ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【映画ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟マニア考察】

映画ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟マニア考察

ウルトラ兄弟への敬意と、メビウスに対する愛情が溢れた素晴らしい映画、 それが「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」です。

これは、 昭和40年代に小学館の学習雑誌の記事に心躍らせた者にとって最高の贈り物といえる映画ですし、 今の子供たちにとっても素晴らしい映画である。そう僕は確信しています。

90分少しの上映時間中、テンポよく進むストーリー。そしてウルトラ兄弟とメビウスの大活躍! この映画には、久しぶりに時間を忘れて見入ってしまいました。 冒頭の月面での戦いからラストの神戸空港での戦いまで、ダレることなく一気に見せてくれます!

この映画ではウルトラ兄弟の魅力が存分に描かれており、第二期ウルトラシリーズを見て育った人間は そこに感激させられます。

70年代末から80年代にかけて訪れたウルトラブーム、ファンが「第三次ウルトラブーム」と呼ぶそのブームは、 独特の熱気を持つものでした。 このブームは当時の青年層から発生したものであり、 幼い頃にウルトラシリーズを見て育った彼らが「ウルトラシリーズ」 の豊かな内容を再評価しようという性格を持つものでした。

この点は、これ以前のウルトラブームと大きく異なるものといえます。 このブーム以前の特撮関係の出版物は「怪獣図鑑」の類に留まっていました。しかし、 このブーム以降は青年層を意識した出版物も多数出版されることとなりました。

各シリーズの企画段階から映像化に至る経緯を追ったり(今日で言う『メイキング』的な内容です)、 評論的な内容の書籍が出るようになったのはこの頃からのことです。

このような出版物は、特撮系の同人誌を出していたファンが、その編集手法を商業誌にフィードバックしたものでした。 それらの出版物のツボを押さえた内容に、当時のファンは喚起しました。 そして「ウルトラ」や「ゴジラ」といった特撮ものを語るファンの状況は大きく変化します。

それらは、情報に飢えていた特撮ファンの「もっと知りたい」 「もっと語りたい」という要望に応えるものだったのです。 このブームの中、新たな目で「ウルトラ」に触れた、かつて少年だったファンの多くは 「未だ社会的な評価が低い『ウルトラ』に代表される特撮ものの地位を高めたい」 という悲願にも似た想いを抱いたものでした。そして、僕もその一人でした。

「ウルトラは大人の観賞に耐えるものだ」、そう信じ、 そのことを他者にも知らしめたいという思いを持つファンは多かったのです。 それ故に、ウルトラシリーズの中でも「テーマ性」 を前面に押し出したエピソードは、マニアなファンに高く評価されました。テーマ性以外にも、 ウルトラは様々な魅力を持っています。「爽快感」や「ウルトラマンや怪獣のかっこよさ」「絵的な面白さ」等々…。

しかし、このような流れの中、作品を評価するにあたり「テーマ性」や「SF性」 といった部分を重視する傾向が見られたのです。

そのような状況の中「帰ってきたウルトラマン」から「ウルトラマンレオ」 までの第二期ウルトラシリーズの評価はやや低いものでした、「第二期ウルトラシリーズは、 『Q』から『セブン』までの第一期シリーズと比較すると一段格下である」と評価されることが一般的だったのです。

そして、第二期ウルトラを構成する大きな要素「ウルトラ兄弟」の設定は、このような流れの中で、 芳しいものではありませんでした。

ウルトラ兄弟の設定には功罪あったはずです。しかし、この頃の批評では、 その「罪」の部分がクローズアップされてしまったのです。 ウルトラ兄弟の設定については、「ウルトラマンの神秘性を損なった」 「過去のウルトラマンを、現役ヒーローの引き立て役として用いた」「ウルトラシリーズの子ども番組化を推進した」等、 しばしば否定的な論調で語られました。

第二期ウルトラシリーズにおける「ウルトラ兄弟」の設定と描写に、そのような側面があったことは決して否定できません。 しかし当時は、そのような「罪」の部分のみが多く語られてきました。

しかし第二期ウルトラシリーズを見続けてきた者は、ウルトラ兄弟の持つ「功」の部分、 その魅力を決して否定できません。 それは、画としての華やかさ、絶体絶命の弟分を救う姿に見られる頼もしさ、そこから生まれる高揚感でした!

昔話が長くなりました。 21世紀に入った今、映画「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」は、そのようなウルトラ兄弟の 「功」の部分を見事に描き出すものでした!そして、 それは正に「ウルトラ兄弟の復権」と言える見事な内容に仕上がっていました!!   

この映画で感動させられるのは、地球に留まった四人のウルトラ兄弟が変身を決意する場面です。 この直前の四人の会話にはうならされます。 テレビ版での人間体のキャラクターを継承した各人のセリフ…、中でも北斗星司の「熱さ」には涙がこぼれました。

さて、テレビ版のキャラクターが巧く活かされているのはウルトラ兄弟だけではありません。 敵役となる宇宙人軍団も、その能力と性格はテレビ版の設定を引き継いでいます。

変身能力を駆使し、単なる破壊活動に留まらず「メビウスに対する精神攻撃」とも言うべき卑劣な作戦を展開するザラブ星人。 ウルトラ兄弟の「ピンチの象徴」とも言うべき「画」を、再び21世紀のスクリーン上に描いてみせたガッツ星人。 メビウスの心を乱すことで作戦を成功させんとするナックル星人。 ウルトラ戦士の出現を促す言葉をわめきながら、光の鞭を振るい街を破壊するテンペラー星人。 彼らを凌駕する悪辣さと狡猾さを実感させてくれるヤプール!

往年のファンをも納得させずにおかない、ツボを押さえた演出が心憎いです。 そして、これら宇宙人連合の策略が単なる力押しではなく、心理的な攻撃にもなっていること。 ウルトラ戦士の優しさを突いた卑劣さであることが彼らの憎らしさを強調しています。

やはり、敵役は憎たらしく描いてくれることが重要です。しかし、 ちょっと詰めが甘かったり自滅っぽい最期を遂げるヤツがいるのもご愛嬌かも?この辺りは、 ジェームズ・ボンドの敵役と共通したテイストすら漂わせており、そのような意味でも彼らは正統的悪役といえるでしょう。

さて、音楽もこの映画を存分に盛り上げています。この映画の様々な場面で聴かれる各ウルトラ兄弟の旋律には感動させられます。そして、それらの流れるタイミングが本当に絶妙なのですよね。各ウルトラ戦士のモチーフや、オーケストラアレンジされた往年の名曲「ウルトラ六兄弟」、さらには、テレビ版メビウスの劇伴も担当されている佐橋氏による「ウルトラ兄弟のテーマ」!この「ウルトラ兄弟のテーマ」は、メビウス・ソングコレクションに収録されている”HEROS”という歌の旋律をアレンジした曲です。ウルトラ戦士の誇りと想いを歌った”HEROS”を聴いて、この映画を見れば、さらにこの映画が味わい深いものに なると思います。

長々と書きましたが、この映画の素晴らしさは、直球勝負で面白いドラマを見せてくれたことに尽きると思います。子どもたちも、大人も楽しめる。この映画は、特撮作品をいろいろな理屈で見るようになってしまったマニアまでをも泣かせてしまう、凄い出来の映画です。実はこの映画、粗やツッコミどころを述べればいくつかあります。しかし、 それらを些細なこととして吹き飛ばしてくれる勢いと面白さに溢れています!「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」は、自分のような擦れた大人のファンの胸に迫るものを持っています。 あの頃子どもだった我々は、ウルトラマンの姿から様々なことを教わりました。

そして、この映画を見終わった時、約四十年の時を経た今でも彼らと我々の関係は全く変わらないことを実感させてくれました。 メビウスを諭したウルトラ兄弟は、我々に対しても大切なことを教えてくれました。それは「他者のために何かを為すこと」であり「あきらめないこと」でした。それを、ウルトラ兄弟は身をもって我々に示してくれています。その、四十年前と全く変わらない英雄たちの姿は、我々に忘れかけていた何かを思い出させてくれる清々しさに満ちたものでした。

このようなストレートな映画を、ウルトラマン四十周年の年に見れたことは本当に嬉しいことです。 このように素晴らしい映画を見せてくれた円谷プロダクションの全てのスタッフに感謝したいと思います。 本当に、ウルトラのファンでよかったと思える映画でした。次なる五十周年の年に向け、 円谷プロダクションとウルトラマンの更なる飛躍を、一ファンとして願ってやみません。
ありがとう、ウルトラ兄弟!!(文T2-0)

映画ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」エンドロールクレジット

キャスト【役 名・俳優名】

ヒビノ・ミライ【五十嵐隼士】ハヤタ【黒部進】モロボシ・ダン【森次晃嗣】郷秀樹【団時朗】北斗星司【高峰圭二】ジングウジ・アヤ【いとうあいこ】タカト【田中碧海】アイハラ・リュウ【仁科克基】イカルガ・ジョージ【渡辺大輔】カザマ・マリナ【斉川あい】アマガイ・コノミ【平田弥里】クゼ・テッペイ【内野謙太】サワミズ・シンゴ【田中実】

ウルトラマンメビウス/インフィニティー【長谷川恵司】初代ウルトラマン【相馬絢也】ウルトラセブン【渡辺勝彦】帰ってきたウルトラマン【梶本明志】ウルトラマンエース【矢部敬三】ウルトラマンタロウ【小林峻】ウルトラマンゾフィー【福田大助】星人&怪獣スーツアクター【永田朋裕】【中村博亮】【末永博志】【伊藤慎】ニセウルトラマンメビウス【荻野英範】

【創叡】【舞夢プロ】【レッドアクションクラブ】【キャスタッフ】【ワイズプランニング】【Reve】【CAPS】【内田芸能社】【松竹芸能】【神戸市民のみなさん】 【柳原哲也】【平井善之】【アメリカザリガニ】【マッスル力也】【風さやか】【岡崎栄一】【大森万梨乃】【豊嶋茂】【内藤ゆかり】【森重純子】【森重喜一朗】【森重太二朗】【森重万衣子】【渡辺亮】【渡辺恵美子】【渡辺恵】【渡辺泉】【神林芽久美】【神林大凱】管制官の声【洞内秀】【多田あやか】

ゾフィーの声【田中秀幸】タロウの声【石丸博也】ザラブ星人の声【青野武】ガッツ星人の声【ピストン西澤】ナックル星人の声【中尾隆聖】テンペラー星人の声【郷里大輔】ヤプールの声【玄田哲章】

《友情出演》
【桜井浩子】【ひし美ゆり子】【星光子】【池田駿介】 神戸市長(松永)【堀内正美】女性秘書(ミドリカワ)【山田まりや】ボートライナー助役(コウダ)【布川敏和】広川さん【風見しんご】

《特別出演》
【氷川きよし】

―スタッフ―

監修【円谷一夫】 製作【大山茂樹】【川城和実】【柴崎誠】【仲田隆司】【秋山創一】【庄野久】【板橋徹】【横田清】【原裕二郎】【関一郎】 チーフプロデューサー【鈴木清】プロデューサー【久保聡】【竹中一博】【伍賀一統】【山西太平】【武藤博昭】【寶諸明】【丸澤滋】【岡ア剛之】【小林啓宜】脚本【長谷川圭一】撮影【高橋創】照明【和泉正克】 美術監督【大澤哲三】美術デザイナー【稲付正人】録音【浦田和治】音響効果【岡瀬晶彦】【中村翼】【小林直人】操演【根岸泉】助監督【日暮大幹】殺陣【車邦秀】編集【松本朗】スクリプター【山内薫】キャスティング【安藤実】製作担当【松野拓行】 音楽【佐橋俊彦】音楽プロデューサー【玉川静】音楽ディレクター【熊田和生】製作【コロムビアミュージックエンタテイメント】【円谷ミュージック】 「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」製作委員会

【円谷プロダクション】【バンダイビジュアル】【バンダイ】【バンプレスト】【電通】【電通テック】【ディーライツ】【小学館】【中部日本放送】【松竹】 CGI監督【板野一郎】 監督・特技監督【小中和哉】

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