ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラマンメビウス第7話ファントンの落し物マニア考察】

ウルトラマンメビウス第7話「ファントンの落し物」【ハード編マニア考察】

【メビウスマニアライター 棺桶のジョー】

監督:梶  研吾/特技監督:菊地 雄一/脚本・シリーズ構成:赤星 政尚

健啖宇宙人*1ファントン星人、肥大糧食シーピン929、高次元捕食体ボガール 登場

GUYSスペーシーにより、宇宙に謎の物体が確認された。リュウ(仁科克基)は謎の女の関係かと、 ジョージ(渡辺大輔)は青い巨人の関係と思う…トリヤマ補佐官(石井愃一)は 「早く先制攻撃をかければよい、昔から宇宙人は敵と相場が決まっている」*2と言う。

怪獣頻出期、宇宙から侵略者もたくさん来たとテッペイ(内野謙太)が語り、マリナ (斉川あい)はその時期のトラウマになり、反宇宙人感情*3があると言う。

だが、マル補佐官秘書(まいど豊)はパンスペースインタープリター*4による翻訳をやっていると語る。 しかし、CPU不調で上手く翻訳できないが、テッペイが代わりに翻訳し、「わかりにくい宇宙語」*5と言うものの、 何とか翻訳する。

が、なまりの強い宇宙語とミライ(五十嵐隼人)が思わず言ってしまい、 テッペイビックリ!*6で相手のファントン星人は予告どおりの場所に来た(スタートレックでの電送を利用か?)。

そのファントン星は食糧難であり、食料が欲しいとミライが訳してしまい…で、ファントン星人は、 食料を探しに宇宙を回り、非常食であるシーピン929を開発したものの、 それを地球に落したので探して欲しいと言ってきた。

そのファントン星人、GUYS基地で、トリヤマ、マル両氏が接待(!)するが、 ファントン星人は食事の前に踊って儀式をするのである。 で、食べたら皿まで食べようとする始末…落したシーピン929だが、本来は無限大(!) の代物を、今はサッカーボールくらいの大きさに小さくしているという。

で、落した地点は大体わかっているので、GUYSのメンバーが探すが、リュウはファントン星人に探させろと言うものの、 宇宙人を町に出せない*7とテッペイは言う。

そんな中ジョージはファンに囲まれる始末…しかし、ミライは超能力で探し当てる。 倉庫の中である。なぜミライに分かったのか…コノミ(平田弥里)は不思議に思いつつも*8、 メンバーはシーピン929を確保する。

お手柄と、ジョージは本場のパエリアをご馳走してやるとミライに言うが、 ミライは理解できない*9!だが、その近くに謎の女(小山萌子)がいた!その攻撃で、 シーピン929が巨大化を始める。

大変だ!ところが、ファントン星人は食後の眠りで話にならない(メイドさんがドサクサ紛れに携帯写真を撮る!)。 シーピン929は、もともと巨大なものを小型化していたもので、摂氏9度に8時間さらされると元の大きさになり、 地球を壊してしまう!小さくするにはファントン星の宇宙船の力が必要だが、故障して大気圏突入は出来ない!

 これに、サコミズ隊長(田中実)が、メテオールによる処理を提唱する。メテオールを市街地で使うのは異例だが、 トリヤマ補佐官はミサキ・ユキ(石川紗彩)に、ちゃんと手配したとゴマをする(!)。

メテオールでシーピン929を5Gの速度で無重力地帯に導くと言うものである。 宇宙へ行けば、ファントン星人が回収してくれる。

で、一帯を封鎖して、作戦を決行する。だが、そんな中、リュウはセリザワ前隊長(石川真*10)の姿を見つけ、それを追う。

しかし、あの、謎の女が現れ、ボガールに変身し、襲い掛かる。シーピン929を食べてしまおうと言うものだ。 ファントン星人の宇宙船を破壊したのはボガールの模様だ!

この危機に、ミライはメビウス(スーツアクター・和田三四郎)に変身し、シーピン929を守るべく、 ボガールに立ち向かう。

主題歌が高らかに響く中、メビウスは前回、深海で苦杯をなめさせられたボガールにリベンジと立ち向かい、 メビウスはビルにぶち当たって破壊、トリヤマ補佐官失神*11…その中、シーピン929は無重力地帯に向かうと、 ボガールは尻尾を伸ばして捕まえようとするが、メビウスは光弾でそれを切断し、 シーピン929は無事、無重力地帯へ向かった。

 さあ、ボガールとの決戦だ!立ち向かうメビウスに、ボガールは翼を使って捕食しようとする*12が、何とか逃れる。

 そんな中、リュウはセリザワを見つけ、本人と確認して喜ぶが、セリザワは「誰だ貴様は」 とテレパシー?でリュウに伝える。

ショックを受けるリュウ、そしてセリザワはツルギに変身し、メビウスに加勢する。変身をリュウは見てしまう! ツルギはナイトシュート(スペシウム光線と、手の組み方が前後逆) を放つが、ボガールは消えてしまい、光線は町を破壊しただけであった…ボガールは逃げた。

不用意に町を破壊してしまったツルギに、メビウスは抗議するが、 ツルギは消え去る*13…それを、複雑な思いで見るリュウ。

 ファントン星人とのお別れの時が来た。礼を言って、消えた…と思ったら、帰ってきて、 「青い巨人はツルギで、その目的はボガール、その生命体の抹殺」とテッペイに言い残して去る。

そして、ファントン星人の接待?で食券半年分を使ってしまったトリヤマ補佐官に、食料1年分、 手配が付き次第送ります、ということである。ファントン星人は「僕、友達」と言っていった。

ミライは「これで宇宙人は悪だけではない」とわかり、さらにコノミは、宇宙語でメビウスにお礼を言いたいと言った。 しかし、リュウの思いは複雑だった…

マニア的考察

*1:健啖宇宙人…という肩書きの怪獣は初めてでしょう。食べまくる怪獣はいろいろいましたが…

*2:宇宙人=敵(悪)という図式は過去のシリーズでも一種、暗黙の了解があったものの、ここまであからさまに言葉になったのも珍しいです。

 ちなみに、本来友好的な宇宙人を、敵と間違えて攻撃してしまう例は、ウルトラでは、私は記憶にはないものの、有名なのはシルバー仮面最終回、地球に友好のため来たアンドロメダ星人を間違えて攻撃してしまう展開があります(上原さんの脚本、攻撃した後も、春日光三(篠田三郎)が侵略者と疑い、結局敵を撃退して潔白を晴らす)が、極め付きはアニメで宇宙の騎士テッカマン、主人公が友好的な宇宙人を侵略者と間違えて殺してしまい、主人公がその責任を問われる問題作「失われた宇宙船」があります(脚本は酒井あきよし氏で、この話をとても気に入っている話と語っています)。こういうテーマは、日本のSFヒーロー物の独断場です。  逆に、友好を示しつつ侵略にやってきたのは初代マンのザラブ星人など多い。80年代のアメリカ作品「V」もそのパターン。

*3:「反宇宙人感情」、最近ではマックス「遥かなる友」で描かれたものの、極め付きは何といっても帰マン「怪獣使いと少年」であり、ウルトラでは、この手の感情は、描かれる場合は、常に批判の対象でした。

*4:パンスペースインタープリターは、初代マン「科特隊宇宙へ」で、イデが発明したもので、バルタン2代目の言葉を完璧に翻訳した実績があります。おそらく、それがそのまま(?)使われているのでしょうが、イデの作ったのより、今回は性能劣っていたぞ!

*5:初代マン「侵略者を撃て」で、イデが、バルタンに乗り移られたアラシから「君の宇宙語はわかりにくい」といわれたことへのオマージュでしょう。しかし、人間が「わかりにくい宇宙語」って言いますか?それにしても、平成になって、宇宙人たちはよく日本語を勉強して地球に来てくれたものだ(?)と思いますね…

*6:地球人の知らないことを、宇宙人が知っている、という展開は、80でユリアンが、宇宙の話を思わず口にしてしまったことがあります。他のヒーローでは、スペクトルマンが、宇宙のことを知っていて不思議がられる描写がありました。

*7:宇宙人と町を行く場面は、初代マンザラブ星人の例がありますが、シルバー仮面では、商店街の、ホント、ど真ん中でシルバー仮面と宇宙人が格闘した話があります(これ、シュールですごいですよ!)。

*8:ウルトラマンが人間体の時に超能力を使う例は多くありましたが、仲間に不振がられる展開はほとんどなかったのです。ルーキーならではのミスか?

*9:地球のご馳走をウルトラマン人間体が知らないというのも多分初めて。先輩と比べて勉強不足だぞ、ミライ君!

*10:セリザワ隊長役の石川真さんは、ガイアにも出ていましたが、それ以前にビデオ作品「真・仮面ライダー・序章」(92年)で主役をしています。ウルトラマンからライダーになった例は3人(アグル→ライア→The First2号、ネオス→タイガ、ネクサス・ジュネッスブルー→ザビー)ありますが、ライダー→ウルトラはこれが初めてです。

*11:かつて、タロウで、ZATは戦闘機を落してばかりで、防衛予算が破産する、と揶揄されたのですが、メビウスでは、ビルの復興で予算が足りなくなるのでは。阪神・淡路大震災の被災地として、他人事ではありません!

*12:この、翼を使って食べてしまう場面は、食虫植物のハエトリ草が、虫が中に入ると羽根を閉じるようにして捕食してしまう例に似ています。…と言うより、ウルトラマン、いやヒーローを食べようとする敵、という設定もほとんど前例がありません(エヴァンゲリオンで、初号機が敵を捕食するシーンがありましたが)。

*13:これは第1話で、町を壊してリュウに怒られたメビウスならではの、ツルギへの怒り。ガイアとアグルの確執とは大きく異なります。ウルトラマンがウルトラマンに文句を言うのも面白い。

 しかし…ウルトラマンが直接、人間に変身しているのは過去にセブン、レオ、80の3人ですが、地球防衛のために派遣されたのは80のみ、セブンは恒点観測員、レオは地球への亡命で、地球のことをそれほど勉強してきた?わけではないのに、ボロは出さなかった?のに、メビウスはいろいろばれそうになる…やはり、ルーキーゆえの不慣れでしょうか?

番組クレジット《エンドロール》は、管理人のレポートページにてご紹介しています。

管理人レポートページ(1) ⇔マニアレポートページ(2)

メビウスベルトTOP▲