ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラマンメビウス 第19話「孤高のスタンドプレイヤー」レイゴ考察】

ウルトラマンメビウス 第19話「孤高のスタンドプレイヤー」レイゴ考察ソフトバージョン

ウルトラマンメビウス・ディガルーグ怪獣画像
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ガイズのマークの入った。ジュラルミンケースが開けられた。覗き込むミライ 「これが今回新たに配備された新型銃、メテオールショットです。」テッペイがメテオールショットを手にメンバーに説明する。

「メテオールショット?」ミライが不思議そうに復唱する。 そのころ、謎の真っ赤に燃え滾る火の玉が、高速に地球に近づいてきていた。

「名前の通り、メテオール弾専用ですから、もちろん使用には許可が必要です。 使用の際はメモリーディスプレイをセットして、メテオールロックを解除する。 このメテオールショットが従来の銃と根本的に異なるところは、照準の合わせ方と、 直接大脳皮質の電気的活動を検出、発射された弾道を制御して、狙ったターゲットを確実にヒットします」

シュミレーション画面を 見せながらのテッペイの説明にサコミズはコーヒーを傾むけながら静かに聞き入っている。 「マジかよ・・・」驚くリュウ。

ジョージは、銃を手に取り「銃口の数が多いなぁ・・・」眺めながらそう呟いた。 テッペイが補足する。「それは全然気にしないでください。アメージングトリプルは役に立たない機能なんです」 ミライが不思議君の表情をする。「何です?アメージングトリプル機能って」

時を同じくして、地球の近くではカイズスペーシーにより、宇宙怪獣が、確認されいた。 『GUYSスペーシー、地球降下軌道上に、宇宙怪獣を確認。レジストコード・ディガルーグ、 進入進路を補足、シンクロトロン砲スタンバイ』

「複数のターゲットを同時に狙える?」マリナが目を見張った。 「はい。理論的には」テッペイが頷く。

「メカの方はそんな事出来たって、人間が一度にあっちゃこっちゃ狙えるわけねーだろ。」 リュウは立ち上がると彼の言う、あっちゃこっちゃの方向を指さす。 「はい、その通り。という事で、人間の空間認識能力では使えないんです」テッペイが言い終わると、 ジョージがこともなげに「じゃぁこれは俺が使うことにしよう」 思わず顔を見合わせるリュウとマリナたち

リュウはジョージの方に顔を突き出すと「聞いてたよな、今の話。」あきれたように眉を動かすと「お前人間だよ」 ジョージは声なくうんという風に頷く。

そのころガイズスペーシーは、シンクロトロン砲を発射!ディガルーグ撃破!!していた。

コノミがマリナの側に寄りながら聞く。「で、ジョージさん、本当に持ってっちゃったんですか?メテオールショット」 「有無を言わさずにね」書類に目を通しながらマリナが答える。 「・・・ったく、Going my wayな奴だぜ」リュウはミライのイスの背をたたきながら、そういう。 「でも、射撃演習では、ジョージさんが断トツな訳ですし」ミライの言葉になるほどと頷くリュウ。

その時警告アラーム音が鳴る。

「どうした?」お約束のコーヒーを飲んでいたサコミズが顔を上げる。 テッペイが報告する。「宇宙怪獣ディガルーグが、日本上空に降下中」 「何だって!?ディガルーグはさっきGUYSスペーシーが撃破したって、連絡があったじゃねーか!」リュウが驚く。

「降下予測値点、桜木市中心部」コノミが予測データをはじき出した。 サコミズが指揮をとる。「急げ!市街地だ!」

赤い火の玉は市街地に落下した。 ディガルーグ降下。「なんだ、あれ、逃げろー!」人々は逃げまどう。

「そんなバカな!」ミライは目視した瞬間声を上げる。怪獣の出現に逃げる人々。ジョージは地上から、無言で怪獣を見上げ凝視している。 「全く同じのが3体!」リュウは目を見開く。息を呑むミライ。

「おいおい、3体もいるなんて聞いてねーぞ!」リュウの言葉に、 テッペイが指示を出す。「センサーを見てください」 「センサー?」確認するリュウ。

ミライが告げる。「写ってるディガルーグが1体だけです」 テッペイは頷く。 「こちらも同じです。写っているのは1体だけ。そいつが本物で、後は虚像です。センサーに写っている奴を狙ってください」 マリナ・リュウ・ミライ声をそろえ「GIG!」

ミライが「ダブルガンランチャー!」 リュウが「ビッグバルカン!」 しかし三体の怪獣の2体に攻撃は加えられうち一体の体はすり抜けた。

「どこ狙ってんだ!ミライ」リュウが怒鳴る。 「だからセンサーに写ってる奴を撃ったんです」 「そっちじゃねーだろ!センサーに写ってんの」 「僕のセンサーには、こっちが写ってるんです」 マリナが割って入る。「それより2人とも、ビームが通り抜けたのを見たでしょ!」

ディガルーグは無差別に次々火の玉を打ち込み、破壊されていく街。

テッペイは当惑する。「どっちも命中してるはずなんです」 ジョージが唸る「ってことは、残った1匹が本物ってことだろ!」

とっさにジョージが地上から撃ったビームは、ディガルーグの身体を通り抜け、わっ、あわやミライの乗った ガンローダーをかすめた。 「くっそー!」ジョージが悔しがる。

コノミが問う「3体とも虚像なの?」 リュウが怒鳴り返す。「虚像に街が破壊出来るわけねーだろ!」 テッペイは混乱をはじめた「一体、どうなってんだ・・・もう・・・」ビルが無差別に破壊される。 3体の怪獣を見据えるジョージ。ジョージには、ディガルーグの角の部分が異様な光を放っているのを目視できた。

ジョージがメモリーディスプレイで仲間におもむろに伝える。 「俺だ!ローダーとウインガーは、ディガルーグから離れろ!下からアメージングトリプルで、3匹同時に叩く!!」 「え・・・?」ミライはとっさに意味が分からない。

「早くしろ!お前らがチョロチョロすると、邪魔で狙えねーんだよ」 リュウが噛み付いた。「ふざけんな!」

「さっさとどけ!隊長、メテオールの使用許可を!」しかしこはサコミズも慎重だ。 「焦るな、ジョージ!今、状況を分析中だ・・・テッペイ」 「わかりません・・・メテオール弾も奴の身体を通り抜けて、 街に落ちたら被害が出るし・・・とにかく3体の怪獣を同時に狙うなんて、人間には不可能なんです」 ついにてっぺいは混乱を極めパニッくりだした。

ジョージはゆっくり、 メテオールショットにメモリーディスプレイを装填し、ディガルーグに照準を定めて構える。 その時、急に3体のディガルーグは、次々に赤い粒子となって、姿を消した。

リュウが「え・・・」 ミライも「消えた・・・」周りを見回すカイズのメンバー。

ガイズスペーシー司令室では、リュウがとんがっていた。 「いい加減にしろよ、ジョージ。何、勝手に作戦やってんだよ」 「じゃぁ、お前に何か考えがあったのかよ」 「そういう問題じゃねーだろ!」リュウの大声にミライが割って入る。 「リュウさん!」

テッペイが慌てて進み出る。 「すみません!」頭を下げるテッペイ「作戦立案は僕の責任です。なのに僕がてんぱって、状況分析に手間どったから」 「お前は黙ってろ!」リュウの剣幕に、テッペイの表情が固まる。

ジョージはテッペイに視線を落とし「あーおっかねえ」と言い残すとメテオールショットの入ったケースを引っさげて出て行こうとした。

リュウはジョージの後ろ姿にたたみかぶせる。 「ジョージ、お前、昔からカッとなったら自分一人でゴールに突っ走ってたんだってな。 何んも変わってねーじゃねーか」

ジョージはゆっくりと振り向いた。 「・・・それでも、俺はいつだって一人でゴールを決めてきた。お前にそれが出来るか?アミーゴ」言葉を失い。 やや、目を伏せるリュウ。

自室で、 メテオールショットをぼんやりと磨いてるジョージ。

ミライが入ってきたことに気がつくと、 「俺の前のチョロチョロ飛んでると、いつ撃ち落されても知らないからな」 メテオールショットを構えて見せる。

いきなり、ミライはメテオールショットを取り上げた。 「何・・・!」ミライの勢いにやや驚くジョージ。

「そうじゃないでしょ!なんでちゃんと話さないんですか! アメージングトリプルを使おうとしたのは、何か理由があったからでしょう?ちゃんと話をすれば、 みんなにわかることじゃないんですか?どうして何も話してくれないんです?」いつになく強く叫ぶように訴えるミライ。

「お前に俺の見ている物が見えるか?俺に見える物は、他の人間には見えない。」そして、ミライに目線を上げた。 「だから話しても無駄なんだよ」 寂しげな視線を投げかける。

マリナは集まっているコノミそして、リュウやミライと会話をしていた。 「ジョージの言ってる事、わかる気がするな。たぶんジョージは、普通の人間を超えた 動体視力と空間認識能力を持つことで、慣れてしまった・・・慣れるしかなかったんだと思う」

コノミが不思議そうに聞いた。「なれるしかなかったって・・・何にです?」 マリナは続ける。「他人に理解されない事に。」リュウはハッとしたようにコーヒーカップから顔を上げた。 「きっとずっとそうだったんだろうから」

ジョージの部屋の外で、カミナリが鳴り、雨が降り出した。立ち上がりジョージは窓の外を見る。 サッカーの試合のあと、監督の後を追いかける、何かを訴える自分の姿を思い出していた。

「監督、ちょっと待ってくれ。俺の話を聞いてくれ!」 だが外国人の監督は、問答無用とばかりに、ジョージに一言言い残し、背を向ける。 「おい!お前たち!」振り向くと、

チームメイトたちも、失笑し、薄笑いを浮かべ、仲間とともに去って行った。 雨の中、一人コートに立ち尽くすジョージ。 あの時と同じ、ジョージに孤独が襲い掛かる。

マリナは静かに話す。「ジョージは一人で突っ走って、一人でゴールするしかなかったのよ」

夜中、作戦室で分析を続けるテッペイ。食い残しのカップラーメンや栄養ドリンクそれらは、その分析にかなりの時間を 要したことを 物語っていた。

「・・・はぁ・・・あ・・・ジョージさんの言った通りだ。テッペイはため息とともに顔をなでる。 やっぱり3体同時に叩くしかなかったんだ・・・ジョージさんにはきっと何か見えてたんだ・・・はぁ・・・」 テッペイは、疲労困憊したかのようにイスの背に体を預けた。

雨上がりの屋上でリュウとサコミズは、ビンの牛乳を飲み、パンにかじりついていた。 リュウがくちびをきった。

「俺にはジョージや、マリナみたいに特別な能力はねーから、 かわんねーっす。人に理解されない孤独とかそういうのって。」

サコミズは微笑んだ。 「そんなのは、特別な事じゃない。誰にだってあることだ。 自分にとって当たり前のことが、人には当たり前じゃないこと。自分にとってとても大切な物が、人には全然つまらない 物だったこと。リュウ、一度もそんな事、無かったか?わからないのが当たり前なんだ。 だからわかってもらいたくて、一生懸命伝えようとする。 ただ、ジョージみたいにあんまり長いこと、理解されないと、ちょっときついだろうなぁ・・・」パンをほおばるサコミズ。

「ったく、己の性格考えて、せめてボクシングとか柔道とか、一人でやれるスポーツにすりゃよかったんだよ」 「でもさ、もしかしたらジョージとって、 君たちが生まれて初めてのチームになりかかってるのかも知れないじゃないか」サコミズはリュウの肩を優しく叩く。 リュウは嬉しげに頷く。

サコミズのメモリーディスプレイに通信が入る。 「サコミズだ」 コノミからの入電だ「ディガルーグが出現しました。」 「ディガルーグはエネルギー波の状態で、房総半島上空80kmの大気圏に存在。降下しながら北北西に進行中です」 テッペイが補足する。「降下予測地点は青梅山周辺」

「青梅山麓には高エネルギー素粒子研究所があります。」 テッペイはたち上がった。「目的地はそこだ!」

「させるか!」リュウは飛び出そうとした。 「待ってくださいこのまま行っても前回と同じです」テッペイがそれを止める。 「テッペイ、あいつら3体に実体は無いのか?」サコミズがテッペイに確認する。 「いえ、奴らは3体で1体の実体を持っているんです。つまり、 どのディガルーグも3分の1づつ本物であるという確率論的存在なんです」

「理屈を聞いてる暇は無ねぇんだ。どうやったら倒せる?」リュウは結論を急いだ。 「3体を同時に叩くしかありません。方法は一つ。3体の形に相転移 したディガルーグが地上に降りた瞬間に、アメージングトリプルで3体とも同時に叩き、 波動関数を収束、攻撃可能な1体に実体化させる。問題はアメージングトリプルが現実に成功するか否か、 これはジョージさんに賭けるしかない」

ガンローダーは出撃すると ジョージは後部座席から告げた。 「ミライ、俺を3匹が現れる、ど真ん中に下ろしてくれ。ヒーローの感じでな」にゃりと笑うジョージ。 「わかりました」がミライが頷く。

コノミが告げる。「ディガルーグ、まもなく予測地点上空に達します」 リュウが「ガンウインガー、準備完了!」 ミライも「ガンローダー、準備完了!」 ジョージは不敵な笑いを浮かべた。「いつでも来な」

テッペイが伝える。「ディガルーグ、相転移します」 「メテオール解禁!」サコミズの指示が飛ぶ。ジョージはメテオールショットを装填した。 《METEOR OVERDRIVE》

ミライが伝える。「来た・・・」 ジョージにはディガルーグが見えていた。そして唇の端を吊り上げて、にやりと笑った。 ジョージはぐるりと、3体の怪獣を比較凝視した。角の部分に微弱な点滅する光を確認した。 「前の戦いで見たのと同じ、3分の1づつ本物。」「姿はいくつあっても、あの光は一つだ!」

振り向きざまジョージは撃った。メテオールショットは1本の光線が、 3本の矢のように別れ、それぞれのディガルーグに突き刺さった。

「すごい!!」ミライは叫ぶ。 ジョージは笑った。「てか、基本な!」 テッペイが伝える。「波動関数収束します」

「バーミッション・トゥ・シフト・マニューバ!喰らえ!」リュウの攻撃が火花を噴いた。 ジョージは「アディオス、ディガルーグ」とディガルーグに背を向けた・・・しかし、 ジョージの後方の白煙が消えるとそこには、ほぼ無傷のディガルーグの姿があった。

テッペイが叫ぶ「早く逃げてください!攻撃可能な1体は、これまでの3倍の破壊力を持ってるんです」 「そういう事は先に言っとけーーーー!!ジョージは全速疾走しながら叫んだ。

ディガルーグの火球がジョージの側を直撃 「うわぁぁ」ジョージは爆風に吹き飛ばされる。 「ジョージ!!」サコミズが叫ぶ。 テッペイも叫ぶ。「ジョージさん!!」

ジョージの手からメテオールショットが飛ばされる。負傷するジョージの手が銃に届かない。「あっ!・・・くそっ!」

機上のミライは、メビウスに変身した。 「メビウーーーーース!」 ディガルーグの肩先を蹴リ飛ばして登場したメビウス。

メビウスは、甲殻類のツメのような固い両腕の攻撃を防ぎながらも、腹へのパン チは効かず弾かれ、そこで胸へ火球を喰らってしまう。 すさまじい威力に身体ごと弾き飛ばされ倒れ、呻くメビウス。

次々と仕掛けられる火球攻撃を横転しながらかわし、キックを試みるが、特に効 果はない。 次にティガルーグは両腕の鋭いツメを地面に突き刺しながら前進し、メビウスを 追い込んで行く。

ツメでメビウスを挟み込み投げ飛ばすがメビウスも負けてはいない。 しかし、またもやこれでもかの火球攻撃。地表で炎が炸裂する!

リュウは倒れて動けないジョージの元に走ってくる。「ジョージーー!」 「あのバカ!」ジョージは苦痛に顔をゆがめながら叫ぶ「来るなーーー!」

リュウは叫んびながら走り続ける「ジョージーー!今、行くぞ--!」 「あ・・・あいつ」ジョージは苦しい息の下で、目をつむり、リュウの声を聞いていた。

その時、ディガルーグの火球がリュウに・・・。 ドカーーン「わああぁぁぁぁ!」リュウの体が吹き飛ぶ。 「リュウ!」ジョージが叫ぶ。

吹っ飛んだリュウは、大また開きで仰向けにぶっ倒れるが、 「よっ!・・・待たせたな」真っ黒になった黒こげの顔で、ひゅんと起き上がる。 それを見たジョージは思わず「・・・ぷ・・・」噴出した。

「うわぁぁぁ、痛ってーーー」背中をさすりながら、リュウが真っ黒の、 黒こげ姿で「なんだよ、せっかく助けに来たのに?」ヨタヨタジョージに近づいてくる。

「ごめん・・・・くくく・・・・」ジョージはむせび笑う。 「一人で走るか?」 「今日はやめとく」頷きあう二人。 「おい・・・逃げるぞ!」きびすを返す二人。 二人の避難を確認したメビウスはかぜんパワーがでる。

ディガルーグが両腕を挙げると、頭部の一本角から眩しい光弾が発射された! メビウスが身をよじって光弾を避けるが、わずかに胸部に触れた部分からは白煙があがる。

しかし、次はメビウスの攻撃である。 左腕にナイトメビウスブレスが現れると同時に、胸に金色のV字が光る。

メビウスブレイブとなったメビウスは、スピードとパワーを併せ持ったメビュームナイトブレードを左腕に携えた。 ディガルーグの火球をブレードで弾き、更に怪獣に駆け寄りながら何度もブレードでカットする。

続いてディガルーグの角から発せられる光弾をも、ブレードで受け止める。 3体の力が合体した威力ある光弾は、全力で立ち向かうメビウスをジリジリ後退させた。

だが、メビウスは隙を見て渾身の力で横っ飛びしながら、光弾を怪獣に返した。 そのままスパイラルしながらディガルーグへ飛んで行き、ブレードの一太刀! 動かなくなったディガルーグの胴体に、一本の光の筋が走り、そして大爆発!

「よっしゃー」「やったーーー」テッペイとコノミは歓喜に沸く。

帰路につくメンバーにテッペイが聞く。「ジョージさん、一つだけ教えてくれませんか?最初の市街戦で、 どうしてジョージさんは、3体のディガルーグが、3分の1づつの実体を持ってるってわかったんです? あの時、一体何が見えたんです?」

ジョージはガンローダーのシートに身を任せながら「俺は3体のディガルーグを見た」 マリナがジョージの間に耐え切れず促す。「それで・・・・?」息を呑むカイズ一同。

「メテオールショットに銃口が3つあるのを思い出した」ジョージの口調はがらりと変わった。 「え・・・?」ミライが唖然とする。 ジョージはすこし早口で照れたように 「当然新しい銃の機能を試したくなるだろ?3対の怪獣を同時に撃てる機会なんて、そうは無いからな」

「・・・ってことは?」マリナが 「何も見抜いてねーじゃねーか!」続いてリュウが叫びだした。 「だからテッペイ、あの時のお前の判断は間違ってなかったんだ。 俺は見ただけで、何もわかってた訳じゃない」 「ジョージさん・・・・」テッペイは嬉しそうに笑った。

だまっちゃいないのがリュウとマリナだ。 「ふさざけんなよん、ジョージ!」 「あんた、いい加減にしなさいよ!ちょっとちょっと、聞いてんの?」 「俺に言わせろ!俺に!今日は任せろ」リュウはわめき続ける。

「帰ったら大変ですよ、ジョージさん」ミライはジョージを振り向いて笑った。 リュウの叫び声は尚続いている。「聞け!ジョージーー!」

「そういうのも、楽しそうじゃない。何かチームっぽくってさ」ジョージは肩をすくめるのであった。

管理人のここが考察ポイント

今回のポイントは、ジョージに、特殊な能力があり、人に見えないものが見えることを苦悩し、 それを仲間が理解していくという ものではなく、 見えない人の苦悩をジョージが、理解していくという逆転のエピソードである点だ。

ジョージは長い間、多くの人が見えないものが見えるという、特殊な能力を誰からも理解されず、 その中で1人りゴールを突き進むしかなかった。

相手に見えないものを見えると説明しても、相手に理解してもらえなかったからだ。 しかし、今回ジョージは、最後に自分には見えていたものを、見えないテッペイに同意して、 お前はまちがっちゃいなかったと伝えた。

真実も大切だが、真実を大切にするあまり、また別の真実を見失うことがある。 

カイズのメンバーはサコミズ、ミライも含めて、すでにジョージの特殊能力を理解しており、 そしてそれがジョージの孤独につながっていることも知っていた。

しかし、ジョージは、知らなかった。 カイズのメンバーの自分とは逆の、見えない人たち、自分を理解しようと努力する人たちの存在をだ。

自分を理解してもらうためには、まず相手を理解する努力をすること、自分を受け入れてもらうためには、 まず相手を受け入れる努力をすること。 人の能力は、決して等しくはなく、そして何か一つを取っても同じように感じることはできない。

しかし、仮に同じように感じることができなくても、仲間と感じたいと思うこと、仲間の見ているものを見ようとすること。 この姿こそが、一番大切な姿ではないだろうか

見える者に見えるという事実は、見えない者には見えてない。という事実と同じだということだ。 つまりどちらも真実なのである。 だとすれば、それを理解しあって、はじめて両者の歩み寄りがある。

いつにないミライのジョージへの叱責。伝わらないとあきらめるのではなく、伝える努力をすること、 相手を理解する努力をすること、超能力のように以心伝心とはいかないが、人には心を感じる力がある。 感じる努力を怠らないこと。

確率論などの細かい設定で、ガチの枠組みの中に、温かい人の心の通うストーリーが埋め込まれている。 新型銃メテオールシヨットのお披露目の回として、ハードな武器に対照的に登場させたソフト面での人間像。

血の通う人が武器を使うのだ。人の心が武器の威力を支え、そしてパワーの源となるのだ。

カイズの仲間を理解する姿勢が形となって、 人には使えないとされていたアメージングトリプルを、人が使えたということは、 メテオールシヨットが、科学と友情の力を合体させることによって、 一段とパワーアップさせることに成功したと感じられた。

リュウやコノミといった一般人と ジョージやマリナのようなある種の特殊な存在。 宇宙人と地球人。 それぞれの立場からの訴えかけのコントラストが巧みに表現されていて熱い。

ティガルーグの登場は迫力があり、特撮部分には臨場感もあり、全体に細かい作品への配慮に作品への意気込みを感じさせた。

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ウルトラマンメビウス 第19話「孤高のスタンドプレイヤー」

宇宙量子怪獣 ティガルーグ 登場 

《キャスト》ヒビノ ミライ 五十嵐隼士 / アイハラ リュウ 仁科克基 / カザ マ マリナ 斉川あい / イカルガ ジョージ 渡辺大輔 / アマガイ コノミ 平田 弥里 / クゼ テッペイ 内野謙太 / サコミズ シンゴ 田中 実 / トリヤマ補佐 官 石井愃一 / マル補佐官秘書 まいど 豊 / ミサキ ユキ 石川紗彩 / 飛田晃 治 / 足立龍弥 / 稲川素子事務所 / 早川プロダクション

《スーツアクター》和田三四郎 / 岩田栄慶 / 末永博志

《シリーズ構成》赤星政尚 《設定考証》谷崎あきら 《脚本》太田 愛 《特技 監督》鈴木健二 《監督》小原直樹 《監修・製作》円谷一夫 《製作統括》大 岡新一 《企画》加藤直次 / 江藤直行 / 中村理一郎 《プロデューサー》岡崎 剛之 / 渋谷浩康 / 山西太平 《制作プロデューサー》小山信行 《アソシエイ トプロデューサー》小掛慎太郎 《ラインプロデューサー》中井光夫 《音楽プ ロデューサー》玉川 静 《音楽》佐橋俊彦

=本編スタッフ=

《撮影》高橋義仁 《照明》佐藤才輔 《美術》内田哲也 《録音》楠本龍巳  《操演》上田健一 《助監督》黒木浩介 《装飾》遠藤雄一郎 《衣装》塚田亜 矢子 《メイク》今井志保 《車両》野口茂樹 《製作主任》戸村祥章 《編集 》前鳶健治 《VFX》田代定三 《デジタルエディター》柳生俊一 《VE》佐々木 彰司 《スクリプター》木川景子 《キャスティング》小島文夫

=特技スタッフ=

《撮影》新井 毅 《照明》高野和男 《美術》佐々木朋哉 《操演》根岸 泉  《殺陣》岡野弘之 《助監督》日暮大幹 《スクリプター》木川景子 《スチー ル》橋本賢司 《制作主任》菊池英次 《キャラクターデザイン》丸山 浩 《キ ャラクターデザイン・イメージボード》酉澤安施 《キャラクターメンテナンス 》宮川秀男 《タイトルデザイン》佐藤さい子 《仕上げ》鶴田幸伸 《CGIモー ションディレクター》板野一郎 / 円谷CGI-ROOM 《CGIスーパーバイザー》早川哲 司 《CGIディレクター》祖父江成則 《CGIデザイナー》大坪隆仁 / 上田和彦 / 澤田元春 / 小杉淑美 / 川口智久 《CGIマネージャー》小田達哉 《CGI協力》水 石 徹 / 三宅 仁 《エフェクトコーディネート》小野寺 浩 《エフェクトアニ メーター》増田英和 《デジタルマットアート》有働武史 《カラリスト》高田 淳 《音響効果》古谷友二 《編曲》池田地香子 《整音》松本能紀 《MD担当 》福井 顕 / 須賀久子 《催事宣伝》古池啓一 / 大野まゆみ / 菅野悦子 《製作 デスク》石渡牧子 《番組宣伝》重松和世 / 橋本栄次 / 太田小由美 / 堀川勝一 / 武藤博昭

《協力》松下電器産業 / ドゥカティジャパン / クリエイティブ・オフィス ヤッ プ / 銀座サクラヤ / プログレッシブ / キャン・インターナショナル / 日本照 明 / 東宝ビルト / 東宝コスチューム / 開米プロダクション / 亀甲船 / スワラ プロ / スリーエススタジオ / 富士通乾電池 / ヒルマモデルクラフト / ハルジ ン / グレイショコラ / 宗特機 / コダック / ムーンスター / 日本エフェクトセ ンター / IMAGICA / クレッセント / Adobe Systems / Autodesk / ボーンデジタ ル / D.A.S.T / スタジオ・バックホーン / パンチライン / RECARO / 岡村製作 所 / ナナオ / アルインコ / レイト商会 / K2JAPAN / 富士グローブ / CASIO / KENNETH COLE / Zoff

《撮影強力》味の素スタジアム / アミノバイタルフィールド / 大英興業 《制作協力》電通  《製作著作》中部日本放送 /円谷プロダクション  《提供》 BANDAI /バンダイビジュアル

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