ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラマンメビウス 第25話「毒蛾のプログラム」マニア考察】

ウルトラマンメビウス 第25話「毒蛾のプログラム」ハードバージョン

ウルトラマンメビウス第25話「毒蛾のプログラム」

シリーズ構成:赤星 政尚、設定考証:谷崎あきら、 脚本:川上英幸、監督・特技監督:北浦嗣巳

蛾超獣 ドラゴリー登場

 GUYS基地では、前回出たバキシムの解析をしていた。テッペイ(内野謙太)は、 「これは怪獣ではなく超獣で、ヤプールに操られていた怪獣兵器*1」と語る。 トリヤマ補佐官(石井愃一)は、こんなのがいたら、また怪獣が出まくると心配する。

そんな折、ミサキ・ユキ(石川紗彩)より、異次元物理学のスペシャリスト、 フジサワ博士が来るとの連絡で、サコミズ隊長(田中実)がなぜか「はみがき」とかパニックに…作戦室では、 リュウ(仁科克基)が壊れたディスプレイの塗装やり直しをしていたが、あと1時間で来ると聞いて、 トリヤマ、マル(まいど豊)も含めて、ちょっとしたパニックである。 リュウはこの騒ぎで、塗装ミスに…(泣)。

 そんな折、超獣ドラゴリー(スーツアクター、相馬絢也)が出現した。例により、空を割って、 である*2。GUYSはガンフェニックスで早速出撃する。ドラゴリーはドキュメントTACに記録がある。 しかし、なぜ出たのかわからない。

コノミ(平田弥里)は、何かを探していると感じる。そして、 ドラゴリーはしばらく暴れた後、異次元に帰ってしまう…後を調べたジョージ(渡辺大輔)、 マリナ(斉川あい)は、蛾の巨大な燐粉を見つけるが…

 そこへ、フラメンコ!を踊りつつ、白衣を着たフジサワ博士(石橋けい)*4登場、 トリヤマ、マルコンビ卒倒!リュウにあめをあげて?サコミズにコーヒーをまた飲んだと突っ込み? コノミをウサギ、テッペイを怪獣博士、ミライを不思議ちゃん…と言うが、 ミライ(五十嵐隼人)に不思議なものを感じる。

サコミズがミライと紹介してフォロー。で、お人よしの秘書とマルに、トリヤマは恵比寿様補佐官、 大漁大漁と言うと、ミライ、テッペイ、コノミがあわてる(笑)*3。 残り二人はクールな女ライダーと情熱のストライカーと言うと、 当のマリナ、ジョージが来る。と、ジョージの目にハートマーク!*5恋に落ちる?のでありました・・・フジサワは、 ジョージに良い男といい、「アサミと呼んで良い」といい、「愛の詩集」を贈るが、自分が良いというまで読んではダメ、ということである。

BGMはイタリアのカンツォーネらしい*9…で、ジョージがフジサワをエスコートすることに… マリナを、おもちゃの蜘蛛で撃退し?ジョージが行く。マリナはリュウに八つ当たりして脚を蹴ってボキボキ…*6

 フジサワ博士は、ジョージをプール際に誘い、 「プロテカカペロリンガ*7」とおまじない?をして、メテオール・ショットで撃たせるのである…何だ?と、 基地に闇が舞い、ドラゴリーの顔が…

 テッペイは、ドラゴリーが現れたのは、この場所が原因という。 ここは33年前、妖星ゴランを破壊するミサイルの基地があったところである。 ドラゴリーはミサイルを破壊しようと現れたと言う。

その時は、メトロン星人ジュニアとともに出現していたと、ドキュメントTACにあると、テッペイが語る。 さらに、怪獣ムルチも出ている。「超獣と、怪獣と、宇宙人」*8…ミライはつぶやく。 リュウは「まさに祭りだ」という。テッペイは、超獣と怪獣は知性や能力が大きく違うと語る。

 フラメンコを踊るフジサワとジョージ…ジョージは、汗臭いと、着替えさせられている(?)。 一同唖然…から感心?拍手…しかし、マリナは怒る。 フジサワは、ドラゴリーはちょっとおバカな超獣で、33年前にミサイルを破壊し損ねたことを思い出して、 同じ場所に現れたと言う。だから、ドラゴリーには、ヤプールのエネルギーがあまり感知できないわけである。

そして、次元の歪を封じるメテオール兵器・リージョン・ディストリクターを作ったと言うが、 これは、危険で、水に漬けたら、半径20kmが木っ端微塵の代物であるという。 で、フジサワがジョージに、一仕事するので、外へ出て、 と言い、その後、悲鳴が聞こえて、ジョージが飛び込むと、フジサワに、巨大な蛾が取り憑いている! で、フジサワを介抱したジョージは光線を受けて気絶してしまう。

そこへミライらが駆けつけると、ジョージが気絶していた。フジサワにヤプールが取り憑いた!  コノミは、ドキュメントTACに、ミサイル発射阻止のため、 メトロン星人が基地内に侵入したとあることを説明する*10。

水に漬けると爆発、ということを思い出し、ジョージはプールに駆けつける。と、 フジサワが「ミサイルはどこだ」という。ヤプールに取り憑かれているのだ。 「ミサイルの発射を阻止し、妖星ゴランを地球に衝突させる、それが私の使命だ」と。

で、そのため、リージョン・ディストリクターをプールに投げ落とす!と、 泳げないはず?のジョージがプールに飛び込んで、間一髪受け止める。そして、フジサワからヤプールは離れた。 ジョージが泳げて、マリナビックリ!しかし、問題のリージョン・ディストリクター、 箱の中は…ただのビックリ箱!(?)、本物は先に贈った愛の詩集の中にある。

フジサワは、自らが囮になり、ドラゴリーをおびき出すための、先に催眠装置を使っていたのだ。 「これからが勝負よ、ヤプールは実態を現す」と。

 すると、研究棟付近にドラゴリーが現れる。33年前、 ミサイル(マリア2号)を破壊しようとした場所である*11。 そして迎撃だ。暴れるドラゴリーに、地上戦で挑む*12。

目からの光線攻撃を受けて、吹き飛ばされるミライはメビウス(スーツアクター、和田三四郎) に変身し、ドラゴリーに挑む。格闘戦で圧倒し、投げ飛ばすも、光線を受けて反撃される。

そしてドラゴリーの猛攻、テッペイは、「ドラゴリーはムルチを引き裂いている!」*13と警告、と、 ジョージの援護で、メビウムブレスでメビウスも反撃(BGM:メビウスの勝利2曲目)、 さらにメビウスブレイブ(スーツアクター、岩田栄慶)になる。

ドラゴリーは、空を割り、次元の歪に逃げようとするが、フジサワの発明したリージョン・ ディストリクターをジョージが撃ち、空間の歪は閉じられた。 逃げ道を失ったドラゴリーに、メビウスはメビウスナイトブレードを、光線にして放ち、 ドラゴリーにメビウスのマークが出て*14、爆発してドラゴリーは倒れた*15。 「アシストも上手いのね、エースストライカー」とフジサワが言う。

 しかし、ジョージは泳げないはずでは…と言うと、「初めての海で、電気くらげに刺されて 、2度目はうつぼにかまれて、3度目で鮫に襲われて、4度目で海の家でお腹を壊して…」が真相であった・・・ 「海は俺を必要としていない」が結論・・・

 そして、フジサワは、ヤプールが倒れたら、ジョージにデートしようと言う。 サコミズにデータを渡し、ジョージに、 「暇な時はスキューバダイビングをする、ジョージと潜れるの、楽しみ」と言うのだが・・・で、 フジサワ博士は去ったが、ジョージは悲鳴を上げた…(笑)。

マニア的突っ込み

 今回も、エース7,8話を知るものにはたまらない内容でした。その点からフォローします。 オリジナルをご存じない方はご参考までに。

*1:超獣の登場は、タロウ「逆襲・怪獣軍団」以来、前回24話が33年ぶりです。
ちなみに、タロウでは怪獣に戻りますが、これは、超獣より強い新怪獣という意味だったそうです。 そのため、超獣オイルドリンカーが新怪獣アストロモンスに敗れます。 しかし、ここでは、超獣はやはり怪獣より強いと言う設定になっています。

 そのタロウ1話では、怪獣アストロモンスと、超獣オイルドリンカーが出ますが、ZATの隊員は、 どうやって怪獣と超獣を見分けたのか、今だに謎です。

*2:この空を割る設定は、前回のバキシムがオリジナルで行い、さらに続くエース4話でもカメレキングが同じ出現をしています。どちらも佐川和夫特技監督、渾身の特撮です。それに対して、今回の演出はCGでしょう。この点、エースでのアナログでの空割が良かったとの声も前回にファンからありました。アナログ特撮も、デジタル特撮も、まだそれぞれの可能性がある模様です。

*3:言うまでもなく第12話「はじめてのお使い」のネタ、でもアサミさん、なんで知っていたの? (こんな展開は吉本新喜劇でよくありますが…)。

*4:石橋けいさんは、ティガ、ダイナのシンジョウ・マユミ役、ガイアの多田野慧役と、平成3部作全てに出ていますが、ウルトラ・デビュー?は東映の「有言実行3姉妹シュシュトリアン」の「ウルトラマンに会いたい」で、黒部進さん、初代マンと共演して、バルタン星人を倒してでして、ウルトラ歴13年のベテラン?です。

*5:目にハートマークが入るのは、アニメでは定番ですが、実写では珍しいです。
 ちなみに、メビウス第4話、ミクラスの登場シーンで、ミクラスがコノミを見て目を輝かせるCG演出は、村石監督の絵コンテにあったと、DVD解説書に渋谷プロデューサーが書いていました。

*6:この「ボキボキ」という効果音は、必殺仕置人で、念仏の鉄(山崎努)が骨を砕く場面と同じ音の模様です。
 ちなみに、念仏の鉄は森次晃嗣さんを2度仕置しています。  森次さんは、中村主水にも2回斬られています(それも2回目はシルバー仮面、スカイライダーのアシストで!)。

 黒部さんも、主水他、スカイライダーに仕置され、 また後のウルトラマングレートの声優にやられる内ゲバ?もありました。  あと、高峰圭二さんもよく仕置されていました。中には、先輩の近藤正臣さんに仕置された話もありました。 (必殺ネタの脱線、すみません…何せ、待望のうらごろしの再放送が始まるので…)

*7:これはセブンのプロテ星人、ペロリンガ星人の名前を合わせたネタでしょう。
 ちなみに、セブン「円盤が来た」のペロリンガ星人の名前の由来は、昔から謎でした。

*8:エース7話のサブタイトル「怪獣対超獣対宇宙人」をもじったものでしょう。こういうお遊びは、オリジナルを知っているものにはたまりません。

*9:これを歌っているのは3大テノール(パヴァロッティ、ドミンゴ、カレーラス)の誰かかな?イタリアン・サウンドです。
 ちなみに、イタリア人の食欲はすさまじく、日本人の何倍もパスタを食べて、あの声が出るのだそうです。

*10:これは、TACの山中隊員の婚約者、マヤを殺して乗り移り、破壊工作を図ったものです。しかし、 結婚指輪を簡単に外したことでばれてしまいます…

*11:妖星ゴランを破壊しようとした、マリア1号はメトロン星人ジュニアに破壊され、実際にゴランを破壊したのは、その後作られたマリア2号です。マリア2号の完成、発進シーンにワンダバTACがかかるところは感動物です。

*12:今まで、ガンフェニックスの攻撃がメインだったGUYSには珍しい地上戦(他には14話で例あり)。しかし、地上戦と言えば帰マンのMAT、ワンダバをバックに走り回るシーンが私の世代には思い浮かびます。

*13:これはテッペイの言うとおりで、ドラゴリーは、ムルチ(2代目)がぶつかっただけで、怒って引き裂いているのです。これは、物凄いシーンで、今ではとても放映できない表現のもので、ご存じない方は一度ビデオで見てください。しかし、過去の、実際のシーンをこうして応用するとは、オリジナルを知っているファンにはニヤリです。

*14:光の剣を振るって、敵にヒーローのマークが出る、これは東映のメタルヒーロー、レーザーブレードのシーンの定番ですが、これの元祖はロボットアニメ、ボルテスX(77年)の、剣により、Vの字に斬るものです。

*15:このシーンの、BGMの使い方、メビウスのメイン戦闘テーマ(CDによるとOPAという曲名)を使うものの、止めを刺す前に曲を止めていますが、これはエース対ドラゴリー戦でも、エースのメインテーマを流しつつ、止めの直前で止めています。さらに、同じ音楽の演出は、帰マンとグドンの決戦でも行われており、これらのシーンでは、冬木透さんが選曲していますが、クライマックスで曲を止めることで印象に残っています。同じ音楽演出がなされたのは、偶然かも知れませんが、驚きました。

マニア考証

(1)エース第7,8話との関連に着いて

エース第7,8話では、妖星ゴランをぶつけて地球破壊を図るメトロン星人ジュニアの暗躍がメインですが、 地球を征服しようとしていたヤプールが、なぜ(征服しようとしている地球を破壊する) メトロン星人ジュニアと対立しないのか、不明でした。 今回も、ドラゴリーはメトロン星人ジュニアの手伝いをしていたような解釈であり、事実エースでは、ヤプールは前編に少し出ただけで、この前後編では実に影が薄いのです。このため、エース7,8話では、ドラゴリーはメトロン星人ジュニアの手下だったと、解釈すべきなのかも知れません。 こういう、過去の作品は矛盾を抱えていることがあり、その解釈にマニアが頭を使ったものでした。 今回も、その延長線上です。

(2)ギャグの使い方

今回は、フジサワ博士のフラメンコ、補佐官の失態を知っている点など、上手なギャグが入っていました。このギャグの入れ方は、平成ウルトラ、マックスで「大真面目なギャグで笑わせる」テクニックを会得して以来のもので、上手いものです。ギャグでも、悪ふざけではないので、下手な芸人真っ青です。ギャグを下手に入れ過ぎると、悪乗りになって、笑えなくなるのですが、息抜きとしての笑いを会得しているウルトラは安心して見ていられます。

(3)年数の数え方

今回、見ていて不思議に思ったのが、「ドラゴリーの出現が33年前」となっていること。さらに、第2話では、グドンの登場が34年前になっています。どちらもテッペイの発言で、しかし実際の放映とは1年ずれています。怪獣の登場が80の後25年と実時間となっており、これはその通りですが、帰マン、エースの時間は、1年ずれています。理由は不明ですが、これは何か秘密が隠れていると見るべきでしょう。

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