ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラマンメビウス 第31話「仲間達の想い」マニア考察】

ウルトラマンメビウス 第31話「仲間達の想い」考察ハードバージョン

メビウス第31話 「仲間達の想い」

メビウスマニアライター 棺桶のジョー

シリーズ構成:赤星 政尚、設定考証:谷崎あきら、 脚本/川上英幸、監督・特技監督/八木毅*1

円盤生物 ロベルガー 登場

(オープニング、27〜30話の、ナレーション廃止)、 前回の続きで、ミライ(五十嵐隼人)は仲間達の前で変身、 タロウのウルトラダイナマイトを交わした強敵・インペライザーを、 ガンフェニックスの炎がついたメビウス・バーニングブレイブとなり、倒した。

 しかし、この戦いでエネルギーを使い果たし、ミライは倒れ、仲間たちに介抱される。 リュウ(仁科克基)は、ミライのことは、俺たちの秘密だと言い、皆了承する。そして、 目が覚めるミライ、インペライザーとの激闘を思い出すが、バーニングブレイブに、どうなって変身したか、 分からないのである!*2しかし、そんなことはどうでもいい、仲間たちと、戦っていくだけである。

 しかし…そんな時、黒い惑星から、数隻の円盤が飛び立った・・・ (オープニング、ちょっとアレンジの違うもの*3)

 そんなミライが作戦室へ行くと、何と、皆さん飾り付けの最中である。 サコミズ隊長の誕生日であり、それを祝おうと言うのである。マル補佐官秘書(まいど豊)は、 「子供の時に戻ったみたいで、楽しいです」と言っている。 リュウは毎度お馴染み白のTシャツ姿である。 テッペイ(内野謙太)は、あとはプレゼントの「豆」であると言うと、ミライが買いに行くと言う。それで…

 サコミズ(田中実)が戻り、ハッピーバースディとなる。そして、 バースディケーキのロウソクを吹き消して、プレゼント進呈となるが、中から出てきたのは、節分の豆! (笑)、ミライには、コーヒー豆と言うべきであったが、時すでに遅し(笑)。 ミライ「季節外れで、売っているところを見つけるのに苦労しました…」一同唖然(笑)、 さらに、鬼のお面もつけてもらったという…絶句!トリヤマ補佐官(石井愃一)は大真面目に、 ミライに「君は宇宙人か」と言うのであるが、あの???*4

 ところが、そこに、GUYSスペーシーより、防衛網が破壊された(要撃衛星V88)との連絡が来る。 ミサキ・ユキ(石川紗彩)の連絡で、防衛網の復元に何時間かかるか不明とのことである。 破られたのは、見事なまでに、日本列島の上空であり*5、そこへ、 数隻の円盤が入ってくる。モスクワ、パリ、などに円盤が現れる*6。

V88の穴を狙われたのである。宇宙人とコンタクトを取っている。トリヤマは、 先制攻撃といきり立つ、こんなことを許しているから侵略者が絶えないのだと鼻息が荒い。 しかし、サコミズは、敵かわからないのに、手を出すのは軽率と言う*7。

ミサキは、GUYS総本部の指示で、1時間後に総攻撃をかけることが決定したと伝えた。攻撃はAZ2000*8により行う。

 ところが、日本、東京にも円盤が来るのだが、テッペイは、これは他の円盤と異なり、 生命反応があるという、つまり円盤生物である!それが、円盤形態のまま、暴れだした。 さらに、怪獣形態になり、攻撃を続ける。これはテッペイによると、アウト・オブ・ ドキュメントにも記録のない、新種の円盤生物と言う*9。

しかし、ガンフェニックスは修理中で、飛べるのはガンブースターのみである*10。 ガンブースターにジョージ(渡辺大輔)とマリナ(斉川あい)が乗り、 リュウとミライは地上からの攻撃で、さらに、テッペイとコノミ(平田弥里)も現場へ出る (BGM、ワンダバGUYS、インスト*11)。

 目?からの光線で破壊を続ける円盤生物ロベルガー、そこより、奇怪な電波が出ており、 サコミズらが受信したら、何と日本語で、「指令、ウルトラマンメビウス抹殺」と言っているのである。 ジョージは「させるかよ」と攻撃を開始する。

 破壊を続けるロベルガーに、ミライは「僕は行きます、あの円盤生物は僕を標的にしている、 僕が倒します」と言うが、リュウに「僕らが、だろ」 と言われる。そして、リュウの援護の元、炎の中でミライはメビウス(スーツアクター、岩田栄慶)へ変身だ。

メビウスを見てジョージは「ミライ!」、マリナは「ミライ君」と叫ぶ。BGM、M29、 燃える大東京の1曲目*12をバックに、攻撃を続けるロベルガーに格闘戦で苦戦するメビウスが描かれる。 キック、パンチの応酬、光弾を放ち、さらに巨大なキックを見舞うロベルガーに苦戦するメビウス、 仲間がウルトラマンとなって戦っている! リュウも、ジョージも、マリナも、「ミライ」と言うのである!地上から、空中から、援護を放ち、 ミライ=メビウスを援護する仲間たち、しかし、苦戦するミライ、カラータイマーが点滅を始める。 と、テッペイとコノミによる援護である。

ファイヤーウィンダムが助太刀に現れる。セブンでは見せなかった、怪獣相手の肉弾戦、 ウィンダムを助っ人に形勢逆転、ウィンダムは光弾で助太刀して、メビウス=ミライは反撃に出る (BGM、主題歌カラオケ*13)、「ミライは俺たちの大切な仲間だ」と叫ぶリュウ、そして、 仲間達の援護を得て、メビウスはバーニングブレイブになり (BGM、我らCREW GUYS、M9Aのアレンジ新録音曲)、光線で止めをさした。 ウィンダムは消え、メビウスは去った。「いいチームだ」と、サコミズは感激した。

 世界各地にいた円盤は立ち去った。メビウスとGUYSジャパンの活躍に恐れをなしたのだろうと トリヤマは誇らしく?言うが、逃げた円盤の先には、黒い惑星があった・・・

 この炎は、仲間達の思いがともらせるものだ、そうして強くなれるんだと、ミライは、感激して仲間の元に戻っていった。

マニア的な突っ込み

*1:八木監督、メビウス初登板です。マックス最終回以来となります。 コスモス以降、全ての作品を演出しています(共同ではガイア50話が最初)。

*2:強化形態は、平成のウルトラ、ライダー共通の「お決まり」ですが、今回、どうやったら強化できるのかわからないという設定にはビックリです。これは、日本のヒーローは、無条件に強くなれるわけではなく、強くなる(=強力な武器を使える)には、それなりの代償、保障が必要という、日本のヒーロー哲学の成せる業です。やたらに強いものを使いまくるのは、日本では反則です。

*3:今回、オープニングのアレンジが少し変わっていたのが話題になっていますが、ウルトラでは、主題歌にいくつかのパターンがあるのが定番です。近年では、ティガの主題歌、リミックス版が、最後に使われましたが、昭和では、

Q:テーマ曲に、2通りあります(テレビのオープニングに使われたものと、レコード用に録音されたもの)、 初代マン:何と3通りあります、

(1) 第1,7話に使われたもの(CDではヴァージョンU)、
(2) 第2〜6、8〜30話に使われたもの(ヴァージョンT)
(3) 第31〜39話に使われたもの(ヴァージョンV)

 (1)、(2)では「来たぞわ・れ・ら・の」と歌われているのが、 (3)では「わ〜れ〜ら〜の」とイントネーションが違うのです。また、歌っているグループも違います。

セブン:テレビに使われたのは、2番が「ヒーローセブン」で、 この部分を男声コーラスのみのヴァージョンですが、この他にも、歌詞が、 2番が「エースだセブン」で、全編児童合唱の入るヴァージョンがあり、レコード、CDでも両者聴けます。
エース:第1話のみ、歌詞が一部違うものが使われています(VAPのCDに入っています)。

*4:この、「豆」ギャグは、DVD第1巻の渋谷プロのコメントによると、 ミライがM78星雲人で、地球とのカルチャーギャップを見せたかった、 という中の一つですが、異星人が地球の文化を知らないという設定は、 ヒーロー者では結構珍しいのです。地球のことはよく知られている、のでしょうか?

 一例で、「宇宙の騎士テッカマン」で、地球に潜入した宇宙人が、 トイレで手を洗わないので正体がばれるというシーンがありました。

*5:日本のヒーローものでは、侵略者はまず日本に来る、のです。深い理由はありません(笑)。 それも、狙われるのは東京と相場が決まっています。

*6:こういう、世界各地に円盤が現れる設定は、最近ではダイナの最終回、グランスフィアの警告がありましたが、アメリカのテレビSFシリーズ「V」にもありました。21世紀の定番です。

*7:こういう、円盤が出たら攻撃だ!と叫ぶ手合いはウルトラの定番ですが、先に手を出したほうが負けなのです!トリヤマさん、過去のウルトラのデータを勉強してね!(笑)。

*8:このミサイルの原型はセブン「散歩する惑星」に出てきたキリーです。しかし、使われなかったのも同じ。

*9:円盤生物はレオに出た、それ以外に出ていない特異な怪獣で、その新種が出てくるというのも初めてです。レオに出た円盤生物はどれも曲者でしたが、こいつも生物兵器のテイストをぷんぷんにおわせた曲者、スタイルは昭和の怪獣映画・ギララを思わせるものの、レオでは最後のほうに出た円盤生物(つまり、より強敵)の系統であり、よく考証されたものです。

*10:これがGUYSで良かった、TACやZATなら、毎回「脱出!」で、機体がいくらあっても足りません!こういう、リアルな設定は、平成でも珍しいです。

*11:ワンダバGUYSは、歌入り、カラオケ、インスト(カラオケに楽器でメロディを入れたもの、いわゆるメロオケ)の3つがあります。このインストは、CD1枚目には入っていません。ワンダバが歌として録音されているのはTAC、スーパーGUTSに続くものですが、カラオケとして使われたのはGUYSが初めてです。逆に、スーパーGUTSは、歌としては使われていません。

*12:この曲はウルトラBGMには珍しく、伊福部リズムを基盤にした曲であり、ウルトラのBGMは冬木音楽が基本になっている中で、作曲の佐橋さんのサービスです。
 ちなみに、伊福部音楽は、世界的に有名で、海外の演奏家による曲目(ゴジラなどの映画音楽に限らず、純粋なクラシックも)も多いのです。円谷特撮は、国際的な音楽を半世紀前から使っていたのです。

*13:主題歌も、歌入り、インスト、カラオケの3つがある場合が多いですが、カラオケ(メロディなし)が劇中で使われるのは、実は珍しい(ひょっとして初めて?)です。円谷作品で、カラオケが戦闘テーマのメインだったのはファイヤーマンくらいです。

総括的な考察

(1) 正体を明かしたヒーロー
 ウルトラでは、正体を明かすのは最終回、またはその付近というのが暗黙の前提であり、例外として、レオの正体を知っていたダン隊長(セブンだから)、ガイアの正体に途中で気づいた石黒コマンダーのみがあるものの、仲間が一斉に正体に気づくのは、ヒーロー史上でも珍しいものです。  これは、正体を知ったら、頼ってしまうから、ということや、正体を知らないことによる緊張感、が見せ場であったわけです。今回は「ウルトラマン」を仲間と思う、という展開が新鮮でした。今後の展開も見て行きたいです。

(2) 生体兵器としての怪獣
 円盤生物は、超獣とともに、生体(生物)兵器としての怪獣であり、生物というより、サイボーグ兵器的な色彩が強かったです。これらは侵略者の操るものであり、地球に昔からいる怪獣とは様相が異なります。今回のロベルガーは、新たなブラックスターから来た模様であり、光線による攻撃、戦闘パターンなど、本格的な生物兵器でした。一体、誰が送り込んだものか、今後が注目です。

(3) 主題歌のヴァージョン違い
 *3でも解説しましたが、昭和のウルトラでは、いろいろなヴァージョンの主題歌が存在していました。今は、リミックスや、録音時に使用したいろいろな素材を再加工するのですが、昭和では、主題歌が複数種類録音されて、NG版が存在する(セブン、帰マン)などもあり、ヒット曲を作るのに、試行錯誤を繰り返したことによるもの、また、Qや初代マンは頻繁にBGMの録音を繰り返しており、その際にテーマ曲も試験的に録音する場合など、様々な、今と異なる事情があります。今ではこういうヴァージョン違い、NG版も、CDで聴けるので、いいものを作ろうと、試行錯誤の過程で出た副産物的な、異なるヴァージョンを聴いてみてください。

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