ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラマンメビウス外伝】

ウルトラマンメビウス外伝 ヒカリサーガ SAGA1「アーブの悲劇」

【メビウスライター 帰りマン&ティガ命】

シリーズ構成:赤星政尚、設定考証:谷崎あきら、脚本:小林雄次、監督:菊池雄一

青い体を持つ一人のウルトラマンらしき者(声:難波圭一)が惑星アーブに向かって飛んでいた。 彼こそが、後に一人の地球人によって「ウルトラマンヒカリ」と名付けられる存在であった。

惑星アーブは、何万年もの間、争いもなく繁栄し続けている奇跡の星で、 彼はその謎を解明するために輝く大地に降り立った。

惑星アーブの空は青く澄みわたり、大地には数多くのクリスタルが輝いていた。

彼の目の前に数多くのクリスタルが集まり、間隔を空けながら浮遊し、巨人のような形を作った。

「何者だ」とたずねる彼に、そのクリスタルの集合体(声:小倉優子)は優しい声で「我々はアーブ・・・」と答えた。

アーブの生命体は進化の過程で多くの同胞たちと融合し、澄みきった大地もアーブの一部であった。 「なぜ私に語りかけたのです」と尋ねる彼に、 アーブは「あなたの中に我々と同じ澄んだ心を感じたからです」と答えた。

そしてアーブは彼に光の国の宇宙警備隊の一員では?と尋ねたが、彼は科学者であり、彼らのような力はない、と答えた。 (この時、ゾフィー、初代マン、セブン、帰りマン、エース、タロウ、レオ、80の姿が映し出される。)

「故郷が恋しくなったのですか?」と尋ねるアーブに、彼は、 「いいえ、考えていたのです。宇宙にどれほど多くの星が輝こうと、アーブの輝きにはかないません。 私はこの星であなたと共に生きます。」と答えた。

しかし、アーブはツルギ(アーブの大地に宿る者)の予言で、 アーブがやがて巨大な影(ボガール)によって滅ぼされてしまう運命にあることを伝え、 彼にアーブの星から去るように告げた。

アーブは「天空より舞い降りし勇者、光の鎧をまとい、アーブの大地と一つにならん。」 というツルギの予言の一節を語り、勇者が現われるのを信じて待ち続けると彼に告げた。 それを聞いた彼は、自分がその勇者になるとアーブに告げ、ある星へ飛んでいった。

その星にはローブを身にまとい、顔を隠した一人の老師(声:外島孝一)がいた。 不可能を可能にする伝説の超人に会いたいという彼に、老師は急に発生した嵐を鎮めよ、という課題を与える。

彼は気を集中させ、両手から天空へ光を放ち、見事に嵐を鎮めた。澄みわたる空・・彼が振り返ると、 そこにはウルトラマンキング(声:清川元夢)の姿が・・キングは彼に、 いつか地球でお前もウルトラマンと呼ばれる日が来るかもしれない、と告げ、彼に武器(ナイトブレス)を与えた。

そして、澄んだ水ほどにごりやすい、この空のように澄み切った今の心を忘れるな、と忠告する。 右手にナイトブレスを装着した彼は、キングに礼を言い、再び惑星アーブへと向かった。

惑星アーブに戻った彼が目にしたのは、ボガールの攻撃で焦土と化したアーブの大地であった。 ボガールに立ち向かおうとする彼をかばうように、アーブの生命体たちがボガールに電撃攻撃を加える。

だが、逆にアーブの生命体たちはボガールに捕食されてしまう。怒りと憎しみに燃える彼は、ナイトビームブレードを出す。 キングは、力を使ってはならない、怒りと復讐心で力を使うと心を滅ぼす、と遠方からテレパシーで制止する。

彼はその制止を振り切り、ボガールと戦う。彼はボガールの光弾を浴びながらも、ブレードショットをボガールに放つ。 ボガールは姿を消す。

何も守れず悔しがる彼は、滅び去った者たちの無念の声・怨念の叫びを聞いた。

大地から怨念のエネルギーが次々と彼に注ぎ込まれ、彼は復讐の鎧を身にまとった。 ハンターナイトツルギとなった彼は、復讐を果たすことが自分に課せられた使命だと理解し、心を捨てた。

ボガールを追い、星々を渡り歩きながら(ファントン星にも立ち寄る)、彼はボガールの名前と、 ボガールが多くの星を滅ぼしていたことを知った。

彼はボガールの次の餌場である地球へ向かった。 その時、彼はまだキングが言っていた「ウルトラマン」の意味を理解していなかった。

過去のウルトラ作品とのリンクポイント

1.ウルトラマンキング

彼(ヒカリ)にナイトブレスを渡したのは、ウルトラマンキングです。伝説の超人で、レオに登場し、 数々の奇跡を見せてくれました。

レオ26話では、プレッシャー星人によって小さくされたレオを元に戻し、 39話ではアストラに化けたババルウ星人の正体を暴き、50話ではバラバラにされたレオを復活させるなど、 すさまじい能力を見せてくれました。

このキングですが、レオでの登場時はそれまで誰も見たことがない、という設定であり、 実は姿を見せるのは相当珍しいようです。

2.彼(ヒカリ)の能力と宇宙警備隊の戦士たち

彼は、これまで地球にきたウルトラ戦士たちとは異なり、科学者であり戦闘能力が低かったことが判明します。 このことから、光の国の者が必ずしも高い戦闘能力を持っているものではないことがわかります。

やはり宇宙警備隊のメンバーたちは戦闘能力という点では優れており、 今まで彼らに守られてきた地球は運が良かったと言えます。

3.ナイトブレス(強化アイテム)

彼(ヒカリ)はナイトブレスを受け取り、メビウスも1話でウルトラの父よりメビウスブレスを受け取りますが、 強化アイテムとしては、帰りマンのウルトラブレスレット、タロウのタロウブレスレット・キングブレスレット、 レオのウルトラマント、マックスのマックススパーク・マックスギャラクシーがあげられます。

ウルトラマンマニア考察

1.彼(ヒカリ)とアーブの触れ合い、そして優しさ

彼はアーブと触れ合い、その美しさと澄んだ心に魅せられ、故郷を捨てても共に生きたいとまで思います。 これが恋愛感情のようなものかどうかは、何とも言えませんが、 彼にとってアーブは非常に魅力的で、大切な存在であったことは確かです。

そして彼自身も澄んだ心を持ち、優しい心の持ち主であることがわかります。 純粋に大切なものを守りたいという気持ちがあったからこそ、キングもそれを感じ取り、ナイトブレスを渡したと言えます。

*アーブの声は、アイドルの小倉優子さん。なかなかいい雰囲気が出ていました。

2.光と闇

かけがえのない大切なものを奪われた時に、ウルトラマンたちにも人間同様、 強い怒りや憎しみを感じる時があります。

ナックル星人に対する帰りマン(37・38話)や、マグマ星人に対するレオ (1・2話)などが、その例としてあげられます。

今回も、彼(ヒカリ)の怒りや憎しみの感情は本当によくわかります。 この怒りや憎しみの感情ですが、ネクサスでは闇につながる、としており、最終話で憎しみの感情に溢れたナギが、 闇に捕えられてしまいます。

今回キングが彼(ヒカリ)を制止しようとしたのも、全く同じ理由からです。 もっとも目の前にボガールがいるのに、戦うな、というのも無理があると思いますが・・^ ^;

逆に「大切なものを守りたい」という気持ちが光につながるとすると、 今回の彼の心は、まさに光と闇の間を行き来していました。

3.心は簡単には捨てられない

彼が「心を捨てた」と言っている「心」とは一体何でしょうか?復讐の鎧を身にまとった彼が捨てた心とは、 ずばり「優しさ」だと思います。 でも、それは本当でしょうか。心は簡単には捨てられない・・後に、ミライがずばりと指摘します。 彼がアーブの前で見せた優しさ・・簡単に捨てられるわけがありません。

ティガ47話でサヤカという女性がこんな言葉を残しています。「確かに誰の心にも闇はある。 でも、光だってある。」・・彼(ヒカリ)が心の中の闇を追い払い、優しさや心の中の光を取り戻すことができるでしょうか。

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