんじゃないの?訂正しなさいよ!」マリナは女とカドクラの前に立ちはだかった。 その言葉に女性は驚いたように、サングラスをはずすと、 「マリナ?」微笑んだ。

焚き火を焚き、ずぶ濡れの服を焚き木で作った物干し代わりに吊るして、 毛布をかぶっているカドクラに女性は温かいコーヒーを差し出す。 「悪かったな・・・」 「ああ・・・」

女性はマリナにもカップを手渡す。 「ありがとう。彼女はサワキリンコさん。GUYS適性試験を受けたときに、たまたまある事件をきっかけで知り合って」 リンコがマリナの言葉に続ける。「試験会場に、やたら暑っ苦しい雰囲気の男がいてさ。突然この子に文句つけたんだ」

大体、女がGUYSの試験を受けるなんて生意気なんだ。ちょっと、それひどいんじゃないの!?訂正しなさいよ! ・・因縁をつける男に毅然と抗議するマリナ。 「なんだとーーー!」男は殴りかかろうと勢い込む、そのバカを背負い投げ1本で投げ飛ばしたのがリンコだったのだ。

「あたし熱血風吹かせる男とか、大嫌いでさ。つい投げたくなるちゃうんだよねーー」リンコはそういうと肩をすぼめた。 「なるほど・・・気をつけます」カドクラは仕方なしに頷いた。 「あ・・・そうそう熱血といえばさ、GUYSにも一人いるんだよねーもう暑苦しいほどの熱血バカが」 リュウが登場し、くしゃみ。←どうやら熱血バカらしい。

「へぇーマリナ、結局GUYSに入ったんだ」 「うん・・・ちょっとした成り行きで・・・」 「でもバイクは?初の女性ライダーとして世界グランプリ制覇するって、夢語ってたじゃん」 「うん・・・それよりリンコさんは?山、登ってんの?」 「うん、今度チョモランマに挑戦するんだ」 「へぇーー」

二人の会話を交互に黙って聞いていたカドクラが口を開いた。「君、登山家なのか?」 「これでも知る人ぞ知る、女性クライマーなんだぜ」 「それでさっき、この崖の上から?」カドクラが尋ねる。 「まさかロープで降りたとは思わないからさ・・・」マリナも言葉を添える。

「ごめん、驚かせちゃって。でも練習で降りた訳じゃないんだ。 崖の途中に引っかかってるこれ見つけてさ。誰かが捨てたにしちゃ、 中身も揃ったままだし」高価なカメラを持ち上げて見せる 「確かに、妙ね」マリナも眉をひそめる。 「単なる思い過ごしならいいんだけど、なんか気になって」

しかしその時川に流れる衣服の一部がカドクラの目に止まった。 「思い過ごしじゃない!」 「え!?何だこれ」リンコが引き裂かれた衣類を持ち上げて見せる。

「しっ!」マリナが急に静止をかけた。 「銃声?」カドクラが驚く。 山の中ではマタギが襲われていた。装填できず背を向けて逃げたそうとしたが 「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」

木々をかき分け3人は山に入る。 「確かにこっちで聞こえたよな?」リンコが振り返る。 「ああ」カドクラが相槌を打つ。そこにマリナが何かを発見した。 「あ!」 リンコも駆け寄る「猟銃だわ。何か撃った後、襲われたんだね」 「・・・って何を!野犬か?熊か?」カドクラが尋ねたその時、 突如、土埃を立てて、怪獣が地中から出現する。

「怪獣!??」 メモリーディスプレイで本部を呼び出すマリナ。 「こちらマリナ。コノミちゃん、聞こえる?ダメだ・・・通じない」 怪獣は3人に向かって来る。 「早く!」マリナは叫ぶ。 「こっちだ!早く!」 マリナはメモリーディスプレイですばやく怪獣を撮影した。

洞窟の入り口に逃げ込んだ3人を、怪獣は覗き込む。ひたすら奥に逃げ込む3人。

基地では、アラームが鳴り、ミサキ女史がメインディスプレイに映し出されていた。 GUYSスペーシーが、八幡が岳一体に、異常な電界が築かれた事を確認。強力なピエゾ効果の影響と考えらる。

ピエゾ効果とは、地底に発生した、高い圧力により観測される現象である。 そのため、八幡が岳一体に、圧電発生物質を含む、 強大な何かが活動している可能性が高い。

原因は怪獣だと断定は出来ないが念のため、現地調査に向かうことになった。

リュウが口を切った。 「確か、マリナがツーリングに行ったのも八幡が岳だったよな?」 ジョージは驚く、「おい!確かか?」 「いや・・・そう言われると自信ねーけど」

「マリナさん、コールに応答ありません!」コノミもすぐに交信を試みた。 「なんか、微妙にやな予感が・・・」テッペイは不安げに口を開いた。

洞窟の奥へと逃げ込む3人。 「くそっ!何なんだ、あの怪獣は」カドクラは吐き捨てるようにそういう。 マリナはメモリーディスプレイで、写った怪獣とデータを照合させていた。 「ドキュメントZATに同種族確認!ムカデンダーだ・・・」 「つまり、ムカデのバケモノか!」 「地中に潜み、エサをとるときだけ地上に出てくるみたい」

リンコは覗き込み感嘆の声を上げる。「すごいなーこの通信機。怪獣図鑑にもなってるのか?」 「うん。あ・・・でも仲間に一人、もっとすごい子が。一目見ただけで、 怪獣の名前とか特徴とか、全っ部言えちゃうの」マリナはにっこり笑うとそういう。 ここでテッペイが、くしゃみ。←怪獣オタク認定(怪獣マニア)

「熱血バカに、怪獣オタクか・・・他にはどんな奴がいるんだ?」リンコはこの危機的状況においても余裕で、嬉しそうに問いかける。 「えーーーっとね、見栄っ張りでプレイボーイな元サッカー選手でしょ・・・気が弱いけど、 頑張りやさんのメガネっ娘。それに普段はぼーーっとしてるけど、やる時はやる隊長」

ジョージはかなり大きなくしゃみを1発。コノミは、小さなくしゃみで、くしゅん。 「おいおい、悪い風邪でも流行ってるのか?・・・かか・・・くふぅ、セーフ」 サコミズはいつもの彼に似合わず、くしやっとした顔をしてみせる。

「あーーそれから、なんにでもすぐ感動して、何だって一生懸命で、人類みーーんな大好き!みたいな感じの フシギちゃんが一人」 不思議ちゃん(ミライ)は微動だにせず、現場にガンフェニックスで向かう。

「変わった奴らばかりだな。でもマリナ・・・」リンコがあきれたように微笑んだ。 「ん?」 「そいつらの事、好きだろ」 「うん、大好きだよ」マリナはきっぱりと微笑んだ。

その会話を聞いていた少し寂しげな表情のカドクラが、黙って二人の後に続く。 「出口だ!」リンコは叫んだ。 カドクラも周囲を伺うと「怪獣はいないみたいだな・・・」 「じゃ、今のうちに」リンコが促す。 「待って!・・・いる・・・すぐ近くに」マリナには聞こえていた。

轟音を上げて、ムカデンダーが地中から出現した。 「待ち伏せかよ」リンコが悔しげに吐き捨てる。 「逃げろ」 大きな岩の陰に隠れる3人。

「マリナ、お前GUYSなら、光線銃とか持ってねーのかよ」 「あれば、とっくに撃ってる・・・・」「これって」 とっさにバックを探ったマリナの手に、マケット怪獣のカプセルが、それは サコミズが許可を取り、 みなさんに一つずつ、お守りだと思って持っててくださいとコノミから手渡されたものだった。

「ありがとう、コノミちゃん。」マリナはカプセルを握り締める。 「メテオール規約第7条、危機的状況において、使用許可を取る事が不可能な場合のみ、 特例として解禁す。行けーーーミクラス!!」 《REALIZE》ミクラス、登場。

「マケット怪獣じゃん〜〜テレビで見たよ」リンコは興奮する。 「いいから、リンコさん。今のうちに、早く!」 ゴリラのように胸のドラムを打ち鳴らすミクラス。

・・・・が、カドクラが振り向くと、ミクラスは飛び跳ねるようにスタコラサッサとマリナのもとに逃げて来るところだった。 「やっぱり」ため息の出そうなマリナ。

「なんだよ、やっぱりって」 「あの怪獣、見た目ほど頼りにならないのよ。ミクラス、いい子だからムカデンダーと戦って!!」

そのマリナの言葉にいきなりミクラス急ブレーキ。 むんと振り返り、目に炎ゴーーと宿すミクラス。

「お、やる気出した!」カドクラが驚く。 「おだてたからかしら?」マリナは小首を傾げる。 ミクラスは頭の角から電流を放射。ムカデンダーに浴びせかける。 ムカデンダーは青白く感電する。 「やったーーー!」

しかし、《VANISH》メテオール解禁の一分間が過ぎ、やる気満々のミクラスは消えた。 カドクラは周りを見回す。「おい、あの怪獣、どこ行った?」 「制限時間が過ぎたのよ」 ムカデンダーは3人を見つけたようだ。 「ヤバイ・・・かえって怒らせた」リンコが叫ぶ。

火球を吐かれ、3人は山肌を転がり落ちる。途中リンコは、木の幹に足をぶつけたようだ。

ガンフェニックスで出動したリュウ、ミライ。 そこにマケット怪獣反応、テレインシステムの稼動を確認。 チェンバーナーへの高エネルギー分子ミストが転送された報告をテッペイから受ける。

「ミクラスです、ミクラス」コノミが情報を補足する。 ポイントは、現在位置から約10kmの森の中に特定された。 ミライが叫ぶ。「きっとそこに、マリナさんたちが!」

「2人とも大丈夫ですか?」マリナが安否を気遣う。 「何とか・・・生きてる」 「アタシはちょっとヤバイかも」リンコが起き上がれず顔をしかめた。 「え!?」 「どうやら、左足をくじいたみたいだ」 「動けないのか?」 「ダメみたい・・・2人だけで逃げろ!」 「そんな!!」

ムカデンダーが3人を見つけたようだ。 「いいから早く!私はプロのクライマーだ。いつだって命を捨てる覚悟は出来てる」 「バカヤローカッコつけてんじゃねー!怪我人を置いて行けるわけねーだろう。こう見えても俺は、 レーシングチームの監督だからな」

「カドクラさん」マリナがカドクラを見つめる。 「3人揃って森を出よう。行くぞ!」カドクラとマリナは両方からリンコの肩を抱き上げ、助け起した。 「日が傾いてきた。1時間もしないうちに暗くなる」

カドクラは問う「マリナ、お前の聴覚で川の音を聞き取れないか?」 「そっか・・・川伝いに行けば、最初にいた場所に戻れる」マリナは頷く 「でも川の音を聞くったって」 「大丈夫、マリナは人並みはずれた聴覚の持ち主なんだ。きっとかすかなせせらぎでも、聞き取れるはずだ」 「やってみる」

「怪獣めーどこにいやがる」リュウたちは探し回る。 「きっと地中にもぐっているんです」

「あったーーー」 ついに川を見つけたマリナ。 「すごいな、マリナ」リンコは驚く。 「よし!行こう」 ザイルを降ろし、滝伝いに川を下る3人。

「見て!焚き木の跡だわ」 「ついにもとの場所に戻ったぞ」カドクラも大きく頷く。 その、すぐ側の山の陰から、ムカデンダーが現れた。

「しつこい奴・・・」 「よし!俺がバイクで囮になる。マリナは彼女を」 「待って!それはGUYSの仕事よ」 「マリナ・・・」 「私が怪獣を引きつける。リンコさんをお願い」

「このムカデヤローこっちよ」マリナはムカデンダーに石を投げつけ、自分に注意を引きつけた。 「マリナ・・・・死ぬんじゃないぞ・・・行こう」カドクラは走り出したマリナと別れリンコをつれて歩き出した。

マリナはタイヤを軋ませてバイクを走らせると、道路を右に左に上体を傾けながら可憐に駆け抜けて行く。 ムカデンダーはムチのような手をしならせて、 マリナを追いかけていた。

「よーし、そのままついて来い」 ムカデンダーの後方に回って様子を見守るカドクラとリンコ。 「マリナ!危ない!!」思わず叫ぶリンコ。

ムカデンダーが火球を、マリナめがけて吐き出した。マリナは寸前のところで巧みにその火球をかわしていく。 「どうして、あんな風に避けられるの?」

「音だ・・・マリナのずば抜けた聴覚が、迫る火球の音を正確に聞き取っている。 しかしその能力が、彼女のアキレス腱でもある。練習の時、マリナは必ず最終ラップでタイムを落とした。 彼女にはマシンの微妙な変化が聞こえる。路面とタイヤの摩擦音。限界ギリギリのエンジンの悲鳴。 それらの音がクラッシュの恐怖を植え付け、マリナに減速させた」

「今、ここで減速したら・・・・やられる」 「恐れるな。そのスピードで曲がりきれ!」

大きなカーブの手前、減速しようと思わずブレーキに手が触れたマリナ その時マリナの耳に届いた音。

「何だろう・・・この声。風だ・・・風の音が聞こえる」 微笑むミライ、頷き胸に手をやるリュウ、グーを胸に掲げるジョージ、押せ押せのテッペイ、がんばれポーズのコノミの姿が脳裏に映る。

マリナは悟った。「風が私を励ましてくれてる。」 マリナは絞りかけたブレーキハンドルを放すと、思い切ってスロットルレバーを回した。 バイクは加速し、ガードレールギリギリを曲がりきった。ムカデンダーの火球は寸前でマリナをそれた。

「よし!!」カドクラが頷く。 「やったーーー」リンコが喜ぶ。 ムカデンダーが悔しげに鳴き声をあげている。そこにガンフェニックスが到着。すかさず、ビームを浴びせた。 「ガンフェニックス・スプリット」二手に分かれたガンフェニックス。 ガンローダーのミライは、オート操作に切り替えると、メビウスに変身した。

「ウルトラマン!」カドクラが歓喜の声を上げる。 「あれがメビウス」リンコが見つめる。 マリナもバイクを停め、メビウスの戦いを見守る。

メビウスはムカデンダーの頭を捕まえ攻撃を加えるが、尾から出るムチ状の攻撃をくらい、頭を放してしまう。 距離が開いたところで連続火球j攻撃を受ける。

「ウイングレッドブラスター!」リュウがメビウスの援護射撃をする。 ガンウインガーからのビームでひるんだムカデンダーに飛び掛っていったメビウス。 両者ゴロゴロ転がりながらまとわりつくように闘うメビウスとムカデンダー。

ムカデンターの首が胴体から離れそれぞれがメビウスに攻撃を仕掛けてくる。 「首と身体が離れても生きてるなんて、あんなのありかよ!」リンコが訴える。
「たぶん、トカゲの尻尾みたいなもんじゃないのか」納得はできないがとにかくカドクラが説明する。

ムカデンダーの首をつかんで地面に激しく叩きつけるメビウス。 首を攻撃すると、それに連動しているかのように、ぴょんぴょん飛び上がるムカデンターの体。 「首を攻撃してんのに、なんで身体まで・・・?」
「ああ・・・怪獣ってのは、常識を超えた生きもんなんだよ」もはや、彼らの常識は完全に越えていたムカデンダー。

首にムチのような手が巻きつきメビウスを執拗に攻める。ついにメビウスのカラータイマーが点滅を始めた。 「メビウス、頑張ってー!」マリナが声援を投げかける。

メビウスは空中に飛び上がると上空から狙いを定め、メビウムシュートでムカデンダーを撃破。 「やったーーー」リンコは歓声を上げる。 しかし、一瞬の隙をついて、ムカデンダーの首がメビウスの背中に忍び寄った。

ドカン、激しい爆風にメビウスも思わずよけるように後方を振り返ると、 ウルトラマンヒカリが立っていた。

「まーた、おいしいとこ持って行きやがって」リュウはそんなヒカリにまんざらでもない。 見詰め合うヒカリとメビウスは美しい夕焼けの空に揃って飛び立っていった。

「実はな、俺、マリナにもう一度レーシングチームに戻るよう説得するつもりだった」 「え?」 「でも、もう諦めた。GUYSの仕事を本当に好きだってわかったから。頑張れよ」 「カドクラさん・・・」

「そうは言っても、惜しいよなー。さっきの走り、うちの若い連中にも見せたかったぜ」惜しがるカドクラに 「何なら、今度アタシが走ってやろうか?こう見えても昔、バイクに凝ってた時期があったんだ」リンコが笑いかける。 「本当かよ!」 「・・・嘘・・あははぁ」

「おーーーい」そこにミライとリュウが駆けつける。 「マリナさん、大丈夫ですか?」 「・・・ったく、心配かけんじゃねーよ」 二人の顔をみたリンコが「フシギちゃんと、熱血バカか・・・」笑った。 「はぁ?」顔を見合わせる二人。

マリナの心の声は語った。(そう、私に風の声を聞かせてくれた大切な仲間よ)         

管理人のここが考察ポイント

マリナと、とりまくゲストの目線で、 外側から見たガイズのメンバーのキャラクターを印象的にかつ、端的に紹介したというユニークな構成とも言える。 恐らく、今後展開していくストーリーに、一役買うであろうメンバーの特定の設定を生かしていくための、 プロモーション的、イメージ作りということでもあるだろう。 それが「風の音」と表現されるという優しい仕上がりになっている。

しかし、その優しい仕上がりの中に、 「脚色」の部分というか、落とし込みたいエピソードに食物連鎖の描写があるようだが、 このエピソードから何を伝えたいのだろうか?

怪獣は理由もなく出現するのではなく、 捕食のためであり、そうかといって捕食される側としても、 黙って捕食されるわけにもいかず、そこに壮絶な互いの生命をかけたバトルがあるということだろうか。

描写の好は分かれるだろうが、ファンタジーの中にも、 ギリギリのところでリアリティを保っていたいというのは、長谷川氏の作品に対する一つの こだわりなのかもしれない。

イメージの中で、カイズとともに闘ったマリナ。目に見えない何かでも、人は受け取る術をもっていて、 人を奮い立たせる原動力になるということだ。そしてその、何かの源は大切な仲間 との友情であった。

友情を女性の目線で自然で、優しく描きながらも、男女の性に関係なく友情は成立する。マリナの笑顔はそれを物語っており、 女性の演出にかけては、定評のある石村監督らしい作品の一面も覗かせた。友情はいつか愛情に変わるかもしれない。 そんなメンバーの心の行方も楽しみである。

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ウルトラマンメビウス第13話「風のマリナ」

宿敵怪獣 ムカデンダー 登場

《スーツアクター》和田三四郎 / 岩田栄慶 / 相馬絢也 / 西村 郎 《シリーズ構成》赤星政尚 《設定考証》谷崎あきら 《脚本》長谷川圭一 《監督・特技監督》村石宏實 《監修・製作》円谷一夫 《製作統括》大岡 新一 《企画》加藤直次 / 江藤直行 / 中村理一郎 《プロデューサー》岡ア剛之 / 渋谷浩康 / 山西太平 《制作プロデューサー》小山信行 《アソシエイト プロデューサー》小掛慎太郎 《ラインプロデューサー》中井光夫 《音楽プロデューサー》玉川 静 《音楽》佐橋俊彦

=本編スタッフ=

《撮影》倉持武弘 《照明》佐藤才輔 《美術》内田哲也 《録音》楠本龍巳  《操演》上田健一 《助監督》石田 整 《装飾》遠藤雄一郎 《衣装》塚田亜矢子 《メイク》今井志保 《車両》野口茂樹 《製作主任》納田長武 《制作担当》土肥裕二 《編集》矢船陽介 《VFX》田代定三 《デジタルエディター》柳生俊一 《VE》佐々木彰司 《スクリプター》安川知里 《キャスティング》小島文夫

=特技スタッフ=

《撮影》新井 毅 《照明》高野和男 《美術》佐々木朋哉 《操演》根岸 泉  《殺陣》岡野弘之 《助監督》日暮大幹 《スクリプター》安川知里 《スチール 》橋本賢司 《制作主任》菊池英次 《キャラクターデザイン》丸山 浩 《 キャラクターデザイン・イメージボード》酉澤安施 《キャラクターメンテナンス》宮川秀男 《タイトルデザイン》佐藤さい子 《仕上げ》鶴田幸伸 《CGIモーションディレクター》板野一郎 / 円谷CGI-ROOM 《CGIスーパーバイザー》早川哲司 《CGIディレクター》祖父江成則 《CGIデザイナー》 上田和彦 / 小杉淑美 / 高松玲子 / 田口小夜子 《3Dアドバイザー》林 秀則 《CGIマネージャー》小田達哉 《CGI協力》水石 徹 / 三宅 仁 《エフェクトコーディネート》小野寺 浩 《エフェクトアニメーター》増田英和 《デジタルマットアート》有働武史 《カラリスト》高田 淳 《音響効果》古谷友二 《編曲》池田地香子 《整音》松本能紀 《MD担当》福井 顕 / 須賀久子 《催事宣伝》古池啓一 / 大野まゆみ / 菅野悦子 《製作デスク》石渡牧子 《番組宣伝》重松和世 / 橋本栄次 / 太田小由美 / 堀川勝一 / 武藤博昭

《協力》松下電器産業 / ドゥカティジャパン / クリエイティブ・オフィス ヤップ / 銀座サクラヤ / プログレッシブ / キャン・インターナショナル / 日本照明 / 東宝ビルト / 東宝コスチューム / 開米プロダクション / 亀甲船 / スワラプロ / スリーエススタジオ / 富士通乾電池 / ヒルマモデルクラフト / ハルジン / グレイショコラ / 宗特機 / コダック / 月星化成 / タカハシレーシング / 日本エフェクトセンター / IMAGICA / クレッセント / Adobe Systems / Autodesk / ボーンデジタル / D.A.S.T / スタジオ・バックホーン / パンチライン / RECARO / 岡村製作所 / ナナオ / レイト商会 / K2JAPAN / 富士グローブ / CASIO / KENNETH COLE / Zoff

《撮影協力》日本フリークライミング協会 / 比企郡吉見町 /日野ヒューテック 《製作著作》中部日本放送 / 円谷プロダクション 《提供》BANDAI

クレジット応援スタッフ・モグルドン/絵・坂上ナオト

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