ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラマンメビウス 第18話「ウルトラマンの重圧」マニア考察】

ウルトラマンメビウス 第18話「ウルトラマンの重圧」考察ハードバージョン

【メビウスライター 帰りマン&ティガ命】

シリーズ構成:赤星政尚、設定考証:谷崎あきら、脚本:川上英幸、監督:佐野智樹、特技監督:北浦嗣巳

総監代行のミサキ ユキ(石川紗彩)は、8時間前から宇宙ステーション04が交信を絶ったこと をGUYSのメンバーたちに伝えた。宇宙ステーション04が最後に送ってきた映像にはベムスターの姿が・・

外に出たミライ(五十嵐隼士)は重圧を感じていた。ウルトラマンヒカリは光の国に帰ってしまった・・ これから今まで以上に強い怪獣が現われるかもしれない・・今、地球にウルトラマンは自分しかいない・・

基地では、オオシマ彗星(16話に登場)のB群の襲来を探知していた。リュウ (仁科克基)とジョージ(渡辺大輔)が迎撃に向かう。一方、ミライも超能力で彗星の接近を察知し、メビウスに変身。 猛スピードで宇宙空間を飛行し、リュウとジョージが乗る機体を追い越し、メビュームシュートで彗星を破壊した。

ミライが指令室に戻ると、しらけた空気が漂っていた。リュウはメビウスのことを「GUYSをコケにしやがった。 あんな奴、仲間じゃねえ。」とまで言う。リュウの剣幕にリムエレキングが驚き、コノミの近くで怯える。 マリナ(斉川あい)とジョージはリュウをなだめ、食事に誘う。 ミライはリュウたちを追いかけ、リュウの言葉に反論するが、リュウは冷たくあしらう。

元気なく指令室に戻ったミライ・・マル補佐官秘書(まいど豊)は、トリヤマ補佐官(石井愃一) にミライを元気づけるように促す。トリヤマ補佐官がミライに近づこうとするが、サコミズ隊長(田中実) に先を越される。サコミズ隊長はミライに、 信頼というものは築き上げていくことが難しいが、それが崩れることは怖いくらいに簡単だ、と話す。

その夜、ミライは夢を見てうなされていた。夢の中でメビウスはベムスターと戦い、苦戦。さらに、 リュウとサコミズ隊長の言葉も夢の中で響く。

翌日、ミライとコノミ(平田弥里)は、サコミズ隊長の命令により、かつてコノミが働いていた保育園に行った。 園児たちは、懐かしさにコノミの元へ集まる。 「結んで、開いて・・・」のお遊戯の時、ミライはうまくできない男の子のところへ行き、 教えようとするが、隣の女の子がその男の子を馬鹿にし、ケンカとなる。コノミはできなくてもいい、と男の子を抱き上げる。昼寝の時間となり、ケンカしていた男の子と女の子が仲良く手をつないで寝ていた。コノミはミライに、子供にプレッシャーを与えると良くない、と言い、さらにメビウスも重圧を感じているように見えた、と語った。

ミライとコノミはうさぎたちの所へ行った。二人は、皆が出会った時のこと(1話・うさぎを救おうとした場面) を思い出していた。ミライは、「メビウスは一人ではなかった。みんながいるんです。」と言い、表情も明るくなる。 コノミはそんなミライを、事情がよくわからないながらも、優しく見つめる。

基地では、回復したレーダーが地球に向かうベムスターを捉えていた。腹の口を塞ぐ必要性を説明するテッペイに、 リュウは接着剤でも入れるか、と言う。 テッペイはその言葉からヒントを得て、高分子プラスターをベムスターの腹に撃ち込み、 それに硬化剤を入れてベムスターの腹を固める作戦を立案した。 硬化剤の起爆スイッチを押すのは、テッペイが担当することになった。 *高分子プラスター:とり餅の強力なもの(by マル補佐官秘書)

ベムスターが地上に降りてきた。ガンフェニックスが到着し、二つに分離した。 ミライはコノミに避難を誘導するように頼み、戦いに向かった。 基地では、緊張して起爆スイッチを握るテッペイの肩を、ミサキ総監代行が叩く。 テッペイの後ろにはサコミズ隊長、ミサキ総監代行、トリヤマ補佐官、マル補佐官秘書がずらりと並び、 テッペイは無言のプレッシャーを感じていた。

ガンフェニックスはベムスターを攻撃するが、効き目がない。無理をしたマリナの機体をベムスターが捕らえ、 腹の口に入れようとする。マリナは恐怖のあまり、脱出操作に入れず涙ぐむ。皆が心配する中、 ミライがメビウスに変身し、マリナを救出した。

メビウスとベムスターの戦いが始まったが、メビウスは苦戦する。メビウスはメビュームシュートを放つが、 光線は腹に吸収されてしまう。 メビウスはパンチを放つが、右手はベムスターの腹の口に捕えられてしまう。メビウスをあざ笑うベムスター・・ マリナがベムスターの左手の爪を攻撃・破壊し、メビウスは脱出する。 さらにリュウとジョージは右手の爪を攻撃・破壊する。

マリナがフォーメーション・ヤマトの囮となり、ベムスターの注意を引きつけている隙に、 ジョージがベムスターの腹にミサイルを撃ち込んだ。テッペイが起爆スイッチを押し、ベムスターの腹は固化した。 愛嬌ある表情で不思議がるベムスター・・だが、固化は長くは続かなかった。 ベムスターの熱エネルギーが固化剤を溶かし、ベムスターの腹はすぐに元に戻った。

メビウスは去っていったヒカリの言葉を思い出していた。メビウスの左手にナイトブレスが出現し、 メビウス自身もメビウスブレイブへとタイプ・チェンジし、左手からブレードを出した。 メビウスはさらにブレードを長く伸ばし、ベムスターを切り裂き、ベムスターは爆発・炎上した。 (新たな技:メビュームナイトブレード)

戦いを終え、芝の上で歓談する隊員たち・・ミライはみんながいなければメビウスは勝てなかったと言い、 コノミはGUYSとメビウスの息がばっちりと言い、リュウは、 メビウスはGUYSにとって大親友で、メビウスもGUYSの一員であると、 まるで彗星迎撃直後とは正反対のことを言い、ミライに突っ込まれてとぼけた。

ページのTOP

メビウスベルト

過去のウルトラ作品とのリンクポイント

1.ベムスター(その1・強い防御力)
もうあまりにも有名な怪獣ですね。帰りマン18話(今回も同じ18話)に初登場しました。スペシウム光線が通じず、セブンから受け取ったウルトラブレスレットでようやく帰りマンが勝利を収めます。この回はウルトラブレスレット初登場の回です。(なぜ八つ裂き光輪を使わなかったのか、という突っ込みもありますが・・^ ^;)ベムスターは、攻撃力はそれほどでもないのですが、ウルトラマンの光線が通じないくらい防御力が高いのが特徴です。キングザウルス3世(帰りマン4話)・ブラックキング(帰りマン37・38話)・ゼットン(初代マン最終話など)・ガッツ星人(セブン38・39話など)・初代バードン(タロウ17〜19話)・ガタノゾーア(ティガ最終2話)・イフ(マックス15話)などのように防御力が高い相手が出てくると、3分とかの時間制限があるウルトラ戦士たちは辛いものがあります。(余談ですが、初代バードンもゾフィーのM87光線を浴びても死ななかったくらいの防御力があります。)

2.ベムスター(その2・帰りマン18話との共通点)
突然宇宙から飛来し、宇宙ステーションを食べたこと、ガスタンクのところに現われたこと、頭の角から光弾を発射したこと、よだれのような液を腹の口から出したこと、ウルトラマンの光線を吸収したこと、最後は新強化アイテムの切断技で倒されたことなどが共通しています。

3.ベムスター(その3・その後)
その後のベムスターですが、帰りマン37話で再登場しますが、ナックル星人が帰りマンの戦闘能力を測定するために送り込んだ偵察要員で、残念ながら前座扱いされました。また、タロウでは29・30話でヤプールにより改造されたものが送り込まれました。強さは見せたのですが、デザイン的には愛嬌がなく、観ていて悲しいものを感じました。^ ^; さらに、TV版アンドロメロスでベムスター型の怪獣戦艦ベムズン(何と、大きさ990m)が登場します。

4.タイプ・チェンジ
平成に入って、ティガ以来多くのウルトラマンがタイプ・チェンジしました。今回、メビウスがヒカリから受け取ったナイトブレスの力を得て、メビウスブレイブへとタイプ・チェンジしますが、これはアグルの光をもらったガイアがV2やスプリームへとパワーアップしたパターン(ガイア26話)に似ています。このブレイブという名前、勇者という意味ですが、コスモスのエクリプス・モードも勇気のモードでした。

5.フォーメーション・ヤマトと「とり餅」作戦
今回GUYSはベムスターの腹の口を塞ごうとしましたが、かけ声はなかったものの、戦法的には17話同様、フォーメーション・ヤマトが使われました。また、接着剤として「とり餅」という言葉が出ましたが、タロウ18話でZATがバードンを身動きできないようにしようと、本当に「とり餅」が使われました。もっとも、この時はバードンが水浴びしていて体が濡れていたため、作戦は失敗に終わりました。^ ^;

6.メビュームナイトブレード
メビウスブレイブが使える新しい技で、剣が伸びるところは、マックス最終話のギャラクシーソード(最大パワー)を思い出させられます。

ウルトラマンマニア考察

1.ナイトブレスに込めたヒカリの思い

前話でヒカリはメビウスにナイトブレスを託しましたが、これには本当に驚きました。メビウス外伝ヒカリサーガ1話で明かされましたが、ヒカリは元々戦闘能力が低く、惑星アーブの生命体を守るためにナイトブレスを授かりました。ナイトブレスを得ることで、ヒカリはメビウスとほぼ互角の戦闘能力を身に付けたのですが、逆に言えばナイトブレスを外すということは、戦闘能力のない自分に戻るということであり、非常に勇気がいる決断だったと思います。ヒカリがそこまでしたということは、本当に人類のことを守りたくなった、という彼の思いが表れていると感じました。かつて大切なアーブの生命体たちを失い、「何も守れなかった」と悔しがった(9話)彼が、「今後こそ守りたい」という強い思いをナイトブレスに込め、メビウスに託したと言えます。

2.メビウス(ミライ)の重圧

一方、ナイトブレスを受け取ったメビウス(ミライ)ですが、彼はヒカリの心情を理解したと思います。そして相当の重圧と責任感を感じたと思います。メビウス(ミライ)にとって、ヒカリの意思を継ぎ、たった一人で地球を守らなければならない重圧・・これは大変なものであると思います。それを解き放ったのが、何と保育園のウサギたちで、彼に「一人ではない」ということを思い出させてくれました。この「一人ではない」というのは、実はミライ自身が3話でバードンとの決戦を前に自分自身に言った言葉でもあり、ミライ自身が原点に帰ったと言えます。でも、サコミズ隊長は保育園でミライが重圧から開放されることをどうして予見できたのでしょうか?

3.GUYSメンバーたちとメビウスの考え方の違い(彗星迎撃問題について)

(1)メビウスの行動は本当に問題があったのか?
彗星迎撃の際、メビウスはリュウとジョージが乗る機体を追い抜き、先に彗星を破壊しましたが、今回のように多くの命が危険にさらされ、解決を急ぐ必要がある時に、誰が先に問題を解決すべきか、などということはどうでもいいことです。今回はたまたまメビウスの方が早かったということであり、メビウスの行動に問題があったとは思えません。地球を救ったメビウスがあれだけ批判されたのには正直驚きました。

(2)リュウ、ジョージ、マリナらの考え方
それでは、なぜ彼らはメビウスに批判的だったのでしょうか?完全に推測になりますが、8話で紹介されたセリザワ前隊長の言葉に「俺たち防衛チームが限界まで闘い抜いた時だけ、ウルトラマンが現れるんじゃないのか?俺たちがいるから、ウルトラマンは今までこの星を見捨てなかった。」というものがあります。これは、帰りマン2話で郷が「人間として全力を尽くさないと、ウルトラマンには変身できない」ことを悟ったエピソードと重なるものですが、セリザワ前隊長の言葉はGUYS(特にリュウ)に受け継がれています。「ウルトラマンに助けてもらう前に全力を尽くしたい・・」という気持ち、これが今回のすれ違いの原因だと思います。(17話でも、この気持ちは強く出ましたね。)

4.ウルトラマンに頼り過ぎる危険と、頼りたくないことによる危険
ウルトラマンに頼りたくない、というGUYSメンバーたちの気持ちは立派であり、ウルトラマンに頼り過ぎるのは非常に危険です。しかしながら、一方でウルトラマンに頼りたくないことによる危険もあります。郷秀樹は人間として全力を尽くすことにこだわり続け、相当危険な目に遭い続けました。しかしながら、郷はウルトラマンに変身できたからこそ、多少危険な目にあっても問題なかったのですが、GUYSメンバーたちがかつての郷のように無茶をすると、それこそ生命の危険にさらされます。(今回はマリナが本当に危ない状況に置かれました。)

5.最後に
今回のテーマの一つは、ヒカリの心を受け継いだミライの重圧であり、サブタイトルそのものでした。ミライがうさぎたちを見て、「一人ではない」ことを再発見したシーンは、結構良かったと思います。もう一つ、隠れたテーマがあり、それはGUYSの方の重圧だったと思います。「ウルトラマンに頼らずにできるだけ自分たちだけで何とかしたい」というのも、実はミライが直面したのと同じ性格の重圧だと思います。しかしながら、本当に大切なのは相互の力を最大限に発揮し、大切なものを守ることであり、主導権争いではありません。今回はメビウスだけでなく、GUYSの姿勢にも問題提起がされたと個人的には考えています。 それにしても久々に登場のベムスター・・愛嬌ありましたね。^ ^ そして本当に存在感がありました。ベムスターの愛嬌ある顔を見ていると、正義の怪獣にしたらいいのに、と思ってしまいます。(チームEYESだったら、保護したでしょうか?でも、大食いだから後が大変ですね。)

管理人レポートページ(1) ⇔マニアレポートページ(2)

メビウスベルトTOP▲