ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラマンメビウス第10話「GUYSの誇り」レイゴ考察】

ウルトラマンメビウス第10話「GUYSの誇り」レイゴ考察ソフトバージョン

ウルトラマンメビウス第20話「総監の伝言」【ハード編マニア考察】

【メビウスライター 帰りマン&ティガ命】

シリーズ構成:赤星政尚、設定考証:谷崎あきら、脚本:長谷川圭一、監督:小原直樹、特技監督:鈴木健二

(前話のリプレイ:ジョージが3体のディガルーグに向け、メテオールショットを撃つ。 そしてメビウスがメビュームナイトブレードでディガルーグを切り裂き、止めを刺す。)

車から降りたトリヤマ補佐官(石井愃一)とマル補佐官秘書(まいど豊)を報道陣が取り囲む。 トリヤマ補佐官は、報道陣におだてられ、メテオールが過去に宇宙人が残したテクノロジーであることをしゃべってしまい、 さらにメテオールの安全性を突っ込まれて、しどろもどろとなる。

「トリピー、やっぱり総監室に呼ばれたみたい」とマリナ(斉川あい)が話し始めると、 GUYSのメンバーたちは口々に今回のトリヤマ補佐官の対応のまずさについて語る。 ミライ(五十嵐隼士)が「何がまずいんですか」と真顔で言ったため、ジョージ(渡辺大輔) ・リュウ(仁科克基)・マリナの3人から同時に「まずいに決まっているだろう!」と言われてしまう。

総監室では、トリヤマ補佐官がミサキ総監代行(石川紗彩)に叱られていた。 その側にはトリヤマ補佐官から無理矢理同行を命じられたマル補佐官秘書もいた。 トリヤマ補佐官は、部屋を出ると胃が痛くなり、自分の娘に叱られたようだ・・総監さえいれば・・と嘆く。 それを見たマル補佐官秘書は、複雑な表情になる。

*以下ミサキ総監代行・トリヤマ補佐官・マル補佐官秘書は文短縮のため、役職名を省略します。

指令室では、総監についてGUYSのメンバーたちが話をしていた。(コノミ(平田弥里) はリムエレキングを可愛がっている)総監には、アクロバットな飛行でウルトラマンを助けたとか、 たった二人で凶悪な宇宙人のいる惑星を全滅させたとか様々な噂が流れていた。

隊員たちが総監の話に熱中する中、サコミズ隊長(田中実)は、とぼけたようにコーヒー豆の補充を気にし、 結局自分で買いに行くことに・・

屋上でゴルフの練習をするトリヤマに、マルは特殊音波で怪獣を操ろうとする 「ハメルーン・プロジェクト」について説明し、ミサキとトリヤマが視察に行くことが決まったと告げる。 絶句するトリヤマ・・結局マルがトリヤマの代わりに視察に行くことになった。

理由は腹痛だが、GUYSのメンバーたちはミサキを苦手とするトリヤマの仮病であることを見抜く。 ミライだけはトリヤマが病気であると信じて疑わない。当のトリヤマは元気そうにゴルフの練習を続ける・・

マルは出発前のミサキと総監の電話での会話から、総監も視察に参加すると思い込む。 ミサキとマルは「GUYS対怪獣研究所」に到着する。 ここは1000種におよぶ宇宙人・怪獣たちのデータを基に様々な研究を行っており、 「ハメルーン・プロジェクト」もその一つである。 早速、ウィンダムを使った実験が行われる。

オトワ主任技師(野口雅弘)が踊りのポーズをすると、他の研究員たちがデータを送り、 ウィンダムも全く同じ踊りをする。最後は他の研究員たちも一緒になってポーズを決める。 あっけにとられるミサキとマル・・ミサキはオトワらの研究員たちを褒めるが、マルは、え?というような表情をする。 その頃、日本海の海底ではケルビムが歩いていた。

マルはミサキに自分のカバンを預け、トイレと言ってその場を離れる。 マルは総監を捜し、立入禁止区域で研究員たちに見つからないように後ずさりするが、 ひっくり返ってエレベータの中へ・・エレベータの中には「後方注意」と書かれた紙が・・ 配管だらけの部屋にたどり着くが、突然の地震で落下物が頭に当たり、気絶してしまう。 部屋には「頭上注意」の看板が・・

地面からアーストロンが出現。 ゴルフクラブをミライに渡しながら指令室にトリヤマが入る。 ミライはトリヤマの体を案ずるが、トリヤマに突き飛ばされてしまう。 ミサキがいる研究所では、アーストロンを操ろうと試みるが、 音響放射装置が何かに共鳴して制御不能であることから、避難を開始する。 ミサキはマルのカバンを見て、マルを捜すために危険な状態にもかかわらず引き返す。

GUYS出動。 ミライもゴルフクラブをトリヤマに渡し、出撃する。研究所では、ミサキがマルを見つけて起こす。 マルはミサキに謝罪しながら、総監に会いたかったと告げる。 マルは、トリヤマがミサキに対してひがんでおり、一度も総監に会えず、 最新失敗も多いトリヤマに励ましの言葉をかけて欲しいと考えていた。

さらにマルは、トリヤマはケチで臆病で器の小さい人間だが(当のトリヤマは指令室でくしゃみの連続)、 優しいところもあり、マスコミ対応も苦労しているGUYSクルーたちの現実を少しでも伝えたかったのでは、 とトリヤマを弁護する。ミサキはそれを優しそうに聴く。

外ではアーストロンとGUYSが戦闘を繰り広げていた。ミライとリュウは地上に降り、 リュウはミサキとマルの救助に向かっていた。 アーストロンのマグマ光線が研究所の屋根を破壊し、その衝撃でミサキとマルは倒れる。 ミサキに向かって鉄骨が落下したが、マルがそれを受け止める。 (なぜかメビウス登場のテーマ曲が流れる)マルが鉄骨を見ると、 そこには「油断大敵」の文字が・・次の瞬間、別の落下物がマルの頭を直撃し、マルは再び倒れる。

アーストロンのマグマ光線がジョージとマリナが乗った機体に命中し、機体はバランスを崩す。 ミライはメビウスに変身する。研究所ではリュウが駆けつけ、意識が戻ったマルをミサキは抱きしめる。 アーストロンと戦うメビウスに後方から光弾が浴びせられる。

そこには、ケルビム(4話で出現したものが日本海で産んだ卵から成長した個体) の姿が・・ケルビムはアーストロンに命令し、メビウスと戦わせる。マルは自分に命令する トリヤマに似ていると感じていた。テッペイ(内野謙太)は、 ケルビムが耳から出す音波が研究所の音響放射装置と共鳴し、 それを支配することでアーストロンを操っていると分析した。2対1の戦いにメビウスは苦戦。

研究所の音響放射装置を破壊する案が出されたが、膨大な予算を使って作られた装置を破壊することにトリヤマが反対し、 コノミが食い下がる。「一体誰が責任を取るんだ」というトリヤマにスピーカーから 「私が取ります」というサコミズ隊長の声が・・ガンブースターに乗るサコミズ隊長は、 ケルビムの光弾をかわし、ビームで音響放射装置を破壊した。 「もったいないなあ・・」と言うトリヤマをテッペイとコノミが両側から白い目で見る。

アーストロンは正気に戻り、その場を離れようとするが、ケルビムがアーストロンの尾を踏み、止めようとする。 アーストロンは怒ってケルビムに向かう。メビウスはメビウスブレイブにチェンジし、メビュームナイトブレードを出し、 アーストロンを切り裂き、ブレードからのビームでケルビムを撃破する。勝利に喜ぶGUYSメンバーたち・・

総監に呼ばれ、ワクワクしながら総監室に向かうトリヤマとマル・・しかし、総監は不在で(部屋の中で木枯らしの音・・) そこにはミサキとサコミズ隊長がいた。サコミズ隊長が総監からの 「あなたは素晴らしい部下を持っている。きっとあなたの人柄によるものでしょう。 トリヤマ補佐官、その豊かな経験と包容力を持って、 これからも若いクルーを、GUYSジャパンを支えてください。」というメッセージを伝える。 喜び、部屋を出てからもはしゃぐトリヤマとマルを、サコミズ隊長とミサキは優しく見つめる。

過去のウルトラ作品とのリンクポイント

1.アーストロン
帰りマン1話で出た怪獣です。口からマグマ光線を吐く怪獣で、帰りマンのスペシウム光線で角を破壊されながら倒されました。今回もマグマ光線をたっぷりと出していました。アニメの「ザ☆ウルトラマン」27話にも登場したらしいのですが、よく覚えていません。また私は見ていませんが、レッドマンにも2回ほど出ていたようです。*余談ですが、「ザ☆ウルトラマン」27話に登場した怪獣は非常に豪華で、アーストロン・ゴキネズラ・ゴーストロン(いずれも帰りマン登場怪獣)、レッドキング・バニラ・アボラス(いずれも初代マン登場怪獣)が登場したようです。別の話ではバルタン星人も登場します。「ザ☆ウルトラマン」もいつかDVD化されるといいですね。

2.2大怪獣対ウルトラマンの戦い
初代マンでは複数の怪獣が出た回でも、最終的に初代マンと戦った怪獣は1匹であり、2大怪獣対ウルトラマンとなると帰りマンが3話でサドラ・デットンの2匹と同時に戦ったのが最初になります。今回は、アーストロンがケルビムに操られて結果的に2大怪獣対ウルトラマンという構図になってしまいました。宇宙人に操られる(あるいは共に戦う)怪獣は過去に多くありましたが、宇宙怪獣が地球怪獣を操る、というのは非常に珍しいです。

3.隊長の出撃
過去の防衛チームの隊長は、指令室にどっしりと座っているよりも、自らも前線に出る方が多かったので、今まで前線に出なかったサコミズ隊長の方がむしろ例外と言えます。ティガのイルマ隊長も指令室にいることが比較的多かったのですが、最終話で出撃した時の「私だってたまには前に出たいわよ」というセリフが印象的です。もう一つ印象に残っているのが帰りマン伊吹隊長の初登場(22話)です。ニューヨークからマットアロー2号で到着し、アクロバットな飛行(総監の噂のエピソードと関係あり?)で、ゴキネズラを圧倒しました。今回のサコミズ隊長の操縦テクニックも見事でした。

4.野口雅弘さん
ものすごく芸歴が豊富な方で、ネオス・平成セブン99年&02年・マックス18話に出演されています。仮面ライダーアギトやゴジラ・モスラ・ガメラ映画、劇場版「世界の中心で愛を叫ぶ」にも出演されています。

ウルトラマンマニア考察

1. 上司を気遣う部下(マル補佐官秘書)
まるで12話「初めてのお使い」の続きのような話で、半分コメディでした。今回はマル補佐官秘書の方が主役でしたが、主役になった代わりに今度はマル補佐官秘書の方に多くの災いが降ってきました。さえない上司のトリヤマ補佐官の良い面も見ようとし、気遣いを見せてくれました。ウルトラシリーズでは、過去にトリヤマ補佐官のようなタイプの中間管理職がいなかったのですが、ここまで心配してくれる部下を持ったトリヤマ補佐官は幸せと言えるかもしれません。

2.部下を気遣う上司(ミサキ総監代行)
キャリア官僚でトリヤマ補佐官の上司のような立場にいるミサキ総監代行ですが、おっとりしていて怒っている時でも怖さは感じられません。怪獣出現で避難する時に自分自身の危険も恐れずマル補佐官秘書の身を案じ、ウィンダムに変なポーズをさせる研究所の人たちをあっけにとられながらも優しく褒め、マル補佐官秘書の言葉からトリヤマ補佐官の気持ちを汲んで早速総監に伝えてフォローするあたり、部下や人の心を大切にする優しい上司と言えます。個人的には、結構いいキャラだと思っています。もっと隊員たちとの接点があるといいですね。

3.責任を取る勇気
どうもトリヤマ補佐官の行動パターンも回ごとに違うようで・・16話(ザムシャー登場の回)では「地球の危機なんだ!(中略)壊れたら新しいの、買ってやる!!」とまで言ったのに、今回は予算と責任を気にする・・頼れる上司になったり、ダメ上司になったりです。責任について「私が取ります」と言ったサコミズ隊長はさすがです。

4.ミライの真面目さと純真さ、そしてマリナの天才ぶり
ミライ・・仮病のトリヤマ補佐官を信じて疑わず、マスコミ対応への反応・・うーん、やっぱり宇宙人ですね。この真面目さと純真さ・・特筆すべきものがあります。マリナが「不思議ちゃん」と名付けたのは、さすがです。そして「トリピー」・・^ ^; まさにマリナはあだ名(または呼び名)を付ける天才です。

5.ハメルーン・プロジェクト
グリム童話の一つに「ハメルーンの笛吹き」というのがあり、ハメルーンの笛吹きが魔法の笛でネズミを操り、みんな退治してしまいます。「ハメルーン・プロジェクト」の名はここから来ていると思います。

6.総監は誰か?
流れている噂からは、かつての防衛チームの隊長あるいは隊員ということが考えられますが、 ラストシーンからはサコミズ隊長自身のようにも見えます。 皆が総監の噂話をしている時に、とぼけたようにコーヒーを入れようとしていたのも、何だかあやしかったし・・いずれにしても、サコミズ隊長はただ者ではありませんね。

7.最後に
以前、12話レポでメビウスはティガ型(主役のダイゴはさほど強く前面には出ず、各隊員たちを軸に話が展開される)、と書きましたが、さらに話が進んでますますその思いが強くなっています。隊員たちどころか、マル補佐官秘書やミサキ総監代行にまで、その輪が広がっています。ただ、メビウスの人間関係を見ると、最近はコスモス的な要素もあると思い始めています。(コスモスも初めの頃はフブキとムサシの対立があり、フブキとムサシが相互に理解し合えるようになってからは、マックスの隊員同士のような雰囲気になってくるのですが・・)メビウスにおいては、今回の話のように根底に「相互の思いやりと理解」があるため、最終的には本当にいい人間関係が築けると期待しています。今回は、コメディの中にもマル補佐官秘書とミサキ総監代行の二人のおかげで、ほのぼのしたものを感じました。

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