ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラマンメビウス 第27話「激闘の覇者」マニア考察】

ウルトラマンメビウス 第27話「激闘の覇者」ハードバージョン

【メビウスライター 帰りマン&ティガ命】

シリーズ構成:赤星政尚、設定考証:谷崎あきら、脚本:谷崎あきら、監督・特技監督:小中和哉

ナレーション:今からちょうど40年前、地球は怪獣や侵略者の脅威にさらされていた。 人々の笑顔が奪われそうになった時、はるか遠く光の国から彼らはやってきた。 ウルトラ兄弟と呼ばれるヒーローたちが。 (初代マン、セブン、帰りマン、エース、タロウ、レオ、80の映像)そして今、 ウルトラの父は一人の若き勇者を地球へ送った。その名は、ウルトラマンメビウス・・・

遠く離れたM78星雲・・ウルトラの父(声:西岡徳馬)は古傷による痛みを感じ、 右の脇腹を左手で押さえていた。それは、3万年もの長い間、感じていなかった痛みである。 ウルトラの母(声:池田昌子)はウルトラの父を気遣いながら、何かの前ぶれではないか、と案ずる。

地球では、GUYSの指令室の中で、サコミズ隊長(田中実)らGUYSのメンバーたちが、 指令室の中で置物などを置いていた。 フェニックス・ネスト飛行に伴う後始末であった。

超獣も出現しなくなり、もう飛ぶこともないだろうと話すメンバーたち ・・そこトリヤマ補佐官(石井愃一)やマル補佐官秘書(まいど豊)が現われ、 トリヤマ補佐官は、まだ可能性がなくなった訳ではない、と言う。サコミズ隊長も最近の一連の事件の関連性を指摘する。

ミライ(五十嵐隼士)は、ウルトラゾーンと怪獣墓場の出現(21・22話) とクロノームの出現(23話)から感じられた次元の変調、 そしてヤプールの復活(24〜26話)から何者かの力を感じていた。

トリヤマ補佐官(石井愃一)は、新マケット怪獣のテストを申し出るが、ミクラス(活躍シーン:4・8・13話)を可愛がるコノミ(平田弥里)やマリナ(斉川あい)から反対される。また、ミライ、リュウ(仁科克基)、ジョージ(渡辺大輔)はウィンダムの活躍(11・14・24話)をあげて同じく反対する。実はトリヤマ補佐官は、総本部からの任務を今までさぼっていて、任務の期限が明日であることがばれてしまう。リュウ(仁科克基)、ジョージ(渡辺大輔)、コノミらに責められるが、数多くのマケット怪獣のカプセルを見ていたテッペイ(内野謙太)は目を輝かせて試験に賛成する。

新マケット怪獣の候補があげられ、画面に表示され、テッペイが詳しく解説するが、以下の理由で却下となる。 グドン(2話):1分しか戦えないのに地底に潜っても仕方がない。バードン(3話):毒があるので危険。 ツインテール(6話・9話):海を嫌うジョージが渋り、過去にボガールの餌になった。 ベムスター(18話):かつて食べられそうになったマリナが強硬に反対。 その他にもエレキングのカプセルがあり、リムエレキングが喜ぶ。さらに、メビウスのカプセルもあった。 (1・2・3・4・5・6・8・14・16・22話の映像)

結局、シミュレーションによる仮想空間での対決で決めることになったが、カプセルの奪い合いとなり、トリヤマ補佐官がゼットンのカプセルを落してしまう。そこからは不思議な電気エネルギーが流れる・・ 最初はゼットン対グドン。ゼットンの先制攻撃でグドンはすぐに消滅。テッペイはリセットして次の対戦に移行しようとするが、なぜかゼットンは消えない。画面上でゼットンが次々と一兆度火球を放つ。それに伴い、システムに警報が鳴り、ミサキ総監代行(石川紗彩)が駆けつける。トリヤマ補佐官とテッペイはカプセルを抜こうとするが、電気ショックに・・何とかカプセルを抜くが、ゼットンの攻撃は止まらない。ゼットンが放ったと一兆度火球は、空間に穴を開け、さらにネットワーク内の防御を突破。ネットワーク上に次々とウィルスが進入。

テッペイは、シミュレーション上でゼットンを倒すため、メビウス(マケット)を送り込む。 トリヤマ補佐官の指示通りにプロトマケットメビウスはメビュームシュートを放つが、ゼットンはそれを吸収し、 波状光線でメビウスのカラータイマーを破壊する。メビウスは倒れて消滅。

そこへ別のメビウスが空間の穴から現われる。 負けると二度と帰れないことを覚悟しつつ、ミライが変身し、仮想空間に入り込んだのであった。

メビウスはゼットンと戦うが苦戦する。メビウスには、応援するGUYSのメンバーたちの声が聞こえていた。 みんなの声が僕を強くする・・みんながいるから僕は戦える・・みんながいるから僕は負けない・・ メビュームスラッシュにバリアを張るゼットン・・バリアがない上空からメビウスは流星キックを浴びせる。

テレポーテーションでメビウスを翻弄するゼットン・・やがてメビウスのカラータイマーは赤に。 そこへミクラスとウィンダムが駆けつける。ミクラスは電撃攻撃し、そこへウィンダムがビームを放つ。 メビウスはパンチでゼットンに止めを刺す。ゼットンは炎上・消失。メビウスは空間の裂け目から脱出。

ミライは指令室に戻るが、リュウたちにどこに行っていたのか、と責められる。 サコミズ隊長は、ミライも皆と一緒になって戦っていた、と フォローするが、ジョージに羽交い絞めにされ、リュウ・マリナ・テッペイにくすぐられる・・

ミライは夜空を見ながらウルトラの父を思い浮かべ、この星に来て良かったと思っていた。 空にはウルトラの星が・・一方M78星雲ではウルトラの父が、決断の時が近いかもしれないと言い、 ウルトラの母は、ではメビウスはもう・・と話していた。

過去のウルトラ作品とのリンクポイント

1.挿入歌「ウルトラ六兄弟」
冒頭のナレーションの時に流れていた曲は、タロウの挿入歌「ウルトラ六兄弟」を演奏したもので、劇場版「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」でも使用されています。

2.ゼットンと初代マンの戦い(最終話)
侵略宇宙人(ゼットン星人)により地球に運ばれます。初代マンの八つ裂き光輪をバリアで防ぎ、スペシウム光線を吸収し、波状光線でカラータイマーを破壊し、初代マンを倒してしまいます。最終回でもあり、ワクワクしながら見ていた子供たちにとってはあまりにも衝撃的で、泣いた子供たちも多かったと思います。ゼットン自身は、科学特捜隊の新兵器である無重力弾で破壊されますが、最強怪獣として強烈な印象を残しました。

*補足:今回のマケットメビウスとゼットンの戦いは、まさにこの戦いの再現そのものでした。光線を吸収され、慌てるウルトラマン、波状光線によるカラータイマーの破壊、バックの太陽、胸に手を当てて倒れているウルトラマン、それを見下ろすゼットン・・全く同じです。

3.その後のゼットン
(1)帰りマンとの戦い(最終話) ウルトラ兄弟の抹殺を企むバット星人が、帰りマン抹殺を目的に地球に連れてきました。バット星人はウルトラブレスレットが変形したウルトラクロスで倒され、ゼットンはウルトラハリケーンで空中に飛ばされて無防備(光線を吸収できない状態)になったところをスペシウム光線で破壊されます。

*補足:ファンの間では、2代目ゼットンのデザインがやや不恰好であり、不評でした。スペシウム光線で破壊されたことから、「2代目ゼットンは弱いのでは?」とも言われましたが、私自身の解釈としては、やはり2代目ゼットンは初代同様に強かったと思います。あえてウルトラブレスレットではなく、スペシウム光線で倒したのは、「うまく戦えば、初代マンでもゼットンに勝てる」という初代マンへの思いやりだったと思います。

(2)パワードとの戦い(最終話)
アメリカ版ウルトラマンというか、初代マンのリメークともいえるパワードですが、バルタン星人が送り込んだゼットンと対決します。(このゼットンのデザインもすさまじいのですが・・^ ^;)パワードのメガ・スペシウム光線をはね返すものの、最後は光線を吸収できない背中に浴びて爆発します。しかしながら、パワードも力尽きて倒れてしまい、相打ちのような結果となります。パワードは仲間たちに連れられ、地球を去ります。

(3)劇場版ウルトラマンゼアス2
ゼットン自体は出てきませんが、防衛組織のMydoがウルトラマンシャドー打倒のため、初代マンを倒したゼットンの波状光線を、6000万アンペアの電流と2500万ガウスの電磁を交錯させる事で再現しました。その兵器は「ゼットン光線砲」と命名されます。しかしながら、ウルトラマンシャドーのカラータイマーを狙うものの、カラータイマーにシャッターが降り、作戦は見事に失敗しました。^ ^;

(4)マックスとの戦い(13話)
初代マン同様、ゼットン星人に連れられてきました。強力なバリア(ゼットンシャッター)でマックスの攻撃を全く受けつけず、大苦戦となりますが、ゼノンが参戦し、マックスは受け取ったマックスギャラクシーから超光線ギャラクシーカノンを放ち、ゼットンシャッターもろともゼットンを破壊します。*ゼットンが最終回以外で登場したのは初めてで、普通の怪獣扱いには寂しさを感じました。

4.流星キック
帰りマン4話で、キングザウルスV世の張るバリアで武器を封じられ、帰りマンは一度敗退します。バリアが張られていない上から攻撃するため、帰りマン(郷)は特訓で流星キックを生み出し、見事に怪獣を撃破します。今回はその再現でした。

5.メビウス、ミクラス、ウィンダムの共闘
今回、メビウス、ミクラス、ウィンダムが共にゼットンと戦いましたが、同時に複数のカプセル怪獣やマケット怪獣が出現し、さらにウルトラマンと共に戦う、というのは初めてで、仮想空間ならではの夢の共演です。

ウルトラマンマニア考察

1.ゼットンについて
個人的には初代マンと帰りマンの最終回の思い出があまりにも強く、初代マンの最終回の悔しさは、帰りマンの最終回の感動を増幅させ、特別なものとなりました。ゼットンのように過去に相当の重みがあった怪獣は、他の番組で軽く扱われて欲しくない、という気持ちが強くあります。今回は正直言って複雑でした。

2.仮想空間での戦い
今回は珍しく仮想空間での戦いとなりました。何だかムシキングのバトルのような感じでしたが、特撮では(私は観ていませんが)電光超人グリッドマンが近いようです。*電光超人グリッドマン:1993年に放送開始した特撮番組で、魔王・カーンデジファーと呼ばれる異次元空間から逃亡してきた悪魔が「コンピュータワールド」に生き、さまざまな怪獣を生み出し、地球を破壊・征服しようと企み、それに対して電光超人グリッドマンが立ち向かうもので、あくまでもコンピュータの世界で戦いが繰り広げられます。

3.ミライの心
負けたら二度帰れない仮想空間への戦いに向かうミライ・・しかも相手は強敵のゼットン・・この時の覚悟は半端ではなかったと思います。帰還後、この星に来たことを心から良かったと思うミライ・・宇宙人なのにここまでこの星を想ってくれる・・心打たれるものがありました。

4.見えざる敵とメビウスの運命
ウルトラの父の古傷・・一連の事件のつながり・・これらは、来るべき戦いの伏線でしょうが、3万年以上も前に、ウルトラの父はどのような敵と戦ったのでしょうか?また、「決断」そしてメビウスの運命とは?どうやらヤプール以上の強大な敵が存在するように思えますが、今後が気がかりです。

5.総集編としての楽しみ
今回は、まさに前半の総集編のような回でした。そのお楽しみポイントをあげてみます。

(1)今回登場した怪獣たちと登場シーンの回
ディノゾール(1話)、グドン(2話・9話)、バードン(3話)、ケルビム(4話)、サドラ(5話)、ツインテール(6話・9話)、ボガール(8・9話)、ディノゾールリバース(11話)、ムカデンダー(13話)、インセクタス(14話)、ザムシャー(16話)、ベムスター(18話)、レッサーボガール(22話)、クロノーム(23話)、マケット怪獣ミクラス(4・8・13話)、マケット怪獣ウィンダム(11・14・24話)

(2)メビウスの過去の回とのリンク
今回は、メビウスの過去の回とのリンクも多くありました。

6.前半を終えて
オープニングの映像も少し変わり、主題歌も2番が流れ、後半に突入しました。前半は、 それぞれの人間ドラマが見事で、感動的な場面が本当に多くありました。また、 コメディや心を和ませてくれる場面も多くありました。 後半は戦いの厳しさも増しそうですが、それを越える互いの信頼関係、 そして人間ドラマを期待したいと思います。そろそろ、恋愛話も期待したいですね。

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