ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラマンメビウス 第47話「メフィラスの遊戯」マニア考察】

ウルトラマンメビウス 第47話「メフィラスの遊戯」マニア考察ハードバージョン

監督:アベ ユーイチ、特技監督:菊地 雄一、脚本:小林 雄次 メビウスマニアライター T2-0

その男は、太陽を見上げながら丘の上に立っていた。 その襟には科学特捜隊の徽章・流星マークが留められている。その男はハヤタ、ウルトラマンの地球での姿であった。

その頃、ミライは公園のベンチで目を覚ましていた。ミライは、夢の中で新たな敵からの挑戦を受けたのだ。 その敵は皇帝に仕える四天王最後の一人、メフィラス星人であった。 メビウスとGUYSの奮闘を称えたのちにメフィラスは言った。 「私は君が最も屈辱的な方法で敗北し、失意のどん底で息絶える姿が見たいのです」。 そして、こう宣言するのだった。「君を倒すのは、君が最も信じるGUYSの諸君です」と。

ミライが目を覚ました公園では、子どもたちが遊んでいた。「メフィラス、宇宙人をやっつけろ!」 そう叫ぶ子供たちの手にはメフィラスの人形が握られていた。 そして、メフィラスの人形をメビウスの人形に叩きつけて遊ぶ子供たち…。 彼らは、メフィラスは地球を守るヒーローであり、メビウスは侵略者であると信じているのだった。愕然とするミライ!

上空に滞空する宇宙船の中からその様子を見て、満足げに笑うメフィラス!そこにウルトラマンが出現した!! 「メフィラス、何をするつもりだ!」そう問うウルトラマンに、メフィラスは 「これは自分とメビウスの間の、一対一のゲームである」と答えた。そして子供たちの命を盾に取り、 メフィラスは言うのだった。「私はメビウスにも人間にも指一本触れはしません。 あなたも手出しは控えてもらいましょう」と。

赤い雷光が市街地を直撃!煙の中から礫岩怪獣グロマイトが出現した。そこにメフィラス星人が飛来、 グロマイトの近くに降り立った。グロマイトとメフィラスの出現に、 ミライはメビウスに変身!しかし、メフィラスはメビウスを無視し、 グロマイトと戦い始めた。グロマイトの攻撃をかわし、メフィラスは圧倒的な力でグロマイトを葬った!!

その様子を見守っていたメビウスに、メフィラスは言い放つ。 「君はまだ、この世界が理解できていないようですね」。続けてメフィラスは命じた。 「GUYSよ、ウルトラマンメビウスを倒しなさい!」。その声に応え、メビウスに攻撃を開始するガンウインガーと ガンローダー!ガンローダーのビームがメビウスの右腕に命中する!懸命にGUYSのメンバーに呼びかけるメビウス!! その声も空しく、ガンウインガーとガンローダーの攻撃は続いた。 そんなGUYSを「ゲームのコマ」と呼ぶメフィラス。メビウスは一旦退却する。 そして、メフィラスは勝ち誇り、笑うのだった。

ミライはテッペイの大学を訪ねていた。テッペイに声をかけるミライ。しかし、テッペイは怪訝な表情を見せた。 どうやらミライに関する記憶が欠落しているようだ。 ミライはテッペイに自分がウルトラマンメビウスであることを語る。だがテッペイも、メビウスは侵略者であり、 メフィラスが地球人の味方であると信じ込んでいた。

上空に滞空している円盤に秘密があるはずと語り、テッペイに信じてもらうべく必死に語りかけるミライ。 しかしテッペイはミライの言葉を否定し、その場を立ち去ろうとする。ミライはテッペイを追いかけるが、 腕の痛みにうずくまってしまう。そんなミライを見かね、テッペイは立ち止まった。

屋外に設置されたテーブルで、テッペイはミライの傷の手当てをしていた。「まだ君を信じたわけじゃない」と語るテッペイであったが、彼の考えは揺らぎ始めていた。「君が他人じゃないような気がして…」そう語るテッペイに、ミライはフェニックスネストに行き、円盤を調べることを提案した。 フェニックスネストのディレクションルームで、テッペイは驚きの声を上げていた。 データ解析の結果、メフィラスの円盤から発される力が人間の脳に作用していることが確認されたためだ。 おそらくは、この力によって人々のメビウスに関する記憶がメフィラスに置き換えられているのだ。 と、その時、他のGUYS隊員たちが帰投してきた。テッペイはミライをデスクの下に匿う。

ディレクションルームで、隊員たちはウルトラマンメビウスについて語り始めた。メビウスを打ち逃したことを悔やみ、 再戦を誓う隊員たち。その口調は敵意に満ちていた。その言葉に、 ミライはデスクから這い出し、叫んだ。「皆さん、何を言っているんですか?」 「どうしてわからないんですか?僕がウルトラマンメビウスです!」  しかし、リュウはトライガーショットの銃口をミライに向けた!

リュウに信じてもらうべく、ミライはメモリーディスプレイを取り出した。 リュウのメモリーディスプレイと同じファイアーシンボル、 「約束の炎」が描かれたメモリーディスプレイだ。しかし、リュウが取り出したメモリーディスプレイに、 約束の炎は描かれておらず、黒一色であった。 「そいつは偽者だ」、言い放つリュウ!GUYSの隊員たちは銃を構えミライに迫った。 涙をこぼし、ディレクションルームを飛び出すミライ!その後をテッペイが追う。

ミライはガンウインガーで基地を飛び立った。後部座席にはテッペイの姿がある。そのガンウインガーを、 リュウのガンローダー、ジョージとマリナのガンブースターが追跡する。そこにメフィラスの声が響いた。 「GUYSの諸君。早く攻撃しなさい!」ミライを撃つことを命じるメフィラスの声。

ガンローダーとガンブースターからガンウインガーに向けて攻撃が開始され、テッペイもコクピット内でミライ に銃口を向けた! しかし、隊員たちは葛藤していた。 「くそっ!なんなんだ、この気持ちの悪いのは!」叫ぶリュウ。違和感の中、 テッペイはミライにもらったお守りを取り出した。黒一色の爪型のお守りを目にしたテッペイは叫んだ。 「これは違う!」、テッペイの絶叫とともに、お守りにファイアーシンボルが浮かび上がった!

遂にミライのことを思い出したテッペイは、GUYSの仲間達に呼びかけた。 ミライはウルトラマンメビウスであり、自分たちの仲間であることを。 業を煮やしたメフィラスは、遂に自ら攻撃を開始した。円盤から放たれた光弾がGUYSを襲う!

ミライはメビウスに変身!身を挺してメフィラスの放つ光弾からGUYSのメンバーを守った!! それを目にした他の隊員たちも、ミライのことを思い出していた。 そして、それぞれが持つお守りに、ファイアーシンボルが浮かび上がった!! メビウスはバーニングブレイブにチェンジ!ガンフェニックスストライカーとともにメフィラスの宇宙船に挑む。 そして、遂にメフィラスの宇宙船は破壊された。

宇宙船を破壊され、メフィラスが姿を現した。それを見たハヤタはウルトラマンに変身!メビウス、ウルトラマン、 そしてGUYSと、メフィラスの戦いが開始された。激しい空中戦に続き、地上でメフィラスと対峙するメビウスと ウルトラマン。ウルトラマンはメフィラスに言った。

「無駄な抵抗はやめろ。お前の仕組んだこのゲーム、お前自身が手を出した時点でお前の負けだったのだ」。 その言葉に、負けを認めたメフィラスは言った。「私はあきらめたわけではありません。必ずまた、 君たちに挑戦しにやって来ます。いつの日か必ず」。メフィラスは地球を去った。 ウルトラマンは、ウルトラ兄弟が間もなく地球を離れることをメビウスに告げ、こう言い残した。 「案ずることはない。私が地球人を愛したように、君もまた彼等を心から愛し信頼しているはずだ」 戦いを終え、傷ついた身体で歩くミライにテッペイが駆け寄り、寄り添った。そんな二人を見つめる者があった。

その男…、ハヤタはつぶやいた「君たちならば、必ずやこの星を守り抜く。私はそう信じている」。 そのハヤタの視線に、テッペイは何かを感じたようであった。そんなミライとテッペイの元に、 GUYSの面々が駆けつけていた。「泣かせちゃってごめんなさい」、 そう謝るコノミに続き、GUYSのメンバーは、ミライに辛い思いをさせたことを侘びるのだった。

その頃、メフィラスは宇宙空間から地球を眺めていた。そのメフィラスを一条の光線が襲った!「皇帝!私もまた、不要になったゲームのコマというわけですね!残念です!!」 メフィラスは消滅した…。そしてそこには、メフィラスを処分した「皇帝」の姿が、炎の中におぼろに浮かんでいた…。

マニア考察

ウルトラマンメビウス第47話「メフィラスの遊戯」は、策士・メフィラス星人の陰湿なる作戦と、 それを打ち破るメビウスとGUYSの絆を描く、「メビウス」らしい一本です。

まずは、メフィラス星人についてです。ウルトラマン第33話「禁じられた言葉」に初登場したメフィラス星人は、 一人の地球人の少年を選び、彼に「あなたに地球をあげます」と言わせるべく、精神的な揺さぶりをかけました。 今回登場したメフィラス星人は、この初登場時のメフィラスの印象を踏襲して描かれています。 「暴力は好まない」と語りつつ、「こころ」に挑戦するメフィラスは、ウルトラシリーズを通じてみても、 独特の存在感を持つ悪役といえます。

今回のメフィラスの作戦もやはり恐ろしいものでした。自分を取り巻く世界が一変し、 自分を知る者がいなくなってしまう…、その恐怖は計り知れないものがあります。

メビウスに挑んだ四天王は、いずれもメビウスと人間に精神的攻撃をかけてきました。 ヒルカワにミライを撃たせるよう仕向け、メビウスに人間の愚かさを見せつけようとしたヤプール。 GUYSを人質にとり人々を煽り、人間とメビウスの絆を立とうとしたデスレム。メビウスを磔にし、 人々の希望を奪おうとしたグローザム。そして、メビウスから仲間を奪い、その仲間による抹殺を図ったメフィラス…。

いずれも悪辣で、一筋縄ではいかない連中です。しかし彼らがいずれも単なる力押しのみでなく、 メビウスと人間の絆を破壊する戦略に出ているということは、それだけウルトラマンと人間の絆を恐れていると 言うことなのでしょうね。

メフィラス星人は、ウルトラマンタロウ第27話「出た!メフィラス星人だ」にも登場しています。 この時のメフィラス星人は、ウルトラマン登場時と性格が一変しており、その作戦も以前とはかけ離れたものでした。 おそらくは、この時のメフィラスはウルトラマンと戦ったメフィラスとは別個体と言うことなのでしょう。

当時の小学館の学習雑誌にもそう明言されていますしね(この時の記述に寄れば、 先に出現したメフィラスの弟とのことです)。 では、今回のメフィラスはどうなのか?性格的にはウルトラマンと戦ったメフィラスと近いのですが…、 やはり別個体と思いたいです。ウルトラファンとしては、 メフィラスか皇帝から処分されてしまった場面を見てしまうと 「ウルトラマンと戦ったあのメフィラスが、こんな形で死んじゃうなんて嫌だ!」 みたいな気持ちが沸いてきてしまうのですよねσ(^-^;)

今回のエピソードでは、ウルトラマンの威厳に満ちた姿を見ることができました。メフィラスの光線を、 その胸で受け止める場面のカッコ良さ!この場面は、ウルトラマン第3話「科特隊出撃せよ」 でのネロンガ戦の一場面を意識した演出でしょう。 このシーンは、旧作のファンには懐かしくも嬉しいものに仕上がっていました。

さて今回、ウルトラマンは、GUYSがメフィラスの呪縛から逃れたのを見届けてから登場します。 おそらくハヤタは心を痛めながらもミライとGUYSを信じ、彼らが再び絆を取り戻す瞬間をじっと待っていたはずです。 そして、それが成された瞬間に変身し、メビウス、GUYSとともにメフィラスに挑んだのでしょう。 この展開には感動するとともに感心させられました。

「光の字の戦士たちは、やはり人間たちの心の成長を陰からそっとサポートしてくれているのだろうなぁ」 と、改めてそのようなことを感じさせてくれる優れた展開になっていました。 それまでの展開が重苦しいものであっただけに、このシーンの爽快感は格別なものとなっています。

今回は、テッペイがキーマンを務めてくれました。これまでの主役エピソードである「ひとつの道」 「青い火の女」もテッペイならではの名編ですが、今回のエピソードもテッペイのキャラクター を活かしたストーリー展開となっています。

ミライの傷を手当することが会話のきっかけとなるという描写は、医大生である撤兵ならではですし、 それに続く、メフィラスの宇宙船を分析する展開も、普段のテッペイの役割を踏まえたもので巧いです。

これまでのテッペイは、戦闘時はどちらかというと後方支援的な存在として描かれてきました。 そのテッペイが、今回はミライの危機を打ち破る存在となります。前回のコノミに続き、 これまで戦闘時に影の薄い描写がなされてきたキャラクターが、 このような重要な鍵を握る存在となるという展開は面白いですし、また心地よいものです。

葛藤し、真っ黒いお守りを見つめるテッペイの叫び、「これは違う!」は印象的です。 このセリフは、予告編ですでに聞いていましたが、劇中でこのセリフを聞いた時は 「こんな場面で使われていたのか!」と、ちょっと驚かされました。 これに続く場面、ファイアーシンボルが浮かんだお守りを握り締め、 感謝するようにその拳を額にあてるテッペイの姿には感動させられます。 そして、ミライのことを思い出した各クルーのお守りにファイアーシン ボルが浮かぶシーンの盛り上がりは「メビウス」ならではのカタルシスであると言えるでしょう。

今回、テッペイはハヤタの視線に何かを感じていたようでした。これまでの兄弟客演のエピソードのラストにも 、各GUYSのメンバーに同様の描写が見られましたが、これはやはり何かの伏線なのでしょうね。 メビウスも、残り話数3話となりました。 この3話は最終3部作として描かれるとのこと。恐らくは怒涛の展開が見られることと思います。期待したいです。

最後に、今回の「メビナビ」で語られたナレーションについて。 四天王を紹介し、彼らを操っていた最強の敵について語った今回の「メビナビ」。 そのラストのナレーション「ウルトラマンメビウスはますます面白くなるねぇ」は、 おそらくウルトラマンレオ第26話「ウルトラマンキングのおくりもの」 でのナレーション「レオはますます面白くなるねぇ」を意識したもののはずですよ♪

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