ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラマンメビウス第14話「ひとつの道」マニア考察】

ウルトラマンメビウス第14話「ひとつの道」【ハード編マニア考察】

【メビウスベルトライター 帰りマン&ティガ命】

シリーズ構成:赤星政尚、設定考証:谷崎あきら、脚本:太田愛、監督・特技監督:村石宏實

チームGUYSは、昆虫型甲殻怪獣インセクタスと戦っていた。テッペイ(内野謙太) はマケット怪獣のウィンダムを出現させた。 インセクタスの胸の穴から高周波が出ていることに気づくマリナ (斉川あい)らメンバーたち・・テッペイはウィンダムにインセクタスの胸の穴を狙うように指示し、 ウィンダムからビームが放たれ、インセクタスは爆発・炎上した。

現場でトリヤマ補佐官(石井愃一)とマル補佐官秘書(まいど豊)は記者たちの取材に応じ、トリヤマ補佐官はGUYSジャパンのことを自慢する。トリヤマ補佐官は、そこへ通りかかったGUYSのメンバーのうちテッペイを捕まえてTVカメラの前に出し、テッペイのことをほめたたえる。迷惑がるテッペイだが、その心配通りにテッペイの母親ケイコ(林寛子)にテレビを見られてしまう。 トリヤマ補佐官は現場で粘液状の液体を踏んでしまい、そこから謎の虫がトリヤマ補佐官の耳に侵入する。

*補足説明:テッペイは大病院の院長の息子で、医大生。両親はテッペイが医者になって、 跡継ぎになってくれることを望んでいる。

基地に戻ったテッペイは、サコミズ隊長(田中実)から客が来ていることを知らされる。画面を見ると、 そこには母親の姿が・・あたふたするテッペイは、廊下でミライ(五十嵐隼士)、 リュウ(仁科克基)、マリナ、コノミ(平田弥里)らに、母親には自分がGUYSで働いていないことにして欲しい、 と頼む。

食堂で4人はテッペイの母親ケイコを相手にとぼけようとするが、そこにジョージが(渡辺大輔) バラの花を持ち、「・・・テッペイの・・・」と歌いながらケイコに近づいたため、 4人は必死になってジョージを制止する。

ケイコが説明を求めると、そこへ狂ったようなトリヤマ補佐官が乱入してきた。 ケイコが叱り飛ばすと、トリヤマ補佐官は気絶し、取り付いていた虫はケイコの耳の中へ移動する。

GUYSの司令室でテッペイは、親に自分がGUYSにいることを隠す理由をメンバーたちに説明した。 テッペイが子供の頃、高い木の枝から飛び降りようとしたら、母親のケイコが心配し、心臓発作で倒れてしまった。 病院でケイコが死ぬかと心配したテッペイは、意識を取り戻して落ち着いたケイコに抱きつき、泣き崩れた。 テッペイはその時、二度と母親に心配をかけないことを誓った。

リュウ、ミライ、マリナ、コノミはテッペイに協力して内緒にすることを約束するが、 ジョージだけは協力できないと言い、ミライに「俺の今回のテーマはテッペイの自立だ」と言う。

トリヤマ補佐官に取り付いていたのは、インセクタスの生まれたばかりの幼体(ノープリウス) であり、倒したインセクタスはメスであったことが判明した。 その幼体がケイコに取り付いた可能性を心配したテッペイは、自分の家へ行き、 ケイコが元気であることを確認し、安堵するが、同じくGUYSのメンバーが駆けつけたことから、ケイコは不審がる。

「GUYSによるお宅訪問」などとマリナやコノミがごまかそうとするが、ジョージは逆にバラそうとする。 ジョージを責めるテッペイに、心配かけたくないなら何でGUYSにいるのか、 と反論するジョージ・・そこへやって来たメイドのモエ(市川亜沙美) からケイコが前日病院に行ったことを知ったメンバーは、病院へと向かう。

病院では、職員のロッカーからインセクタスの抜け殻が発見された。 かなり成長しており、オスであることも判明した。テッペイは自分の父親である医院長のクゼ テツハル (加門良)に避難するように言うが、テツハルは、動けない患者もいるため、 最後まで病院を離れられないとテッペイに告げる。

GUYSのメンバーたちは、倒したインセクタスと同じ周波数を発生させ、インセクタスをおびき寄せようとするが、 そこへケイコが現われる。ケイコはテッペイに、医者になろうとしていたのに、なぜGUYSなんかの横道にそれたのかと問い詰める。その場を離れ るテッペイ・・マリナは、自分たちはプロで、テッペイも病院も守ってみせるとケイコに約束する。

GUYSのメンバーたちはインセクタスをおびき寄せて倒そうとするが、気づかれて失敗。 インセクタスはメスの固体よりも大きな成体へと成長してしまう。 病院に近づくインセクタス・・ミライはメビウスに変身するが、 インセクタスの高周波に集まってきた昆虫たちがメビウスを囲み、メビウスは大苦戦。

テッペイは、インセクタスと同じ周波数を発生させ、昆虫たちの注意を自分に向け、メビウスから離そうとする。 メビウスを取り囲んでいた昆虫たちが一斉にテッペイに襲いかかる。 その様子をケイコが心配そうに見つめる。

テッペイはころんでしまい、危機一髪。そこへメテオールの立方体型バリアがテッペイの周りに張られた。 メテオール弾を撃ったのはジョージで、使用許可は事後承諾。 テッペイはインセクタスの胸と腹を狙え、と指示。

GUYSメンバーたちの一斉射撃(NN弾:ニューロ・ニュートラナイザー)で、インセクタスからの高周波が止まり、 昆虫たちは離れていく。メビウスはメビュームシュートでインセクタスに止めを刺す。

戦いを終え、ミライは合流したが、どこに行っていた、という質問に「トイレに・・」とごまかす。 ジョージはテッペイにまだ何かやることがあるんじゃないか、と言う。テッペイは母親のケイコの元へ向かう。

「横道にそれたのではない。変わらない同じ道を歩いているのだと思う。」と心の中で振り返りながら、 ケイコに「医者もGUYSもどちらも同じ人の命を救う仕事なんだ。僕はいつか必ず医者になる。でも、今は・・」 と伝える。ケイコは怪我したテッペイの右手にハンカチを巻き、 「行きなさい。母さんは人を待たせるの、嫌いよ。」と優しくテッペイに言う。

仲間たちの元へ戻るテッペイを、母親のケイコと父親のテツハルは優しく見守る。自分たちの子の成長を確かめながら・・。

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メビウスベルト

ウルトラマンシリーズとのここが注目のリンクポイント!

1.ウィンダムの勝利:冒頭でウィンダムがインセクタスを単独で倒しますが、これまでカプセル怪獣やマケット怪獣は善戦することはあっても、勝利することは珍しく、平成セブン(1999年)3話でシモジョ星系人を撃退したくらいでしょうか・・今回のウィンダムは見事でした。

2.林寛子さんと加門良さん:特撮という点では、林寛子さんは「変身忍者 嵐(1972年)」に出演。加門良さんは、「仮面ライダーアギト」や劇場版「仮面ライダー剣」に出演しました。隊員たちの親が登場するのは、あまり多くありません。自分の記憶の中では帰りマンの岸田隊員(11話)、ティガのレナ隊員(7話)、ダイナのアスカ隊員(29話、最終話)、コスモスのムサシ隊員(劇場版1、2、VSジャスティス)の親くらいしか思い浮かびません。

3.取りつかれて暴れる:過去に怪獣や宇宙人に意識を乗っ取られたり、感覚を麻痺させられたりして暴れる例は多くあります。(例えば、有名なセブン10話:例のメトロン星人)今回ターゲットとなったのは、やはりトリヤマ補佐官。今回もやってくれました・・^ ^;

4.オス・メス両方出た怪獣(宇宙人は除きます):シーモンス&シーゴラス(帰りマン13・14話)、キングトータス&クイントータス(タロウ4・5話)、レッドキング(パワード3話)、ギガンテス(ダイナ28話)、アダムとイブ(マックス35話)があげられます。

5.虫の群れ:大群で襲いかかる虫の群れというと、ガイアの破滅魔虫トビシ(49・50・最終話)を思い出します。トビシの場合は合体してカイザートビシという怪獣なりましたが、今回は呼び寄せられた昆虫たちにとってもいい迷惑です。

6.どこに行っていた?:ウルトラマンに変身する者に対して、戦闘終了後に「どこに行っていた?」と追求しないのが暗黙のルールですが・・「トイレに・・」と弁解するミライ・・このシーン、マックス35話を思い出しました。ミズキ「どこ行ってたの?」、カイト「ちょっと金星まで。」、ミズキ「・・・」(なぜか突っ込まない)マックスの方は、この露骨さが良かったですね。(笑)でも、ミライの方は・・汗

ウルトラマンマニア考察

1.テッペイの心
正直、これまで「病院を継ぐという家庭の事情で医大生になったけど、むしろGUYSの仕事の方が合っている」という程度にしか見えませんでした。(怪獣オタクぶりも目立っていたし・・・^ ^; )今回、テッペイは「横道にそれたのではない。変わらない同じ道を歩いているのだと思う。医者もGUYSもどちらも同じ人の命を救う仕事なんだ。僕はいつか必ず医者になる。」とはっきり言い切りました。このテッペイの心、本当にしっかりしていて、すごいと思いました。自分の歩くべき道をしっかりと見ていて、しかも優しさにあふれています。 今回、GUYS入隊について、親に黙っていた理由が明かされましたが、これも胸が締めつけられるような気持ちになりました。病院で死ぬかもしれない親を見守る・・これは実体験しないとわからない程、辛いものです。しかもテッペイの場合は自分が原因だったかもしれないわけで・・母親の元気な顔を見て、抱きつくシーン、テッペイの気持ちが痛いほどわかりました。

2.ジョージの友情
ジョージだけは、テッペイに協力してGUYS入隊を隠し通そうとする仲間たちとは逆に、わざとバラそうとしました。おそらくジョージは「逃げずにぶつかれ。」とテッペイに言いたかったのだと思います。最後のシーンでテッペイに母親と話すことを促すシーンに、ジョージの優しさを見ることができます。本当にテッペイのことを真剣に考えていたのは、実はジョージの方だったのではないか、と私は思います。

3.母親の思い
テッペイの母親のケイコですが、第3話では「息子を大病院の跡継ぎにしたい、金持ちの奥様」というイメージが強く、「これでは、テッペイも大変だな・・」と見ていて思いましたが、実は本当に心の優しい母親であることがわかります。病院で泣きつく子供の頃のテッペイの頭を優しくなでるシーン、そしてラスト・・テッペイの気持ちだけでなく、母親ケイコの思いが痛いほど強く伝わってきました。

4.人物ウォッチング(第6話・9話・12話レポに続いて)
(1)ジョージ:最初は、クールで自己中心的で協調性がない男、という見せ方でしたが、本当はとても優しい心の持ち主であることが、これまでの話でよくわかります。そして、トリヤマ補佐官と双璧を成すコメディアン・・今回のバラの花と歌のシーン、リムエレキングによる感電、実は泳げないこと・・たっぷりと楽しませてくれます。マリナによれば、「見栄っ張りのプレーボーイ」(13話)とのことですが・・??

(2)ミサキ ユキ:残念ながら、今回は登場しなかったのですが・・総監代行という立場で、ネオスのフジワラ秘書官と比べると、おっとりしているイメージがあります。結構表情も豊かで、咳払いでトリヤマ補佐官をたしなめたりもします。ミクラス登場の回で、ミライに興味を示していましたが、同時期入隊の他のメンバーの話はなく、なぜミライだけに関心があったのでしょうか?

5.再び夢について
前回のマリナに続いて、今回のテッペイ・・第3話のレポで書いたことに対する答が、一人ずつ出されています。今回のメンバー、優しいだけでなく、しっかりと自分自身を見つめています。いつかGUYSを卒業して、それぞれの夢を再び追いかける日が来ると思いますが、今は視聴者である自分も、このメンバーたちとの出会いを大切にしたいと思います。今回の話、本当に感動しました。ビデオを見返すたびにジーンときました。

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