ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラマンメビウス第14話「ひとつの道」ソフト考察】

ウルトラマンメビウス第14話「ひとつの道」【ソフト編レイゴ考察】

ウルトラマンメビウス怪獣インセクタス画像
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怪獣の襲来を受ける日本。 市街地に向かってよちよち奇妙なバランスの動きで迫ってくる怪獣インセクタスにトライガー・ロングショットモードで 応戦、火花を散らして、打ちまくるカイズのメンバー。

的にはあたるが、昆虫のような固い殻に覆われたインセクタスの外皮にはさして効果はない。 「くっそー」悔しがるリュウ。

テッペイがメテオールを手にする。「頼むぞ、ウインダム」 《REALISE》 出現したウインダムは体当たり、殴りかかり、両手でボコるが怪獣の頭部、左右の角の中央で 生成されるビームが炸裂。

ひるむウインダム 「1分じゃ、勝ち目ねーぞ!」 「あいつ、胸の穴から妙な高周波を出してる」マリナが何かを感じ取った。 「高周波を出してる?」ミライが尋ねる。

テッペイはすかさず分析する。「奴は昆虫系だ・・・高周波を出して、何かを呼んでるのかも知れない。 ウインダム奴の胸の穴を狙うんだ!」

ウインダムの出す光線は胸の隙間を直撃。怪獣は爆破・・・「勝った・・・!」ガッツポーズのメンバー。 嬉しそうにアゴに手を添えるサコズミと満面笑みのコノミ。

トリヤマたちが現場報道クルーの前でご満悦だ。「ご覧になりましたか?レジストコード・インセクタス掃討完了!ま・・・ GUYSジャパンが実力を発揮すれば、こんなもんです。なぁマル」 「はい、その通りです」マルもうれしそうに身をくねらせる。

「日頃から、私がきっちり指導しておりますから。なぁマル」報道クルーのマイクをマルに引っ張るトリヤマ。 「はい、その通りです」掛け合い漫才を続ける後方をゾロゾロ 通るカイズのメンバー。最後尾を歩くテッペイを捕まえるとテレビカメラの前に引っ張り出す。

「あ〜〜おいおいおい」 「わっ!」2人でテッペイを挟むと 「彼が今回の勝利の立役者です。」嬉々と披露する。

「ちょっと・・・僕、困るんですよ・・・」振りほどこうとするテッペイをなおもトリヤマは、押さえ込むと 「こういう謙虚なところも、私の指導の賜物です」 「その通りです」

テレビの前で、テータイムを楽しんでいたテッペイの母クゼケイコは、息子の姿に驚いて立ち上がる。 「テッペイさん!」

現場には、インセクトから漏れたどろどろの溶液が生き物のように流れていた。 「どうだったかなぁ?私のテレビ写りは?」 まだ勝利の興奮に冷めないトリヤマとマルは「私が録画してありますから、後で確認しましょ」 勝利会見の話しに夢中だ。トリヤマは会話に気をとられその上を歩いてしまう。

「そうだな、あはははは・・・・あ、なんだこりゃ」ぐっちょりとした粘液がクツにへばりつく。 「あ!ちょっと、ウロウロしないでくださいよ。この一体は、まだ洗浄が終わってないんですから」 マリナは二人に注意を呼びかける。

しかし、そのときそのへばりついた粘液の中からトリヤマの足を伝わり幼虫がぴょんぴょんと トリヤマの耳に入り込んだ。「あ・・・そうなの?」「・・・・ううっ・・・・」

「どうかしたんですか?」トリヤマは何か悪寒を感じて震えた。 「風邪でも引いたかな?よいっしょ・・」違和感はあったものの、 何事もなかったように粘液を大またで飛ぶようによけると帰還につく二人。 立ち去ったあとを現場は、消毒された。

「やばいよ〜〜テレビ写っちゃったよ〜〜やばいよ〜〜」頭を抱え込むテッペイ 「テッペイ!」そんなテッペイにサコミズが声をかける。 「はい」 「君にお客さんだって」誰だろうとモニターを映すテッペイ。

モニターに映し出されたそこはクゼケイコの着物姿が、イスから転げ落ち、ずるずる沈んでいくテッペイ。 「・・・・・か、母さんだ!」

「あ・・・いや、どうしよう・・・あ゛・・・どう・・・ダメだ・・・あ・・・どうしよう」テッペイは悶絶し、 身の置き所がない。 そこにミライ、リュウ、マリナ、コノミの4人が、通りかかる。

「テッペイ、早く食堂行かねーと、Aランチ無くなるぞ」リュウは悶絶中のテッペイに何気に声をかける。 メンバーにいきなり頭を下げるテッペイ「お願いです!クゼテッペイなんて人は、ここにはいないって言ってください!」 「一体どうしたんですか?」ミライが驚く。

「実は母が来てて」 一同「へぇ〜〜」

「実は僕、GUYSにいる事、母に内緒にしてるんです」 一同「へぇ〜〜」「えーーーーー」

乗り、ポケ(乗り、突っ込みは一度相手の調子に乗ったあと突っ込む。この場合は乗りボケ?) ミライとリュウは特に驚きで、首がみんなより、前に伸びる。

テッペイは続ける「母は、 僕が父の病院を継ぐために、大学で日夜勉強二励んでいると信じてるんです。何とかごまかさないと、母にばれると、もうGUYSにいられなくなるんです。お願いします!」 「わかりました。ほかならぬテッペイさんの頼みです」やや物分りがよくなったミライが頷く。 「しょうがないなぁ」マリナも腕を組みながら微笑む。 「今回だけですよ」コノミがぴよんと飛ぶように念を押す。

そのころトリヤマ補佐官は、イスに脂汗を流しながら微動だもせず座り込んでいた。 「なんだか昨日から、ずいぶん具合悪そうですね。先生に診てもらったほうがいいですよ」トリヤマの手から紙コップが ポトリと落ちる。 拾って捨てながらマルは促す。

問題のクゼケイコはカイズの食堂に通されていた。 「いいえ!間違いありません!わたくしは、テッペイさんがその制服を着て、テレビに映っているのを見たんです!」 「それは、他人のそら似というやつじゃ・・?」リュウは慌てて否定に走る。

「あなた!母親の目を疑うんですか?!」ケイコの剣幕にリュウはすばやく、マリナをケイコの前に差し出すと、ちよこんと そ知らぬ顔で横にずれる。

交代で戦陣にかり出されたマリナ「あ!・・・えっとですね。あの、古くから地球上には、そっくり同じ顔をした人間が、 3人はいるといわれておりまして・・・」 「そうなんですか!?」ミライはうれしそうに聞き入る。 「バカッ!」リュウはこの、とばかり、顔で目配せをする。

そこにジョージが口に薔薇の花をくわえ、歌いながら出現だ。 「オーセニョーラー。これは食券、そしてあなたは、 テッペイのマドレー(イタリア語で『母』)♪」と食券をフラメンコのカスタネットのようにケイコの顔の前に差し出すジョージ。

ふゅるるるるる・・・・。いきなり氷河期となるカイズ食堂。 硬直し、放送事故になるギリギリまでフリーズした一同だが、ケイコが、ブルッと氷解。

動きが再開するが、氷河期を経過したらしく、 そこに食事をしていた人々の姿は忽然と消え(絶滅)ていた。

「ちょちょちょちょ・・・」メンバー全員に壁際に力ずくで押し付けられるジョージ 「テッペイはGUYSにはいねー事になってんだよ」 「だっているじゃん」リュウは慌てて、ジョージの口を塞ぐ 「お母さんには内緒なんですよ」焦るコノミ。

「ちょっとそこ!何をコソコソしてるんです!?」ずんずんとケイコが迫ってきた。 「いやっ・・・」思いっきり焦る一同。

そこにトリヤマがものすごい叫び声とゾンビが人に襲い掛かるかのようなポーズで飛び込んできた。 「あ゛ーーーーー!!」 「ちょっと、やめましょうよ」マルも押さえようとするが、 トリヤマは暴れる。

カイズに襲い掛かるトリヤマを取り押さえながら、 「アミーゴ!補佐官!」ともめていると 「ちょっと、そこのあなた!やめなさい!」ケイコはトリヤマの右手を後ろ手にひねってまわし取り押さえた。

その時、例の紫の虫は、トリヤマの耳を出て、ケイコの耳へ。 ケイコに手を離されたトリヤマは昏倒。 「大丈夫ですか?」マリナが駆け寄り「補佐官!!」いつのまにか満座に復活した食堂の人々も駆け寄る。

「びっくりしたなぁー」リュウが口火を切った。 「それよりも、テッペイさんのお母さん、何かドサクサにまぎれて帰ってくれたから助かりましたけど」コノミは心配そうに訴える。

「うん・・・でも、いつかばれるよ、テッペイ君」マリナも優しく指摘する。 しかしテッペイは、「僕は、隠せる限り隠し通すつもりだ」と言い切る。 「どうしてそんなにまで隠すんですか」ミライが尋ねる。

「僕、子どもの頃、木登りが得意でね。近くの神社の高い木の上から飛び降りようとした事があったんだ」 木に登って空を眺めていたテッペイをケイコが迎えに来た。 「テッペイちゃんーーご飯出来たわよ」

「見てて、母さん」テッペイはその木の太い幹に立ち上がった。 驚いたケイコは「あ・・・動かないで・・・やめなさい・・・あ、やめ・・・うっ」そのままテッペイの目の前で倒れてしまった。

「母は心臓発作を起こして倒れた。僕は待っている間中、母が死んでしまうんじゃないかと、ものすごく怖かった」 深夜、病室の前のイスに一人でぽつんと待っていたテッペイに父、クゼ テツハルが優しくおいでおいでをする。

「テッペイ」 静かに病室のベットで、眠っていた母が気がつき、ゆっくりとテッペイに笑いかけた。「お母さん・・・」 泣きつくテッペイ「泣かないの!よしよし」ケイコはテッペイの頭を抱きしめる。

「その時、僕は二度と母に心配をかけないと決めたんだ。母の前で二度と木から飛ぶような真似はしないって」 「そうだったの・・・」マリナは頷いた。

「わかった!俺たちみんなでテッペイの事ばれないように、出来る限りバックアップしようぜ!」リュウも立ち上がり頷いた。 「そうですよ!そう来なくっちゃ」 「任せといて、テッペイさん」ミライとコノミもすかさず賛同する。 「みんな・・・」テッペイは感極まる。

しかし一人「はーい、UNO抜ーーっけた」ジョージは席を立つ。 「ジョージさん!!」 「ったくなんてひねくれもんなんだ。」リュウの言葉を後ろに聞きながらジョージのあとを追うミライ。 ジョージはミライを振り返った。「いいか。俺の今回のテーマは『テッペイの自立』だ」

ケイコはタクシーを走らせていたしかし頭部に違和感を感じ眉をひそめる「つっ・・・あーどうかしたのかしら?」 「お客さん、大丈夫ですか?」タクシーの運転手もその様子に声をかける。

基地ではテッペイが大声をあげていた。「大変だ!」 「どうした?テッペイ」サコミズがテッペイの側に来る。 「トリヤマ補佐官の体の中にインセクタスのノウプリウスが入り込んでいたんです」 「ノウプリウス?」

テッペイは画像を表示し、解説を続ける。「卵から孵った直後の形態です。ウインダムの倒したインセクタスは 、昆虫系甲殻怪獣のメス。山に残っていたあの液体は、壊れた卵の粘液だったんです。 その中にインセクタスのノウプリウスがいた」 「だが、戦闘跡地はすべて、洗浄したはずだぞ」ジョージが口を挟む。 「うん・・・あっ!」しかしマリナには思い当った。 

「あ・・・そうなの?」と顔を上げたトリヤマの顔だ。 「その時に補佐官の身体に入ったんだ」 「じゃあ、今でも補佐官の身体の中に?」 「いえ、補佐官の体内に、もうノウプリウスの反応はありません。 おそらく新しい生体に移動した。奴は人の体内に隠れて、脱皮の時期を待ってるんだ。 「補佐官に接触した人間をすぐに調べないと!」

リュウは周りを見回し、「けど、俺たちには何の異常もねーぞ」 「まさか!」ミライは立ち上がった。

「もえさん!」テッペイは自宅に駆け込んできた。 「あらーーお坊ちゃま」クゼ家の名物なのか、歩くメイド喫茶の代名詞のようなフッションの萌さんはお元気そうだ。 「母さんは?」 「リビングの方にいらっしゃいましたけど」

「母さん!・・・母さん」 ケイコはテッペイを見るとやおら立てあがった。「テッペイさん!あなた、最近大学に行ってませんね」 ケイコの相変わらずの迫力にたじろきながら「あ・・・お元気そう・・・ですね」 ケイコは勢いよく、説教を続ける「お医者様になるお勉強は、どうなってるんです!?」 「あ、いや、それはその・・・」

そこにやや遅れて、カイズのメンバーも飛び込んでくる「テッペイ、お前なんで一人で行くんだよ」 「あ・・・お母さん、元気だー。良かったですね、テッペイさん」リュウとミライの開口第一声に、ああもぅと悲痛な顔になるテッペイ。

案の定ケイコは眉を吊り上げた。 「テッペイテッペイって、あなたたち、うちの息子とどういう関係なんですか?昨日は知らないっと言っておいて」 「実はですねーマドレー」ジョージが一歩踏み出す。ミライとリュウはすかさずジョージを力ずくで、押さえ込む。

マリナがとっさに拳を高く上げると突拍子もない声を出す。「GUYSのお宅訪問ーー」 「GUYSのお宅訪問?」 コノミが急いで補足する。 「そうなんですーGUYSでは市民の皆さんに、もっとGUYSに親しんでいただくために、 週に一度、抽選に当たった方のお宅を訪問するという企画を始めましたー」

リュウとミライはうんうんと激しくコノミに同意しながら違う、違うといいだげなジョージの口を塞ぐとにこにこ顔だ。 「うわぁ〜〜素敵な企画ですね〜〜」萌えさんは気にいったようだ。

「ひょっとして、働くからうちに泊めるとか?」ケイコはウンサくさそうに尋ねる。 「いいえ・・・えええ・・・とんでもない」リュウとミライは首を横に振り子のように振りまくる。

「人の秘密をばらして、何か楽しいですか?」廊下に出るといつになくテッペイはジョージに詰め寄った。 「別に・・・」 「ジョージさん!」 「よせ!2人とも」リュウが止めるが、 ジョージは続ける「お前は、二度と木から飛び降りないと決めたんだろう。 だったらどうしてGUYSにいるんだ。GUYSの仕事はいつも危険と隣り合わせだぜ」 「それはー・・・」テッペイは言葉に詰まる。

「ね・・・それより今は、インセクタスだよ」マリナが流れを変えるように割って入った。 「ああ・・・テッペイのお袋さんじゃないとすれば、奴はどこに消えちまったんだ?」

そこに萌がお菓子を持って出てきた。「これ、みなさんでどうぞー焼きたてですからー」 「ありがとうございます」 「グラシアス」 「どうも」 「いただきます」一つずつバスケットから、お菓子をつまむメンバー。

「ありがとうございます。・・・もえさん、昨日テッペイさんのお母さん、 家に帰る前にどこか寄り道をしませんでしたか?」ミライがお菓子を受け取りながら萌に聞く。

「ええ・・・少し遅くなると、お電話をくださいました」 「どこに寄ったんですか?」 「気分が悪いとおっしゃって、旦那様の病院の方へ」

そのころクゼ病院のロッカールームでは 医療スタッフが気味の悪い物体を見つけ叫び声を上げていた。

「成長が加速度的に早くなってる。この様子だと昨日の夕方には、人の身体を出て、もう脱皮を始めています」 テッペイが分析する。「もうこんなに大きくなってるんだ・・・」コノミは驚く。 「皮の形態から見ても、今度のはオス。この速度で成長しているとすると、もういつ成体になってもおかしくは無い」

「しっ!!この建物の中にいる。最初のインセクタスと同じ高周波が聞こえる」突然マリナが静止をかける。 「場所は?」 「病院の中は音が多すぎて・・・たぶん西病棟のどこか」神経を集中させたマリナが顔を上げた。

「テッペイさん、確かあいつの高周波は、何かを呼び寄せてるものかも知れないって言ってましたよね?」 ミライがテッペイに聞く。

時を同じくして 通行人たちは口々に異変に悲鳴を上げていた。「えーーーなんだあれ」「気持悪ーーーい」 真っ黒の塊になった昆虫の大群がある方向に向かっているのだ。 「サコミズだ!昆虫の大群がそっちに向かってる」

「わかった、患者を避難させる。」テツハルはテッペイの報告に立ち上がった。 「父さんも患者と一緒に避難してください」 「私はここに残る」 「父さん!」 「テッペイ!動けない患者もいるんだ。私は最後まで、患者の側にいる」 テッペイはそんな父親の後姿を黙って見送るのであった。

「よし!セット完了。これでここから、私に聞こえるのと同じ高周波が出るわ。 インセクタスは、この音を仲間の音だと思うはずよ」 「待ってください!囮になるなら僕が!」ミライがマリナに申し出る。

しかしテッペイはそれすらも退け「この病院を一番良く知ってるのは僕だ。僕が行く!」きっぱり言い放つ。 「テッペイさん・・・」 「奴を駐車場地下の、機械室におびき出します」 「わかった、奴が成体になる前に、機械室で一気に叩くぞ!」

しかしその前にケイコが立ちはだかった「行ってはいけません!」。 「母さん・・・」 「そんな危険な事をしてはダメ!」 「母さん」 「その制服・・・あなたはお医者様になるはずだったのに・・・どうしてGUYSなんて横道にそれてしまったの?」 「・・・ごめん」 「行ってはダメ!」 走り出したメンバー。

しかし、マリナはケイコの前に残った。「GUYSはプロのチームです。テッペイ君も、この病院も、守ってみせる」 きりっとしたまっすぐな視線をケイコに向けるマリナ。

「ごめん、お待たせ」マリナを拝むテッペイに笑いかけるマリナ。 「行くぞ!」

「マリナさん」ミライはメモリーディスプレイで指示を仰ぐ 「動いてる・・・テッペイ君のほうに近づいてる」 「機械室に入るまで手を出すな。逃げられたら終わりだ。」

「ジーアイジー。奴の退路はこっちが押さえる」二手に分かれたジョージが返信する。 「どうしたんです?」 「地下の空調で反響して、音が聞き取りにくいのよ」マリナはコノミに答える。

「来ます・・・六時の方向」テッペイが伝える。 「走れ!・・・・」リュウの掛け声でテッペイは走り、リュウとミライは「もらった!」構えて飛び出した・・いない。 「やったか!?」ジョージたちが後ろから駆けつける。

「罠だと気付かれました」 「あそこよ!」 「これはあいつの・・・」すでに脱皮された巨大なぐちょぐちょの皮がそこにあった。 「奴が成体に・・・」

ついに、地響きを立てて巨大怪獣は出現した。

「前のより、でかくなってるじゃねーか」 「オスだからだ」 「高周波の発生器官を叩いてください」テッペイは指示する。 「よし!全員散会して攻撃!奴を一歩も病院に近づけるな!」 「ジーアイジー」 「行くぞ!」

「病院を守ってみせる」テッペイはもう一度声に出して誓う。 患者たちは不安を口々に口にする「ねぇ先生、俺たちはどうなるんだーー」 「大丈夫、皆さん、大丈夫だから落ち着いて」

ミライは打ちまくるメンバーからそっと離れるとメビウスに変身した。 インセクトを飛びキックで蹴飛ばしながら登場したメビウス。

「ウルトラマン」「メビウス」コノミとマリナはそれぞれに呼びかける。 しかしその時 「来たーー昆虫の群れだ」コノミが伝える。 昆虫に翻弄されるメビウス。

テッペイは身動きの取れなくなったメビウスの代わりに自ら囮になる決意をすると 「ここには動けない患者がいるんだ。昆虫ども、こっちだ!」高周波を餌に走り出した。

「テッペイさん・・・・」ものかげから我が子を見つめるケイコ。走っていたテッペイが転倒した。 昆虫の大群がグワーーッとテッペイに襲い掛かろうとしたまさにその時

「・・・キャプチャーキューブ」テッペイの体は間一髪 キャプチャーキューブに包まれた。

メテオールをとっさに使用したジョージがメモリーディスプレイで「隊長!メテオール、悪いんだけどさ・・・」すかさず サコミズの「以後、事後報告は禁止!」応答にあちゃーーの顔をしてみせるジョージ。

「ジョージさん・・・」テッペイは顔を上げる。 「あの化けもんをどうするか、さっさと考えて指示を出せ!そのバリヤの寿命も1分だぞ」 「ニューロ・ニュートラライザーでインセクタスの腹と胸の結節腺を狙ってください。 昆虫のシンケイサクは腹側です。結節腺には中枢神経が通っていて、 構造的にも弱い。NN弾で叩けば、高周波が出せなくなるはずです」

「ジーアイジー」 テッペイが叫ぶ「隊長!」 「メテオール解禁!」サコミズの号令が下る。 メテオールを各自インストール。

「行くぜ!ニューロ・ニュートラライザー」怪獣の中枢神経への一斉砲撃により、インセクタスは高周波が出せなくなった。 「よし!」

メビウスはすかさず、メビウムシュートでインセクタスを撃破! 「やったーーーー」患者たちは歓喜の声を上げる。

戦い終わり、引き上げようとした中でジョージがテッペイに促す。 「お前はさあ、まだ、何かやる事あんじゃないのか?」 どこからか合流してきたミライに リュウは「ん?お前、どこ行ってたんだ?」 「いや・・・あの・・・トイレです」しろもどろのミライ。

まっすぐ、ケイコに向かうテッペイのこころの声は語っていた。 『母さん、僕は横道にそれたんじゃない。僕は変わらない同じ一本の道を歩いているんだと思う』

テッペイはケイコの前に立つと 「医者もGUYSの、どちらも同じ、人の命を守る仕事なんだ。僕はいつか必ず医者になる。でも、今は・・・」

ケイコはテッペイがそれ以上を語る前に手の甲のキズを見つけると、白に赤い模様の入ったスカーフを取り出し 「早く行きなさい。母さん、人を待たせるの、嫌いよ・・・・さぁ」テッペイの手に処置をして、そうしてその手に両手を優しく添えた。

ケイコに向かって、深々と一礼するテッペイ
子どものころのテッペイが「お母さん・・・」ケイコに向かって無心に走ってくる。

「子どもだとばかり思ってたら」ケイコが仲間と帰路につくテッペイの後姿を見ながらそっとつぶやく 「そうでもないさ・・・」テツハルはケイコの肩を抱くと満足げに二人は寄り添うのだった。

 

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管理人のここが考察ポイント

               

今回のテーマもカイズのメンバーのパーソナリティを認知する 印象形成に役立っていた。 熱血根性ものの親子といえば、巨人の星に代表されるような、父親と息子という各概念が、意味的な関連によって 結びついているとされるものをモデルとしやすいが、 今回は母親と息子というかなり珍しい シチェーションである。

父親も母親も同じようにこどもに期待する。 しかし母親のそれは、時に期待と受け取られるより、単なる過保護と受けるとられることがある。 実際には、安定した母子関係は重要で、基本的な人間関係の形成の基礎となるといわれており、その後の知的,心身の発達に影響を及ぼすと報告もされている。

敵が我が子に向かってきた場合、とっさに男は素手でも相手に立ち向かい。 女はこどもの体に覆いかぶさって守ろうとすると聞く、これはやはり身体機能の限界からくる本能なのかもしれない。

そうしてでも守りたいこどもは、やがて覆いかぶさるには大きくなり、母親の体からはみ出し、 父親の素手よりも強いパンチをしたためることができるようになる。 そう、ずっと守ってやることはできないのである。

そして、いつかこどもが守る番がやってくる。親の限界を超えた危機にテッペイは、 この病院を守る。はじめて決意するのである。

全力で親から守られ、愛しまれて育てられたこどもはまた、全力で愛するもの、大切なものを守る人間に成長する。 大切なものの守り方を、親の背を見て学ぶからだろうか

毎度ミスの多い、トリヤマについてもしかりだが、 カイズのメンバーは時に、弱い立場に追いやられた相手を思いやる言動をしばし耳にする。

それぞれの環境による差こそあれ、仲間のあるがままの姿を受け入れ、それをよい方向にいかに方向付けるか、 それぞれが常に試行錯誤しており、 例え人と同じような行動をとらなかったとしても、それは決して、相手を思いやっていないわけではない。 それはジョージの言動によって物語られていた。

母子のドラマを主軸にSFとしては、インセクタスの成長ぶりや人体に寄生する動き、昆虫の大群などは十分に気味悪く、迫力があり、 時に息を呑んだ。

1本の道としてのテーマの完結として、親に礼をつくし、 そして自分の生き様を堂々と表現できるようになったテッペイは、みごとジョージの目標をクリアーしたと言える。 間違いなく、ぜひ親子で見て欲しい作品だった。

ウルトラマンメビウス第14話「ひとつの道」

昆虫型甲殻怪獣 インセクタス、マケット怪獣 ウインダム 登場

《スーツアクター》山本 諭 / 横尾和則 / 丸山貢冶 《シリーズ構成》赤星政尚 《設定考証》谷崎あきら 《脚本》太田 愛 《監督・特技監督》村石宏實 《監修・製作》円谷一夫 《製作統括》大岡 新一 《企画》加藤直次 / 江藤直行 / 中村理一郎 《プロデューサー》岡ア剛之 / 渋谷浩康 / 山西太平 《制作プロデューサー》小山信行 《アソシエイト プロデューサー》小掛慎太郎 《ラインプロデューサー》中井光夫 《音楽プロデューサー》玉川 静 《音楽》佐橋俊彦

=本編スタッフ=

《撮影》倉持武弘 《照明》佐藤才輔 《美術》内田哲也 《録音》楠本龍巳  《操演》上田健一 《助監督》石田 整 《装飾》遠藤雄一郎 《衣装》塚田亜矢子 《メイク》今井志保 《車両》野口茂樹 《製作主任》納田長武 《制作担当》土肥裕二 《編集》矢船陽介 《VFX》田代定三 《デジタルエディター》柳生俊一 《VE》佐々木彰司 《スクリプター》安川知里 《キャスティング》小島文夫

=特技スタッフ=

《撮影》新井 毅 《照明》高野和男 《美術》佐々木朋哉 《操演》根岸 泉  《殺陣》岡野弘之 《助監督》日暮大幹 《スクリプター》安川知里 《スチール 》橋本賢司 《制作主任》菊池英次 《キャラクターデザイン》丸山 浩 《 キャラクターデザイン・イメージボード》酉澤安施 《キャラクターメンテナンス》宮川秀男 《タイトルデザイン》佐藤さい子 《仕上げ》池田 遼 《CGIモーションディレクター》板野一郎 / 円谷CGI-ROOM 《CGIスーパーバイザー》早川哲司 《CGIデザイナー》大坪隆仁 / 上田和彦 / 小嶋律史 / 小杉淑美 《3Dアドバイザー》林 秀則 《CGIマネージャー》小田達哉 《CGI協力》水石 徹 / 三宅 仁 / 姜 千明 《エフェクトコーディネート》小野寺 浩 《エフェクトアニメーター》増田英和 《デジタルマットアート》有働武史 《カラリスト》高田 淳 《音響効果》古谷友二 《編曲》池田地香子 《整音》松本能紀 《MD担当》福井 顕 / 須賀久子 《催事宣伝》古池啓一 / 大野まゆみ / 菅野悦子 《製作デスク》石渡牧子 《番組宣伝》重松和世 / 橋本栄次 / 太田小由美 / 堀川勝一 / 武藤博昭

《協力》松下電器産業 / ドゥカティジャパン / クリエイティブ・オフィス ヤップ / 銀座サクラヤ / プログレッシブ / キャン・インターナショナル / 日本照明 / 東宝ビルト / 東宝コスチューム / 開米プロダクション / 亀甲船 / スワラプロ / スリーエススタジオ / 富士通乾電池 / ヒルマモデルクラフト / ハルジン / グレイショコラ / 宗特機 / コダック / 月星化成 / 日本エフェクトセンター / IMAGICA / クレッセント / Adobe Systems / Autodesk / ボーンデジタル / D.A.S.T / スタジオ・バックホーン / パンチライン / シネボーイ / RECARO / 岡村製作所 / ナナオ / レイト商会 / K2JAPAN / 富士グローブ / CASIO / KENNETH COLE / Zoff

《撮影協力》明星大学青梅校 / 比企郡吉見町 / 北多摩一号水再生センター / 日野ヒューテック 《製作著作》中部日本放送 / 円谷プロダクション 《提供》BANDAI

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クレジット応援スタッフ・モグルドン/絵・坂上ナオト

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