ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラマンメビウス 第30話「約束の炎」マニア考察】

ウルトラマンメビウス 第30話「約束の炎」マニア考察ハードバージョン

【メビウスマニアライター 帰りマン&ティガ命】

シリーズ構成・脚本:赤星政尚、設定考証:谷崎あきら、監督:佐野智樹、特技監督:鈴木健二

インペライザーとの戦いで、負傷したミライ(五十嵐隼士)は病院のベッドに横たわっていた。 同じく負傷したリュウ(仁科克基)は、そんなミライに付き添っていた。 病室の外では、ジョージ(渡辺大輔)、マリナ(斉川あい)、テッペイ(内野謙太)、 コノミ(平田弥里)らがサコミズ隊長(田中実)から二人の様子を聞いていた。 サコミズ隊長は4人に睡眠を取るように促し、その場を離れる。4人はメビウスのことも心配し、 リムエレキングに励まされる。

テッペイとコノミは作戦を練るために指令室へと向かい、 ジョージとマリナはアライソ整備長を手伝うためにその場を離れた。 *補足:メビウスの身を案じる4人は、まだミライとメビウスの関係を知らされていないことがわかる。

リュウがうとうとしている間に、ミライはメモリーディスプレイをベッドの上に置き、病院を抜け出す。 リュウは松葉杖をつき、転びながらも公園にたどりついた。ベンチに座るリュウの背後にミライの姿が・・ *補足:この公園は、第1話で二人が出会った思い出の公園である。

リュウはミライからウルトラの星から帰還命令が出されたこと、戦えば死ぬと言われたことを聞かされる。 何でウルトラマンはそんなにまでして地球を守るのか、と聞くリュウに、ミライはウルトラの国の歴史を語る。

ミライの説明:ウルトラの星の住民たちも、昔は地球人同様の姿であった。 ある時、ウルトラの一族は偶然に力を手に入れた。一族は、その力で果たすべき何か、 つまり守れるものがあるはずだと考えた。 地球から300万光年離れたウルトラの星・・300万年前のウルトラの星は、まさに今の地球のようであった。

地球にかつての自分たちの姿をだぶらせていたのか、と聞き返すリュウ・・そこにはもうミライの姿はなかった。 リュウはまだ、肝心なことをミライに伝えていなかった。

GUYSの指令室では、インペライザーを倒す作戦が話し合われていた。 重力偏光板を使ってインペライザーを高度80kmへ飛ばし、 ライトンR30爆弾で破壊してしまおうとするものであった。 サコミズ隊長とミサキ総監代行(石川紗彩)が指令室に入り、 ウルトラマンタロウからと思われる通信があり、 インペライザーが4時間後にアオサワ峡谷に出現するとの連絡があった、と告げる。

タロウから知らされた現場で待機するGUYSのメンバーたち・・ジョージ、マリナ、 リュウはミライのことを案じていた。 ミライもそこへ現われる。インペライザーが出現した。そして赤い光の玉と共に、ウルトラマンタロウが現われた。

メテオールが解禁され、GUYSはスペシウム弾頭弾をインペライザーの足元に撃ち、 インペライザーを倒すと、重力コントロールでインペライザーを宇宙空間に向けて運ぶ。 しかしながら、インペライザーは空間転移で抜け出すと、タロウの背後に出現する。

タロウのストリウム光線とインペライザーのビームがぶつかる。 インペライザーは回転しながらミサイルを乱射し、地上のGUYSメンバーたちの近くや、 戦闘機にも着弾する。タロウは、ストリウム光線でインペライザーの回転を止める。戦闘機は不時着する。

リュウ、ジョージ、マリナの3人も戦闘機から降り、テッペイ、コノミ、サコミズ隊長らと合流する。 タロウはミライに気づき、君はもっと強くなる、 来るべき戦いに備え、光の国に戻り、力をさらに高めろとテレパシーを送る。 タロウは、封印していたウルトラダイナマイトで自らの身体を爆発させてインペラーザーを破壊した。 タロウは再生するが、カラータイマーは赤に・・インペラーザーも復元し始める。

リュウはミライに、行ってメビウスの強さをタロウに証明してこい、地球を守るのがお前の仕事だ、 俺たちが戦うのは、また笑顔で仲間に会うためだ、絶対に生きて帰って来いと言う。 ミライは涙をぬぐい、GUYSのメンバーたちの前で変身する。

メビウスは、タロウと共にインペライザーと戦う。メビウスがメビュームシュートを放ち、 メテオールの立方体バリアが張られるが、インペラーザーはバリアをも破壊してしまう。 インペラーザーがGUYSのメンバーたちを狙う。 メビウスは自らが盾となり、GUYSのメンバーたちを守る。 メビウスの背中に次々とインペラーザーの光弾が浴びせられ、 メビウスは倒れる・・・GUYSのメンバーたちは、必死になってメビウスに声をかける。

メビウスは再び立ち上がる。そして、炎の模様のメビウスバーニングブレイブへとチェンジする。 タロウがインペライザーのビームをストリウム光線で防ぐ中、 メビウスは赤いエネルギーの玉をインペライザーにぶつける。インペライザーは一気に消滅。 指令室では、トリヤマ補佐官(石井愃一)は安堵のあまり気絶し、マル補佐官秘書(まいど豊)が連れて部屋を出る。 ミサキ総監代行にも笑顔が戻る。

リュウたちはタロウに、メビウスは俺たちの仲間なんだ、これからも一緒に地球を守りたいんだ、 ミライを、メビウスを帰さないでくれ、と頼む。 タロウはうなずき、インペラーザーはあくまでも尖兵に過ぎない、 この先に待つのは途方もない脅威だ、だが君と君の仲間たちならどんな試練もきっと乗り越えられるな、 とメビウスに言い、飛び去っていった。

メビウスがミライの姿に戻り、GUYSのメンバーたちの元へ戻ってきた。 喜ぶメンバーたち・・リュウはミライに炎のマークが描かれたお揃いのメモリーディスプレイを渡した。 他のメンバーたちも炎が描かれたミライからもらったお守りを見せる。 リュウは心の中でミライに「ありがとう」と言っていた。

*文面短縮のため、セリフ部分は多少要約しています。

過去のウルトラ作品とのリンクポイント

1.正体が明かされたウルトラ戦士たち

(1)セブン:異なる環境の地球で戦い続け、身体が限界に達したダンは、最終話でアンヌに自分がセブンであることを告げ、最後の戦いに向かいます。アンヌからそれを聞かされたウルトラ警備隊のメンバーは、皆たまらない気持ちになりながら、セブンの戦いをサポートし、そしてセブンを見送ります。

(2)帰りマン:最終話、ゼットンとの戦いに勝利した後、郷は次郎少年とルミ子に「故郷へ帰ります」と告げ、二人の前でウルトラマンに変身し、M78星雲に向けて飛び立っていきます。次郎少年は、必死になって走りながら「ウルトラ5つの誓い」を叫びます。

(3)エース:最終話、北斗はサイモン星人の姿のヤプールを射殺しますが、その理由を説明するために、子供たちに自分がエースであることを明かし、地球を去ることになります。

(4)レオ:最終話、ゲンはトオル少年に自分がレオであることを明かし、最強の円盤生物であるブラックエンドと戦います。戦いを終えたゲンは、世話になった美山家の人たちに挨拶し、旅立っていきます。

(5)ザ☆マン:アニメのザ☆ウルトラマンですが、最終話の前の49話で科学警備隊の隊員たちがヒカリとザ☆マンの関係に気づきます。隊員たちはウルトラマンの力をあてにしようとし、後からそれを反省します。そして、最終話でヒカリはウルトラマンの正体を隠す理由を、「誰もが自分の力を信じて戦うべきだから・・誰にも頼ってはならないからです。」と語ります。

(6)80:最終話、猛と涼子が80とユリアンであることに気づいていたUGMのオオヤマ(キャップ)は、2人に「もう変身しないでくれ」と言い、ウルトラ戦士抜きで怪獣マーゴドンを倒します。そして80とユリアンは地球を去ります。

(7)ティガ:ダイゴとティガの関係に気づいていたレナは、50話でダイゴに「どうして一人なの?」と涙ながらに訴えます。一方、イルマ隊長も44話(イーヴィルティガ登場の回)でダイゴとティガの関係に気づきます。51話、ガタノゾーアに敗れたティガ・・レナが「ダイゴ」と叫んだことにより、皆が知ることになります。そして最終話、皆の心がダイゴそしてティガを復活させます。

(8)ダイナ:劇場版ティガ&ダイナでイルマ元隊長が、そしてシリーズの途中からヒビキ隊長がアスカとダイナの関係に気づきます。49話ではダイナの正体を知ったゴンドウ参謀が、アスカを捕えて新たなF計画(人造ウルトラマン)に利用します。全てを知ったリョウは49話・50話でそのアスカを支え、最終話では隊員全員が最終決戦前にダイナの正体を知ります。

(9)ガイア&アグル:ガイア(我夢)の方は26話に石室コマンダーに気づかれます。アグルの方(藤宮)の方は、もっと前からキャスターの玲子に気づかれていて、玲子は藤宮を支えようとします。48話では、XIGのメンバーたちにもガイアの正体が明かされます。そして49話では、決戦に向かう我夢に敦子が自分の気持ちを伝えます。さらに50話では、天使との戦いに敗れたガイアとアグルが人間の姿に戻る姿がTV中継されるという前代未聞のことが起こります。*その後、我夢はマスコミに追いかけられ、逃げます。

(10)コスモス:アヤノ、フブキ、ヒウラ隊長の3人が途中からムサシとコスモスの関係に気づきます。そして最終話前の64話でそれがオープンになります。

(11)ネクサス:姫矢も憐も、TLTは正体に気づいていました。孤門は二人に友情を感じるものの、TLTはウルトラマンの力を手に入れようとし、二人は実験動物扱いにされてしまいます。

(12)マックス:ミズキは途中からカイトとマックスの関係に気づいていました。最終話ではDASH全員が知ることになります。

2.ウルトラダイナマイト

タロウ単独の技としては最強と呼ばれており、身体全体が燃え上がり、敵にぶつかっていくものです。「ダイナマイト」という名の通り、自らも粉々になりながら、敵を破壊する捨て身の荒技です。もっとも粉々になったタロウの身体は、心臓を中心に復元されます。実戦では、タロウ35話でカタン星人を倒すためにこの技が使われました。なお、バラバラになったウルトラ戦士が復元するという展開は、帰りマン40話(ウルトラブレスレットの力で再生)、レオ50話(キングの力で再生)があります。

3.メビウスバーニングブレイブへのパワーアップ

今回、メビウスは自らの力で炎の戦士(メビウスバーニングブレイブ)にチェンジしました。今回は外部から全く何の助けもなく、内面の心の力だけで新たなタイプへとパワーアップしました。このように外部の助け無しにパワーアップした例としては、ティガブラスト→ティガマルチ(劇場版ティガ)、ネクサス→ノア(ネクサス最終話)があげられます。

4.ウルトラの国の歴史

今回、ミライの口からウルトラ一族が昔は地球人同様の姿をし、今の超能力は偶然得られたものであることが明かされました。ウルトラの国の歴史・・・タロウ25話でもゾフィーからウルトラの国の歴史が語られました。それによると、ウルトラの国の太陽が大爆発を起こし、ウルトラの国が闇に閉ざされた時、ウルトラの長老と科学者達が人工太陽プラズマスパーク(音声はプリズムスパーク)を作り、ウルトラの国を救った、とのことです。(その後の宇宙警備隊発足についても語られます。)これまで雑誌などでウルトラの国の歴史に関して記述されることはありましたが、番組の中で公式に歴史が語られるのは、タロウ25話以来だと思います。

*なお、別の星になりますが、アニメのザ☆マンにおいては、ウルトラの星であるU40の住民たちは、通常は地球人と同じ姿をしていて、有事の際に変身します。

5.ウルトラマンタロウからの通信

タロウからインペライザーの出現時刻と場所を知らせる通信がありましたが、過去にガッツ星人に捕えられたセブンが、自分の居場所を知らせるためにウルトラ警備隊に通信したことがあります。(セブン39話)ウルトラ兄弟たちは、本当に不思議な能力を持っています。

ウルトラマンマニア考察

1.正体が明かされることの重み
セブンと帰りマンの場合は、M78星雲に帰るにあたって、自分の最も大切な人たちに自分がウルトラ戦士であることを明かしました。それはきっと「自分の思い出を相手の心に残しておきたい」という気持ちと、「本当の自分をわかって欲しい」という両方の気持ちからだと思います。正体を明かした相手がいかに大切な存在であったか、よくわかります。 逆に、正体を明かしたら一緒にはいられない・・エースとレオの場合はその典型でした。(レオの場合は、ゲンが美山家にいつか戻るかもしれない、という希望も残りましたが・・)また、途中で隊長や隊員たちが気づいた例は多くありますが、ほとんどはぎりぎりまで見て見ぬふりをしていました。知った側もそれを明らかにするとどうなるか、を考えてあえて口に出さなかった、ということだと思いますが、そこには思いやりが感じられます。正体を明らかにする、ということがいかに重要な意味を持つか・・まさに過去の作品が物語っています。

2.これからのミライとGUYS
正体を明かした後も共に戦う・・最終回付近ではこうしたことも過去に見られましたが、多くの場合は最後にウルトラマンとの別れが伴いました。今回はまだ中盤にもかかわらず、GUYSのメンバー全員がミライの正体を知った上で再び仲間として迎えます。こうした展開はまさに初めてですが、ミライの戦いがどう変わっていくのか、そして仲間たちがミライを見る目はどう変わるのでしょうか。かつて、ザ☆マンでは、正体がわかることにより、ウルトラマンの力に頼る危険性が示されました。ネクサスでは逆にTLTの一部が情け容赦なくウルトラマンを利用しようとしました。メビウスではメンバー的にそうした心配は考えにくいのですが、とにかくいい方向に変わっていくことを願っています。本当に大きなターニング・ポイントとなりました。

3.ウルトラマンタロウの心とウルトラの星
ウルトラマンタロウ・・メビウスの教官でもありますが、封印していたウルトラマンダイナマイトを使用したり、命を懸けてもインペライザーを倒そうとするところに、タロウの地球への思いを感じることができます。そしてタロウとメビウスの故郷であるウルトラの星の一族は、手に入れた力を支配するためでなく、何かを守るために使おうとしたことが明らかになりましたが、精神的な崇高さが感じられます。

4.GUYS新メンバーたちのそれぞれの夢
前話に続き、今回もGUYS新メンバーたちは、それぞれの夢を語り、倒れたメビウスを立ち上がらせようとしました。GUYSの中でハードな仕事をこなしつつも、決して自分の夢をあきらめてはいませんでした。それを確認できて本当に嬉しく思いました。彼らは、これからもどんな状況においても、あきらめずに前を向いて進んでいくと思います。そしてこれからもそれを見守っていきたいと思います。

5.約束の炎
今回は、ミライ(メビウス)に対するGUYSメンバーたちの強い思いを感じ、たまらない気持ちになりました。特にリュウのミライへの思い・・心の中での「ありがとう」・・本当に感動させられ、涙無しには見られませんでした。(リュウも本当に成長しましたね。)やっぱり、皆にとって、ミライは共に歩んでいきたい大切な仲間なんですね。必ず生きて帰ってくるという約束が、メビウスを炎の戦士へとパワーアップさせました。 強い思いと絆が新たな力となる・・これはウルトラマンに限らず、我々普通の人間でも同じであり、今回の話は本当に大切なものを見せてくれました

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