ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラマンメビウス 第46話「不死身のグローザム」レイゴ考察】

ウルトラマンメビウス 第46話「不死身のグローザム」レイゴ考察ソフトバージョン

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漆黒の暗雲立ちこめる白いもやの中でついに、グローザムとメフィラスの二人となった4天皇は 互いを見つめ会話する。

「フン・・・ようやく、俺の出番だな。俺が正面からウルトラマンメビウスを蹴散らし、 本当の強さというものを見せ付け。地球を偉大なる皇帝に献上してやるわ。」と胸を張るグローザムに メフィラス星人は「少しは用心したほうがいいですよ。敵はメビウスだけではないのですから。」 と丁寧に忠告する。

グローザムは「フン」と鼻で笑うと「いかなる敵であろうと、」メフィラス星人を指差しし「俺には勝てぬわ。ハハハハ・・・」と一笑に付した。

サコミズは、病院のベットの上で、 「すまないな、迷惑かけて。」と包帯を頭にまいた姿で、 ベット脇に並ぶ、ミライ、マリナ、コノミ、テッペイを見る。

ミライは「みなさんの傷が癒えるまで、僕らだけでがんばります。」とサコミズに答え、 つづいてジョージとリュウの病室を訪れた。

ベットに座っているジョージは「頼んだぜ、アミーゴ。」と笑いかけ。 ミライは「GIG」と答え。 肩に包帯を巻いたリュウは「本当は・・・いつでも退院できんだけどな・・・痛っ・・・!」 と起き上がるが肩の痛みに顔をしかめる。

テッペイが「ほら、だからまだ、寝てなきゃダメだって。」とリュウの体をベットに寝かしつける。 リュウは「はい・・・はい・・・」と素直に頷く。

タカクラ市にあるダムに 冷気が流れ、コツコツと靴音を響かせて、蒼いフードつき、 足首まであるコートに身を包んだ男がダムを見下ろす橋げたの上に立った。 どうやら、その姿は人間サイズになったグローザムのようだ。グローザムは「フン」と不敵に笑うと。

口から、貯水池に向かって、白い息を吐き出した。ダムの表面にはみるみる厚い氷の結晶が拡がり、瞬く間にダ ム一面が凍り付いた。 巨大なオリフィスゲートから吐き出される大量の放水まで、一瞬のうちに固まっ てしまったのだ。

グローザムの笑い声がダム一帯に響き渡った。

コノミが「タカクラ市の一角で、急激な気温の下降を確認。」とモニターを確認しながら報告する。 テッペイが叫ぶ「こんな事、常識では考えられません。」 ミサキは「調査に向かってください。」と立ち上がり、 一同「GIG!」と声を揃えた。

到着したミライとテッペイだが、 テッペイは腕を回して自分を包み込み「ぐぅぅ・・・・寒い!」と震える。

ミライは「テッペイさん、大丈夫ですか?・・・・」と気遣うが 「ダムが凍ってる・・・・いったいどうなってるんだ・・・?」 と呆然とする。 テッペイは苦しげに咳き込みしゃがみ込む。 テッペイは「ゴ・・ゴホン!」と咳を続け、 ミライは「テッペイさん・・・」と肩に手をおく。

その時 冷気を伴う霧が広がりそして、薄手のフード付き蒼い 開衿コート、光で反射する白い球のようなあしらいのあるコートで、頭からすっぽりと身を包んだグローザムが忽然と 立った。

覆ったフードの隙間から垣間見える顔は、青い目、空洞のように開いた口、尖った顎、 顔と同じく固い表皮に覆われた首が見えている。 クリスタルブルーのスパンコールを幾重にも重ねたようなネックレスを掛けていた。

グローザムは「ウルトラマンメビウス。」と呼んだ。 すばやくトライガーシヨットを向けミライは聞く「これはお前の仕業か?」 グローザムは「ハハハ・・・・俺は皇帝に仕える四天王の一人、グローザム。」と薄ら笑いを上げた。

ミライが聞き返す。「グローザム?」 グローザムは「俺の力を持ってすれば、この星すべてを氷結させることなど、たやすいことだ。」 と不敵に続ける。

ミライが「そんな事はさせない!」と叫ぶのと グローザムの口から白い霧を勢いくミライに向かって吐きかけたのはほぼ同時であった。

ミライのトライガーショットから放たれた2発の弾は、 グローザムの吐きかけた白い霧とぶつかり、矢印型に空中に一瞬留まった。

一瞬で凍り付いた矢印は、その場に力なく落下し、ガラス管のように粉々に散った。 驚きで、大きく目を見開くミライ。

グローザムは「さぁ、メビウスとなって俺と戦え!」 と 左指を水平に前に突き出し、その 足下から湧き上がってくる水が水蒸気を立て、 重なり合い盛り上がる大きな泡となり、みるみるうちにグローザムは巨大化した。

塊の登頂部から降りてくる冷気ガスと泡の粒が弾け飛んだ内側がクリアブルーに輝き、 巨大化したグローザムがクロスした両腕を左右に伸ばした。 「ウルトラマンメビウス、どうした!! この星すべてを氷結させてしまうぞ!」と挑発する。

テッペイはミライの足を掴むと「行っちゃダメだ・・・ミライくん・・・罠だ・・・!」 と苦しい息の下で、追いすがった。

ミライはすばやく手袋を引き抜くと テッペイの額に触れる「テッペイさん!すごい熱だ。」

駆けつけるマリナが叫ぶ「ミライくん!」そして コノミも「テッペイさん!」 マリナがしゃがむ「テッペイくん!」

ミライは「マリナさん、コノミさん、テッペイさんを頼みます。」 と言い残すとコノミはミライに「はい!」と答え、 マリナはテッペイを「大丈夫?」と気遣う

テッペイは「行っちゃダメだ・・・」苦しそうになおもミライを止める。 しかしミライは 走りながら「メビウーーース!」とメビウスに変身した。

空中回転してメビウスグローザムに跳び蹴りを食らわすが、 頑強な腕側面の盾のようなガードに阻まれ、跳ね返り仰向けに飛ばされた。

メビウスはグローザムの剣のような腕の攻撃を避けながらチョップなど仕掛けるが、 全身を固い鎧に覆われたようなグローザムにはまるで歯が立たない。 グローザムのキックを腹に受け、剣の腕を両手で掴みひっくり返されたメビウス。

立て膝の姿勢からメビュームシュートを撃った! ウッ! 万歳の格好で立ち止まったグローザムの腹部に、小さな爆発と白色の煙が立った。

マリナが「やった!」喜ぶが はっとメビウスが目を見張る。 グローザムは「フハハハ・・・・貴様の力はこんなものか。」と 胸に大きな風穴を空けたままのグローザムが笑う!?

ウムッと僅かに両腕を動かすと、胸に空いた大きな穴の周囲から水色の光が発生し、 中央に向かって氷かダイアモンドの結晶が瞬時に生成されたかのように怪しく美しく煌めいた。 塞がった部分は何もなかったかのように、再生された!

テッペイ、マリナ、コノミの3人は驚き黙って、お互いの顔を見合わせた。

グローザムは走りこんでくるメビウスに冷気ガスを吹きかけた。 勢い良く吹きかかる冷気ガス攻撃に両腕で防戦するメビウス。

テッペイは高熱に汗をかきながら呼吸を乱し、しかし GUYSタフブックにカプセル装填を終えたコノミが、準備完了を告げると 黙って頷き、そのカプセルを自分のトライガーショットに装填し直す。

テッペイが上空へ向かいトライガーシヨットの引き金を引いた。 リアライズ 「ンッ?」攻撃の手を休めたグローザム。

幾重かの光の輪から飛び出したファイヤーウィンダムが、 跳び箱開脚の格好でグローザムの頭上を前から後ろへと飛び越した。

着地したウィンダムはすかさず炎の攻撃を仕掛ける。 背中を撃たれたグローザムの背中は白煙を上げ、一声唸った。 が、「こざかしい!」忌々しそうに言うと、クルリと向きを変え、ファイヤーウィンダムを正面に見据えた。

ウィンダムの放った炎のミサイルが、グローザムの強烈な青白い冷気に一瞬にして包まれた! 間髪入れず、その青白い塊は、ファイヤーウィンダムに向かって真っ直ぐ戻ってくると、 ウィンダムの腹部に激しくぶち当たり、その身体を後方に弾き跳ばし、氷雪のように砕け散った。 仰向けに倒れ両手両足をジタバタもがくウィンダム。

テッペイは「火力数値MAXなのに、全く効果がないなんて・・・」と肩で息をする。 コノミは「テッペイさん。」と気遣うがテッペイはしゃがみ込んでしまう。

マリナは「テッペイくんは私が。」と助け起すと、 コノミは「はい。」と返事を返し戦場を振り返るが タイムオーバーでウインダムは消滅した。

コノミは「ミライくん、頑張ってー!」と声の限りの声援をおくる。 メビウスはコノミの声を受けて、友情の炎を胸にともすと、 バーニングブレイブに変身、メビュームバーストを放った。

しかし、グローザムが両腕をわずかに広げると、激しく燃えていた赤い炎が、青白い冷気に一瞬にして掻き消され、 またもや元の姿に戻ってしまった。

ハアッ! 力を使い切ったメビウスの足元はふらつき、カラータイマーが点滅し出した。 身体を支える余力もなく、両膝を付きついに地面に両手もついてしまった。

グローザムは「フハハハ・・・・次は俺の番だな。」 グローザムは冷酷に言い放つと、己の右手の先の剣状の部分を、更に鋭く長い円錐の槍に変形させた。 長く伸びた槍の上部が、陽の光を受け切っ先へと向けて残酷で妖しい光が移動する。

「ハッ!」メビウスは、グローザムの振り回す槍の攻撃を一度はどうにかかわす。 しかし、尖った両手を振り回し、キックを腹に決められ、背中を押されたメビウス。 バランスを崩しながらもメビウスが振り返ったその時、グローザムの槍が真っ直ぐにメビウスに向かって来た!

「きゃーーーーっ!」タフブックを持ったコノミが叫んで思わず目をつぶり、 反射的にタフブックを持つ手で顔を覆った。

「ヤァッ!」激しく頭を振り、自分の腹のど真ん中に突き刺さった槍を外そうと必死に抵抗するメビウス! カラーターマーは赤い点滅を続けている。

グローザムの馬鹿力で後方に押しやられるメビウス! 凍ったダムの流れの白い壁に、腹部に槍を突き立てられたまま強く押し付けられた。 両腕はその勢いで左右に開いた。それでも声を出し、抵抗するメビウス。

しかし、グローザムはその己の手の槍をグッと引き抜いてしまった。 その直後、メビウスの腹に刺さった折れた槍が青白く光ったかと思うと、みるみるうちにそこから凍結が広がり始め、 メビウスの胸部から始まった凍結が、身体全体を覆ってしまった!

真っ直ぐに伸ばした右手の先をわずかに下、左手の先をかすかに斜め上に傾けて、 十字架に磔にされたかのような真っ白なメビウス。 コノミがタフブックから目を上げると、そこにはこの衝撃の風景が広がっていた・・・。

「この星の人間どもに告げる・・・」グローザムが語りだした。 ダムの壁に冷凍磔になったメビウスを背景に、グローザムが 民衆に告げる

「ウルトラマンメビウスは俺が倒した。いずれこの星には、皇帝が降り立つ。お前たちの運命は、 その時に決まる。フハハハ・・・ハハハハハ・・・」

馬で駆けつける一人の男がいた。

コノミはそこに立ち尽くすと「ミライくん・・・・ミライくん!返事をして!死んでなんかないって!ミライくん・・・ もうダメだの?私たち・・・もうダメなの?」と泣きべそをかき、へたりとその場に すわりこんだ。

ブルーデニムのシャツにブルージーンズ。 胸のヨークと袖にフリンジのついた茶色のロディオジャケットとコンドルの柄入 りのブーツ。 首に巻かれた白地に黒いチェックの模様の入ったバンダナを巻いて、黒いテンガ ロンハッとをかぶり栗毛に黒いたてがみの馬に乗った一人の男が、コノミの側に近づいた。

男は馬から下りると コノミが落とした赤いふちどりのメガネを拾いあげ、コノミに手渡した。その人は、モロボシダンその人だった。 「諦めてはいけない。」そうダンは微笑んだ。

ダンの馬は草を食べ、ダンとコノミは焚き火を囲んだ。 ダンは細い木々をへし折って火にそっとくべる。

ダンは「かつてのウルトラマンたちも、強敵に敗れる事があった。」セブンの脳裏には 「ウルトラセブン第39、40話セブン暗殺計画」の磔が去来する。 「しかしそんなウルトラマンたちの窮地を、 人間は救ってきた。」とおもむろに話はじめた。

コノミは「あなたは・・・・?」と目を見張る。 「ウルトラマンも人間も、仲間がいる限り、どんな強敵とも戦う事が出来る。そして勝つ事が出来る。」 「でも、ミラ・・・メビウスは、もう・・・」 ダンはいう「目をつぶってご覧。」 「目を?」 コノミは静かに 目をつむり胸に手を当てる。

そのコノミにメビウスの声が聞こえてきた。『コノミさん、僕は生きています。』 コノミは「ミライくん!」と顔を輝かせた。

ダンは「メビウスを救う方法は、必ずある。諦めてはいけない。」 と微笑む。コノミの顔は焚き火の炎に赤く照らし出されていた。

グローザムは「フン・・・ウルトラマンとはいえ、ルーキーでは話にならん。」 とメフィラス星人に告げる。 メフィラス星人「メビウスはまだ、死んではいませんよ。」と警告する。

グローザムは「わかっている。ああしておけば、のこのこウルトラ兄弟たちが助けに来るだろう。 現れたところをまとめて始末してくれるわ。」と言い放つ。

メフィラス星人が「ウルトラ兄弟もそうですが、人間たちも新たな対策を練って来ますよ。」 というと、 グローザムは「人間?バカな!あんなひ弱な生き物に、何が出来ると言うのだ。」 と嘲笑する。

メフィラス星人は「人間をあまりなめない方がいいと思いますが。」と付け加えるが、 グローザムは 「フッ!何をして来ようが、俺は不死身だ!抗って来たならば、すべて凍らせるまでだ。ハハハハ・・・!!」 と高笑いを続けた。

ミサキは「メビウスを助け出す方法が、一つだけあります 。」とマリナたちに画像を見せる。

「メテオール、マグネリウム・メディカライザー。かつてウルトラ警備隊が、ウルトラセブン救出の際使用したものを、 メテオールカートリッジ化したものです。ウルトラマンのエネルギーとなる物質をレーザーに変換し、 ガンウィンガーに搭載して、照射します。」

コノミが問う「それでミライくんを救う事が出来るんですか?」 しかし、マリナは「でも、あいつとどうやって戦えば・・・?」 と聞く。コノミは「マリナさん・・・・」と当惑する。

マリナは「ファイヤーウインダムの火炎もメビュームシュートも、メビュームバーストも通用しない相手に。助けたらまた、 ミライくんはメビウスになって戦う。勝ち目のない相手に!」という。 しかしコノミはきっぱりと「勝てます。」という。 マリナが「どうやって?」と聞き返す。

コノミが「必ず勝てます。ウルトラマンも人間も、仲間がいる限り、どんな強敵にも勝てるんです。」 と言い切った時に拍手が起こった。

「いい事言うじゃん。」そういう女性は マリナが叫ぶ「フジサワ博士!」

白衣姿のフジサワは「今、アライソのおっさんに、ガンローダーへの新メテオール搭載を頼んできたとこ。」 というとコノミが聞き返す「新メテオール?」

フジサワは「そ、あのアイスマンを吹き飛ばしてやる。後7時間で完了するわ。」 とさらりという、ミサキ「そんなこと、出来るの?」と目を見張る。

フジサワは微笑む「まぁともあれ、今回もフシギちゃんの力は借りないといけないけどね。」 マリナが「フシギちゃんって・・・メビウスの正体を?」と言いよどむと

フジサワは「正確に言うと、あんたたちよりずーっと前から気付いてたけどね。 一緒に戦ってくれる相手がいる。それが仲間の一人であるなんて、素晴らしいことじゃない。一緒に戦ってこそ ナンボなのよ。ウルトラマンも私たち人間もね。」と二人を見る。 マリナ、コノミは「はい!」と声をそろえて返事を返した。

ダンは燃える焚き火の炎をじっと見守る。

ダンは立ち上がると「待つんだ、メビウス。必ず君の仲間達が、君を助け出す。人間であろうと宇宙人であろうと、 君を君として認めてくれた仲間達が。この危機を乗り越えた時、君はさらに大きくなることが出来る。」 とメビウスを見た。

フジサワは驚きの声を上げた「他のクルーが、全員入院中?」と息を吐くと 「ガンウィンガーは君が乗るとして、あっちゃー考えてもみなかった。 部屋がなんとなく広く感じたのは、そのせいか・・・」と当惑する。

ミサキが「この作戦でじは、ガンウィンガー、ガンローダー、両機が必要不可欠。」 というとフジサワも「弱ったね・・・」と首を傾げる。

その時リュウの「俺たちに任せろ。」という声が聞こえた。 リュウとジョージは隊員服を羽織った状態で、テッペイは点滴を担いでいた。

マリナの顔が輝く「みんな!」 ジョージが笑う「寝てるのに飽きたところだ。」 テッペイも「こんな時に、休んでなんかいられません。」と頷く。

しかしフジサワはにこやかにジョージに近づくと、ドンと肩を叩いた。 ジョージは「いってっ!」と顔をしかめる。

次にリュウを叩く、リュウは「痛っ!」と大声を上げる。 テッペイにいたっては、フジサワが上からじろりと睨みつけるだけで、「あは〜〜・・・」と床に崩れ落ちた。

フジサワは「意気込みは買うけど。今のあんたたちじゃ無理。」という。 リュウが「無理じゃねぇ!」と噛み付くが、 フジサワは「そんなボロボロの身体で耐えられるんなら、私が飛ぶさ。メテオールをなめないで。」と睨みつけた。

その時コノミが「私がガンローダーに乗ります!」と申し出た。 フジサワは驚いて目を見張る「ウサギちゃん・・・」

コノミは「ミライくんをあんな目にあわせて・・・許せない・・・私に行かせてください!お願いします。」とフジサワに 頭を下げる。 「ミライくんを助けたいんです!」 コノミをしばし見つめるとフジサワは「OK。パイロットは決まり!」といい「男どもは・・・」と男性陣を振り返ると

後ろから杖をつきながらやってきたサコミズが「病室に戻るぞ。」と声をかけた。 リュウが「隊長!」と驚く。

サコミズは「命令だ。」というとクルーは退出しようとして、 ジョージは足を止めると「コノミ!ガンバレ。」とエールを送る。 リュウも女性陣を見回して頷く「ミライを頼んだぞ。」

マリナ、コノミは声を揃えた「GIG」 サコミズも「よろしくお願いします。」と言葉を添えた。 フジサワは「任せて、サコちゃん。女性の力、見せてあげますわ。」 と微笑んだ。

マリナはガンウィンガーのコックピットで誓った「ミライくん、待っていて。すぐに自由にしてあげる。」 フジサワが「作戦名、プライド・オブ・ガールズ。」と言い放ち、 ミサキが号令をかける「GUYS sally go!」 マリナのガンウィンガーは「ガンウィンガー・バーナーオン!」の声に乗って発進した。

つづいて、ガンローダーが出撃に向けてせり上がってくる。コノミの両手が震える。両手を握り締め、 『デュアッ!勇気が出るおまじないです。』ミライがコノミを励ましてくれた時のおまじないを思い浮かべると コノミは「デュアッ!」と声に出してメガネをかける。

その時リムエレキングがコノミの顔の前にポムッと現れた。リムの愛らしいしぐさに 「リムー!震えが止まった・・・」コノミは自らの両手を見る「ありがとう、頑張るからね。」と頷くと 「ガンローダー・バーナーオン!」発進した。

マリナが「マグネリウム・メディカライザー、スタンバイ。」と伝えると ミサキが「メテオール、解禁!」と指示を出す。

「パーミッション・トゥ・シフト・マニューバ!」 マリナがレバーをグッと引くと、ガンウィンガーのイナーシャルウィングが開き機体が黄金色に輝いた。

メビウスに接近したその時、 冷気ガスが勢い良くメビウスの前に降り注ぎ、マリナの行く手を遮った! 冷気の分厚いノームのカーテンからグローザムが姿を現したのだ。

マリナは、マニューバの高速移動でグローザムの口から吐き出される冷気ガスの攻撃を何度も避ける。 が、23・22・21・・・「制限時間が!」メテオール持続時間の壁が迫りつつあった。

その時ダンが、カウボーイハットを右手に持ちサッと投げ捨て、 左手でジャケットの胸をさっと掴むと、右手で左の胸ポケットから取り出したものは・・・

真っ赤なウルトラ・アイ! 「デユワッ!」 ダンがウルトラ・アイを目元へ掲げると、 レンズ部がオレンジ色の線香花火のように短くスパークしてセブンへと変身を遂げた。

セブンは顔面でクロスした腕を外へまわし、 拳を握りしめ上に突き上げたそれぞれの両腕をL字に構えたファイティングポーズで現れた。

「ハン? 現れたようだな、ウルトラセブン!」グローザムは左手でセブンを指した。 セブンがグローザムの剣のような右手を押さえにかかると、グローザムは堅い左手で2度セブンの背中を叩いて来た。

セブンは今度はグローザムの首の後ろを押さえ込んだ。 ダムではまだどんどん冷気ガスが降りて来ていた。 チラリとメビウスを振り返ったセブンは、グローザムの後頭部を殴り掴み、 グローザムを連行するように歩き、意識してメビウスから引き離した。

フジサワが「今よ!」とタイミングを叫ぶ。 マリナが「マグネリウム・メディカライザー、シュート!」と叫び

中央に黄色く細い矢のような芯を持つオレンジのビームが、メビウスの胸に照射された。 温かいオレンジ色に包まれたメビウス。間もなく全身黄色に発光し、腹部に刺さった武器ごと溶け、 メビウスの解凍が完了。

凍り付きもたれた壁から勢い良く起き上がったメビウスは、右手を高く天に突き上げ、左の拳を肩へ、ファイティングポーズ。 「やった!」笑顔の戻ったマリナは左で小さくガッツポーズ。ガンウィンガーのメテオールは解けた。

マリナは「次はコノミちゃんの番よ!」とエールを送る。 深く頷くコノミ。

メビウスはグローザムと戦うセブンと共闘だ。 振り回される腕の剣を避けたセブンの代わりに、グローザムの後方からその腕ごとガシッと押さえ込むメビウス。 セブンはそうだと頷く。

メビウスはグローザムの剣を軽く払い除け、右にパンチを喰らわす。 今度はセブンがグローザムの腹にパンチ! 入れ替わってメビウスが軽くキック!

セブンがグローザムの右腕を掴むと、その隙にメビウスが腹部にキックを蹴り込む。 セブンが低い姿勢からグローザムの脚元を横っ飛びしながらキックすると、グローザムはよろけた。 そこへメビウスは全身の力を込めたメビウスキック!

並んだセブンとメビウスはファイティングポーズを決めるが、グローザムも冷気ガスを噴射してくる。 2人揃って連続バック転で退避する。

「ジュワッ!」セブンのアイスラッガーが空を飛び、グローザムの胴体部分を左斜め下から右上に鋭く切り裂いた。 グローザムの上体が左にずれ落ちたが・・・途中で止まった!? ハッ? 様子を伺うメビウス、ブーメランのように戻って来たアイスラッガーをしまうセブン。

落ちかけたグローザムの身体がずり上がり、青白く発光すると、元の姿に復活。 グローザムは「無駄だ!俺は不死身のグローザムだ!」と宣言する。

セブンは「メビウス、行くぞ!!」と指示し、 メビウスは「はい、兄さん。」と答えた。

メビウスは頭上に無限の印を作りながらメビュームシュートを、 そしてセブンは姿勢を僅かに低くしたメビウスの頭上からエメリウム光線を撃つ。

「セアーーッ!」メビュームシュートのオレンジのビームを包むように、額に両手の二本の指を充てるセブンから、 グリーンの光線がらせんを描き発射された。

「ウワーーーッ」二つの合体ビームは、グローザムの身体を赤く発光させ、大爆発を起こした。 数度の激しい爆発で、グローザムの身体は木っ端微塵に砕け散った。

しかしグローザムは「フハハハ・・・!勝ったつもりか!?俺は不死身だと言ったはずだ!」 粉々の姿で、顔だけが笑う。

グローザムの頭部がそう言うと、四方八方に散らばった身体の破片が浮き上がり勢い良く集まりだした・・・。 すかさずフジサワ「が頼んだわよ、ウサギちゃん。」と指示を出す。

コノミのガンローダーのイナーシャルウィングが開き、金色に輝く機体は次の指示を待っていた。 グローザムは不気味な笑い声を上げながら、その身体は空中で徐々に集まってきていた。

次の瞬間ミサキが叫んだ「メテオール、解禁!」 コノミが「パーミッション・トゥ・シフト・マニューバ!マクスウェル・トルネード、ヒート・アップ!」 力強く叫ぶ、 ガンローダー底面の目のような2つの発射口から灼熱のオレンジ色の太いビ−ムが発射された。

グローザムは「おっ・・・おおっ!何だこれは!」激しい高熱の熱風に戸惑う。 フジサワが「ブリンガーファンを改造し、灼熱の熱風を大量に広範囲に浴びせ続ける。」 と冷静に説明する。

ディレクションルームのモニターには一面、真っ赤な炎に焼き尽くされるグローザムの破片と マニューバモード継続時間のカウントダウンが映し出されていた。・・・48、47、46、45、44・・・

「普通の状態で、この熱風を浴びても耐えられるだろうけど、質量が小さくなった今のお前には、地獄の苦しみのはず。」 グローザムは「俺は・・俺は・・・不死身のはずーー!お・・・お・・・俺はーー!」

その顔が炎に焼かれながら周回し4度画面に映ったが、5度目にはついに耐えきれず粒子に分解され、散っていった。

フジサワは「やったー!」と ミサキは明るい笑顔で椅子から立ち上がり向かい合わせになり両手でハイタッチ!「イエイッ!」

コノミは「勝ったー!」と小さくガッツポーズ。 マリナが微笑む「コノミちゃん、お見事!」 コノミが「・・・クセになりそう・・・」と笑顔で返す。 マリナがそんなコノミに「隠れた才能ね。」と笑いかけた。

ミサキが笑顔で病室のサコミズに報告する「ミッション、成功しました。」 サコミズも微笑を返す「ご苦労さん。」 リュウが感心する「コノミもなかなかやるなぁ。」

ジョージは「イエイ!」というと、リュウとテッペイにタッチを求めて手を差し出すが、 二人が勢いよく手を差し出すと、ひょいと引っ込めて、その勢いで すかしを食らったテッペイが倒れこむ。 「わりぃ、わりぃ」と、ちよっぴり焦るジョージ。

ダンは馬にまたがり「メビウス。」とミライを見た。 ミライは「セブン兄さん。」と見上げる。

ダンは「仲間たちを大切にな。俺が受けた悲しい思いだけは、君に味あわしたくはない。」 と静かに告げた。 「わかりました。」ミライは頷いた。 ダンを乗せた馬は風を切って山道を駆け抜けて去っていった。

コノミとマリナはミライの元に駆けつけようとして、 コノミがメガネを落とした。 「あっ・・・メガネ・・・」拾おうとしゃがんだ時「今の、何?」コノミは何かを感じた。

メガネを拾うコノミにマリナは笑いかける「早く!行くよ!」 そして二人は口々に「ミライくんーー」 「ミライくんー!」と遠くに立つミライに呼びかける。 ミライは「はーい!」と新緑の中で、嬉しそうに返事を返すのであった。

管理人のここが考察ポイント

ウルトラマンメビウスも残すところあとわずかの話数となった。 今回は、決して諦めず、仲間とともに闘っていたメビウスとその周りに少しずつ起きていることをポイントとして上げたい。

人は自分の存在意義を感じたい、そして自分が生きてきた証を何かの形に残したい。 これは生物としての本能である。

ウルトラマンという地球の中では神に近い存在。 対して、グローザムに言わせれば、ひ弱な人間ごときに何ができるか。

人間には何ができるのか、人間にも出来ることは何かあるはずだ。それは、人間に生まれたから、人間に生まれしものが 考えられることだともいえる。

ウルトラ兄弟もおびき出して同時に始末してやる。ルーキーでは相手にならん と発言したクローザム。

あなどってしまったのだ、小さな穴からの水漏れが、やがてダムをも破壊するように 相手にはどんな力が秘めているのかも、予想を超えたサポートがあるかも計り知れないのにである。

グルーザムの敗因は、相手を見くびったため、見くびった相手の可能性を考慮しなかったからである。 豪将ほど、プライドが高い。

正面から強い相手ともぶつかれる不死身が自慢であったクローザム、自分の強さが誇りであり、それがプライドであり、 そして、その自負が過信につながる時がある。

今回の作戦名は、プライド・オブ・ガールズ、本当のプライドとはなんであろうか

ウルトラマンでも破れることがある。 そう、今回メビウスはグローザムに破れた。

努力すれば強くなるかもしれない。しかし絶対に負けないとうことはないだろう、だとすれば、 負けたときにこそ本当のプライドの勝負となるのではないだろうか。

敵と闘うときは一人である。しかし、闘うのは一人ではない。 自分だけの力では足りない、誰かに助けてもらう、それは決してプライドを捨てたのではなく。

相手の力を認め、自分に足りないものを認め、自分の壁や垣根をブチ破り、自分自身を超えてこそ、 本当のプライドではないだろうか

普段搭乗することのなかったコノミがセブンとミライの勇気のお守りの言葉を胸に敵に向かっていったように、 リムが、コノミのここぞという時に、心を和ませたように

みんな何かの役割を持っている、そして自らの信念次第で、時にそれを超える力を出すことが可能である。 これぞ無限の可能性である。

帰りマンに続き見守る役を引き受けたウルトラセブン。 人を育てるということはどういうことであろうか

一人になった時、その人が困らないように自立させることが目標になる。 いつか、ルーキーメビウスにも後輩ができ、そしてガイズのメンバーもいつか自分たちの力で地球を守らなければ ならなくなるだろう。

その遠くない日のために、セブンは、メビウスに待つんだと指示をした。 人の成長を待つことも大事である。

親が失敗しないようになんでも先回りして、我が子につい手を差し伸べてしまうということがあるが、相手の機が熟すまで 待つということも人を育てる上で大切なポイントとなる。

男性陣を引き上げさせたサコミズ、これも緊急事態に、相手を信じてチャンスを与えてこそ、本当に相手を 信頼しているということでもある。

男女の区別なく宇宙人であれ、地球人であれ、ともに闘ってこそなんぼ。 それが命あるものの存在意義の追求と証明であろう。

全体的に完成度が高く、セブンが体験した仲間を失いたくない想いが根底に込められた、 セブンファンにも頷ける1作だっといえるのではないだろうか。

本作でジョージに続きコノミも何かを感じていた。さて、 何を感じたのだろうか、益々最終回に向けて盛り上がることが予想されるウルトラマンメビウスであった。

ウルトラマンメビウス 第46話「不死身のグローザム」  

冷凍星人 グローザム 登場 

《キャスト》ヒビノ ミライ 五十嵐隼士 / アイハラ リュウ 仁科克基 / カザマ マリナ 斉川あい / イカルガ ジョージ 渡辺大輔 / アマガイ コノミ 平田弥里 / クゼ テッペイ 内野謙太 / サコミズ シンゴ 田中 実 / ミサキ・ユキ 石川沙彩 / フジサワ アサミ博士 石橋けい / 寺井大介 / 早川プロダクション / モロボシ ダン 森次晃嗣 《声の出演》加藤精三 / 江川史生 《スーツアクター》和田三四郎 / 寺井大介 / 岩崎晋弥 / 丸山貢治 / 福田大助 / 山本諭 《シリーズ構成》赤星政尚 《設定考証》谷崎あきら 《脚本》川上英幸 《監督・特技監督》村石宏實 

《監修・製作》円谷一夫 《製作統括》大岡新一 《企画》岡崎剛之 / 江藤直行 / 中村理一郎  《プロデューサー》岩佐芳弘 / 渋谷浩康 / 山西太平 《制作プロデューサー》小山信行 《アソシエイトプロデューサー》小掛慎太郎 《ラインプロデューサー》中井光夫 《音楽プロデューサー》玉川 静 《音楽》佐橋俊彦

=本編スタッフ=

《撮影》倉持武弘 《照明》佐藤才輔 《美術》内田哲也 《録音》楠本龍巳 《操演》上田健一 《助監督》石川整 《装飾》大藤邦康 《衣装》宮崎みずほ 《メイク》今井志保 《車両》野口茂樹 《製作主任》高橋誠喜 《編集》矢船陽介 《VFX》田代定三 《デジタルエディター》柳生俊一 《VE》高田秀雄 《スクリプター》島貫育子 《キャスティング》小島文夫

=特技スタッフ=

《撮影》新井 毅 《照明》高野和男 《美術》佐々木朋哉 《操演》根岸 泉《殺陣》岡野弘之 《助監督》伊藤良一 《スクリプター》島貫育子 《スチール》橋本賢司 《制作主任》菊池英次 《キャラクターデザイン》丸山 浩 《キャラクターデザイン・イメージボード》酉澤安施 《キャラクターメンテナンス》宮川秀男 《タイトルデザイン》佐藤さい子 《仕上げ》池田遼 《CGIモーションディレクター》板野一郎 / 円谷CGI-ROOM 《CGIスーパーバイザー》早川哲司 《CGIディレクター》祖父江成則 《CGIデザイナー》大坪隆仁 / 上田和彦 / 小嶋律史 / 森裕二 / 高松玲子 / 島田友春 / 川口智久 《CGI マネージャー》小田達哉 《エフェクトコーディネート》小野寺 浩 《エフェクトアニメーター》増田英和 《デジタルマットアート》有働武史 《カラリスト》高田 淳 《音響効果》古谷友二 《編曲》池田地香子 《整音》松本能紀 《MD 担当》福井 顕 / 須賀久子 《催事宣伝》古池啓一 / 大野まゆみ / 菅野悦子 《製作デスク》石渡牧子 《番組宣伝》重松和世 / 橋本栄次 / 太田小由美 / 堀川勝一 / 武藤博昭 《協力》松下電器産業 / ドゥカティジャパン / クリエイティブ・オフィス ヤップ / 銀座サクラヤ / プログレッシブ / キャン・インターナショナル / 日本照明 / 東宝ビルト / 東宝コスチューム / 開米プロダクション / 亀甲船 / スワラプロ / スリーエススタジオ / 富士通 乾電池 / ヒルマモデルクラフト / ハルジン / グレイショコラ / 宗特機 / コダック / ムーンスター / 日本エフェクトセンター / IMAGICA / クレッセント / Adobe Systems / ボーンデジタル / D.A.S.T / スタジオ・バックホーン / パンチライン / ワンダリウム / RECARO / 岡村製作所 / ナナオ / パラマウントベッド / 日本光電 / レイト商会 / K2JAPAN / 富士グローブ / KENNETH COLE / Zoff 《撮影協力》横浜市みなと赤十字病院 / 横浜フィルムコミッション / 国土交通省相模川水系広域ダム管理事務所 / さがみ湖ピクニックランド / 伊勢丹立川店 《制作協力》電通  《製作著作》中部日本放送 / 円谷プロダクション  《提供》BANDAI

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