ウルトラマンメビウスのファンサイト・メビウスベルト【ウルトラマンメビウス最終三部作V「心からの言葉」マニア考察】

ウルトラマンメビウス最終三部作V「心からの言葉」マニア考察ハードバージョン

【メビウスライター 帰りマン&ティガ命】

シリーズ構成・脚本:赤星政尚、設定考証:谷崎あきら、監督:佐野智樹、特技監督:原口智生

最終話マニア考察

1.あきらめない心

リュウと同化したヒカリのピンチに、戦える状態ではないのに変身したミライ・・しかしながら、メビウスはエンペラ星人の圧倒的な威力の光線を浴びて消滅・・この絶望的な状況にGUYSのメンバーたちは希望を失いかけます。そんな彼らを励ましたのが、エース(北斗)、帰りマン(郷)、セブン(ダン)、初代マン(ハヤタ)でした。かつてどんな苦難にも負けずに戦い抜いた彼らの言葉は、再びGUYSのメンバーたちに希望の光を与えました。まさに「あきらめない心」がバトンパスのように引き継がれた瞬間でした。

「あきらめない心」・・過去のレポでも書かせていただきましたが、まさに時を超えて引き継がれているウルトラの永遠のテーマです。しかしながら、実際にはこれを持ち続けるというのは、本当に大変なことだと思っています。「最後まであきらめずに不可能を可能にする・・」このメッセージ、心に刻みたいと思います。

2.隊員たちとの合体

最初にリュウがヒカリと合体した時には、本当に驚きました。ヒカリと合体していたセリザワ前隊長からリュウに託された言葉・・もしかしたら、2つの命のうち1つは・・などと考えてしまいました。

また、メビウスの新形態(メビウスフェニックスブレイブ)ですが、過去にウルトラ戦士同士が合体した例としては、ウルトラ6兄弟(タロウ25話)、コスモス&ジャスティス→レジェンド(劇場版コスモスVSジャスティス)、メビウス&ウルトラ6兄弟(劇場版メビウス&ウルトラ兄弟)があげられますが、さらに防衛隊の隊員たちまでが一緒になったのはまさに初めてで、メビウスフェニックスブレイブの「フェニックス」という言葉はGUYSのメンバーたちとミライの絆の象徴といえます。そして、ヒカリもまた、仲間の一人でした。

補足:メビウスフェニックスブレイブが放ったメビュームナイトシュートという光線技・・十字とL字の両方があるのは、史上初らしいです。(近いものとしては帰りマンのスペシウム光線&シネラマショットがあります)

3.人間にできること

42話でタケナカ最高総議長がサコミズ隊長に渡したカード基板・・ファイナル・メテオールは何と、スペシウムエネルギーを増幅できる装置でした。ウルトラマンたちにただ任せるのではなく、自分たちも共に戦いたいという究極の兵器でしたが、あのエンペラ星人たちに対しては何もできないと思われた人間たちが、まさに意地をみせた形となりました。メビウスやヒカリと一体になったGUYSのメンバーたち・・そして、ファイナル・メテオール・・人間たちがウルトラマンと共に頑張る姿は嬉しいものがありました。

4.ウルトラ戦士たちのサポート

ウルトラ戦士たちの再登場、そしてサポートも嬉しかったです。初代マン、セブン、帰りマン、エース、タロウ、レオ、アストラ、80・・かつて自分たちが守り抜いた地球のために集まり、太陽を覆っていた黒い物質を取り払ってくれましたが、必死になって光線を放つ姿からは地球への強い思いが感じられました。レオとアストラは、合体技であるウルトラダブルフラッシャーという光線技も見せてくれました。そしてゾフィー・・ゾフィーの出現シーンは初代マンそっくりでしたが、とにかく驚きました。

5.ゾフィーの人間体

そのゾフィーですが、最後にサコミズ隊長がゾフィーに変身(というか合体?)しました。最後に分離したことや、42話で明かされたサコミズ隊長の過去からすると、おそらくゾフィーはマックスとカイトの関係のように、一時的にサコミズ隊長と同化しただけと考えられます。なお、実はゾフィーが人間体と関わるのは今回が初めてではなく、過去にタロウ33・34話で大谷博士の姿を借りていました。(その時の敵は、テンペラー星人)

6.エンペラ星人

48話レポで触れた、エンペラ星人の悲しい過去・・はるか昔、ウルトラの星同様、母星の太陽の光を失う危機に遭遇、ただ一人生き残ったという過去を持ち、誰よりも光を憎むようになったとのことですが、エンペラ星人の過去はウルトラマンヒカリとも似たところがあります。ヒカリの方はメビウスなどの仲間がいたからこそ、優しさを取り戻すことができたといえますが、ただ一人となったエンペラには、心の支えとなる存在がなかったのでしょう。47話で自分の部下であるメフィラス星人すら、役に立たなくなると殺してしまう・・エンペラ星人の心は、まさに孤独そのものであったといえるでしょう。

一人きりのエンペラと皆が一丸となって戦ったウルトラマン&GUYS・・その差は歴然でした。エンペラ星人は最後に「余はウルトラマンに負けたのではない。そうか、人間のちっぽけな希望という光に・・ウルトラマンと人間の絆に負けたのか・・」という言葉を残しましたが、エンペラ星人は最期の時になって初めて本当に大切なものに気づいたのかもしれません。「余が光になっていく・・」と言いながら消滅したエンペラ・・光を憎みつつも、本当は光が欲しかったのかもしれません。

7.ミライの妹カコ、そしてファントン星人

カコ、そしてファントン星人も一緒になって戦いを見守ってくれました。今回は特に活躍の場面はありませんでしたが、無事でいてくれただけでも良かったです。特にカコは36話で自分がレポを担当したこともあり、非常に気がかりでしたが、今回もミライの体を気遣う優しさを見せてくれ、本当に嬉しかったです。カコは本当にミライの妹になったといえるでしょう。

8.GUYS隊員たちの夢

3話レポ以来、ずっと気にしていたことがありました。それは、GUYS隊員たちの夢でした。ジョージ、マリナ、テッペイ、コノミはGUYSとは別に自分の夢を持っていました。彼らは決して、自分自身の夢を捨てることはありませんでした。彼らが自分の夢を捨てなかったことは、とても嬉しかったです。最後に隊員たちの未来が描かれましたが、シュートを決めるジョージ・・レースで優勝して喜ぶマリナ・・医者になったテッペイ・・保育園で働くコノミ・・GUYSを離れ、自分の夢をつかんだ彼ら4人は本当に輝いていました。GUYSに残ったリュウは隊長服を着ていましたが、彼もまた自分の夢に向かって歩き続けているといえると思います。

9.心からの言葉

「ありがとう・・」最後のミライとリュウの言葉ですが、本当にそれぞれの心が込められていました。ミライは1話で地球に来る時に、ウルトラの父から人間について「彼らと触れ合うことで、君も兄弟たちのように、大切なものを手にできると私は信じている。」と言われました。そしてミライは地球人との触れ合いの中から、まさに大切なものを手に入れました。その感謝の気持ちが「今までありがとうございました。」という言葉に込められています。また、ミライは地球に来たばかりの時、赤い風船を失くした女の子に風船を手渡しますが、その女の子から「ありがとう」という言葉を聞きます。「ありがとう・・」はミライにとって、特別な言葉かもしれません。

そしてリュウ・・29話でミライがメビウスであることを知って以来、自分の方がミライに「ありがとう・・」と言わなければならないと思い続けていました。そして、ついにその時が来ました。

10.最終話について

この最終話・・本当に様々な思いが結集した回となりました。実は第1話と第3話の中に、早くも最終話を意識していると思わせるような伏線的なエピソードが散在しており、驚かされます。比較的爽やかな最終話でしたが、最後の別れのシーンは本当に切なく、たまらなくなりました。ウルトラマンと人間の絆・・ミライとGUYSメンバーたちの友情・・心に残る最終話となりました。

ウルトラマンメビウス総括考察

1.主役は全員(人間ドラマとしてのメビウス)

「ウルトラマン」という番組においては、主役はウルトラマンとそれに変身する人間(あるいはウルトラマンの人間体)であることは言うまでもありません。ところが、主役に対するスポットの当て方はいろいろで、例えば初代マンにおいては、「真の主役は怪獣である」というマニアの分析もあります。主役を中心とした人間ドラマが前面に出てきたのが「帰ってきたウルトラマン」で、この作品においては、主役の郷秀樹を中心にストーリーが展開されていきます。帰りマンが最初の「人間ウルトラマン」といわれるのはこのためです。

平成になると、ティガ・ダイナ・ガイア・コスモス・ネクサスと人間ウルトラマンのドラマが続きます。マックスにおいては、原点回帰ということもあって前半は初代マンのテイストで、後半になるとカイトとミズキの恋愛がからんでティガ的なテイストがミックスされました。そのティガについてですが、アニメの「ウルトラマンUSA」や仲良く帰っていった80とユリアンを除けば、初めて主役が恋愛においてハッピーエンドを迎えた作品であると共に、主役の長野博さんが多忙であったことで、脇を固める隊員たちに相当焦点が当たったドラマとなり、独特の世界を築きました。

メビウスはどうだったかというと、ミライ自身がメビウスであり、「人間ウルトラマン」とは言いにくいのですが、ミライ自身も悩んだり苦しんだりし、人間ドラマ的な要素が数多くありました。また、GUYの隊員たち、ミサキ総監代行、トリヤマ補佐官、マル補佐官秘書などにスポットが当たった回が多くあり、明らかにティガ型でした。メビウスにおいてはメンバーが皆、魅力的で個性的でしたが、それぞれが交代で主役となってドラマが展開され、個々の個性が輝きました。最終話・・まさに全員が主役でした。

2.魅力あるキャラクターたちと心に残る言葉

その魅力ある個性的なキャラクターと、それぞれが残した心に残る言葉を振り返ってみます。

(1)ミライ:まさに「不思議ちゃん」です。不器用ですが、とにかく純真で心の優しいところを見せてくれました。過去のヒーローにはなかったような宇宙人独特の世間知らずぶりも、とても微笑ましかったです。心に残る言葉は、「地球の人たちは、ウルトラマンメビウスを必要としてくれました。その思いに僕は応えたい。」(49話)です。

(2)リュウ:「熱血バカ」・・^ ^; 前半は問題発言・問題行動が多かったリュウですが、後半になって本当に成長しました。心に残る言葉は、「俺たちにかなえられない夢なんてない。たどりつけない未来もない。」(最終話)です。

(3)マリナ:一見クールなように見えて、ものすごく芯が強く、自分の悲しみをこらえてでも他人を思いやる優しさを見せてくれました。また、あだ名をつける天才でもあります。心に残る言葉は、「私は大丈夫。会えなくても大切な人は傍にいてくれる。」(23話)です。

(4)ジョージ:あの手品のような花、いつも持ち歩いているのでしょうか。孤高のプレイヤーと言われていても、本当に心の優しい持ち主です。心に残る言葉は、「俺の一番最初の夢は(中略)ウルトラマンになって、この地上で懸命に生きている人たちの、ささやかな幸せを守ることだった。」(45話)です。

(5)テッペイ:怪獣博士。一見頼りなさそうに見えて、しっかりと考えて勇気ある行動がとれます。同じく優しい心の持ち主で、心に残る言葉は、「僕は変わらない同じ一本の道を歩いているんだと思う。医者もGUYSも、どちらも同じ人の命を守る仕事なんだ。僕はいつか必ず医者になる。」(14話)です。

(6)コノミ:弱そうに見えて、ここ一番で勇気ある行動を取ってきました。他のメンバー同様、優しい心の持ち主です。心に残る言葉は、「信じたかったの。時間が人を変えるとしても、変わらないものだってあるって。だって、彼がくれた言葉は、ずっと変わること無いもん。私にとって、宝物だったの。」(28話)です。

(7)トリヤマ補佐官:トリピー・・歴代の防衛チームには見られなかった存在です。失敗も多かったけど、愛すべきキャラでした。ここ一番では頼りになるところも見せてくれました。心に残る言葉は、「私は知っている、日比野ミライという青年を。彼は不器用だが、誰より一生懸命・・誰よりも優しく、誠実だ。彼は私のかけがえのない部下だ。」(48話)です。

(8)マル補佐官秘書:トリヤマ補佐官といいコンビでした。単に従うのではなく、からかったりして楽しませてくれました。心に残る言葉は、「大丈夫。ここは私たちの思い出の場所でもあるんだ。」(最終話)です。

(9)サコミズ隊長(総監):優しく隊員たちを見守ってきました。心に残る言葉は、総監であることが明かされた時の言葉で、「一緒にいたかったからだ。私もウルトラマンと一緒に戦いたかった。君たちとともに。」(48話)です。

(10)ミサキ総監代行:優しく、人の心を大事にする総監代行です。重い責任を担い、笑顔の下に強い決意が隠されていました。心に残る言葉は、「私は今日、最高のチームとミッションを共にしました。 あなたの笑顔が誰かの希望になる、総監はそうおっしゃいましたね。 けれど私は気付いたのです。 彼らの存在が、私の笑顔の糧となっているということに。彼らと共にこの地球を守れることを私は誇りに思います。」(26話)です。

(11)その他のキャラが残した印象的な言葉

・アライソ整備長:「いずれは自分の一生をかけて悔いのないものを自分で見つけ出さなきゃならねぇ。思っているほど、人生は長くはねぇんだ。」(38話)

・勇魚:「一期一会だ。出会いは一度きりだ。だから今、側にいる仲間を精一杯大事にしな。」(38話)

・アヤ:「君は私のナイトなんだよ。だから今度も救ってくれなくちゃダメなんだから!ウルトラマンは絶対に負けない、白馬の騎士なんだから!」(44話)

3.GUYSメンバーたちの友情

GUYSのメンバーたちの番組スタート時点での年齢設定が、リュウとジョージが20歳、マリナとテッペイが19歳、コノミとミライ(外見年齢)が18歳ということで非常に近く、なおかつメンバーのほとんどがルーキーという共通のバックがあるため、これまでの防衛チーム以上に友達感覚という雰囲気になったと思いますが、本当に友情という点では、強い結びつきがありました。互いに気遣いながら、助け合っていく・・しかも決して馴れ合いではなく、真に相手のことを考えて行動していたと思います。

4.メビウスにおける恋愛

メビウスにおいて、いくつか恋愛的なエピソードが見られました(ジョージとアサミ博士、マリナの嫉妬?(25話)、コノミと幼なじみのスザキ(28話)、テッペイとミサ(33話)、ミライとアヤ(43・44話))。とはいえ、全体的には抑え気味という感じでした。これは、主役のミライ自身がウルトラマンであり、地球人女性との恋愛を設定するのが難しかったということが大きいとは思いますが、やはりメビウスはGUYSメンバーたちの友情を軸に置いた作品だったということだと思います。

恋愛という点で心に残ったのは、やはりアヤのミライへの想いでした。劇場版でメビウスに助けられ、その時にメビウスがミライであることに気づいたアヤの心情はどうだったのでしょうか・・43話でミライとメビウスの関係を確かめた時、彼女のミライへの想いもまた決定的になったと思います。44話の最後のキスシーンは彼女の想いがストレートに出ていましたが、でもミライとは結ばれない・・個人的には、アヤには最後までミライを見守っていてもらいたいと思っていましたが、姿を消すように神戸へ帰っていってしまったアヤの心情を考えると、本当に辛くなってしまいます。43話・44話でのミライとのデートは、アヤにとっては本当につかの間の、ミライとの貴重な時間となりましたが、心の中に消すことのできない想い出として、アヤの心の中に残り続けると思います。

5.ミライ(メビウス)と隊員たちの成長

メビウスは、ルーキーのウルトラマンであるミライの成長物語といえます。第1話でいきなりウルトラの父から「今より君はウルトラマンだ。」と言われ、ウルトラマンという言葉という意味もよくわからなかったメビウス・・

その彼が人間たちとの触れ合いの中で成長していく・・それがこの作品のテーマといえます。ミライは最終話でサコミズ隊長から「これで君もウルトラ兄弟の仲間入りだね。」と言われますが、この言葉にはミライの成長を皆が認めていることが表れており、メビウスは「真のウルトラマン」になったといえます。

また、メビウスという作品はミライだけでなく、隊員たち全員の成長物語でもあったといえます。GUYSのメンバーたちは皆、本当に人間的に成長しました。最終話でジョージがミライに「いい顔してるぜ、アミーゴ。」と言いますが、ジョージも含めてGUYSのメンバーたちも皆、いい顔をしていました。自分が持っていた夢をあきらめずに追い続け、それをつかんだ彼ら・・GUYSにおいて、どんな苦難にも打ち克てる心の強さと本当の優しさを身につけたからこそ、あきらめずに自分の夢をつかむことができたのだと思います。GUYSでの経験は、彼らにとってはきっと決して忘れることのできない非常に貴重なものであり、大切な思い出であり続けると思います。

6.もう一人の主役、ウルトラマンヒカリ(ツルギ)

メビウスと並んで、もう一人の主役といえるのがヒカリ(ツルギ)でした。ヒカリサーガ1・3のレポを担当したこともあり、彼にも愛着があります。彼の過去はヒカリサーガ1で詳しく語られましたが、大切なアーブの生命体たちをボガールに殺された彼は、「優しさ」という心の中の光を失い、ただ復讐のために戦う者になってしまいました。そんな彼を再生させるきっかけとなったのが、メビウスとの出会いでした。「心は簡単には捨てられない。」というミライの言葉(10話)は、彼が失った大切なものを取り戻すきっかけとなりました。

復讐の鎧から解き放たれた彼はウルトラマンヒカリとして再生し、「優しさ」を取り戻していきますが、やがて邪悪な心に負けない「心の強さ」を身につけ、ヒカリサーガ3で「勇者の鎧」(見かけは全く同じ鎧)を身につけました。純粋でまっすぐなミライという主役とは別に、ヒカリ(ツルギ)という存在があったために「心の中の光」の大切さがはっきりと浮かび上がりました。最後の戦いで大きな役割を演じたヒカリ・・彼もまた「真のウルトラマン」であり、GUYSのメンバーたちと共に合体した彼は、大切な仲間の一人でした。

7.客演ヒーローたち

劇場版やヒカリサーガも含めると、多くのウルトラ戦士たちが再登場しました。特に昔からのウルトラファンの方々にとってはとても懐かしかったかと思います。登場した戦士たちについて、振り返ってみます。

(1)初代マン:最初のウルトラ戦士です。初代マンの最終話では、ハヤタと分離して地球を去りました。ハヤタの姿で現れたのは人間体でハヤタそっくりになったか、本人に了解を得て再合体したかのどちらかが考えられます。「我々ウルトラマンは決して神ではない。」劇場版での言葉は印象に残ります。

(2)ゾフィー:これまでサポート役が多かったゾフィーですが、42話で「やがて君たちも我々と肩を並べ、星々の狭間を駆ける時が来るだろう。それまでは、我々が君たちの世界の盾になろう。」と地球を守るという意思を明確にしました。最終話、サコミズ隊長と共に皆をバックアップしました。

(3)セブン:「大切なのは、最後まであきらめないことだ。どんなに辛い状況でも、未来を信じる心の強さが不可能を可能にする。信じる力が勇気になるんだ。」という劇場版の言葉は、とても心に響きました。セブン最終話で、体がボロボロになりながらも、アマギ隊員を救出し、パンドンを倒したセブン・・まさに不屈の精神を持つ戦士でした。

(4)帰りマン:45話で「ウルトラマン」と「ウルトラマンジャック」の二つの固有名前が同時に認知された形となりました。「人間を愛するには、人間を知らなければいけない。人間の強さも弱さも、美しさも醜さも・・」という言葉には、かつて「怪獣使いと少年」の回で人間の勝手さに怒りを感じたり、ナックル星人によって大切な恋人や兄同然であった坂田兄妹を失うなどの辛い過去を背負った郷秀樹ならではのものを感じました。

(5)エース:北斗星司は南夕子と合体変身してエースになりましたが、月の住人である南夕子は途中で月に帰ってしまいました。44話の月での再会シーンは、ファンにとってはたまらなかったと思います。「離れ離れになっても、彼女の意思が俺の中にいた・・」(北斗)そして「私も星司さんをずっと近くに感じていたから・・」(南)という二人の言葉は、時を超えて二人を結びつけました。

(6)タロウ:今や教官・・強さを見せてくれました。30話の戦いでは、自分の身を犠牲にしてもインペライザーを倒そうとするところに、変わらぬ地球の人々への思いが出ていました。

(7)レオ:かつて故郷の星を失い、仲間のMAC隊員たちや、親しかった猛やカオル、さらに恋人的存在であった山口百子まで失い、帰りマンの郷以上の苦しみ・悲しみを背負ったゲン(レオ)は、最終話で美山家の人々との触れ合いの中で、地球が自分の故郷になったと実感します。それが34話の「この地球は俺にとって第二の・・いや本当の故郷だ」という言葉につながり、重みのある回となりました。

(8)80:かつての教え子たちの矢的先生(80)への思い・・感動的でした。時を超えた生徒たちとの再会シーンは、生徒たちに説明できずに教壇を降りたことを悔いていた矢的猛と、彼を慕う生徒たちの両方にとっての最高のプレゼントとなり、「もう一つの80最終回」といえるものでした。

(9)その他:サンタクロースの季節に強さを見せたウルトラの父(37話)、ツルギを復讐の鎧から解き放ったウルトラの母(11話)、その彼にナイトブレスを授けて遠くから見守っていたキング(ヒカリサーガ)は、いずれも重みのある活躍を見せてくれました。そして、アストラも最終話に助けに来てくれました。

8.自分たちの思い出のウルトラマン

41話で80を見たかつての教え子たちは「ウルトラマン」「80!」「俺たちの」「ウルトラマンだ!」と口々に叫びます。また、45話で帰りマンを見た、きくち電器商会の社長は、「ウルトラマンが帰ってきた!」と喜びます。自分にとっての「ウルトラマン」は、まさに人それぞれですが、メビウスにおいては本当に様々な思い出を運んできてくれました。かつては、ファンの間で第1期と第2期の作品の良し悪しについて、様々な意見が交わされましたが、結局は人それぞれの思い出が最も重要だと考えています。メビウスでは客演ヒーローの出番が多かったのですが、それぞれのファンの思い出を大切にしてくれたと思います。

9.ウルトラマンシリーズ40年の集大成

M78星雲のウルトラ戦士たちが登場するのは、本当に久しぶりですが、登場しない回でも過去とのリンクを思わせる場面が数多く散りばめられていて、過去の作品を思い出すきっかけとなりました。埋もれそうになっていた過去の作品がクローズアップされたことによって、過去の作品が再評価されることにつながったと思います。(特に第2期の作品群については、それがいえると思います。)

しかしながら、過去とのリンクを思わせるような場面は、昭和シリーズだけではありませんでした。さりげなく、平成シリーズとのリンクを思わせるような場面も多く散りばめられていました。また、平成シリーズのテイストも上手くミックスされていたと思います。ウルトラマン誕生40周年記念作品であった「ウルトラマンメビウス」・・この作品は、まさにウルトラマンシリーズ40年の集大成といえるものでした。

10.最後に

40周年の記念の年に、このような素晴らしい作品に出会えて、本当に幸せでした。制作サイドの方々、 出演者の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。最初にレポ担当の話がきた時は、正直言って難しいな、 と思って躊躇しましたが、今はやって良かったと心から思っています。レポをやるのは大変で、 睡眠時間を削ったり、短い時間の中で必死になって調べたりで、相当苦労しました。

それでも、レポを書くのは楽しくもあり、その中から大切な何かを学ぶこともできました。 管理人のレイゴさん、他のレポ担当の棺桶のジョーさん、 T2−Oさんには同じ苦労をした仲間として親近感を感じており、また感謝もしています。そして、コメントや励ましの言葉をいただいた多くの皆様にも大変感謝しており、この場をお借りして御礼を申し上げたいと思います。メビウスは終了しましたが、ウルトラが今後も発展し、いつかまた皆様方と集うことができる日を大変楽しみにしています。1年間、ありがとうございました。

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