ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラマンメビウス 第31話「仲間達の想い」レイゴ考察】

ウルトラマンメビウス 第31話「仲間達の想い」レイゴ考察ソフトバージョン

ウルトラマンメビウス・円盤生物ロベルガー画像
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リュウはミライに向き直った 「ミライ、行け!行ってお前の強さを、ウルトラマンメビウスの強さを、タロウに証明して来い!」 ジョージが吼える「おい、お前、今なんて言った!?」 マリナも狼狽する「そうよ、ミライくんがメビウスな訳ないじゃ…」 テッペイが「いや・・・ミライ君の腕に・・・」静かに否定する。

そして コノミも「メビウスと同じものが・・・」 ミライは「メビウーーース!!」ガイズクルーの前でウルトラマンメビウスに変身した。

リュウはウルトラマンタロウに懇願した「頼む、一生のお願いだ。ミライを・・・メビウスを帰さないでくれ」 そしてミライに渡された「これ・・・リュウさんの・・・?」リュウたち仲間と同じファイアーエンブレムの描かれたメモリィデスプレイ。

サコミズが促す「さ、帰ろうか?」 ミライは「はい!」嬉しそうに答えた。

仲間たちは、それぞれ笑い声を上げて、ガイズスペーシーの廊下を軽やかに歩く、 微笑んで共に歩いていたミライがいきなり、音を立てて昏倒した。 テッペイが叫ぶ「ミライ君!」 一同は「ミライ!ミライ!」と口々に叫びながらミライにかけよる。

真っ黒な空に異様に白く浮かび上がる月。
病室の一室で眠るミライを取り囲むガイズのメンバーたち。

テッペイは「過労みたいですね。安静にしてれば回復します」腕組みをしてやや安堵の言葉を漏らす。 マリナも「怪我も治らないのに、あんな壮絶な戦いをしたんだもの」遠くを見つめそして、ミライの寝顔に語りかけるように話す。

ミライの手元、一番近くに寄り添うリュウが「バカが・・・自分ばっかり・・・」とじっとミライの顔を見つめて言う。 コノミは手を前で組みながら「いきなり倒れるから、びっくりしちゃったけど、でもミライ君・・・気持良さそう」 ちよっと笑う。 ジョージも頷く「そうだな。この分ならすぐに良くなるだろう」

リュウはメンバーの視線を背で感じながら「みんな、わかってるだろうけど・・・」 マリナが即答する「私たちだけの秘密ね」 テッペイも「わかってますって」 コノミも「今までと同じです!」 そしてジョージが「ミライは俺たちのアミーゴ、仲間だ」

リュウは何度も小さく頷くと「ああ・・・仲間だ」メモリーテスプレイの炎のエンブレムを微笑んで見つめる。
地球に向かい正体不明の白い光の物体が複数、高速に近づいて来ていた。

溢れんばかりの、さんさんと輝く太陽の光が病室に差し込む。 ミライは静かに目を開けた「・・・・そうだ・・・倒れたんだっけ?・・・・リュウさん、みんな」 意識を取り戻すと、状況を静かに回想する。

そしてガイズ隊員服に身を包んだミライは、仲間たちの待つ司令室に向かってカツーン、 カツーンと廊下に響くようにクツ音を刻む。 

『インペライザーを倒した時、僕の身体に炎が生まれた。 炎が生まれたことによって、僕は強くなることが出来た。しかし、どうしたら炎を生み出す事が出来るのか、 僕にはまだわからない。』ミライは立ち止まり表情を厳しく引き締めた 『わからなくてもいい。今はこのまま地球に残って、仲間達と戦っていけばいい』 太陽の光を背負うように、逆光で歩きつづけるミライ。

司令室前で一呼吸置くと、ミライは勢いをつけるように入室する。 意外にも司令室には、メッキ素材のキラキラしたモールや折り紙で作った鎖飾りが、 所狭しと何かのパーティー用に飾りつけがされていた。 「素敵ですね」「そことって」コノミやマリナの弾んだ声が拡がっている。

リュウがすぐさまミライに気がついた「ミライ!」 ジョージがかけよる「もう大丈夫か?」 ミライ「はい!ご心配をおかけしました。・・・・で、これは?」と戸惑うように、怪訝そうな質問する。

首から自身も飾りを下げたコノミが飛び上がるように答える「サコミズ隊長のお誕生日なんですーー」 薄い和紙で作った花飾を飾っていたマリナも笑顔を向けると「ちょうど外出中だから、驚かそうと思ってさ」 トリヤマがミライに「病み上がりらしいが、君も手伝いなさい」と指を指す。 マルも口添えをする。「なんか子どもの頃に戻ったみたいで、楽しいですよー」揃ってわははは。

ミライが「あ、はい!わかりました」納得したその時びょーん。とテッペイが飛び出すからくりのおもちゃで、 手を上げて声を上げる 「あー!」 マリナが「どしたの?」と聞く。

テッペイは慌てたように「プレゼント買い忘れてますよ」 一同も焦る「えっ!」

テッペイが顔をしかめる「第一、何が一番喜ぶんだろう?・・」 腕を組んで考えていたジョージが顔を上げると「あぁ!隊長と言えば・・・やはり」 コノミも顔を輝かせて「やはり、あれ・・・・ですよね」みんなが人指し指を立てて分かった、分かったというように、示しあう。

リュウは立ち上がると「よし、ミライ。お前、プレゼント用のマメ買って来い!」 ミライは嬉しそうに「はい!豆ですね?行って来ます!」

トリヤマが「はい、行ってらっしゃーい」と見送ると 一同もにこやかに「行ってらっしゃーい」手を振って見送る。 トリヤマがみんなに「急いで急いで」まきを入れる。

司令室のドアが開き薄暗い中にサコミズが入ってきた。 8本のろうそくがたつ長方形のデコレーションケーキをテーブルの真ん中に据え、

ミライが「お誕生日!」 一同が「おめでとうございまーーす!」と続きクラッカーが鳴り響く。 サコミズは「びっくりしたーーありがとう。自分でも忘れていたよ」とても嬉しそうだ。

コノミが「隊長、ケーキのロウソクを消してくださーい」ぴょーんとサコミズの腕にマリナと二人で両脇から手を回し 、ケーキまで エスコートする。 サコミズは「GIG」と満面笑みだ。

トリヤマの「ささ・・・」という促しに、2度3度4度5度と炎を吹き消す。 一同「やぁぁーーー」歓喜の声。

リュウが「ミライ」とミライの背中を軽く押すと、ミライは前に進み出る 「隊長!僕たちからのプレゼントです」 サコミズが「ありがとう!何かな・・・楽しみだ」というと、 マリナが「隊長の大好きなものですよ」みんな笑った。

サコミズは「おぉーー!」と嬉しげな声を上げ、差し上げたピンクの袋からプレゼントをみんなに公開すべく、勢いよく引き出した。 それは、福豆・・・・・固まる。一同は完璧に固まった。

リュウは目を見開き、福豆を凝視したまま「ミライ、あれはその・・・・あれなのか?」とミライの肩に手をおいて聞く。 ミライはとてつもなく嬉しそうに「はい!豆です」 ジョージが苦しそうに「豆は豆だが・・・」

ミライはにこにこしながら「んーーよくわからないんですけど、時期はずれって言われて、探すのに苦労しました」 マリナは顔に斜線が入りそうなところを、ぐっと踏みとどまると「あっ・・・!リュウのせいよ。 ちゃんとコーヒー豆って言わなきゃー」

まいったなの表情のテッペイも「そうですね。ちゃんとコーヒー豆って言ってれば・・・」 コノミも「うん」 リュウは唖然とした表情のまま聞く「俺か?」

マリナ、コノミが何度も頷く「そう」。 リュウは硬直したまま、ひとり言のように周りに念を押す「俺のせいなのか!?」

「しかし、コーヒー豆と節分の豆を間違えるとは、あははは・・・君は宇宙人かぁー?」 トリヤマの言葉に、サコミズの表情が固まり、ついで、メンバーはそれぞれが、あらぬ方向に視線を泳がせる。 トリヤマはミライに顔を突き出すとお得意の目を剥いてみせる。 マルが「うまい!」受ける。

トリヤマは自分の言葉に「あははは・・・・ねぇ、えへへ」とまた受けるが、 トリヤマとマルの、のりにまったく乗れないメンバーは微動だもしない。

サコミズが「まぁまぁ、ありがとミライ。これならみんなで年の数だけ食べられる。さ、分けよう」 と硬直を取り除こうと、促すと一同も気を取り直すように「そう、そう、そう」と笑いあう。

空気が、今ひとつ読めないミライは「あーー!あとこれ、お土産でもらいました」まだ鬼のお面を高々と上げると嬉しそうだ。 一同は弾けるように「あはははは!!」笑い、笑いながら小さく何度も頷くリュウ。 「よーしみんなあけるぞー」サコミズは節分の福マメをもう一度高々と差し上げる。

宇宙空間の保全担当、GUYSスペーシー付近に衛星が廻って来た。 そこへ突然、いくつかのピンク色の光弾が降り注ぎ、衛星は爆発!

【ALERT】フェニックスネストに緊急警報が鳴り響く。 「GUYSスペーシーより緊急連絡。V88(ヴィ・エイティエイト)を含む、怪獣要 撃衛星5基が、何者かに破壊されました。」モニターからミサキが報告する。 「これにより、GYUSスペーシーの防衛網に、大きな穴が生まれてしまいました。 」

表示された映像は、日本上空の包囲網がなくなり、防衛体制が空洞になっていた。 「復旧の目途は?」「現時点では、見込みが立たない状況です。」サコミズの質 問に、ミサキが表情を曇らせながら状況報告をする。

その頃、東京臨海副都心周辺“ゆりかもめ”運行上空に、白い発光体が目撃され た。 「あれは何だ!?」東京ビッグサイトに架かる陸橋で、サラリーマンが足を止め 、上空を見上げる。

複数の者たちが怪訝そうに立ち止まったこちら側へ、白く縁がぼんやり緑に輝く 円盤状の未確認飛行物体(UFO)が音もなく飛来する。

ディレクションルームにトリヤマとマルが走り込んで来た。 「UFO?」 「これがモスクワで確認されたもの、そしてこれがパリ。そのほか各地で目撃情 報が相次いでます。」 テッペイが操作し、モニターに映し出された映像。 モスクワ・赤の広場の上空には真っ白な球体、エッフェル塔を背景に白に緑の縁 の発光体。

「これは一体どういうことかね?」 「GUYSスペーシーは、未確認飛行物体を、過去に何度かキャッチしていました。 ただ…“V88”で敷かれた防衛ラインを破壊する為、強引に地球に接近しようとす る宇宙人は今までなかったんです。」サコミズがトリヤマに答える。 「ディフェンスラインの穴を狙われたわけだ…」ジョージがサッカーに例えて、呟く。

「GUYSスペーシーと共同で、可能な限りコンタクトを取ってみます。」 テッペイの言葉に「頼む。」依頼するサコミズ、そこにトリヤマが厳しい顔つきで、 「サコミズ隊長、先制攻撃をして、撃ち落とすわけにはいかんのかね?」と聞く。 「宇宙人との接触は、デリケートな問題です。まだ、未確認飛行物体が、敵対す る存在であるとは判りませんし。」

「そうして呑気なことをしているから、地球が何度も侵略されそうになったんじ ゃないのかね。」 「どちらにせよ、全世界レベルの問題です。」返すサコミズ。 「総本部が、何らかの決断を下すでしょう。」苦虫を噛み潰すような表情のトリヤマ。

ミサキがディレクションルームに入って来た。 「GUYS総本部は、これから1時間以内に、未確認飛行物体が何らかの意志を示さ ない限り、総攻撃を掛けることを決定しました。」

「先ほど、GUYS総本部は、今から1時間後の3時50分に、未確認飛行物体に対 し、総攻撃を仕掛けることを決定しました。」 臨海副都心のビルに映し出されたキャスターがニュースを告げる。 ビジネスマンたちは口々に囁きあう。

「攻撃は、AZ2006(エーゼット・ニーマルマルロク)によって行います。」ミサキ が告げる。 ミサイルが発射基地で頭をもたげ、時を待つ。 「交信の状況は?」 「駄目です。何も返ってきません。」サコミズに対し、少し慌ててテッペイが答 える。

オレンジに光る新たなUFOが、宇宙空間から急降下し飛来した。 「あ、円盤が来たぁ…」男が叫ぶと、周囲のOLたちは顔をこわば らせる。

その円盤は人々に近づき、クッキリした輪郭が浮かび上がった。 正面から見ると、菱形のボディに左右に3本に伸びた棒のような足を持つ。 本体の左右対称に大きく配置された赤い三角形は、宇宙人の大きな目のようにも 見て取れる。

「ついに来やがったか!」ディレクションルームでリュウが忌々しそうに呟く。 「これは今、地球を取り巻いている未確認飛行物体とは、確実に違うものです。 」テッペイが声を大にして言う。

「何故だ!?」 「巨大な生命反応が検知されるからです。」 とリュウの質問に答える。

赤い模様のある円盤は街中に光線を撃って来た 。

ビルのはざ間に、次々と閃光が走り、爆発と同時に白煙や黒煙が空高く上る。 1発、2発・・・5・6発…間髪なく始まった奇襲に、たちまち火の海と化す東京。

リュウが「生きてる円盤って…」 ジョージが「円盤生物か!?」 「これは…アウト・オブ・ドキュメントにも記録がない、新種の円盤生物です! 」テッペイが二人に受けて補足する。

「確か、ガンフェニックスはまだ、修理が終わっていなかったのでは?」 トリヤマはマルを見る「はい、飛べるのはガンブースターのみです。」 「何たることだぁ!」マルの言葉に、トリヤマは嘆き、サコミズは表情を曇らせた。

攻撃を続ける謎の円盤は、 街の至る所に白煙を残しながら、一旦空へ高く高く昇り 次の瞬間、直ぐに降下してくると2本脚が装着されていた。

その外形は、横広の菱形を横半分にカットした兜のような頭部に、胸・肩・腰部 を強化された、頭部と同素材の甲冑鎧武者のような出で立ち。

太い脚の3枚の尖った装甲が、円盤の脚を思わせる。 平たい頭頂部は青い石のようなもので覆われ、2本の角が立ち、目の部分は先の 円盤の赤い色が、スポーツサングラスのように連なった形状を呈していた。

来訪者は、赤い目の部分を発光させ、破壊光線を放って来る。 マンション周辺に凄まじい爆発が起き、黒煙を上げ火災発生!

「ジョージ、マリナ、ガンブースターで出撃。リュウとミライは、ガンスピーダ ーで地上から応戦。GUYS Sally Go!」サコミズの指示に 「GIG!」各自飛び出す。

「隊長、僕たちも現場へ行かせてください!」 「お願いします!」 テッペイ、コノミが続いて、志願する。黙って肯くサコミズ。

円盤生物が赤い目を発光させると幾重もの輪ができ、そこから波動を残しながら 破壊ビームを発射させる。 「何だ、これは?」 「どうした?」サコミズのデスクのモニターをトリヤマが覗き混む。

音声周波数を示す強弱の波形が、時折強く太い線を描く。 「円盤生物が発する電波が紛れこんじゃったんです。」 調整しながら、ミサキ、マルも加わり、皆で聞き耳を立てる。 「これ・・・日本語!?」サコミズは、やや当惑するように言う。

『ウルトラマンメビウス・・・マッサツ・・・シレイ・・・マッサツ・・・』 ガンブースターのジョージやマリナの耳にもそれは届いた。 「指令?」「抹殺!?」

地上のリュウ、ミライにも・・・。 『ウルトラマンメビウス・・・抹殺・・・』

「メビウスを・・・」サコミズの言葉を引き継ぐ、 「まさか!?」マリナ、怒りで歯を食いしばり「させるかよ!ガトリング・デトネイター!!」 ジョージは攻撃を放つ。

ガンブースターから6本のビームが一斉に発射され、円盤生物に命中し、その前 進を止めた。 ガンブースターへ向けて反撃に出る相手に、地上からリュウとミライが トライガーショットを撃つ。

今度は地上へ向けて光線を放つ円盤生物。 移動する二人を追いながら、数カ所で激しい爆発が生じ、視界が妨げられる。

「ミライ、大丈夫か!?」 ミライと円盤生物は、お互いを凝視した。ミライは眼光鋭く相手の赤い目を睨み 付ける。 しばしの沈黙し。

「リュウさん、僕は行きます!」 「あの円盤生物は、僕を標的にしている。僕が倒します。」 そう言うとミライはリュウに背を向け、行こうとした。

その右肩をリュウの左手がスッと掴んだ。 「リュウさん?」ミライは振り返った。

「‘僕が’じゃなく、‘僕ら’。そうだろう?」 リュウはミライの肩に手を置いたまま言った。 「ハイ!」嬉々とした明るい声でミライは返答した。 黙って肯くリュウ。

「必ず勝つ!」力強くそう言い切り、銃をロングショットへ変形させた。 今度はミライが黙って頷き、走り出した。

リュウはミライの援護をすべく、円盤生物に攻撃を仕掛ける。 ミライを狙う破壊光線は地表で爆発し、激しい火炎が巻き上がる。 その炎をかいくぐり、燃えさかる炎を背に凛と立つミライ。 「メビウーーース!」炎の中から現れたメビウス。

出現と同時に相手の腹にキックをお見舞いし、倒れる円盤生物。

「ミライ!」「ミライくん!」メビウスを見て嬉しそうに呼びかけるジョージと マリナ。 メビウス出現、ディレクションルームでサコミズとミサキも立ち上がり、様子を 見守る。

『メビウス・・・抹殺』低音でそう吠えながら、バネ仕掛けの反動で立ち上がる かのような円盤生物。 接近戦でパンチ、キックを繰り広げる両者。

『ウルトラマンメビウス 抹殺』 メビウスに緊張が走る。が、気を取り直し、回転キック! どちらも譲らないが、相手のかなりの腕力と太い脚力を活かしたキックがメビウ スを容赦なく襲う。

腹に決められたキックでうずくまっていると、円盤生物は地面に水平に飛行し、 頭部から突進!2本の角をメビウスに突き立てた。 弾き飛ばされたメビウスが倒れたところへ、今度は上から降るようにのしかかり 、連続ハツリ攻撃。 『ウルトラマンメビウス抹殺』の声はいつまでも繰り返している。

組み敷かれたメビウスを援護する光線が円盤生物に命中。 「空の方は何やってる!?呑気にしてんじゃねぇぞ!」リュウが空中のジョージ たちにハッパを掛け、また光線を発射する。

「熱血バカに先を越された!」悔しがるマリナにジョージは一瞬ニヤリと頬笑み言 う。「待ってろ、ミライ!」

ガンブースターから2〜3発の光線が円盤生物に命中した。 僅かにひるむ円盤生物。 更にリュウも攻撃を続ける。

「もらったぁ!」ジョージが再度ビームを撃つと、相手の隙を見てメビウスが立 ち上がり、相手を弾き飛ばす。

メビウスは一旦体制を立て直すが、今度は円盤生物は目からだけではなく両手か ら光線を放つ。左右上下に手を振り回し、破壊光線を乱射する円盤生物。 右、左、中央とはねるメビウスだったが、その、あまりにも大きな連射のスピー ドに、ついに光線を胸に食らってしまった。

『ウルトラマンメビウスを抹殺』決して攻撃の手を緩めない敵。 メビウスは倒れた姿勢のままで、カラータイマーが鳴りだした。

それでも容赦なく左右の腕を降り続け、バッティングセンターのマシンのように メビウスを痛め付ける。

その時、どこからか円盤生物にダメージを与える火球が飛んで 来た!

ハッ!? メビウス、リュウ、円盤生物が見た先には--- ---ファイヤーウィンダムが立っていた!

「ミライくん!私たちも付いてるからね!」タフブックを持ったコノミが叫び、 「ウィンダム、頼んだぞ!」ウィンダムを送り出したテッペイが激励する。

期待に応えようと、ウィンダムは向かってくる敵に走りこみ、大きく開脚飛びジャンプーー。 相手の頭上を飛び越し、果敢に立ち向かって行くウィンダム。

パンチ、チョップ、キックで軽快に善戦する。 しかし投げ飛ばされ、仰向けに倒れるウィンダム。 倒れた頭へ円盤生物の脚が--------!

しかし、そこへ飛んで来たのはジョージやリュウたちが放つ光線だった。 「ミライは、俺たちの大切な仲間なんだ!」 「その通りだぜ、アミーゴ!」 「ミライくん、頑張って!」

空と地上からの援護射撃と言葉の熱い応援を、メビウスであるミライは受け、立 ち上がろうとする。

ウィンダムも立ち上がり、遅れを取り戻すかのように、ファイヤーモード全開で 連発する。 ディレクションルームでも皆、固唾を呑んで見守った。

立ち上がったメビウスの意識の中で、ミライは感じた。 応援してくれる仲間たち一人ひとりを。 ---みんな!---思わず笑顔が洩れた。

それぞれの想いが同調して、メビウスの身体の芯から無限大の炎が湧き上がる。 オレンジの炎が弾けると、次の瞬間、メビウスはバーニングブレイブへとチェン ジした。

「ミライ!」リュウから笑みがこぼれ、ジョージとマリナも笑顔で肯く。 「よし!」テッペイが言うとコノミも嬉しそうに頬笑む。 そしてサコミズも表情明るく肯いた。

『ウルトラマンメビウスを抹殺・・・』円盤生物はまるで、無機質な音を繰り返す。 メビウスの胸のファイヤーエンブレムが金色に光り、炎を放ち出す。 円盤生物は、目と両手、3箇所からの攻撃を再開した。 しかし、今のメビウスはそれすらも食い止める。

そして、メビウスの胸元で溜め込まれたエネルギーは膨大なものとなり、 黄金に輝くメビュームバーストを円盤生物にぶつけた。 円盤生物は、炎に包まれ、間もなく大爆発して微塵に散った。

「しゃーーーっ!!」「ようしっ!」「やったーーー!!」仲間たちは、また喜 びを共有した。 メビウスに歩み寄ってきたウィンダムに肯き、ウィンダムはタイムオーバー。 メビウスは地上のリュウと顔を見合わせ、空に飛んで行った。

「いいチームだ、ホントに!」サコミズの言葉に深く何度も肯くトリヤマ、マル。 「地球を取り囲むようにしていた、未確認飛行物体たちが、次々に消滅して行き ます。円盤生物が撃退されたことに呼応するかのように、次々と。」ミサキがモニターを覗き込むと嬉しそうに報告した。

「我らがGUYS JAPANと、メビウスの連携に、恐れを成したのでしょう。」マルの力強い声に 「良かった、本当に良かった!なぁ。良かった良かった!」トリヤマも嬉しそうだ。

地球を離れて行った未確認飛行物体は、宇宙のどこかの星で消滅した・・・。

心地よい木漏れ日の下を歩いて来たミライが、ふと立ち止まった。 緑の公園の、自分の目の前には、5人の仲間達が横一列に並んでミライの方を待っている。

ジョージが高く腕を上げ、手を振った。 テッペイ、コノミは満面の笑顔、リュウは真ん中で腕を組んで、口の端に僅かに笑みを浮かべ 、マリナ、ジョージも白い歯をこぼす。

---あの炎は、仲間達の想いが灯らせるんだ--- ---仲間達のおかげで、僕は強くなることが出来るんだ--- ---タロウ兄さんも、だから僕を地球に残してくれたんだ---

「ミライ!」リュウが真顔のミライに声を掛ける。 「何やってんだ?帰るぞ!」笑顔の仲間達が、自分を待ってくれている。 「ありがとう、みんな」囁きに近い声を出した。

「だーから、早くしろって!」 「はい!」ミライも今度は満面の笑顔で大声を出した。 「ミライくん、早くおいでー!」コノミが呼びかける。 リュウをその場に残して、4人が進み出て、ミライを出迎える。 ジョージが背中をかがめると、ミライはウインダムよろしく、ジョージを馬跳びして、そして先で待つリュウへ軽く抱きついた。

緑の公園に、仲間達の笑顔が溢れた。

  

管理人のここが考察ポイント

今回のポイントは、メビウス自身がバージョンアップした理由と方法が分かっていなかったことだ。 これは、ウルトラマンメビウスが「未来は無限大」という大きなテーマを持っていることをうたい文句にしている所以とも言える。 メビウスには、自らでさえ気づかない、無限の可能性を秘めているということであるからだ。

メビウスの能力を例えるなら、真っ白な素材(キャンパス)なのではないだろうか、 そこにガイズみんなが、友情の炎を描いていくというのは、 第2話の「俺達の翼」にリンクしている。

また、ウルトラマンは不死身ではないといったミライの 言葉を裏付けるように、体力を消耗し、蓄積されると、過労で昏倒する。 ウルトラマンは命を削って闘う戦士であることが分かる。

ウルトラマンメビウスは不死身、無敵といった類のものてはなく、人間ウルトラマンということなのだろうか。 ゆえに、時に悩み、苦しみ、失敗もある。それは逆にすでに完全で完成されたなものではなく、日々命ある限り成長していくものであるということでもある。

円盤生物といえば真っ先にマニアの脳裏をよぎるのは、ウルトラマンレオの「「MAC全滅!円盤は生物だった!」であろう。 基地で誕生日を祝っていたところ襲撃させれ、MACは壊滅したわけであるが、今作品の円盤生物と誕生日のセットの設定は、 このオマージュとなっているのだろう。

ミライがコーヒー豆と福豆を間違えるあたりは、一般社会経験が乏しく、特定の知識には長けていても、 意外なところでものを知らない者が多い昨今、 何事においても、こと細やかに説明を有すること、あいまいの分かったよね という意志の疎通の仕方では、悪気がなくても、伝わっていないこともあるという事例を臭わせており、シニカルで笑えた。

MACの場合はあの楽しそうな笑い声すべてが、円盤生物に飲み込まれたわけで、 隊員の消息も含めて、衝撃からトラウマになった人たちもいたかもしれない。

しかし、今回は、その悪夢を一掃するかのように、ガイズとマケット怪獣、メビウスの共闘により、 命を落とすことなく、敵を粉砕することに成功した。

闘うのは生きるためである。生きて帰って仲間の笑顔を見るために出撃するのである。 「必ず勝つ」リュウの意気込みを示す言葉は、負ければそれは死を意味するからだ。 俺達の翼が容易に落ちないという展開も、それらを意識してのことだろう。

生きること、夢を形にしていくことに真剣に向かうガイズたち若者の姿を描き、 命を粗末にして欲しくないという願いが込められているのだろう。

円盤生物の攻撃がいわゆる無差別連続乱射であり、意志を持っているようで、 タガがはずれて、八つ当たりのような、狂ったような攻撃パターンは、まるで 「切れた人間」のようだった。その姿は一種の社会風刺かもしれない。

そして繰り返されるメッセージの1つに、一人では闘っていないということ、人が人を育てているということ、 そして人は人の中で成長するということ。

それがタロウがメビウスを地球に残した理由の1つでもある。 「タロウ兄さん」と呼んだ言葉に深い意味はなかったのだろうか、タロウのピンチにウルトラ兄弟が駆けつけたことをふと メビウスの姿に重ねてみる。

ウルトラシリーズから、多数の客演ゲストの多い40周年記念作品のメビウスだが、今回は「ウルトラマンコスモス」のドイガキ隊員であったが、 これは同番組で、ドイガキがメインになったときの監督が、 八木 毅監督だったからだろうか。といろいろ想像するのも楽しい。

無限の可能性を秘めている若者達よ、いや老若男女問わず、命ある限り人には夢を形にする可能性を秘めている。 生きて、生きて、生きぬけ、今、どんなに辛いことがあったとしても、未来は無限大だ。

影に潜んでいるのか、まだ見ぬ巨大な敵に向かって益々の活躍が期待されるウルトラマンメビウスとガイズであった。

ウルトラマンメビウス 第31話「仲間達の想い」

円盤生物 ロベルガー 登場 

《キャスト》ヒビノ ミライ 五十嵐隼士 / アイハラ リュウ 仁科克基 / カザ マ マリナ 斉川あい / イカルガ ジョージ 渡辺大輔 / アマガイ コノミ 平田 弥里 / クゼ テッペイ 内野謙太 / サコミズ シンゴ 田中 実 / トリヤマ補佐 官 石井愃一 / マル補佐官秘書 まいど 豊 / ミサキ ユキ 石川紗彩 / 須藤公 一 / 早川プロダクション

声の出演 江川史生

《スーツアクター》岩田栄慶 / 永田朋裕 / 丸山貢治

《シリーズ構成》赤星政尚 《設定考証》谷崎あきら 《脚本》川上英幸 《監 督・特技監督》八木 毅 《監修・製作》円谷一夫 《製作統括》大岡新一 《企 画》岡崎剛之 / 江藤直行 / 中村理一郎 《プロデューサー》岩佐芳弘 / 渋谷浩 康 / 山西太平 《制作プロデューサー》小山信行 《アソシエイトプロデューサ ー》小掛慎太郎 《ラインプロデューサー》中井光夫 《音楽プロデューサー》 玉川 静 《音楽》佐橋俊彦

=本編スタッフ=

《撮影》高橋義仁 《照明》佐藤才輔 《美術》内田哲也 《録音》岩岡勝徳  《操演》上田健一 《助監督》黒木浩介 《装飾》大藤邦康 《衣装》宮崎みず ほ 《メイク》今井志保 《車両》野口茂樹 《製作主任》戸村祥章 《編集》 矢船陽介 《VFX》田代定三 《デジタルエディター》柳生俊一 《VE》佐々木彰 司 《スクリプター》森永恭子 《キャスティング》小島文夫

=特技スタッフ=

《撮影》新井 毅 《照明》高野和男 《美術》佐々木朋哉 《操演》根岸 泉  《殺陣》岡野弘之 《助監督》日暮大幹 《スクリプター》森永恭子 《スチー ル》橋本賢司 《制作主任》菊池英次 《キャラクターデザイン》丸山 浩 《キ ャラクターデザイン・イメージボード》酉澤安施 《キャラクターメンテナンス 》宮川秀男 《タイトルデザイン》佐藤さい子 《仕上げ》鶴田幸伸 《CGIモー ションディレクター》板野一郎 / 円谷CGI-ROOM 《CGIスーパーバイザー》早川哲 司 《CGIディレクター》祖父江成則 《CGIデザイナー》大坪隆仁 / 上田和彦 / 小嶋律史 / 川口智久 / 高松玲子 《CGIマネージャー》小田達哉 《CGI協力》 水石 徹 / 三宅 仁  《エフェクトコーディネート》小野寺 浩 《エフェクトア ニメーター》増田英和 《デジタルマットアート》有働武史 《カラリスト》高 田 淳 《音響効果》古谷友二 《編曲》池田地香子 《整音》松本能紀 《MD担 当》福井 顕 / 須賀久子 《催事宣伝》古池啓一 / 大野まゆみ / 菅野悦子 《製 作デスク》石渡牧子 《番組宣伝》重松和世 / 橋本栄次 / 太田小由美 / 堀川勝 一 / 武藤博昭

《協力》松下電器産業 / ドゥカティジャパン / クリエイティブ・オフィス ヤッ プ / 銀座サクラヤ / プログレッシブ / キャン・インターナショナル / 日本照 明 / 東宝ビルト / 東宝コスチューム / 開米プロダクション / 亀甲船 / スワラ プロ / スリーエススタジオ / 富士通乾電池 / ヒルマモデルクラフト / ハルジ ン / グレイショコラ / 宗特機 / コダック / ムーンスター / 日本エフェクトセ ンター / IMAGICA / クレッセント / AdobeSystems / ボーンデジタル / D.A.S.T /

スタジオ・バックホーン / パンチライン / RECARO / 岡村製作所 / ナナオ / フ ジコーワ工業 / 前田製作所 / パラマウントベッド / 日本光電 / フクダ電子 / レイト商会 / K2JAPAN / 富士グローブ / KENNETH COLE / Zoff / FILA

《撮影協力》横浜市立みなと赤十字病院 / 埼玉県ロケーションサービス / 埠頭 公社・テレポートセンターグループ

《制作協力》電通  《製作著作》中部日本放送 / 円谷プロダクション  《提供》BANDAI

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