ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラマンメビウス 第24話「復活のヤプール」マニア考察】

ウルトラマンメビウス 第24話「復活のヤプール」 ハードバージョン

【メビウスライター 帰りマン&ティガ命】

シリーズ構成:赤星政尚、設定考証:谷崎あきら、脚本:長谷川圭一、監督・特技監督:アベユーイチ

地球から遠く離れたM78星雲・・かつて地球を守ったウルトラ兄弟の一人、 ウルトラマンタロウ(声:石丸博也)は、巨大な力の干渉で恐るべき敵が蘇りつつあるのを感じ、 地球へ向おうとしていた。

そんなタロウにゾフィー(声:田中秀幸)は、メビウスは一人きりではないと言い、制止する。 タロウにとってメビウスは教え子であった。

その頃、地球ではトリヤマ補佐官(石井愃一)やマル補佐官秘書(まいど豊)らの発案?で、 GUYS市民感謝デーが開催されていた。サコミズ隊長(田中実)は総本部へ出張中で、 リュウ(仁科克基)が一日隊長代行となった。

リュウ(仁科克基)は「ウルトラ5つの誓い」を子供たちに教え、コノミ(平田弥里) に促されてリムエレキングは、宙返りを見事に決める。マリナ(斉川あい) やジョージ(渡辺大輔)は来場者たちと一緒に写真に写り、 会場ではかつての防衛チームメカの玩具・隊員たちの写真・ワンダバCDなども販売され、 過去の防衛チームのUGM・MAC・ZAT・TAC・MATなどに関する資料も展示されていた。

テッペイ(内野謙太)はガン・フェニックスの解説をし、外ではウルトラホーク1号と3号、 そしてジェットビートルが飛行していた。

喜ぶ来場者たちと楽しい時間を過ごすGUYSのメンバーたち・・リュウはミライに、 「いいチームになったよな。 (中略・胸からファイアーマークのメモリーディスプレイを取り出す)今なら胸を張って言える。 地球は俺たちが守っている。 ウルトラマンと一緒にな。」と語る。

ミライの目からは、滝のような涙が・・その時、ミライ(五十嵐隼士)の心の中で「復讐の時が来た。 赤い雨が降る。それが我ら復活の前ぶれ・・」というテレパシーが響く。 テレパシーの発信者は次々と変わり、 最後は子供に・・ミライは子供を問い詰めようとするが、他のGUYSメンバーに取り押えられる。会場は大騒ぎに・・。

予言通り、赤い雨が降った。現地調査にはリュウとミライが向った。 最初は感謝際で暴れたミライが行くことにトリヤマが反対したが、 隊長代行のリュウがミライを指名したのだ。

ミライとリュウが到着。現場では、路上に赤い雨の水たまりができていた。そこにヤプールの影が・・。 突然、空が割れ、超獣バキシムが出現。リュウが捕まってしまい、 ミライも変身できずに意識を失う。空が元に戻り、バキシムは姿を消す。

ミライは夢の中でリュウを追いかけていた。リュウが振り返ると、 リュウは能面を付け、ミライに向かって火を吐いた。

ミライが目覚めると、そこは病院のベッドで、 GUYSのメンバーたちが心配そうにミライを見守っていた。 そこには、いなくなったはずのリュウの姿が・・リュウは何も異変はなかった、と言う。 実はリュウにヤプールが乗り移っており、ヤプールはミライにテレパシーで自分の正体を明かしたが、 ミライは何もできなかった。(ヤプールの声:玄田哲章)

次の日、マケット怪獣の強化に向け、ミサキ総監代行(石川紗彩) をヘッドにファイヤーウィンダムの実験が行われた。 パソコンの画面には、ゼットン・パンドン・ブラックエンドの姿が・・ファイヤーウィンダムは、 新兵器(火球)でムカデンダーを倒すが、次のバードン戦ではバードンが吐く火を浴びて苦戦。

ジョージとマリナが戦闘機で援護しようとするが、その時、リュウ(ヤプール)がスイッチを押すと、 戦闘機は勝手にメテオールが作動し、ファイヤーウィンダムを攻撃する。 ファイヤーウィンダムは二人が乗った戦闘機に反撃し、大混乱となる。 やがてファイヤーウィンダムもバードンもタイムアウトとなり、消滅。

原因がわからないGUYSのメンバーたち・・リュウ(ヤプール)はミライが犯人だと言い、ミライを撃つ。 ミライは左手を負傷する。さらにミライを撃とうとするリュウ(ヤプール) ・・ミライは絶体絶命のピンチに・・その時、リュウ(ヤプール)の銃が飛ばされる。

撃ったのは出張から戻ってきたサコミズ隊長・・「たとえどんな状況でも、 本物のリュウがミライを撃つはずがない。」と言い、リュウ(ヤプール)を追い詰める。 リュウ(ヤプール)はバキシムを出現させる。 空を割って現われたバキシムは、地上に降り立つ。ジョージとマリナが戦闘機からビームを放つが、全く当たらない。

ニヤリと笑ってその場を離れるリュウ(ヤプール)・・ミライが後を追う。 リュウ(ヤプール)の手には起爆装置が握られていた。 戦闘機とGUYSの基地内部にも爆薬が仕掛けられていたのだ。 ミライは銃口をリュウ(ヤプール)に向けるが、なかなか撃てない。

ミライはリュウの意識を目覚めさせようと、ヤプールの超能力攻撃を浴びながら、 必死になってウルトラ5つの誓いを叫ぶ。 ミライの心にリュウの「心の炎を撃ち抜け」という声がテレパシーで届く。 ミライはリュウ(ヤプール)を撃つ。

倒れたリュウの体からはヤプールが出現し、「貴様は大切な人間の命を奪った。もうまともに戦うことすらできまい。」 と言い、バキシムに乗り移る。

ミライはメビウスに変身するが、バキシムの多彩な攻撃に苦戦する。 機体が制御を失って攻撃が命中しないマリナとジョージは、マニュアル・モードに切り替えてメビウスを援護する。 メビウスは、メビウスブレイブへとタイプ・チェンジし、メビュームナイトブレードでバキシムを切り裂く。 バキシムは爆発。

病院で目覚めたリュウをGUYSのメンバーたちが取り囲んでいた。 リュウは赤い雨の調査に向かった時以降の記憶が全くなかった。 サコミズ隊長がリュウのメモリーディスプレイを隊員服から取り出すと、大きな穴が開いていた。 犯人を問い詰めるリュウ・・逃げるミライ・・GUYSのメンバーたちは、笑いながらその光景を見守っていた。

過去のウルトラ作品とのリンクポイント

1.ウルトラマンタロウ
今回、ウルトラマンタロウが登場しました。タロウは最終話で東光太郎がウルトラバッジをウルトラの母に返したため、タロウそのものの所在が不明になっていました。私は見ていませんが、「コメットさん」という別の番組(大場久美子さん主演)の中でM78星雲に帰ったという話もあります。劇場版公式サイトに紹介されていましたが、今はM78星雲で後輩を育てていて、メビウスも教え子の一人です。*タロウの声は石丸博也さん。マジンガーZの兜甲児役が有名ですが、劇場版「ウルトラマン物語」でもタロウの声を演じました。

2.市民感謝際でのシーンより
市民感謝際では、ウルトラホーク1号と3号(セブンのウルトラ警備隊メカ)、そしてジェットビートル(初代マンの科学特捜隊メカ)も飛行しました。実機があるのであれば、いつか実戦での復活も見てみたいです。

3.ゼットン、パンドン、ブラックエンド
ファイヤーウィンダムの実験の際に、パソコン画面上にゼットン、パンドン、ブラックエンドの姿が表示されました。それぞれ初代マン&帰りマン、セブン、レオの最終話に登場した強敵です。ゼットンは一兆度の火球を放ち、パンドンとブラックエンドは火炎放射が武器であることから、今回の新兵器のデータとして使用されたのかもしれません。

4.異次元人ヤプール
ウルトラマンエースの宿敵で、異次元空間に潜んで生物兵器である「超獣」を造り、地球侵略のために続々と送りこんできます。1話完結が多いウルトラシリーズの中で、長期にわたり登場するボス的な存在は、ヤプールが最初です。配下に多くの宇宙人や異次元人を従え、その手口は狡猾かつ卑劣と言えるもので、北斗・南らは精神的にも苦しめられます。ヤプールはエース23話で合体し、巨大ヤプールとなってエースと戦い、倒されますが、その時に「ヤプール死すとも超獣死なず。必ずや怨念となって復讐せん。」という言葉を残します。そして、ヤプールの破片が地球に降り注がれます。(この時、北斗を異次元空間に送り込むために「メビウスの輪」の原理が使われます。不思議な偶然ですね。)

5.ヤプールのその後
ヤプールの言葉通りに、エース24話以降も超獣は出現し続け、48話では残党(女ヤプール)によって北斗が幻覚を見せられ、銃を乱射して謹慎させられます。そして最終話でもヤプールの残党がサイモン星人に化け、超獣を操ります。北斗はサイモン星人の姿のヤプールを射殺しますが、その理由を説明するために、子供たちに自分がエースであることを明かし、地球を去ることになります。さらにタロウ29・30話では、ヤプールの残党が改造ベムスター、改造ベロクロン二世、改造サボテンダーを送り込み、タロウを苦しめます。この時はタロウとヤプールの直接対決はなく、ヤプールが乗った宇宙船をタロウが破壊します。

6.赤い雨
今回降った赤い雨・・エース24話(今回も24話)においても、赤い雨が降ります。その前話でヤプールは倒されるのですが、北斗や南は、4.で書いたヤプールの言葉を思い出し、不吉なものを感じました。

7.人間の意識を乗っ取る
エース6話(超獣ブロッケン)、16話(超獣カウラ)でそれぞれ超獣が人間にとりつき、意識を乗っ取りましたが、今回はヤプール自身がリュウを乗っ取りました。

8.ヤプールのテレパシー、信じてもらえない主人公、そして苦渋の選択
エース最終話ではサイモン星人に化けたヤプールがテレパシーで北斗に語りかけます。この時、北斗はヤプールを撃つのに苦渋の選択を迫られます。そしてヤプールを撃った北斗の言葉を子供たちは信じませんでした。これらのシーンは、まさに今回のミライと共通しています。それにしても、わざと撃たせて信頼を失わせようとしたり、精神的にダメージを与えることを狙う・・・ヤプールの作戦は本当に卑劣です。

9.能面
今回、ミライが夢の中で見たリュウは、能面を付けていましたが、5.で述べたエース48話で幻覚を見せられた北斗は、その犯人である女性の歯科医(女ヤプール)と対決し、そこで見たものは能面をかぶった女医の姿でした。その女ヤプールは、死ぬ直前に「勝った者は常に負けた者たちの恨みと怨念を背負って生き続けているのだ。」というヤプールらしい言葉を残します。*エース17話でも般若面を付けた鬼女が登場します。

10.口から吐く火
今回、夢の中でリュウはミライに向かって口から火を吐きましたが、エース23話で北斗は謎の老人を追いかけ、その老人が振り返ると、いつの間にか猿面を付け、口から北斗に向かって火を吐きました。

11.超獣バキシムそして子供の利用
今回登場したバキシムはエース3話に登場した超獣で、今回同様、空を割って登場しました。芋虫と宇宙怪獣が合体したもので、火炎弾・鼻先からの高熱弾・頭の一角ミサイルなど、様々な武器を持っています。エースでは、ウルトラスラッシュ(八つ裂き光輪)で倒されます。エースでは、少年に化けて北斗の命を狙い、世話になった少年の祖父母を殺し、「子供が純真だと思っているのは人間だけだ。」とまで言います。(しゃべっていたのは、バキシムを操っていたヤプールだったのかもしれません・・)今回も、ヤプールはテレパシーの発信源として子供を利用しました。

12.ウルトラ5つの誓い
メビウスではすっかりおなじみになりました。リュウを救ったのがウルトラ5つの誓いというのは、帰りマンのファンとしては、たまりません。

ウルトラマンマニア考察

1.ウルトラマンエースという作品
今回は、まさにエースファンのための回でした。「ウルトラマンエース」は「帰ってきたウルトラマン」の後の番組ですが、そのテイスト・雰囲気はだいぶ異なります。それは、@ウルトラ兄弟時代の本格的な幕開け、A前半における北斗・南による合体変身、Bヤプールの存在、の3つによるところが大きいと思います。ウルトラ兄弟時代の本格的な幕開けに伴い、エースは一見派手なイメージがありますが、ヤプールの存在などによって、すさまじいまでのハードな回も見られます。最終話で子供たちに「優しさを失わないでくれ。(中略)たとえその気持ちが何百回裏切られようとも。それが私の最後の願いだ。」と語り、地球を去ったエースの姿を忘れないファンの人は多いと思います。

2.巨大な力とは?
冒頭でタロウが言っていた「巨大な力の干渉・・」とは一体何でしょうか?ヤプール以上の巨大な敵がいるということでしょうか?今後が気になります。

3.相手を信じる力
ヤプールのような心理面から揺さぶりをかけてくるような敵と戦う場合、「本当に仲間を信じることができるか」というのが、大きなテーマとなります。赤い雨を調査に行った時、リュウをはじめ、GUYSのメンバーたちはミライを信じていたようですが、ファイアーウィンダム実験時にリュウがミライを撃とうとした時は、本当に危機的状況でした。あの時、サコミズ隊長が来なければ一体どうなっていたか・・本当にぞっとします。 それにしても、ヤプールの卑劣さは半端ではなく、観ていてミライが気の毒になりました。かつてエースに変身した北斗星司と南夕子は、互いに相手を信じ合い、片方が危機的状況に陥ると、もう一人が精神的な面も含めて相手を支えました。だからこそ、卑劣なヤプールと戦い抜くことができたのだと思います。(80とユリアン、ティガのダイゴとレナもそうでしたね。)今回の話を観て、本当にミライを理解し、支えてくれる存在が身近に欲しいと思いました。*ミライが純真なだけに、本当にそう思います。

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