ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラマンメビウス第15話「不死鳥の砦」ソフト考察】

ウルトラマンメビウス第15話「不死鳥の砦」【ソフト編レイゴ考察】

ウルトラマンメビウス・グロマイト怪獣画像
当サイトページ上のサムネイル画像を取得される場合は、リンクをお願いいたします。

約12時間前ガイズスペーシーが、地球に接近する宇宙怪獣レジストコードーグロマイトを補足これを撃破した。 しかしその中枢気管が破壊を免れ、地表に到達したと思われる。すらりとした黒のパンツスーツ姿のミサキ がカイズクルーに状況説明する。

「というと」ミライの問いに ミサキが続けた。 「12分前熊代山麓で、大型生物の生命派が探知されました。 クルーガイズは至急調査に当たってください。」

ミサキの指示に サコミズがすかさず、号令を出す。「ガイズサリーゴー」「ジーアイジー」クルー一同声をそろえ飛び出そうとしたその時、

「そいつはできねぃ相談だ」白いつなぎの整備服に身を包んだ男が突然現れ、口を挟んだ。 男の顔をみたリュウがうへっと顔をしかめる。

「アライソさん」サコミズの言葉に 「誰なんですか」ミライは思わずマリナに尋ねる。 「なにいってんのアライソ整備班長よ。ガンフェニックスの整備責任者」 マリナが急いで相手に気づかれないようミライに耳打ちする。 「アライソ整備長」ミライは口の中で名前を復唱する。

タイミングよろしく 「サコミズくんどうして出撃せんのだね。」トリヤマとマルが揃ってアライソの後ろから入室してきた。

「まだエンジンコイルの慣らしがおわってねー」アライソは悠然と構える。 「慣らしというと故障でも」 「故障てわけじゃないが、万が一ということがあらぁ。」 「アライソくん、たんなる調査だ。」 「そこをなんとかひとつ」お得意の拝み戦法をくりだすトリヤマ。

「おがんで出撃できりゃ整備はいらねーんだ」即、却下。 下げた頭を戻さずに、トリヤマは横を向き、不敵な表情を浮かべた。 えーい、いたしかたあるまい。マル・・キラリンとめくばせ。

「整備長失礼します。」口調だけはうやうやしく、しかし マルが取り出しものは、立ち入り禁止の黄色いテープ。 これをきりりと捕り物の御用のごとく引っ張ると、トリヤマと二人でアライソの周りをくるくる回り、 キリキリとアライソの体を巻き上げた。

「こらお前何やってんだ」 「クルーの諸君今のうちだ」アライソの拘束に成功したトリヤマは叫ぶ。

怪獣はビルをひねり潰して、爆破させていた。 その様子を見渡すことの出来る高台に、セリザワは立っていた。 そして、セリザワの頭上後方から急飛行するガンフェニックスが、高速に通過するのを見送った。

「レジストコード・グロマイト確認。」コノミがデータを読み上げる。 テッペイも伝える「市民の避難は完了しています。」 「どうしてこう次から次へと怪獣がー…」アライソをマルに任せ、モニター前に飛び出してくるとなかば半べそのトリ ヤマ。

「放せ!放せこの、青瓢箪!」アライソは、必死に後ろからしがみつくマルごと モニター前に進み出た。 「いいか、小僧!飛ばしちまったものはしょうがない。だがな、マニューバモー ドだけは使うな。いいか、絶対に使うなよ!」 「わーった、わー(か)った。とッつぁんはそこで見てなって。」リュウが鼻で笑うように返す。

「行くぞ、ミライ。」 「G.I.G.!」 「うおーーーーっ!!」吼えるリュウ。 ガンフェニックスはグロマイトに突進していきながら、その口から吐き出される 火球を避けながら2機に分離した。

「野郎ーっ!ビームバルカン!」「バリアブルパルサー!」ガンウィンガーのリ ュウ、ガンローダーのジョージがそれぞれ叫びながら、ビーム砲発射! しかし怪獣はびくともしない。「マジかよ、全然効きやしねえ。」 マリナも当惑する。「どうするの?これじゃ埒開 かないわよ。」 白煙が消えると、怪獣の無傷な様子が確認された。

「くっそぉ。何か手はねぇのか。」 「スキャニングの結果が出ました。」コノミが応答し、作戦室のモニターがグロ マイト上部の突起部分の拡大画面に切り替わる。サコミズも心配そうに見 守る。

「石だ!」テッペイの分析を開始。「瓦礫や岩石を凝縮して強靱な鎧にしている。 それに邪魔されて攻撃が本体に届かないんだ。」 「見て!」コノミが示したのは、現在のグロマイト。 口の中が真っ赤に広がり火球を吐くかと思われたが・・・。 「球(たま)切れか?」火球の出ないグロマイトにリュウがあきれたようにつぶやく。

グロマイトはうつむき、口をから赤い光線を出しながら、破壊したビル の瓦礫などを吸い込んで行く。

「あ!」テッペイが何かに気づいたらしく、頭部の付け根の赤く発光した部分の スキャニングを続ける。その一部はマグマの噴出を直前に控えた山の脆い部分の ように外気に触れている。

「リュウさん、首です。首を狙ってください。ヤツは食べる時だけ鎧に隙が出来 るんです!」 「だが、首を狙うってことは、あの攻撃を真正面から受けるってことだぜ。」冷 静なジョージが回答する。

「マニューバモードならよけられる。」その言葉に アライソが慌てて暴れる。「ダメだ、ダメだ、小僧!何聞いてやがる!?」 アライソの制止を振り切り、トリヤマが叫ぶ「私が許可する。メテオール解禁!」

「トリヤマさん!」サコミズもトリヤマに制止をかけるが、「バカッ!死なせる気かっ?」アライソはついに マルを振り払いながらトリヤマをも弾き飛ばした。

「バーミッション・トゥ・シフト。マニューバ!」しかし、リュウはマニューバーモードを使用した。 ガンウィンガーの機体が金色に輝き高速移動しようとしたが・・・ ボディーを包む金色の装甲が突如消失、ウィングが勝手に閉じてしまった。 [MALFUNCTION]カウント47でマニューバモード解除・・・。

「がっ!??はっ!!」わけのわからないままのリュウに向かい、グロマイトが機体に向けてガーット火球を吐いた。 火球がリュウに迫ってくる!リュウの目が大きく見開かれた! フェニックスネストに凍りつくような緊張が走る。

「ンッ!」その火球を蹴散らし、突如空から舞い降りて、グロマイトとリュウの前に立ちはだかるウルトラマンヒカリ。 リュウは上体を起こし、伏せた目を開いた。 「セリザワ隊長!」嬉しげにほころぶ顔。

ウルトラマンヒカリは、グロマイトが吐き出す火球を右手で掴むようにグルリと その場で一周まわり、勢いよく怪獣にぶち返す。

かなり効果はあったようだが、その反撃で怪獣を怒らせてしまった。 ヒカリに突進して跳ね飛ばす! 仰向けに倒れたヒカリ。怪獣は一旦後ろ足で立ち、太い前足ごと体重をかけヒカ リの胸を踏みつけ、ジリジリねじつける。うめくヒカリ。

前足の第二打をかわし空中回転で、キックでグロマイトを蹴り上げるヒカリ。 クロマイトの巨体を頭上高く持ち上げ、むんと投げ飛ばす。

ヒカリは右手を天に伸ばし掲げて、ナイトブレスにエネルギーを装填。 今まさに必殺技を繰り出そうとした・・・その時、グロマイトは自らの火球を自らの 周囲グルリと連続して吐き、爆破と土煙を煙幕に・・・その姿を隠した。

見届けたヒカリも静かにその場から姿を消した。 しかし、ヒカリは、蒼い闇の中でカラータイマーを点滅させ、疲労し倒れるように膝をつく。 「ヒカリ・・・」彼を呼ぶ声が聞こえた。

「ゾフィー!」蒼い闇のほんの先に、ゾフイーが佇んでいるではないか。 「もう充分だ。光の国に帰りたまえ。」静かににゾフイーは語りかける。 「ボガール亡き今も、怪獣が現れ続けている。放ってはおけない。頼む。」 ヒカリは立ち上がって嘆願する。

「君も、弟たちと同じだな。」冷静でありながら、すこし笑ったようなそんな口調で、ゾフィーは語る。「えっ!?」 「長くは待てないぞ。」そう言い残すと、ゾフイーはスーと姿を消した。 ヒカリのカラータイマーの音だけがその空間に残された。

「だから言わんこっちゃねぇ。命があったからいいようなもんの、てめえらヘッ ポコのおかげで機体はガタガタだ!」 フェニックスネストでは、アライソがGUYSクルーたちに檄を飛ばしていた。 アライソの怒りの矛先はトリヤマへも飛び火した。 「あんたもあんただよ。何で許可なんか出したんだい!」 「わ、私か?私のせいか!?」焦り、たじろくトリヤマ。

「メテオールが・・・マニューバモードさえ使えりゃあ、あんな怪獣倒せたんだ 。」うなだれる仲間の中で一人リュウが、背を向けたまま、アライソに反論する。 「メテオールなんて得体の知れねぇもんに頼んなきゃ、戦えねぇって言うのか! ?」「昔はあんなもんなくたって立派にだ・・・」 「だから墜落ばっかしてたんだろ!」

凍りつくアライソに・・ゲロゲロとコノミが慌て、テッペイは目と口をまんまるにして 両手を震わせる。 「・・・なんだと、小僧・・・」こめかみをピクピクさせて、 恐ろしい顔つきになったアライソがリュウの方に1歩、すすみ出ようとするのを 、GUYSクルーたちが口々に小さく叫びながら双方に分かれ、引き留める。

アライソがクルーの押さえを振りほどいた。 「隊長さんよ、」ふと怒りというより何か思いを馳せた表情で「イキのいいの一匹、都合してもらえんか?」 アライソはサコミズに頼む。「一匹・・・」すこし笑い頷くサコミズ。

フェニックスネスト格納庫をアライソと連れ立って借り出された1匹のミライ。 「あいつは機体を大事にしすぎる。どんなに危なっかしかろうが、絶対に脱出し ようとしやがらねぇ。」 「リュウさんにとって、ガンフェニックスは特別なんです。」 「俺たちの翼か?」「だから捨てらんねぇってか?だったらなぁ、飛ばしたり しねえで、蔵ん中にでもしまっとけ!」 「アライソさんは、メテオールが嫌いなんですか?」 「なにぃ!?」アライソがど迫力で振り返った。

作戦室では、 「どうしてメテオールに使用制限があると思う?」デミタスカップを傾けながら 、サコミズがリュウに尋ねていた。 「そりゃ・・・そういう規則だから?」リュウは、んなのわかんねーよという風に首を傾げる。 「その規則がある理由さ」 「うーん・・・危険だから?」こどものように思いつく限りの回答を口にするリュウ。 「あはは・・だったら禁止すればいい。1分なんて言わずに。」

「メテオールは確かに危険だ。だけどそれで、クルーの命を救えるって、考えた 人がいる。」 「ガンフェニックスに、メテオールの搭載を決めたのは、アライソさんなんだよ 。」リュウの表情が驚きで固まる。

サコミズが部屋でメカの模型を手にした頃、壁に飾られた同じ機体の写真をアライソに連れられたミラ イが見つめる。 「これ・・・?」 「ジェットビートルだ。」 「40年前、俺が列せん整備について、初めて触らせてもらったのがコイツだ。」 「ホークにアロー、ファルコン、コンドル、ハイヤー・・・みんな俺の子供みて ぇなもんだ。」「確かに、よく落っこったけどよぉ。けど、みんな生きて帰って 来たじゃねぇか。帰ってこさしたじゃねぇか。」

静かにしかし、秘めた熱い想いを語っていたアライソが、ふと険しい表情になった。 「メテオールだろうが何だろうが、生身の人間を乗せるからには、目的は一つよ 。」ミライはアライソの決意の言葉に気を引き締めた。

「セリザワ隊長が!?」フェニックスネストのリュウは驚きが隠せない。 「メテオール試験機のテストパイロットをやっていたんだ。アライソさんの下で 。」 「信じられねぇ・・・」 「君がGUYSに入る、ずっと前の話さ。」 「最初は失敗続きだった。機体は炎上。火傷や骨折もしょっちゅう。」 「総本部の人たちも思ったよ。20年以上怪獣が出ていないのに、どうしてそこま でって。」 「クルーの命を・・・救う為?」リュウは問う。

「でも、ガンクルセイダーには採用されなかった・・・」 リュウを脱出させ、テノゾールに特攻したセリザワを乗せた機体は散っていった。

アライソが続けた。「皮肉なもんだよ。ガンフェニックスにメテオールが積めたのは、ガン クルセイダーが犠牲になったお陰だ。」 ミライは重たそうな荷物をよろよろ引きずり、ついていきながら、アライソの話を聞く。 格納庫のシャッターのドアを開けるアライソ。その先にある機体に驚くミライ。

「俺はあいつらを救えなかった。脱出すればいいものを、機体と共に逝っちまっ た。だから、あの小僧はとんちきだってんだ。脱出するぐらいなら、心中するっ ておおたわけだ!」 「俺たちが額に汗して機体を完璧に整備するのは、生きて帰ってこさせるためなんだ。行くぞ!」 「どこへ行くんですか?」慌てるミライ。 「ちょっくらニューヨークの総本部へな。」 「え゛ーーーーー!」

その頃リュウは、 「テッペイ、行くぞ!」俺達の翼に潜り込んでいた。 「いいですよ」工具を握る二人。 《冗談じゃねー俺たちは今まで、 とっつあんにおんぶにだっこで戦ってたって言うのか?冗談じゃねーじょうだんじゃねーぞ! 俺たちは自分の力で飛べんだ。戦えんだ!そいつを証明してやる。証明してやるぜ!》 リュウはテッペイに手伝わせてガンフェニックスの整備をはじめていた。

「リュウさん、リュウさん」テッペイが疲れて眠りこけているリュウの鼻を工具で挟んだ。 「うん?うう?」 「グロマイトが現れました。出動です」 「よっしゃー!」リュウは吼えると自らの顔面を両手で気合いれにパシンと強く叩く。

作戦はグロマイトに光弾を吐かせて腹ペコにさせ、食事の瞬間に、首の付け根を狙い撃つ それは、光弾を避けながらであるため、マニューバモードしか無い。

「その必要はねぇー」リュウが叫ぶ。 「え??」マリナが驚く。 「ガンフェニックス・スプリッツ!こんな奴、クルーズモードで充分だ!」 「何やってんだ、あのバカ!」ジョージも驚く。 「どうしてマニューバモードを使わないの?」 「無理なんです。僕たちの素人整備じゃ、機体がマニューバモードに耐えられない。リュウさんにはわかってるんです」 「あ゛ーーーーーー!!」リュウは叫びながら突っ込む。

「そんなぁ・・・・」基地のコノミが心配する。 「ガンローダーは全力でガンウインガーを援護!」サコミズはすばやく指示を出す。 「ジーアイジー」  

「こっちだこっちだ!」ジョージが突撃しているガンウインガーからグロマイトの一方的攻撃をカバーするために陽動する。 「危険です!耐G限界超えてます」コノミがガンウインガーの限界を伝えた。 「んなの知るかーーーうおおおおおおーーー」

「あれじゃ、マニューバモードじゃなくたって」 「バラバラになるわよ。無茶だわ」マリナが悲鳴のように忠告する。 グロマイトが礫岩を吸い込み始めた。

「今です!リュウさん!」テッペイがを誘導する。 「逃しはしねえー」前方のグロマイトへ急行する。 が、しかし!?

怪獣がリュウを正面に見据え、火球を吐いた。 えっ!?リュウの唖然とした顔。 「わっ!?」フリーズするメンバーたち。

ガンウィンガーに衝突するかと思われた火球は、直前で上空から飛んできた光線 に撃墜され、リュウはギリギリ難を逃れた。

迂回し黒煙の中から脱出したガンウィンガーのリュウが見たものは・・・ 見たことのない新しい機体!?

「間に合ってくれたか」サコミズがうれしそうに声を上げる。 「隊長、あれって?」 「最新鋭の高速追跡戦闘機ガンブースターだ!」 「あれがガンブースターか?」 「完成したんですか?」 「誰が乗ってるの?」それぞれが声を上げる。

「小僧!今のは脱出するタイミングだぜ!」 「とっつぁん!」リュウが笑顔で呼びかける。 「ニューヨークからたった今、到着しました!」笑顔のミライ。 ガンブースターのコックピット前方にミライ、その後ろにアライソの姿があった。

「直接飛んできたのかよ。」 「整備は完璧だぜ。小僧、使えるな?」 「とっくにシュミレーションで習得済みだぜ。その成果を見せてやろうぜ 。行くぞ、みんな!」 「G.I.G.!」 コノミも基地から指示を出す。「ゼクターチャンネル、オープン。コンタクト・エコー」 リュウが叫ぶ「ガンスピーダー1。イジェクション!」 ジョージも叫ぶ「ガンスピーダー2。イジェクション!」 ガンウィンガーとガンローダーから、それぞれコックピットが分離し飛び出した 。

「ガンブースター、システム オール グリーン」 「ガンスピーダーEX、イジェクション!」ミライはコノミの言葉を聞き終わると、ガンブースターのコックピットも 本機から離脱した。 青空に大小6つのメカが宙を舞う。

「ガンスピーダーEX、着陸します!」ミライとアライソが地上と平行に静かに着 陸。 「ガンスピーダー、リローディッド」テッペイが着席したコンパートメントが、 ジョージとマリナの抜けたガンローダーのコックピットに押し出されるように収 まる。

ジョージがポーズをつける「さあ、空中大サーカスの始まりだ。」 「ジョージ、ガンウィンガーを壊すんじゃねえぞ。」リュウがちゃちを入れる。 「オレを誰だと思ってる。華麗に決めてやるぜ!」 「ガンスピーダー、リローディッド!」ジョージたちの乗ったガンスピ ーダー2は、後方からガンウィンガーに金属摩擦による少量の火花を散らし無事合体し た。

ジョージは「リュウ、気流が不安定だ、気をつけろ!」アドバイスをする。 「わかってるって。任せとけって。」リュウがふてくされたように、煩そうにジョージに答える。

「リュウ!ガンブースターの機体感覚は、ガンウィンガーほど甘くない!のぼせ るな!」いつになく強い口調で、サコミズがリュウを注意を放った。 「G.I.G.!」

地上でアライソが見守る中、リュウの乗ったガンスピーダー1が、もう少しで新型 機ガンブースターにジョイントしようとしたその矢先、グロマイトが火球を吐き 出した! 「リュウ!」ジョージが叫ぶ。 間一髪機体をかわすリュウ。

ミライはメビウスに変身だ! メビウスは、 グロマイトの頭部を飛んできた勢いで押さえ込み、右アッパー、回し蹴りで応戦 !グロマイトは地面に横たわる。

「リュウ、今がチャンスだ!」 「頼むぜ、ウルトラマンメビウス!」リュウは再びジョイントを試みる。 ヒュゥーーン 「風の音が変わった!リュウ、待機速度に注意して!」マリナが風の音を聞き分けた。 「なに?」「うわっ!?」そう言ったとたん、リュウのガンスピーダー1は突風に上空に 巻き上げられた。

グロマイトの連続火球を、メビウスは横転で避ける。 ハッ!?メビウスは後方を振り返り、ジョイントが失敗に終わったことを知った 。 「くっそおー!」 「リュウさん、クロスウィンド46ノット。高度をとって。」 「G.I.G. ガンスピーダーが軽いってのを、忘れてたぜ。」 「小僧、焦るな。」アライソも手に汗を握る。

ドックン ドックン・・・リュウの胸の鼓動が波打つ。 「隊長!リュウさんのバイタルがイエローゾーンに入りました。体温、血 圧上昇、ノロアドレナリン値減少。」

ドックン ドックン ドックン・・・皆、固唾をのんで見守る。 揺れるガンブースターとガンスピーダ−1。

瞬間、システム上の照準が合った。 「システム・エンゲージ!今です、リュウさん!」 「クロウ!」「ウァァー−ッ!」リュウは機体を支えるように、力強くレバーを 握る。 ガガガーーーッ ガシャン。コンバート完了。 「よしっ!」アライソのガッツポーズ。

それに気をとられ、油断したメビウスが、グロマイトの火球攻撃を胸に受け、はじき飛 ばされる。

「リュウ、メテオールだ!」サコミズが解禁の指示を発令する。 「バーミッション トゥ シフト マニューバ!」 ガンブースターは金色に輝き、高速移動を始めた。 「ガンブースターの威力を見せてやる。」 「スパイラル ウォール!」

光に包まれ、前後左右に高速回転する機体の作る球体が壁となり、グロマイトの 火球をはじき返す。 身体や頭部に己の火球をぶつけられ、驚いた様のグロマイト。

「バトリング デイトネイチャー!」 ガンブースター片側3カ所の対称ホールから、6筋のビームが一斉発射される。 攻撃効果抜群で急所付で火花が散る。ついに立ち上がってしまったグロマイト。

すかさずメビウスは、左腕のメビウスブレスに光のパワーを集め、右手を添えた ままグロマイトに突進して行った。 怪獣の腹部に渾身のパンチ一撃。

グロマイトの後部が激しく火柱を噴き、次いで巨大な球状に爆発のエネルギーが 膨れあがり、瞬時に怪獣の残骸ごと燃焼させてしまった。

「やったーー!」「よしっ!」歓喜にわくメンバー。 「僚友じゃねえか。」 「命・・・拾いかな」アライソは笑った。 ガンブースター、ガンウィンガー、ガンローダー3機は、メビウスの前でゆっく り旋回した。「シュワッ!」それを見送りメビウスは空へ帰っていく。

地上でセリザワがそれを見守り、その右腕のナイトブレスにナイトソードを収め ることなく、左手で握ったまま立ち尽くしていた。

フェニックスネストへ戻ってきたクルーたち。 「ガンブースターが来なけりゃ危なかったな。」 「そうよ、感謝しなくちゃ。」 「バカバカバカバカ、楽勝だっつーの。」 サコミズはいつもと変わらぬ温和な調子で「ご苦労さん」と出迎え、「お疲れ」「お疲れ様でした」リュウとコ ノミはハイタッチ。

そこへやってきた額に筋入りの、険しい表情のアライソ。 「ガンフェニックスをいじくりやがったスカタンは、どこのどいつだ!?」 「とっつあん、なかなかやるだろ?」得意気なリュウが前に進み出る。 「やっぱりてめいか。仕事が増えちまったじゃねえか!」とリュウの鼻をつねりあげる。 「痛いっ!」呻くリュウ。

「この唐変木、いってえなあ!」「やるか!?」「おう、やってやろうじゃ・・ ・」 仲間たちが慌てて組み合おうとする二人を遠ざける。 「二人とも、仲直りしたんじゃ・・・」呆気にとられるミライの肩に、笑顔のサ コミズが触れる。 「やめて」「バッキャロ」 「よーし、小僧。来い!」「よーし・・・」

「あー、やめてください!」相撲を始めるように中腰で構える二人の間に慌てて、割って 入ったミライだったが・・・ パンッ!《ミャー》 両者が目の前で、自分の手を叩く猫騙しで、おめめまんまる。仰天するミライだった・・・。

ページのTOP

メビウスベルト

管理人のここが考察ポイント

新メカが登場した回である。ここは、新メカをどのように登場させるかが手腕の見せ所である。 今ある現状のものでは、対応できないから新しいものを開発した。 ということになるわけだが、足りなかったものは何か、技術なのか、 パワーなのか、スピードなのか、・・・いったい何が足りなかったのだろうか、今回メカの登場エピソードとして、 足りなかったものの1つを気づかせたものがあった。

時に若さは暴走する。自分の知らないところで、自分は守られていただけなのか、 手のひらで転がされていただけのちっぽけな存在。 そんなことはねぇ、自分達だけでも出来る。しかし反面リュウには分かっていた、自分達の力だけでは、機体は満足に 飛ぶことさえできないことを

それでもリュウはまだ若さの可能性の方が上だと考えた。機体さえちゃんとしてくれれば、オレならやれる。やって見せる。 しかしいつも温和なサコミズの激が、はじめてそんなリュウに飛んだ。 「のぼせるな」それは、隊長としての初めての叱責だった。リュウのバイタルは緊張から急上昇した。

本来なら緊張を回避される指示を出す立場のサコミズが、 何故リュウのバイタルに影響を与えるほど、頭から叩きつけるように言葉を吐いたのであろうか。

本当の勇気とはなんであろうか、それは自分の想いだけで突っ走り、危険をも省みず、むちゃをすることであろうか、 本当の熱血とは何であろうか

リュウは自身、自分が周りから熱血漢といわれていることを知っている。 むしろ熱い男と思われたい。しかしもしやリュウは、 本当の熱血の意味を知らないのかもしれない。それが今回顕著に現れた。

それを教えてくれるのが周りの男たちだ。

決してむちゃをしているわけではないが、危険を覚悟でしかも必要性すら疑問視されるさなか、 クルーの命を救う為に自らの命は危険にさらしながら、 淡々とテストパイロットを続けたセリザワ。

同じ危険を顧みない行為ではあるが、セリザワとリュウは何が違うのだろうか

命を粗末にするな。我が子のように可愛い機体を落とされても、クルーに生きて帰ってこさせることを目的に整備に全力を上げた アライソ。

いつもは優しく、温和なサコミズの命をかけた場での、激しく厳しい一面。指揮官として、可能性があるからこそ冷水を浴びせることもある。

ボガールを倒したあとも心配でたまらず、自らの条件を悪くしても地球にとどまっていたヒカリ。それを許したゾフィー。

彼らの姿に人が胸打たれるのは、いわゆる本物の熱血だからではないのだろうか

本当の熱血(熱烈な意気と情熱)をその身を持って手本として描く男たち。 これが人を育てるということではないだろうか

人が一人で勝手に大きくなっているわけではないといわれる由縁ではないだろうか 熱血とは、若さのパワーがあみ出すだけのものではない。 しかし、リュウのようなこぞうがいるからこそ、また、 往年のスターが不死鳥の如くよみがえるようにと表現される不死鳥のように、彼らにもパワーが甦ってくるのかもしれない。

ヒカリは再度助けようとしていたが、彼が変身する前にことは片付いた。ルーキーメビウスとカイズ、そしてそれをとりまく人々の 連携プレーがそれを成し遂げた。彼らはヒカリの庇護から巣立とうとしているのかもしれない。 その時ヒカリはどんな選択をするのであろうか、

テッペイの母親もしかりだが、未来ある若者の成長はいつか庇護を超える。自立である。 自らの星を自らの手で守るのだ・・・そういえばウルトラマンマックスもそう伝えていた。

未来は無限の可能性を秘めている。そう、未来は無限大。

ページのTOP

メビウスベルト

ウルトラマンメビウス第15話「不死鳥の砦」

宇宙礫岩怪獣 グロマイト 登場

《スーツアクター》山本 諭 / 岩田栄慶 / 岩崎晋弥 / 横尾和則 《シリーズ構 成》赤星政尚 《設定考証・脚本》谷崎あきら 《監督・特技監督》北浦嗣巳  《監修・製作》円谷一夫 《製作統括》大岡新一 《企画》加藤直次 / 江藤直行 /

中村理一郎 《プロデューサー》岡崎剛之 / 渋谷浩康 / 山西太平 《制作プロ デューサー》小山信行 《アソシエイトプロデューサー》小掛慎太郎 《ライン プロデューサー》中井光夫 《音楽プロデューサー》玉川 静 《音楽》佐橋俊彦

=本編スタッフ=

《撮影》高橋義仁 《照明》佐藤才輔 《美術》内田哲也 《録音》楠本龍巳  《操演》上田健一 《助監督》黒木浩介 《装飾》遠藤雄一郎 《衣装》塚田亜 矢子 《メイク》今井志保 《車両》野口茂樹 《製作主任》戸村祥章 《制作 担当》土肥裕二 《編集》前鳶健治 《VFX》田代定三 《デジタルエディター》 柳生俊一 《VE》佐々木彰司 《スクリプター》島貫育子 《キャスティング》 小島文夫

=特技スタッフ=

《撮影》新井 毅 《照明》高野和男 《美術》佐々木朋哉 《操演》根岸 泉  《殺陣》岡野弘之 《助監督》日暮大幹 《スクリプター》阿南玲那 《スチー ル》橋本賢司 《制作主任》菊池英次 《キャラクターデザイン》丸山 浩 《キ ャラクターデザイン・イメージボード》酉澤安施 《キャラクターメンテナンス 》宮川秀男 《タイトルデザイン》佐藤さい子 《仕上げ》鶴田幸伸 《CGIモー ションディレクター》板野一郎 / 円谷CGI-ROOM 《CGIスーパーバイザー》早川哲 司 《CGIデザイナー》大坪隆仁 / 上田和彦 / 澤田元春 / 小嶋律史 / 森 裕二 / 小杉淑美 《CGIマネージャー》小田達哉 《CGI協力》水石 徹 / 三宅 仁 《エ フェクトコーディネート》小野寺 浩 《エフェクトアニメーター》増田英和 《 デジタルマットアート》有働武史 《カラリスト》高田 淳 《音響効果》古谷友 二 《編曲》池田地香子 《整音》松本能紀 《MD担当》福井 顕 / 須賀久子  《催事宣伝》古池啓一 / 大野まゆみ / 菅野悦子 《製作デスク》石渡牧子 《番 組宣伝》重松和世 / 橋本栄次 / 太田小由美 / 堀川勝一 / 武藤博昭

《協力》松下電器産業 / ドゥカティジャパン / クリエイティブ・オフィス ヤッ プ / 銀座サクラヤ / プログレッシブ / キャン・インターナショナル / 日本照 明 / 東宝ビルト / 東宝コスチューム / 開米プロダクション / 亀甲船 / スワラ プロ / スリーエススタジオ / 富士通乾電池 / ヒルマモデルクラフト / ハルジ ン / グレイショコラ / 宗特機 / コダック / 月星化成 / 日本エフェクトセンタ ー / IMAGICA / クレッセント / Adobe Systems / Autodesk / ボーンデジタル / D.A.S.T / スタジオ・バックホーン / パンチライン / RECARO / 岡村製作所 / ナナオ / フ ジコーワ工業 / 前田製作所 / レイト商会 / K2JAPAN / 富士グローブ / CASIO / KENNETH COLE / Zoff

《撮影協力》さいたまスーパーアリーナ / 鶴牧東公園 / 鶴牧西公園 《制作協 力》電通 《製作著作》中部日本放送 / 円谷プロダクション 《提供》バンプレ スト

キャストは、マニアのレポートページにてご紹介しています。

管理人レポートページ(1) ⇔マニアレポートページ(2)

メビウスベルトTOP▲