ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラマンメビウス 第47話「メフィラスの遊戯」レイゴ考察】

ウルトラマンメビウス 第47話「メフィラスの遊戯」レイゴ考察ソフトバージョン

ウルトラマンメビウス・メフィラス星人画像
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青く澄み渡る丘の上。 科特隊のバッジをサンドベージュのツィード杉綾織のジャケットの胸元につけ、白い タートルネックセーターと焦茶のスラックスをはいた一人の男が、太陽をじっと見つめて立っていた。

細長い眼鏡は、ツルとフレームが流れるような一体型のフォルムのお洒落なもの だ。 男はウルトラマンことハヤタであった。

階段を足早に上がるミライ、そこは異様な空間だった。 得体のしれない空気が取り巻き、異質ないろとりどりの奇妙な色がまざりあったような空間。

ミライは「リュウさん!ジョージさん!マリナさん、コノミさん。テッペイさん!」とガイズのメンバーを呼ぶ。 その時「フフフフ・・・フハハハハ・・・・」笑い声がミライの耳に届いた。 ミライは「誰だ!」と叫んだ。

「私が皇帝に仕える四天王の最後の一人、メフィラス。」姿を現したのはウルトラマンの宿敵メフィラス星人であった。

「ここまで戦い抜いた君と、 GUYS諸君の奮闘振りを、まずは褒めてあげましょう。」メフィラスは丁寧に褒め称えると 「私が本気を出せば、倒す事など造作も無いことです。 しかし、ただ倒すだけでは面白みに欠けます。」と笑った。

ミライが「何をたくらんでいるんだ。」と気色ばむと メフィラスは「私は君が最も屈辱的な方法で敗北し、失意のどん底で息絶える姿が見たいんです。 すなわち君を倒すのは私ではありません。君が最も信じるGUYSの諸君です。」 ミライは「そんな事、あるわけないだろ!」と叫んだ。

メフィラスは「君はたった一人です。誰の助けも受ける事は出来ません。フフフ・・・ハハハ・・・・」と嘲笑を続けた。

ミライは「はっ・・・・!」と意識を取り戻した。

ミライが目覚めたのは、公園のベンチだった。 遊歩道の両端には、今は葉を落とした広葉樹が並んで植えられ、その左右には大きな広場が広がっている。

遊歩道の真ん中には、背の低い植え込みとミライが目覚めたベンチがあり、そのベンチの後には、 木の枝と蔓を組み合わせて作ったようなオブジェが置かれていた。

オブジェの真ん中には、目を思わせる水色の球体が嵌めこまれていた。 何人かのこどもたちがミライのベンチの後ろでわらわらと戯れている。

ミライは当惑しながら「夢・・・・?僕はどうしてここに?・・・そうだ。」思い出した。 それはデレクションルームでの会話だった。

ミライは「休暇ですか?」と聞き返す。 サコミズは「休める時に身体を休めておいた方がいい。いずれ始まる新たな攻撃のために。 ここのところ、侵略者の攻撃も止んでるし。」とミライに微笑んだ。

ミサキも「ヒビノくんも戦い詰めでしたから。」微笑をたたえる。 リュウは「ま、外の空気でも吸って来い。」とにんまりと笑いミライの肩をガシガシたたく。 マリナも「そうそう。」と身を乗り出して、ミライの腕をポンポンと軽くたたく。

コノミは「いってらっしゃい!」と笑いかけ ジョージも「行って来い。」と頷いた。

ミライは「そして僕は、この公園にやって来た。それからいったい・・・・何が?」とまた記憶の糸を手繰り寄せる。 子どもたちの戯れている声が「メフィラス、宇宙人をやっつけろ!」とミライに聞こえた。

こどもたちはみな、黒いセーターや黒いトレーナー、黒いパーカーを着て、同じように黒いズボンやスカート 、黒いジャンパーを身に着け、一様に黒い服装をしている。

メビウスの人形を放り投げ、メフィラスの人形でいくどもメビウスの人形を上から叩き、人形で踏みしめ、 次々と上から攻撃させて歓喜を上げて、無邪気に遊ぶ子どもたち。

ミライがこの異様ぶりに、思わず 空を見上げると、頭上に大きな円盤がある。

遊んでいる子どもたちにミライは駆け寄ると ピカリと瞳の中心を瞬かせて、円盤を透視した。

円盤から不気味なグリーンの光の粒子「キリアン・リプレイサー」 が傘のような形を描いて、こどもたちに降り注いでいるのがスキャニングできた。

円盤の蒼い目のような口が不気味にこちらを見下ろしている。 ミライは「君たち、早く逃げるんだ!」急いでこどもたちに声をかけた。

子どもはきょとんとすると「なんで?」と聞く。 ミライが「なんでって・・・あの円盤が見えないのかい?」と円盤を指差して問うと、

子どもはくったくなく、「あれは僕たちを守ってくれている、メフィラスの宇宙船だよ。 お兄ちゃん、そんなことも知らないの?」と答えた。

メフィラスの「フフフフ・・・・ハハハハ・・・・・」笑い声がこだまする。その時メフィラスは「おぉっ!」と身を仰け反らせた。 暁にそまる背景の中、 メフィラスの背後にウルトラマンが出現したのだ。

ウルトラマンは「メフィラス、何をするつもりだ!」と聞く。 メフィラスは「ウルトラマン・・・これは私とメビウス、1対1のゲームなんです。人間の心を賭けたね。」 と胸に手をおき、返す。

ウルトラマンは「そんな勝手を許す事は出来ない!」 というが、 メフィラスは「残念ですが、ゲームはもう始まっているんです。あなたが今手を出せば、 私はあの子どもたちをどうするでしょうねぇ・・・さぁ、私はメビウスにも人間にも指一本触れはしません。 あなたも手出しは控えてもらいましょう。」 と言い返す。

ウルトラマンは「メフィラス・・・」と見据え、 メフィラスは「フハハハ・・・・ワハハハハ!!」高笑いを続けた。

その時、天空から一筋、赤い稲光が走り地面を直撃、大爆発が起きた。 マンション群の立ち並ぶベッドタウン、新築マンション建設現場のすぐ脇で、 数度の閃光が走った爆発の煙は空へ高く上り、その中から大きな地鳴りと共に巨大な生物が現れた!

地響きを立てて、四足歩行をする岩石の塊のような怪獣。 ミライはレンガの舗道を走り寄り立ち止まった。「あれは・・・グロマイト!」

それはかつてウルトラマンヒカリが倒した礫岩怪獣グロマイトだった。

グロマイトは雄叫びを上げながら、時折後ろ足2本で立ち上がり戦闘意欲満々の様子。 と、そのすぐ近くに、空からジャンプして軽く降り立ったのは巨大メフィラス星人。「ウーーーム」と胸をはる。

ミライは「メフィラスまで!」と言うや否やメビウスに変身した。 メフィラスとグロマイトの中間位置に降り立ったメビウスは、まずメフィラスを威嚇した。

そこへガイズのガンウィンガー、ガンローダーが急行した。 「ウハハハハハ・・・。GUYSの諸君、君たちは見ていてください。」

メフィラスは落ち着いた様子で左手を差し伸べ、2機の飛行機に呼びかけた。 2機はメビウスとメフィラスの間の空間を静かに通り過ぎ、メビウスは呆気に取られ、ただそれを見送るしかなかった。

そのとき突然、グロマイトがメフィラスに向かい口から火球を吐いた。 ところがメフィラスが黙って右手を差し出すと、勢い良く飛んで来た火球は空中に停滞した。

更にメフィラスが右手で押し返すようなアクションを取ると、その火球はグロマイトの顔面を直撃し爆発が起き、 スパークが走る。 自身の攻撃を受け面食らい、上体を起こし、また地面に顔を着け、痛みに耐える様子のグロマイト。

しかし次の瞬間、メフィラスの前で揃えた両手から青く勢いのあるベアハンド光線が、 痛手を負ったグロマイトの顔面に容赦なく浴びせられた。

ベアハンド光線に押し戻されるように数歩下がるグロマイト。ついに後ろ足で立ち上がり、腹でビームを受けつつ、 赤く染まっていくその身体はヒクヒクと痙攣する。 そしてついに大爆発を起こし、跡形もなく微塵とグロマイトは消えた。

メビウスは、黙って見ているしかなかった。 グロマイトの消え去った空間を、メフィラスに並ぶ形で、ただ唖然と見つめていた。

メフィラスは「君はまだ、この世界が理解出来ていないようですね。」 と静かに言う。 メビウスは「何!」と聞き返す。

メフィラスは「GUYSよ、ウルトラマンメビウスを倒しなさい!」と両手を広げる。 とメビウスに攻撃を開始するガンウインガー、ガンローダー。

2機が同時にメビウスに向かいガンウインガーからはウイングレッドブラスター、 ガンローダーからはバリアブルパルサーが メビウスに放たれた! メビウスは反射的に横っ飛びして逃げたが、2機の左右から発射された4本の光線は、 メビウスがさっきまで居たポイントに集中した。

着地の際、回転して起き上がったところへ、ガンウィンガーが再度ビームを仕掛けて来た。 メビウスは大きくジャンプ、空中で横ひねりして着地。沈み込んだ身体を支えるため、右足を立て左膝を地面につけた。

すると、間髪入れずメビウスブレスにビームが弾けた。「デヤッ!?」激しい痛みがメビウスを襲い、 右手でブレスを押さえ振り返ったメビウス。

撃ったのはガンローダーで、更に追い打ちをかけるようにまたもやメビウスに向かってビームが襲いかかる。 寸でのところで横っ飛びに逃げたメビウスだが、地面には激しい爆発と土煙が起こった。

メビウス「リュウさん!みんな!」ガイズのメンバーはみんなコックピットでうつむいたまま操縦幹を握っていた。

メフィラスは「無駄ですよ。彼等はもはやゲームのコマなのです。君の声など、届くはずがありません。」 と嘲笑する。

メビウスは「そんなはずはない。みんなの心が、そう容易く・・・!」と言いよどむが、 「やれ!」メフィラスが2機に向かい右腕を振り上げると、ガンウィンガー、ガンローダーは旋回して加速する飛行音を響かせた後、再びメビウス目指してビームを撃って来た。 メビウスは咄嗟に左肩を後方に逸らし、それをやり過ごした。

続いてメビウスは両手を降ろし腹の前でクロスすると、メビウスの身体が無限の輝きを放ったまま、 その姿を縮小させて行き変身を解いた。 ビームは虚空をかすめ、2機メビウスが姿を消した上空を通り過ぎて行く。 メフィラスは 「ハハハハ、フフフフフ」と高笑いを続けていた。

ミライはテッペイの大学に姿を見せた。 やはり黒いスーツ姿のテッペイが「じゃ、また後で・・・」 と友人たちと別れると正面から「テッペイさん!」と声をかけた。

テッペイは「え・・・誰?」ときょとんとした。 ミライは「僕です、ミライです!ウルトラマンメビウスです!」 という。

テッペイは「メビウスって、レジストコード、ウルトラマンメビウス、あの侵略者の?」 と慌てる。

ミライは「侵略者はメフィラスです!」 とそくざに否定する。

テッペイは「何言ってるんですか?メフィラスは人間のために、ずっと戦って来た仲間じゃないですか。」 と言い返す。

ミライは「テッペイさん!あなたは騙されているんです。きっとあの円盤に、何か秘密があるはずです。」 というが、テッペイは「・・・はぁ・・・僕を騙そうとしているのは、君でしょう。」 とあきれる。 ミライは「違います!」と思わず叫んだ。

テッペイは「そんなに言うなら、証拠を見せてくださいよ。」と食ってかかる。 ミライは「あなたはGUYS一の怪獣博士です。主にディレクションルームで分析と作戦立案を担当している。」 とテッペイを表現してみせる。テッペイは「そんな事はGUYSの広報資料にも書いてありますよ!」と顔をしかめる。

ミライは「えべっさん騒動の時、トリヤマ補佐官が無くしたグロテッセル、一緒に探したじゃないですか!」 とテッペイは一瞬動揺するが、「どうしてそれを・・・・そうか、わかったぞ。君、僕の記憶を読み取ったんだ。そうだ、絶対そうだ!」 と言い残してミライの前から逃げ出した。

ミライは「テッペイさん、信じてくだ・・・」と呼びかけ追いかけようとして、 腕の痛みにうずくまった。テッペイは、はっとして、立ち止まった。

テッペイは「悪いけど、君の話を信じたわけじゃないよ。」 といいながら外に備え付けのテーブルとイスのセットにすわり、ミライの腕に包帯を巻き、傷の手当てをする。 ミライは「じゃぁ、どうして?」と問う。

テッペイは「なんだか君が他人じゃないような気がして。」と顔をしかめ首を傾げる。

ミライは「テッペイさん・・・あなたは医者の卵です。僕を助けてくれたのも、 医者として怪我人を見捨てる事が出来なかったから....違いますか?」 と聞くが、テッペイは「君の言う通りだ。けど・・・・」なにかを感じ「いや、そんな、まさか・・・」とそれを自ら 否定するように口元を手で押さえる。

ミライは「テッペイさん。一緒にフェニックスネストに行きましょう!あの円盤を調べれば、 きっと何かわかるはずです。」といい。

薄暗いこれも奇妙な色合いのデレクションルームで、テッペイがデータを解析すると 「君の言う通りだ!メフィラスの円盤からは、何らかの力が発生されている。・・・・って、これ、 人間の脳に作用してるぞ。どうして今まで、こんな重要な事を見過ごしてたんだ?」 と驚愕する。

ミライが「きっと、僕に関する記憶をメフィラスに置き換えられているのは、この力のせいなんです。 この円盤さえ破壊出来れば!」と訴えたその時、

デレクションルームのドアが開いた。 テッペイは「ちょっ・・・」と慌てるとミライの体をすばやく自分の机の下に押し込んだ。

リュウは「ん?あれ、テッペイ」と驚く。 マリナも「あれ?大学じゃなかったの?」と聞く。

テッペイは「あ・・・創立記念日だった事忘れてて・・・」と慌てて言い訳をする。 マリナは「あははは・・・」と声を立てて笑う。

ジョージは「それにしても、あのウルトラマンメビウスとかいう侵略者、いったい何を考えてやがる。」 と吐き捨てるように言う。 コノミは「どうして途中で消えちゃったんでしょう?」とメンバーに聞くが、 リュウは「決まってんだろ。」とイスを引いて座りながら「 俺たちGUYSとメフィラスに恐れをなして逃げだしたんだろ。ま、今度現れたら、絶対に逃がしやしねーけどな。」 と鼻で笑う。

マリナも「ま、もしもの時は、メフィラスが仕留めてくれるって。」 という。思わず 出て行こうとするミライをテッペテが押しとどめる。

ジョージがのしのしと歩きながら「奴は人間に擬態する能力があるんだろ?今もどこかに潜んでるんじゃないのか?」 というとコノミも「私、意外と近くにいるような気がします。」 という。

マリナが「ウルトラマンメビウスが?」と聞き返す。 そのときふいにリュウが「うん・・・?テッペイ!」 とテッペイにふる。

テッペイはすこし慌てて返事を返す「えっ・・・」 リュウは聞く「お前はどう思う?」

テッペイはふと顔を引き締めると「あ・・・いや、まだ敵と決め付けるのは早すぎるんじゃないでしょうか。」 と言い放つ。 リュウは「お前、何言ってんだ?」と笑いかける。

ジョージはややムッとしたように「侵略者の肩を持つのか?」 といい。 マリナも「メフィラスの言葉は絶対なんだから。」と言い切り。 リュウが「敵に決まってんだろ!」ととどめの様に言い放った。

ついにたまらずミライはテッペイの机の下から飛び出した。 「みなさん、何を言っているんですか?」

リュウは「誰だ!?」と強く聞く。 テッペイは「あ・・・いや・・・彼は、僕のいとこの友人の同級生で、あの、GUYSに興味があるって言うから、 基地を見学させてあげようかな?と思って・・・」と必死で取り繕う。

しかしミライは「僕です!ヒビノミライです!」と叫ぶ。 テッペイは「ああ・・・じゃ、僕はこれで失礼します。」 と慌ててミライを外に出そうとやっきになる。

口に指を立ててしーとミライを黙らせようとするが、 ミライは「どうしてわからないんですか?ぼくがウルトラマンメビウスです!」と矢も立てもたまらず叫んだ。

リュウは「メビウス!?」と大きく目を見開く。 ミライは 「僕たちは一緒に戦って来たじゃないですか!皆さんはメフィラスに騙されているんです。 奴の円盤を破壊出来れば。きっと元の世界へ戻れます!」 とミライが言い終わるやな否や、リュウはトライガーシヨットをミライに向ける。

リュウは「テッペイ。そいつから離れろ!」と怒鳴った。 ミライは、メモリーディスプレイをとり出した。

コノミが驚く「どうして、メモリーディスプレイを?!」 ミライは「見てください!リュウさんのとお揃いです!」 とファイアーシンボルの描かれたメモリーデスプレィをリュウたちに向ける。

しかしリュウは「お揃い?」と懐から取り出して「そいつは偽物だ。」とミライに向けたメモリィデスプレィは 真っ黒だった。

ミライは「まさか・・・・ファイヤーシンボルが見えないんですか?」と目を見開く、 リュウは「ファイヤーシンボル?」と憮然として聞き返す。 ミライは「約束の炎です。どうしてわからないんですか!」と叫ぶが、 リュウは「さっさと正体を現せ!」となお構えなおし、強くトライガーシヨットの銃口を向けた。

次の瞬間クルーははっとして動きが止まった。 ミライの瞳から溢れるように涙が流れていたからだ。

表情の固まるガイズを尻目に テッペイは一瞬の驚きのあと「ちょっと待って!どこ行くの!?」 と慌てて出て行くミライを追った。

ミライとテッペイは。ガンウインガーに乗って基地を飛び出した。 すぐにミライの手元のレーダーは、ミライたちの乗るガンウインガーを追っている2機を表示させた。

ジョージは「おい、テッペイ。何考えてる?」 追跡しながら声をかける。 マリナもだ「テッペイくん!応答して!」

その時コノミは「リュウさん、どうしたんですか?」ふとリュウの様子を見る。 リュウはミライの涙を浮かべた顔を思い浮かべていた。

そこにメフィラスの声が聞こえた『GUYSの諸君。早く攻撃しなさい!』 リュウは戸惑う「けど、ガンウインガーにはテッペイが・・・」 メフィラスは『友が侵略者の手に落ちようとしているんです。それを止めるのが、 仲間であるあなたたちの責務。さぁ撃ちなさい!』と促す。

ミライは「テッペイさん、みんなを説得してください!あなたが話せば、きっと思い出してくれるはずです。」とテッペイに視線を投げかけながら そういうと メフィラスは『騙されてはいけません。』となお追い討ちをかける。テッペイは、苦しそうに顔をあげる。

『その男は、君を仲間に引き入れようと画策している、侵略者です。さぁ、その男を撃つんだ!』 テッペイは震える手で銃口をミライに向ける。

ミライが背後に声をかける。「テッペイさん!」 テッペイは苦しそうに「ごめん!」とミライに銃を向け 「僕はまだ君を信じてないんだ。それに僕は仲間と衝突することなんて出来ない! メフィラスと戦う勇気も無い!」という。

ミライは聞く「じゃぁ、どうして僕と一緒に・・・・それは僕の事を思い出してくれたからじゃないんですか? 信じてくれたからじゃないんですか?」 メフィラスが命令する『耳を貸すな!さっさと撃て!さっさと撃ちなさい!撃つんだ!!』

そしてそれは、 ガンローダーからはバリアブルパルサー、ガンブースターからはアルタードブレイザーが、テッペイとミライの乗ったガンウインガー向けて発射された。 何とか旋回して交わしたミライだったが、攻撃は執拗に何度も繰り返された。

ミライは「みんなっ!」叫ぶ。 リュウは何故か次の攻撃ボタンが押せない。 「くそっ!なんなんだ、この気持の悪いのは!」 と吼えた。

コノミが「どうして・・・・?」 ジョージが「とてつもなく嫌な感じだぜ!」 マリナが「何なの?これ。」

ミライが叫ぶ「テッペイさん!」 メフィラスが吼える『お前も、撃てぃ!撃て!』 テッペイは「だぁぁぁーーー!!」 と自らの葛藤に叫び声を上げた。

そのテッペイの脳裏に甦ったものそれは、 ミライの『これ・・・』 『お守り?』 『立派なお医者さんになってくださいね』 ミライの笑顔だった。

テッペイは「違う・・・・」銃を見つめ、お守りを見つめ「これは違う!ミライくん!」 銃とお守りを見比べ、意識を集中させ、仰視するとテッペイの手の中にあった真っ黒のお守りには、 ファイアーシンボルの炎が灯った。

ミライが「テッペイさん?」と聞いた。 メフィラスは「ん?」と異変に気づいた。

テッペイは「みなさん、目を覚ましてください。今、僕と一緒にいるのは、ウルトラマンメビウス、 僕たちと同じ、クルーGUYSの仲間、ヒビノミライくんです!みなさん、お守りを持っているはずです。 ミライくんのくれた、ファイヤーシンボルのお守りを!思い出してください!あの日の事を!」 と叫んだ。

ガイズのメンバーはみな、それぞれの手の中でお守りを広げる。

テッペイのお守りは 木製の角型をしていて炎が描かれており、銀色の筒型のチャームがついていた。チャームは、筒の先端が斜めにカットされていて、透明な筒型のカバーで保護されている。お守りは、この角とチャームの二つをつけたペンダント。

コノミのお守りは ウサギは炎が描かれた木の実を抱いているペンダント。

マリナのお守りは 炎が描かれた青い石と赤い羽根、そして大きいのもから先に行くほど小さくなっているブルーのビーズの一連飾り、その3つを束ねた根元には大きなソロバン型のブルービーズがついているペンダント。

ジョージのお守りは なめした小判型の革に炎が描かれ、回りを細い革を巻いた飾りがついている。根元には赤い紐が巻かれたストラップ。

そして、リュウのものは、自分で描いたファイヤーシンボルのついたメモリーディスプレイ。

メフィラスは頭を抱え込むと『何をしている!もっと撃つんだ!早く撃て!』 ミライが「メフィラス・・・!!」とメフィラスを怒鳴りつける。

メフィラスは「ううううう!!何をやっているんだ!バカどもが!」ついに業を煮やして手を振り上げた。 ミライはその瞬間、メビウスに変身して飛び出すとメフィラスの放つベアハンド光線を背中で一心に受け、 クルーたちの盾になって守った。

メビウスの背中で大きな爆発がおき、メビウスの顔が苦痛に歪む。 空が、オレンジ色に染まるその瞬間にともに闘い苦悩したメビウスの顔が炎の中に浮き上がる、そして リュウは叫んだ「ミライ!」

コノミも「ミライくん!」マリナも「ミライくん!」ジョージも「ミライ!」 全員の脳裏にはっきりとメビウスの姿が甦ってきた。

それぞれにの手の中のお守りは、ぱっとファイアーシンボル、 友情、そして約束の炎のしるしが灯った。 手の中のお守りが変わったのだ。

メビウスはいっきに全身から友情の炎のパワーを噴出すと、バーニングブレイブに変身した。

テッペイが叫ぶ「みんな・・・思い出してくれたんですか?」 ジョージが「当然だ、アミーゴ!」 マリナが「私たち、騙されてたのね?」 コノミが「ミライくんを泣かせちゃったなんて。」 そしてリュウが「メフィラス・・・テッペイ!」と咆哮した。

テッペイは「ガンフェニックスストライカー、バインド・アップ」と叫び、 リュウも叫ぶ「いけ!バリアントスマッシャーだ!」

ガンフェニックスストライカーからのバリアントスマッシャーの砲撃を浴びた メフィラスの宇宙船は、中央部で爆発が起き、やがて宇宙船内のいたる所で誘爆 、最後には大きな火炎をあげて爆発した。

メフィラスはしずかに地上に降りたった。 次の瞬間それを見届けたハヤタは正面を見据えると、右手のベータカプセルを高々と差し上げた。

ベータカプセルの先端が何度かスパークし、ウルトラマンが右手を突き 上げたポーズで現れた。 ウルトラマンはメフィラスの正面に降り立った。

テッペイは「ウルトラマンだぁ・・・」と歓喜の声を上げた。 メビウスはウルトラマンに駆け寄ると「兄さん!」と声をかけ、ウルトラマンは頷く。

リュウが号令をかける「行くぞ、みんな!」 一同は「GIG」と声を揃える。

ガンフェニックスストライカーから3色6本の光線、バリアントスマッシャーが発射された。 両手をひょいと後方下に広げると、メフィラスは宙に浮かびススーーッと高く上昇して行く。

メビウスとウルトラマンは逃がしてなるものかと、続いて空へ舞い上がる。 大空を自由自在に高速移動し、折り返し地点で鋭角に逃走角度を変える3体。

ハッ! ヤッ! トゥ! 空間を瞬時に移動しながら、 三角のペクトルを描くように手前に奥に3体が乱舞するようにも見える。

「エイーッ!」メフィラスが指先から光線を発射した。 青い2つの点はウルトラマンたちの間をくぐり抜け、GUYSクルーの搭乗する機体の前後に命中した。

「くそう!」「わっ!」バランスを崩し、衝撃に耐えるクルーたち。 その上下逆さまに落下して行く機体を、すかさずメビウスが後方からそっと掴み、水平飛行する。

メフィラスは、なおも、メビウスとガンフェニックスストライカーに、更なる攻撃を仕掛けて来た。 メフィラスの胸のあたりで作り出された青白いドロップのような火球は、次々と機体を支えるメビウスに容赦なく降り注ぐ。 機体を地上に戻そうと下降を続けながら、高速移動でこれをかわすメビウス。

シャッ! そこへメフィラスの撃った火球を爆破する光線が! 空中に留まったままの姿勢で、ウルトラマンの腕をクロスしたスペシウム光線が炸裂! オレンジ色の大爆発が起きた。

続いて一旦胸に両手を充て、左肘を曲げて横に水平に、右手を前方に突き出す、八つ裂き光輪が放たれた。 青空を上下左右、立体的に素早く移動しながら逃げ回るメフィラスだったが、ついに2発の光輪が胸に弾けた。

深手は負わなかったものの、地上に降りたメフィラス。 続いてウルトラマン、メビウスも地上のメフィラスと向き合った。

メフィラスの腕からあみ出されるベアハンド光線を、威風堂々と両手は腰に置いたまま胸で受けるウルトラマン。

ウルトラマンはメフィラスに静かに伝えた「無駄な抵抗はやめろ。お前の仕組んだこのゲーム、 お前自身が手を出した時点で、既にお前の負けだったのだ。」互いにじっと見詰め合うと、 メフィラスが「わかりました。どうやらそのようです。我々四天王が何故、 君たちごときに敗れ去ったのか、私は今それがわかった気がします。」と冷静に答えた。リュウがメフィラスの言葉に かすかに笑みをこぼす。

「しかし私は決して諦めたわけではありません。必ずまた、君たちに挑戦しにやって来ます。・・・ いつの日か・・・必ず。」 そいういとメフィラスは身体の周りが青白く光り始めたかと思うと、足から順に頭にむかって見る見るう ちにその場にかき消えた。

ウルトラマンは「弟よ、我々兄弟は、間もなく地球を離れる。」 とメビウスに告げた。

「兄さん・・・」とウルトラマンを見つめるメビウスに ウルトラマンは「案ずることはない。私は地球人を愛したように、 君もまた、彼等を心から愛し、信頼しているはずだ。」 と語りかける。メビウスは黙って深く頷くのだった。

テッペイは歩いてくるミライに駆け寄る「ミライくん!」 ミライが微笑む「テッペイさん・・・」 テッペイは「探したよ、大丈夫?」とミライを気遣う。 ミライはテッペイに肩を借りながら「はい。」と返事を返す。

ハヤタはそんな二人を遠くから見つめてつぶやいた 「君たちならば、必ずやこの星を守り抜く。私はそう信じている。」 ふと、何かを感じてふりかえるテッペイ。

ジョージが「テッペイ。」 リュウが「おい!」とミライとテッペイに駆け寄る。 コノミや「ミライくん。」 マリナも「ミライくん!」駆けつけ、 コノミが「泣かせちゃってごめんなさい。」と誤り、 マリナも「ごめん。」頭を下げた。

リュウは「ミライ、悪かった。」というと 「リュウさん・・・・」そのままミライを抱きしめた「痛い痛痛・・・・」わめくミライに あららのガイズのメンバーは笑顔に溢れていた。

メフィラス星人は、地球が見渡せる大気圏外で浮遊しながら、「ふん」と鼻で笑った。 とそのメフィラスに衝撃が走った「ん?おぁぁぁぁ!!」

メフィラスの顔や全身で白い爆発が起こり、深紅の中央に幾筋かの黒い核を併せ持った凄まじい威力の太い光線が、 メフィラスの身体を貫いた。

激しいビームは、メフィラスの身体を宇宙空間はるか彼方へ押しやりながら、それでも効力の弱まる様子ではなかった。 メフィラスは己の前に青い光輪を伴う白いバリアーを幾重か張るが、 それは無力な抵抗のようでもあった。

「皇帝!私もまた、 不要になったゲームのコマというわけですね?残念です・・・・ぐぁぁぁぁ!!!」 容赦なく浴びせられる深紅のビームに成す術もなく、メフィラスの身体は青紫の大きな輪を外へ弾かせながら、 オレンジから白色の大爆発を起こした。

断末魔の叫びを上げながら、メフィラスの身体がオレンジの巨大な炎の中に消滅していく。

そこに現れたのは燃え盛る真紅の炎を全身にまとい、その中心にはどす黒い影が揺らめいて、 不気味な笑い声を立ててる。 四天皇がいう皇帝の姿であった。

管理人のここが考察ポイント

今回はテッペイの「証拠を見せてくださいよ」 このひと言ですべてが表現される。

仲間であるという証拠を見せろという言葉、胸に突き刺さる。 証拠なぞない。記憶や思い出があったとしても、相手が仲間であると認めなければ、それはなんの証拠にはならないからだ。

演技は顔の表情1つでどんな感情でも表現できるため、 本来言葉で感情は説明してはいけないというが、

今回はテッペイの顔の表情が実に肝であった。 テッペイの手の中で、彼自身がその想いを集中させることによって、 彼の心の扉が開け放たれ、メフィラスの偽装工作で、真っ黒だったミライからの渡された手作りの お守りに、テッペイの真の心を象徴するフィアーシンボルが浮かび上がった瞬間は、まさに鳥肌ものである。

最後の最後に来て心に沁みるエピソードではなかったであろうか。 数々の戦歴をつくり、仲間と時間を共有し、思い出を重ね。何かを少しずつ形どっていく。

そして極めつけは、それらをともに過ごしたものを「仲間だ」とそれぞれが認識することがもっとも重要な問題である。

どれだけの時間を共有しても、どれだけともに戦い抜いても、互いの心が向き合っておらず、 すれ違っている関係も世の中にはある。 ガイズの心はメフィラスによって試され、そしてそれが最後の決戦前に、 確かなものであると客観的に確認されたわけである。

記憶を告げ変えたところ、そこからくる違和感は自分の心が、何かの偽りに反応していたのだろう。 彼らの心の底には間違いなく異星人ではあるがミライ、ウルトラマンメビウスとの友情の「絆」が、 しっかりと結ばれていたことが証明されたエピソードである。

本作に歴代からの客演として登場したのは「ウルトラマン」そしてハヤタ隊員の永遠のヒーローぶりを拝見できたが、 今回も「ウルトラマン」はサーポート役に徹し、 ウルトラ兄弟は間もなく地球を離れるとウルトラマンはそうメビウスに告げる。

ウルトラ兄弟が地球にいて、メビウスやガイズの活躍を一定の距離を保ちながら見守っていたことを伺いしることができる。 そして、離れていくということはもうメビウスの一人立ちの日がそこまできているということなのだろう。

今回はテッペイがウルトラマンから何かを感じとった。 伝えたい想いを何か託したのだろうか。「君たちならば、必ずやこの星を守り抜く。私はそう信じている。」 そういった人間の力を信じるウルトラマンたちの想いなのだろうか。

皇帝の姿が映るという、最後の決戦前に、まるで今までの培われたガイズの絆をもう一度、 確認するかのようであったが、静かながら、熱い友情はまさに炎のごとく燃えているようであった。

ウルトラマンメビウス 第47話「メフィラスの遊戯」  

宇宙礫石怪獣 グロマイト 悪質宇宙人 メフィラス星人 登場 

《キャスト》ヒビノ ミライ 五十嵐隼士 / アイハラ リュウ 仁科克基 / カザマ マリナ 斉川あい / イカルガ ジョージ 渡辺大輔 / アマガイ コノミ 平田弥里 / クゼ テッペイ 内野謙太 / サコミズ シンゴ 田中 実 / ミサキ・ユキ 石川沙彩 / ハヤタ 黒部進 / 浮洲凛太朗 / テアトルアカデミー 《声の出演》加藤精三 / 《スーツアクター》岩田栄慶 / 相馬絢也 / 福田大助 / 横尾和則 《シリーズ構成》赤星政尚 《設定考証》谷崎あきら 《脚本》小林雄次 《特技監督》菊地雄一 《監督》アベユーイチ 

《監修・製作》円谷一夫 《製作統括》大岡新一 《企画》岡崎剛之 / 江藤直行 / 中村理一郎  《プロデューサー》岩佐芳弘 / 渋谷浩康 / 山西太平 《制作プロデューサー》小山信行 《アソシエイトプロデューサー》小掛慎太郎 《ラインプロデューサー》中井光夫 《音楽プロデューサー》玉川 静 《音楽》佐橋俊彦

=本編スタッフ=

《撮影》高橋義仁 《照明》佐藤才輔 《美術》内田哲也 《録音》楠本龍巳 《操演》上田健一 《助監督》黒木浩介 《装飾》大藤邦康 《衣装》宮崎みずほ 《メイク》今井志保 《車両》野口茂樹 《製作主任》戸村祥章 《編集》前嶌健治 《VFX》田代定三 《デジタルエディター》柳生俊一 《VE》高田秀雄 《スクリプター》吉岡華子 《キャスティング》小島文夫

=特技スタッフ=

《撮影》新井 毅 《照明》高野和男 《美術》佐々木朋哉 《操演》根岸 泉《殺陣》岡野弘之 《助監督》伊藤良一 《スクリプター》吉岡華子 《スチール》橋本賢司 《制作主任》菊池英次 《キャラクターデザイン》丸山 浩 《キャラクターデザイン・イメージボード》酉澤安施 《キャラクターメンテナンス》宮川秀男 《タイトルデザイン》佐藤さい子 《仕上げ》鶴田幸伸 《CGIモーションディレクター》板野一郎 / 円谷CGI-ROOM 《CGIスーパーバイザー》早川哲司 《CGIディレクター》祖父江成則 《CGIデザイナー》澤田元春 / 上田和彦 / 小嶋律史 / 高松玲子 / 島田友春 / 小杉淑美 / 川口智久 《CGI マネージャー》小田達哉 《エフェクトコーディネート》小野寺 浩 《エフェクトアニメーター》増田英和 《デジタルマットアート》有働武史 《カラリスト》高田 淳 《音響効果》古谷友二 《編曲》池田地香子 《整音》松本能紀 《MD 担当》福井 顕 / 須賀久子 

《催事宣伝》古池啓一 / 大野まゆみ / 菅野悦子 《製作デスク》石渡牧子  《番組宣伝》重松和世 / 橋本栄次 / 太田小由美 / 堀川勝一 / 武藤博昭

《協力》松下電器産業 / ドゥカティジャパン / クリエイティブ・オフィス ヤップ / 銀座サクラヤ / プログレッシブ / キャン・インターナショナル / 日本照明 / 東宝ビルト / 東宝コスチューム / 開米プロダクション / 亀甲船 / スワラプロ / スリーエススタジオ / 富士通 乾電池 / ヒルマモデルクラフト / ハルジン / グレイショコラ / 宗特機 / コダック / ムーンスター / 日本エフェクトセンター / IMAGICA / クレッセント / Adobe Systems / ボーンデジタル / D.A.S.T / スタジオ・バックホーン / パンチライン / ワンダリウム / RECARO / 岡村製作所 / ナナオ / レイト商会 / K2JAPAN / 富士グローブ / KENNETH COLE / Zoff / WE GO

《撮影協力》埼玉県ロケーションサービス / 都立府中の森公園 / 駒沢オリンピック公園総合運動場 / 鶴牧東公園 / 味の素スタジアム

《制作協力》電通  《製作著作》中部日本放送 / 円谷プロダクション  《提供》BANDAI

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