ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラマンメビウス第9話「復讐の鎧」ウルトラマニア考察】

ウルトラマンメビウス第9話「復讐の鎧」」【ハード編マニア考察】

【メビウスライター 帰りマン&ティガ命】

シリーズ構成:赤星政尚、設定考証:谷崎あきら、脚本:長谷川圭一、監督:小原直樹、特技監督:菊池雄一

前回のリプレイ:メビュームシュートを浴び、ボガールは爆発・消失。傷ついたツルギも苦しそうに消失。 倒れているセリザワ(石川真)に駆け寄るミライ(五十嵐隼士)。 だが、セリザワは、「俺に干渉するな」と言い、ミライを攻撃する。セリザワは、ミライにボガールとの因縁を語る。

セリザワ(ツルギ)の回想:平和で高度な知性を持つ惑星 アーブの生命体たち・・ツルギはそんな惑星アーブを監視していたが、 ある日突然現われたボガールにより、惑星アーブの生命体たちは捕食され、滅んでしまう。 何も守れずに悔しがるツルギ(鎧が無い元のウルトラ戦士の姿)に、地面から憎しみ(怨念) のエネルギーが湧き出てきて、次々とツルギに注ぎ込まれる。ツルギの体に憎しみ(怨念) のエネルギーに包まれた鎧が装着され、ハンターナイトツルギの姿となった。ツルギはボガールへの復讐を誓った。

地球の人間の命を粗末にするツルギを責めるミライに対して、セリザワ(ツルギ)は、 「人間などアーブの生命体に比べると取るに足らない下等な生命体だ」と冷たく言う。 しかも自分にはもう時間がない、と言う。

基地に戻ったGUYSのメンバーたち。テッペイ(内野謙太)はボガールがまだ生きていることを皆に告げる。 モニター画面には、爆発の寸前に脱皮するようにして高速で逃げだすボガールの姿が・・。 モニター画面からミサキ ユキ(石川紗彩)が、ボガールの体内エネルギーが捕食により増幅し、 ボガールの体内エネルギーに引火すると、爆発による被害は半径100kmの広範囲に及ぶと告げた。

ツルギによるボガールへの攻撃を心配するジョージ(渡辺大輔)。リュウ(仁科克基)は外へ出ていこうとし、 最近のリュウの様子を心配するジョージと喧嘩になる。二人を止めに入ったコノミ(平田弥里)を突き飛ばすリュウ。 コノミは倒れ、ミライがコノミのところに駆け寄る。 リュウは、あの人に喜んでもらえなければGUYSで頑張る意味などない、と言い、外へ出てしまう。

サコミズ隊長(田中実)は、追いかけようとするミライを制止し、「後を頼みます」とマル補佐官秘書(まいど豊) に言い、自らリュウの後を追う。マル補佐官秘書の後ろにいたトリヤマ補佐官(石井愃一)は、「私は?」と言い、 自分じゃないの?という顔をする。

外に出たリュウの前に現われたセリザワ・・セリザワ(ツルギ)はリュウに、地球で活動するためにセリザワの体を入れ物と し て使っていることを告げる。 セリザワ隊長の体を返せ、と言いながらセリザワ(ツルギ)に向かっていくリュウ…互いに武器を手に取り、 にらみ合う両者。

お前には撃てない、というセリザワ(ツルギ)に対して、そこに現われたサコミズ隊長は、 「君にはできるのか?君にその若者を傷つけることはできない。」と言う。

その時、サコミズ隊長に、2体の怪獣(グドンとツインテール)が現われたという連絡が入った。 トリヤマ補佐官が代わりに「GUYS、サリーゴー!」と言い、出撃するGUYSのメンバーたち。グドンとツインテールが戦いを繰り広げている場所で、謎の女(小山萌子)がボガールに変身する。セリザワ(ツルギ)も、ボガールの気配を察知して姿を消す。

どうすればいいんだよ、と叫んでうずくまるリュウに、「今のGUYSは本当に意味ないのか。まだ短くても、お前にとって彼らと過ごした時間は本当に意味のないものだったのか。」と諭すサコミズ隊長…リュウは決意をあらたにし、出撃する。

ボガールは、グドンとツインテールを次々と捕食。マリナ(斉川あい)、ジョージ、ミライは空中からボガールを攻撃し、 テッペイとコノミは地上でミクラスを出現させる。ミクラスの電撃攻撃でボガールは倒れるが、ボガールは 脱皮してボガールモンスへとパワーアップ・・ボガールモンスは地上のテッペイとコノミに襲いかかる。 二人の危機に、ミライはメビウスに変身。メビウスはボガールに捕食されそうになるが、 そこにリュウのガンスピーダーからの攻撃が・・メビウスは何とか脱出する。 リュウは「そんなにでかい図体で何してる」などと例によって大声で叫ぶ。

リュウの復帰を喜ぶ他の隊員たち・・メビウスはボガールモンスを圧倒し、叩きのめす。 動けなくなったボガールモンスを持ち上げ、 安全な場所へ運ぼうとするメビウスだが、気配を察してボガールモンスを投げ飛ばす。そこにツルギが放ったビームが・・

ボガールを何が何でも仕留めようとするツルギと、地球の生命を守ろうとするメビウスは、激しくブレードで戦う。 メビウスのブレードは折れ、メビウスは倒れる。ツルギは横たわっているボガールモンスに止めを刺そうとする。 「止めろ」と叫ぶリュウ・・

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メビウスベルト

ウルトラマンシリーズとのここが注目のリンクポイント!

1.スターマーク:ハンターナイトツルギの正体は青のウルトラ戦士であることがわかり、その元の姿も明らかになりましたが、胸のスターマーク(丸ポッチ)はゾフィーを思わせます。ゾフィー以外にスターマークがある戦士といえば、レオとアストラ?(カラータイマーの周り)、ウルトラの母、チャック(ウルトラマンUSA)があげられます。

2.復讐:ウルトラ戦士たちが卑劣な相手に憎しみを覚えることは決して少なくはないのですが、大切なものを失い、「復讐」というくらいの強い憎しみの気持ちを持った例としては、帰りマン(対ナックル星人・37話)、レオ(対マグマ星人・1&2話)、ネクサス(ナギ:対ダークザギ・最終話)があげられます。しかしながら、強い憎しみの気持ちで戦う時は、いい結果にならないようで、帰りマンは敗れて捕えられ、レオは苦戦し、ダン(セブン)の念力にかろうじて助けられ、ネクサス(ナギ)も身動きできなくなってしまいました。

3.憎しみのエネルギー:憎しみのエネルギー(怨念)が地面から湧き上がり、ツルギの体に注がれましたが、このシーン、劇場版ティガで古代の戦士たちから光が湧き上がり、ティガに注がれるシーンによく似ています。しかしながら、ティガに注がれた「光」とは異なり、「憎しみのエネルギー(怨念)」というのは悲しいですね。

4.鎧:鎧を身に着けたウルトラ戦士といえばコミック(内山まもる氏)の「ザ・ウルトラマン」のメロスがありますが、TV版でも「アンドロメロス」があり、ゾフィーが鎧を身に着けていたこともあります。もっとも、同じメロスであっても、内山まもる氏のものとTV版は別のキャラクターのようです。ただし、ツルギの場合はメロスのものと異なり、強い憎しみのエネルギーに覆われています。

5.青の戦士:ツルギは青の体をしたウルトラ戦士ですが、M78星雲出身なのでしょうか?M78星雲に青の戦士がいるという話は聞いたことがありません。コスモスも青の戦士ですが、出身は明らかになっていません。もっともコスモスの場合は、出身を知らない方が神秘的でいいのかもしれません。

6.人間の命に対する考え方(ジャスティスとの比較):メビウスとツルギの関係については、 どうしても赤と青の配色でガイアとアグルの関係を連想しますが、むしろ今回は、 コスモスとジャスティスの関係を思い出しました。劇場版でジャスティスは、人間について 「守る価値もない」と言い切ります。 (少女との出会いなどによって、徐々にジャスティスの考え方も変わっていくのですが・・)この考え方、 今回のツルギとニュアンス・意味は違うものの、人間の命をさほど重要と考えていない点では共通しています。(アグルの場合は、中盤前後で「人間が地球に害をもたらす」という考え方だったので、またちょっと違いますね。)

7.人間の体の利用:今回、ツルギとセリザワの関係も明らかになりました。 宇宙人ウルトラマンが人間の体を借りることは、これまでも多くありましたが、 普通は元の人間の意識もありました。 私が覚えている唯一の例外は、初代マンで、 最終回にハヤタと分離した後、ハヤタはウルトラマンだった時の記憶が全く残っていませんでした。

このことから、テレビで見ていたハヤタ(第1話合体後〜最終話分離まで)は、実はずっと初代マンの意識で行動していたのでは?と考えてしまいます。今回のツルギと合わせて考えると、ウルトラマンにとっては、体を借りている人間の意識を尊重することも、乗っ取ることも両方可能と推察できます。(正直、ゾッとします。) ※帰りマンの郷(エースの北斗も?)などは、ウルトラマンと人間の意識が徐々に一体化したように見えます。

次に怪獣の方へ移ります。

8.爆発の危険:今回のボガールのように大爆発の危険がある怪獣の例としては、 やはり初代マンのレッドキングを思い出します。初代マンの25話で水爆を飲み込みました。 (マックスでも似たような設定でしたね。)映画では「VSデストロイア」のゴジラですね。 メルトダウン寸前のゴジラ・・何だか可愛そうでした。

9.惑星を死滅させる存在:古くは金星を全滅させた映画のキングギドラに始まり、多くの破壊型の怪獣が来ました。マックス28話のルガノーガーも記憶に新しいのですが、劇場版コスモス2のサンドロスも強く印象に残っています。(コスモス3のギガエンドラや各種グローカーもそういえばそうですが…^^;)今回のボガールもたちが悪いですね。

10.脱皮して進化する怪獣:今回、ボガールが脱皮のようにしてボガールモンスへと変化しましたが、こうした変化の例として、ダイナ36話でのジオモスからネオジオモスへの変化があげられます。

11.グドンとツインテールの戦い:ご存知帰りマン5・6話の再現です。グドンの足(帰りマンでは尾)に噛み付くツインテール…そのツインテールもボガール(帰りマンではグドン)に地面にたたきつけられてしまいますが、似たように再現されています。(メビウスは、過去を思い出させるシーンが多く散りばめられていますが、こうした微妙な違いもあります。)

最後に隊員について

12.戦線離脱した隊員の復帰:今回、リュウが職場放棄のような形で飛び出しますが、復帰した時には仲間が暖かく迎えます。劇場版ティガ&ダイナのアスカの戦線復帰のシーンに似ています。

ウルトラマンマニア考察

1.何のために戦うのか?(その1:ツルギについて) ツルギがボガールを追いかけているのは、ずばり「復讐」のためです。しかしながら、復讐のみが目的であり、そのためには地球の人々の生命など全く気にしていません。地球の人々に自分が守れなかった星の人と同じような苦しみを与えたくない、などとは全く思っていません。このツルギですが、回想シーンで何もできずに悔しがる様子が見られました。このことから、元々は心優しき戦士だったことがうかがえます。ツルギがかつて持っていたような優しい心を取り戻せる日が来るでしょうか。

2.何のために戦うのか?(その2:リュウについて) 一体、リュウは何のために戦っているのでしょうか?ただセリザワ前隊長に認めてもらえるような活躍をすることしか頭にないのでしょうか?地球を守るというのも、誰かに認めてもらいたいのが理由なのでしょうか?今回のGUYSのメンバーの中で、何のために戦っているのかが一番わからないのがリュウです。自分の思う通りにならないからといって、暴言を吐いたり、コノミを突き飛ばしたりすることが許されていいわけはありません。今回のリュウの態度は、前話で優しさを見せていただけに非常に残念でした。(せめて、リュウが謝罪するシーンくらいは入れて欲しかったです。)

3.何のために戦うのか?(その3:他の隊員たち、そしてネクサス) 第3話のレポで書きましたが、他の隊員たちは助けが必要な人を放っておくことができずに、自分の夢を犠牲に してまでGUYSの一員となりました。彼らの行動には心打たれるものがあります。それは、ネクサスのテーマと 相通じるものがあります。ネクサス34話の中で、水原沙羅はこう言っています。「恐怖を乗り越えるために必要な想い、それは憎しみなんかじゃない。それは、人を愛する心、人を慈しむまなざし…」この沙羅の言葉の中に時代や世界観の設定の違いを超えたウルトラの原点を見ることができ、ミライ、マリナ、ジョージ、コノミ、テッペイに引き継がれています。

4.人物ウォッチング(第6話レポに続いて)

(1)トリヤマ補佐官 お役所的で自分の責任を気にするトリヤマ補佐官ですが、結構うけていると思います。(笑)一見、ダメな人間のように見えますが、今回の「GUYS、サリーゴー」の号令や、メテオール発動時に号令をかける時などは、結構力強さも感じられます。ダメそうに見えて、実はここ一番で体を張り、力を出せるタイプなのかもしれません。

(2)コノミ 一見、弱そうに見えて、ここ一番で勇気を出せるタイプですね。今回も一触即発の怖いお兄さん二人の間に入りましたが、なかなかのものです。そして、もちろんマリナに負けないくらいの優しさを持っています。ミクラスの担当となり、前線に出ることも多くなりそうですが、今後の活躍が期待されます。

(3)サコミズ隊長 これまではほとんど前面に出ず、優しい顔で見守っていましたが、今回リュウを説得する場面は感動的でした。人気度・好感度アップにつながったと思います。また、補佐官を報告書作成で丸めこんだりして、結構調整能力もあります。

5.全体を通して 今回はとにかくハードな展開だったし、場面が場面だっただけに見ていて辛くなることも多くありました。正直言って、 リュウの描き方には賛成できる部分と賛成できない部分があります。 (「熱血」は良いとしても「乱暴」は許されるものではありません。) リュウの爆弾発言・問題発言がやけに目立つのですが、これまでの話をじっくりと見ると、 それに負けないくらい他の隊員たちの優しさが見られます。こうした優しさの部分を大切にして欲しいと思います。

番組クレジット《エンドロール》は、管理人のレポートページにてご紹介しています。

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